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カルチャー | TOKYO HEADLINE - Part 13
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作家・辻仁成が息子に伝えるための渾身の家庭料理集『父ちゃんの料理教室』

2021.06.25 Vol.742

 息子が小学生の時に離婚し、シングルファーザーとなった芥川賞作家の辻仁成。本書はフランス在住の著者が、現在高校生となる息子にロックダウン下のパリの台所で始めた料理教室がベースとなっている。だが、いわゆる料理本を想像してページをめくると、予想外の構成に驚いた。

 たとえば、冒頭の「フランス風イカめし」の書き出しからしてこうだ。「あのね、なぜ生きるのはこんなに大変なんだろうって、思うことあるだろ?」本書は数字を順に振って、調理工程を説明しているといったレシピではない。親子の会話を通し、生きるとは、食べるとは、料理とは何かが描かれているのだ。工程の文章が文学的、会話調といったレシピ集はあるけれど、これはキッチンに救われたという作家が息子に伝えるための渾身の家庭料理集である。

 ひとつの料理につき3〜4ページの読み物と、最後に材料の表記があり、料理に託された生活の知恵が自然と身につく。著者本人が撮影したという写真がまた、あたたかみがあってすこぶるおいしそうだ。

【明日は何を観る?】『夏への扉 -キミのいる未来へ-』『ピーターラビット2 バーナバスの誘惑』

2021.06.24 Vol.742

『夏への扉 -キミのいる未来へ-』

 科学者の高倉宗一郎は亡き養父・松下の会社で研究に没頭していたが、研究の完成を目前に罠にはめられ、冷凍睡眠させられてしまう。目を覚ますと、そこは30年後の2025年の東京。宗一郎は研究も財産も失い、家族のように思っていた松下の娘・璃子は謎の死を遂げていた。

監督:三木孝浩 出演:山﨑賢人、清原果耶 他/1時間58分/東宝、アニプレックス配給/6月25日(金)より公開 https://natsu-eno-tobira.com/

TSUTAYAプレミアム動画配信おすすめラインアップ!『彼はサイコメトラー 』『カウントダウン』

2021.06.23 Vol.742

話題の映画や気になる海外ドラマ、チェックしておきたかったあの音楽に、話題のコミックス——。TSUTAYAのレンタルなら気軽にたっぷり楽しめます。さて今月のおすすめは……?

これでも刺激が足りないか? 読めば心拍数が上がるアツい最新コミックス『バキ外伝』『化物語』『ジョジョリオン』

2021.06.22 Vol.742

話題の映画や気になる海外ドラマ、チェックしておきたかったあの音楽に、話題のコミックス——。TSUTAYAのレンタルなら気軽にたっぷり楽しめます。さて今月のおすすめは……?

『10年かかって地味ごはん。』10万部突破記念!和田明日香が感謝を込めて読者30名とオンライン飲み会開催

2021.06.21 Vol.742

 料理家で食育インストラクターの和田明日香が今年4月に出版した書籍『10年かかって地味ごはん。』(主婦の友社)が、発売から1カ月で累計発行部数10万部を突破するベストセラーとなったことが分かった。

 料理愛好家の平野レミの次男と結婚するまでは料理歴ゼロで、「キャベツとレタスは同じ葉っぱだと思っていたほど料理音痴だった」という和田。結婚後に毎日の食事を作り始め、現在では家族5人分の夕飯4品を、早炊きモードでお米が炊けるまでの36分間で作ることが可能なのだとか。そんな和田が迷わずおいしい料理を作れるようになるまでの長い道のりを思い出し、家族のために作り続けたレシピを「遊びに来た友達に話す感覚で書いた」のが本書。

「10年料理をし続けて、辿り着いたのは、名もなき地味なごはんばかり」という、茶色っぽい色合いの一見地味な料理たち。家族の歴史が詰まった懐かしくもしみじみおいしそうなレシピは、発売前に2度の重版が決定するなど料理好きから初心者までハートをわしづかみし、その後も順調に売れ続けた。

「明日香風の定番料理」「毎日開店! 居酒屋 和田屋」「家族が大好きな野菜料理」「和田家のキッチンへようこそ」の4章立てで、家庭料理からおつまみ、よく使う調味料やストック食材まで網羅。レシピ名も「たどり着いた肉じゃが」「わたしの都合の油淋鶏」「デジコギ?って言うの?」「今ちょうどいいおひたし」と親しみやすく、玉ねぎを炒める工程は「お肉やじゃがいもにとろとろ玉ねぎが絡む姿を想像しながら根気よく。」など、語りかけるようなやさしい文章もポイント。

 同書の10万部突破を記念し、30日まで「#地味なのは和田さんのせい」SNS投稿キャンペーンを開催。応募者の中から抽選で30名を著者の和田と過ごす〈一夜限りでオープン! オンライン居酒屋「和田家」で暑さを取っ払おう!〉へ招待、さらに応募者全員に書籍に未掲載の“地味ごはんレシピ”1品分のPDFがプレゼントされる。イベントの様子は後日YouTube「主婦の友チャンネル」にて公開予定。

劇団フライングステージの子どもと大人のフライングステージ『アイタクテとナリタクテ/お茶と同情』

2021.06.20 Vol.742

「劇団フライングステージ」は、「ゲイの劇団」であることをカミングアウトしている日本では数少ない劇団の一つ。1992年の旗揚げ以来、作・演出・出演の関根信一を中心に、「ゲイ」であることにこだわった芝居を作り続けている。

