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カルチャー | TOKYO HEADLINE - Part 12
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こんな時代だからこそ演劇が見たい 音楽劇『GREAT PRETENDER グレートプリテンダー』

2021.07.14 Vol.743

 キスマイことKis-My-Ft2の宮田俊哉が主演する音楽劇。映画『コンフィデンスマンJP』などで知られる古沢良太が脚本・シリーズ構成を手がけた人気アニメ『GREAT PRETENDER』を舞台化、演技、歌、ダンスで届ける、コンフィデンスマン(詐欺師)たちと悪党のコンゲームだ。

 宮田演じる自称日本一のコンフィデンスマンのエダマメは、ひょんなことから詐欺師のローランに出会い、ハリウッドの映画プロデューサーをターゲットにした計画に加わることになる。しかし相手も慣れたもので、さまざまな提案を突き付けられ、窮地に立たされたエダマメは……。

 原作から飛び出してきたような宮田は、休憩を含んで約2時間半、ほぼ出ずっぱり。滝のような汗をかきながら、はったりをかまし、騙す。……そして騙される…?

 宮田のパフォーマンスも去ることながら、美弥演じるローランは、騙されてもいいほどのイケメンっぷり。原作にはない役どころの加藤が担当する面白パートもポイント。

 ドキドキハラハラの展開に、心が締め付けられるパートも。情報マシマシながら物語がスッと入ってくるのは秀逸!

【明日何を観る?】『83歳のやさしいスパイ』『100日間生きたワニ』

2021.07.11 Vol.743

『83歳のやさしいスパイ』

 妻を亡くし新たな生きがいを探していた83歳の男性セルヒオがスパイに採用。依頼内容はある老人ホームの内偵。依頼人は母が虐待されているのではないかという疑念から、毎日、ホームでの生活の様子を誰にも気づかれずに報告してほしいという。セルヒオはスパイとなって老人ホームに「入居」するが…。

監督:マイテ・アルベルディ 出演:セルヒオ・チャミー 他/1時間29分/アンプラグド配給/シネスイッチ銀座他にて公開中 83spy.com

【明日は何を観る?】『ブラック・ウィドウ』『唐人街探偵 東京MISSION』

2021.07.10 Vol.743

『ブラック・ウィドウ』

 ブラック・ウィドウの前に突如“妹”エレーナが現れる。姉妹は、自分たちを暗殺者に育てたスパイ組織レッドルームの秘密を知ったことで命を狙われる。唯一の味方は、かつて組織が生み出した“偽りの家族”だけ。だが、この家族の再会によって、レッドルームの恐るべき陰謀が動きだす。

監督:ケイト・ショートランド 出演:スカーレット・ヨハンソン 他/ウォルト・ディズニー・ジャパン配給/公開中 marvel-japan.jp/BlackWidow

こんな時代だからこそ演劇が見たい『物語なき。この世界』

2021.07.10 Vol.743

 本作は最近では映像の世界でも脚光を浴びる脚本家・演出家の三浦大輔の3年ぶりの書き下ろし作品。三浦はシアターコクーンには2015年にブラジル演劇の巨匠ネルソン・ロドリゲスの『禁断の裸体』の演出で初登場。2018年には自作の『そして僕は途方に暮れる』でエロスや暴力シーンを封印し、精緻なセリフで微妙な人間関係を演出し新境地を開いた。

 その後は映画、テレビドラマと映像の世界での作品が続いたが、今回は満を持しての演劇作品となる。

 今回の舞台は新宿歌舞伎町。10年ぶりに歌舞伎町のうらぶれた風俗店で偶然再開した売れない俳優と売れないミュージシャン。その出会いは「運命」というには間抜けすぎる出来事。自分の人生に「ドラマ」など起こるはずはないと諦めの気持ちを持つ平凡な2人だったが、この出会いをきっかけに2人に突然大きな事件が降りかかる。