 今回上演される作品は、昨今、LGBTQを描いたドラマや映画が多く作られるようになったなかで「子ども向けの演劇作品があってもいいじゃないか」と考えた関根が書き上げたもの。過去に上演された『アイタクテとナリタクテ』と『お茶と同情』の2作品と小学生以下の子供たちに向けた新作短編も上演する。

『アイタクテ——』は小学校を舞台としたお話。学芸会で上演するお芝居の配役を決める時に、男の子が人魚姫の役をやりたいと手を挙げたことからさまざまな問題が提起される。

『お茶と——』は高校の教育実習にやってきた卒業生のゲイの男子が主人公。大学ではカミングアウトしている彼は、生徒たちに自分がゲイであることを話したいのだが…。彼をめぐる教師と生徒たちの物語。

魂を揺さぶる重厚な人間ドラマ TRASHMASTERS vol.34 『黄色い叫び』

2021.06.19 Vol.742

 差別、エネルギー、災害、復興、憲法…トラッシュマスターズが作品の題材とするのはこういった現代社会が抱えるさまざまな問題。それらを見る者の魂を揺さぶる重厚な人間ドラマに仕立て上げる。

 作・演出の中津留章仁は綿密な取材を重ね、資料を読み込み、自分なりの考え方を確立したうえでそれらの問題にアプローチする。当然そこには中津留の思想と思われるものは顔を出すが、物語は決してそういったものを押し付けるものにはならない。それは登場人物たちの人生の一部分を切り取るのではなく、長いスパンで描くという彼らの手法も大きいと思われる。

 多くの作品は物語の端緒となる出来事から、それを経ての数年後の姿も描かれる。長い時間を経ての登場人物たちを取り巻く環境の変化や思想の変遷などを描くことで、前出したような問題は「善と悪」「賛成や反対」という単純な図式ではないことがさらけ出され、観劇後に「それで自分はどう思うのか?」と考えさせられるものとなっている。

 今回は台風による水害に苦しむ地方を舞台とした物語。東日本大震災を受け作・演出の中津留が筆を走らせた作品なのだという。

 東京公演の他に6月18〜20日に長野・上田、6月29〜30日に宮城・仙台でも公演を行う。

その時代を生きる人々の暮らしが見えてくる!「隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則」

2021.06.18 Vol.742

 日本が世界に誇る建築家・隈研吾の大規模個展。1952年に開館して以来さまざまな建築展を開催してきた同館において、開館以来初となる大規模な建築家の個展となる。

 アメリカのTIME誌にて「2019年世界で訪れるべき最も素晴らしい場所100選」に選ばれた《V&Aダンディー》や《国立競技場》の設計に参画するなど、現代日本を代表する建築家のひとりである隈研吾。

 本展では、世界各国に点在する隈作品の中から公共性の高い68件の建築を、隈が考える5原則「孔」「粒子」「斜め」 「やわらかい」「時間」に分類し、建築模型や写真、モックアップ(部分の原寸模型)などにより紹介。他にも映像作品や前庭に展示されるトレーラーハウスを合わせ、合計74件を展示。

 章の解説や作品解説はすべて隈本人によるもの。また、瀧本幹也や藤井光など第一線で活躍するアーティストによる映像作品で隈建築をさまざまな観点から見ることができる空間のほか、ネコの視点から都市での生活を見直すリサーチプロジェクト《東京計画2020(ニャンニャン)ネコちゃん建築の5656(ゴロゴロ)原則》(Takram との協働)も発表する。

 コロナ禍という難しい時代に、新しい公共性や未来の都市のあり方について考える機会となるはず。

【明日は何を観る?】『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』『モータルコンバット』

2021.06.18 Vol.742

『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』

「音を立てたら“何か”がくる」という極限の世界を生きるエヴリン一家。最愛の夫・リーと住む家をなくしたエヴリンは、産まれたばかりの赤ん坊と2人の子供を連れ、新たな避難場所を求めて旅立つ。“何か”に襲われ逃げ込んだ廃工場で謎の生存者エメットと出会う。

監督:ジョン・クラシンスキー 出演:エミリー・ブラント、ミリセント・シモンズ他/1時間37分/東和ピクチャーズ配給/6月18日(金)より公開 https://quietplace.jp/

【明日は何を観る?】『アオラレ』『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』

2021.06.17 Vol.741

『アオラレ』

 レイチェルは信号が青になっても停車していた前の車とトラブルになる。運転していた男から「運転マナーがなっていない」と謝罪を求められるが拒否して発進。しかしそのささいなことから想像もしていなかった恐怖に巻き込まれることに…。

監督:デリック・ボルテ 出演:ラッセル・クロウ、カレン・ピストリア他/KADOKAWA配給/全国公開中 https://movies.kadokawa.co.jp/aorare/

注目と話題は本物に出会うキッカケ【オススメミュージック】

2021.06.17 Vol.742

「Pale Blue」米津玄師

 米津玄師の最新シングルはドラマ『リコカツ』の主題歌として親しまれている『Pale Blue』。多くの人に愛され続ける楽曲を世に送り出し続けている米津だが、本作もその例にもれず、5月31日に配信開始されるなりオリコンランキングでは初登場1位をマークした。ラブソングを作りたいという気持ちが盛り上がっているタイミングでこのドラマの話があり、「ラブソングを作ってやるぞ!」と作り始めたこの曲は、愛とは何かと苦悩しながらも切なく美しく、心が動く楽曲に完成した。アートワークは米津自身が手がけている。

 

[J-POP ALBUM]ソニーミュージック 6月16日(水)発売 パズル盤(初回限定)2200円、リボン盤(初回限定)1980円、通常盤1210円(すべて税込)

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