 こう書くと「ドラマ」や「事件」を中心に描かれているように見えるが、三浦が描くのは「そもそも『物語』など存在するのか?」ということ。

「都合のいい出来事ばかり並び立てる」ことに違和感を感じる三浦がキレイごとやメッセージなしで、この世界の矛盾を暴く作品となる。

料理家・谷尻直子と建築家・谷尻誠が夫婦でトーク『HITOTEMAのひとてま 第二幕』ができるまで

2021.07.09 Vol.743

 スタイリストを経て料理家となり、現在は渋谷区の予約制レストラン「HITOTEMA」を主宰する谷尻直子。新刊『HITOTEMAのひとてま 第二幕』(主婦の友社)の刊行を記念し、夫で「HITOTEMA」の空間設計に携わった建築家の谷尻誠氏と同店から配信イベント「HITOTEMAのいま」を行った。主催は六本木 蔦屋書店。

“現代版のお母さん料理”をコンセプトに、週に一日だけ開店する「HITOTEMA」のレシピをまとめた書籍の第2弾。谷尻は「一作目から2カ年を経て、特にお客様に喜んでいただけたレシピをまとめたいなという思いで出版を決めました」といい、誠氏に「私が料理に興味を持ったのはかなり小さな頃ですが、それを仕事にするという思いはまったくなかった。誠さんに出会って『お店をやったらいいんじゃない?』と言ってくれて、この人が私を信じてくれるから、私にその力があるんじゃないかと自分を信じることができたんです」と感謝を述べた。

ヤンキー&タイムリープ×胸アツのリベンジエンターテインメント『東京リベンジャーズ』

2021.07.09 Vol.743

 2017年に「週刊少年マガジン」で連載が開始されるやいなや、“ヤンキー×タイムリープ”という斬新な設定や仲間たちとの熱い絆、手に汗握るスリリングなストーリーが読者の心をつかみ、瞬く間に超人気作となった和久井健によるコミック「東京卍リベンジャーズ」を、最も旬な実力派俳優をそろえ実写化!

 主人公・タケミチを演じるのは、原作の愛読者でもあるという人気俳優・北村匠海。一番好きなキャラクターだという主人公タケミチを熱演。東京卍會“トーマン”のNo.1でありタケミチの人生に大きな影響をもたらすことになる、無敵のマイキーこと佐野万次郎役に吉沢亮。トーマンのNo.2としてマイキーを支えるドラケンこと龍宮寺堅役に山田裕貴。死んでしまった姉ヒナタを救うため現代で奔走する警官の橘直人に杉野遥亮。タケミチの人生唯一の彼女ヒナタ(ヒナ)に今田美桜。さらに、タケミチの人生を狂わせた不良キヨマサこと清水将貴役に鈴木伸之。さらに、眞栄田郷敦、清水尋也、磯村勇斗、間宮祥太朗といった旬な若手実力派が集結。監督は『あさひなぐ』『映画 賭ケグルイ』シリーズのヒットメイカー英勉。“ヤンキー&タイムリープ”という2大要素を軸にしながらも、誰もが心震わせる胸アツな人間ドラマを生み出した。

 コロナ禍により撮影を2度中断するなど困難に直面しながらも、オールスターキャスト&スタッフ陣が熱い思いで乗り越えて完成させた渾身の一本。

LGBTを自分ごとにする映画『ぼくが性別「ゼロ」に戻るとき』が川越スカラ座で上映決定

2021.07.06 Vol.web Original

 2019年に公開され映画誌やSNSで「ドラマを超えたストーリー」「驚きのエンディング」「新たな真実が描かれる」など話題となったドキュメンタリー映画『ぼくが性別「ゼロ」に戻るとき 空と木の実の9年間』が、埼玉県川越のスカラ座で劇場公開することが決定した。

人生はジェットコースター? メリーゴーラウンド?【オススメDVD & Blu-ray】

2021.07.02 Vol.742

『どん底作家の人生に幸あれ!』

 主演のデヴ・パテルがゴールデングローブ賞(コメディ・ミュージカル部門)で主演男優賞にノミネートされたほか、各国の映画祭で絶賛された話題作。『スターリンの葬送狂騒曲』のアーマンド・イアヌッチ監督が英国の人気俳優をそろえ、巨匠ディケンズの半自伝的小説を新たな視点で描く、笑って泣けるエンターテインメント。

 デイヴィッドは少年のころ、周囲の“変わり者”たちのことを書き留めては、空想して遊んでいた。優しい母と家政婦の3人で幸せに暮らしていたが、暴力的な継父の登場によって人生が一変。都会の工場へ売り飛ばされ強制労働させられる。どん底の中でたくましく成長した彼は母の死をきっかけに工場から脱走し…。

 

【明日は何を観る?】『ゴジラvsコング』

2021.07.01 Vol.742

『ゴジラvsコング』

 巨大怪獣の戦いによって壊滅的な被害を受けた地球。特殊機関モナークは未知の地で巨大怪獣のルーツの手がかりをつかもうとする。そんな中、またもやゴジラが出現。対抗措置として髑髏島から連れ出されたコングと激突する。

監督:アダム・ウィンガード 出演:アレクサンダー・スカルスガルド他/1時間54分/東宝配給/7月2日(金)より公開 https://godzilla-movie.jp/

古田新太と尾上右近がダブル主演『衛生』~リズム&バキューム~

2021.06.29 Vol.742

 舞台は昭和33年。水洗トイレが普及する前の汲み取り業者「諸星衛生」は、地元の政治家をバックにつけて、のし上がってきた。かつてのライバル業者が逆襲のタイミングを狙っていて…。

 古田新太と尾上右近がダブル主演することで、注目を集めているミュージカル。「善人不在」「悪者たちの爽快ミュージカル」をキーワードに、排泄物を扱う業者一家の悪行三昧を、ポップかつグロテスクに、どこかあっけらかんと描く。社長を古田、その息子を尾上が演じる。地元の政治家を六角精児、ともさかりえがかつてのライバル業者で登場する。

 脚本・演出は、2018年に『あたらしいエクスプロージョン』で岸田國士戯曲賞を受賞し、人気を博したドラマ『あなたの番です』を手掛けた福原充則。「強くて魅力的な悪い奴らを、音楽に乗せて、みなさまの脳天にむかって唐竹割りしながらお届けできたら」と力強くアピール。音楽は水野良樹(いきものがかり)が担当しており、「悪も正義も、汚いものも美しいものも、本音も取り繕いも、すべてが混濁して混ざり込んでいるような、まさしく人間らしい主題曲」と意欲を燃やしており、楽しみだ。益田トッシュも同じく音楽を担当する。

 大阪、福岡でも公演がある。

家族をテーマに扱った作品群の中の一作 世田谷パブリックシアター『森 フォレ』

2021.06.28 Vol.742

 世田谷パブリックシアターでは2014年からレバノン出身の気鋭の劇作家ワジディ・ムワワドの“「約束の血」4部作”をシリーズで上演してきた。これまでの『炎 アンサンディ』『岸 リトラル』は数々の演劇賞を受賞した。今回はその待望の第3弾となる。過去2作に引き続き、上村聡史が演出を手掛ける。 

 ムワワドはレバノン生まれで内戦を経験。フランス、次いでカナダに亡命後に再びフランスへ渡り精力的な演劇活動を続けている劇作家。自己の体験から戦争を背景に自らのルーツをたどる作品を多く発表しているのだが、代表作である“「約束の血」4部作”は家族をテーマに扱った作品群で、その中の一作が2006年に創られた『森 フォレ』。

 母の死により自らのルーツをたどることになる少女の成長が、人々が繋げる「血の創生」に着目しながら、6世代と2大陸にまたがる壮大な時空間の中に立ち上がる構成。時は現代からベルリンの壁崩壊、第二次世界大戦、第一次世界大戦、普仏戦争、産業革命後のヨーロッパまでさかのぼり、二つの世紀をまたぎ、娘から母へ、母から祖母へ、祖母からまたその母へと、戦争の世紀に押しつぶされた声なき人たちの声を現代に響かせる。

 140年にもわたる“血”の物語をひも解くフランスの古生物学者役を成河が、母の死をきっかけに自身のルーツをたどる女性を瀧本美織が演じる。

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