『初恋』
天涯孤独ながら希有な才能を持つプロボクサーの葛城レオは負けるはずのない相手との試合でKO負けを喫し、試合後の診察で余命いくばくも無い病に侵されていることを知る。自暴自棄になったレオは繁華街で男に追われる少女に出会い…。
天涯孤独ながら希有な才能を持つプロボクサーの葛城レオは負けるはずのない相手との試合でKO負けを喫し、試合後の診察で余命いくばくも無い病に侵されていることを知る。自暴自棄になったレオは繁華街で男に追われる少女に出会い…。
セクシー女優で執筆活動をしていることでも知られる紗倉まなが2月26日、小説『春、死なん』の刊行記念会見を講談社内で行った。
劇団☆新感線は、旗揚げ40周年興行として伝奇時代劇『神州無頼街(しんしゅうぶらいがい)』を上演する。座付き作家である中島かずきによる、いのうえ歌舞伎の最新作で、福士蒼汰が主演。宮野真守とバディを組む。いのうえ歌舞伎は、歌あり踊りあり立ち回りありの冒険活劇で知られる。本作ではさらにそれを増幅した舞台になるという。
舞台は幕末。若くて優秀な“町医者”と、他人の揉め事に口出しすることで日銭を稼ぐ“口出し屋”の2人が、謎に満ちた侠客が仕切る“無頼(ぶらい)の宿(しゅく)”に、なりゆきで乗り込む。そこには彼ら2人とそれぞれに因縁浅からぬ人物が暮らしていて……。
主演の福士、そして宮野はそれぞれ、劇団☆新感線の『髑髏城の七人』Season月〈上弦の月〉〈下弦の月〉のダブルチームで主演を務めたが、今回はバディを組む。
若き町医者・秋津永流を演じる福士は、初舞台となった『髑髏城の七人』Season月について「自分の目の前にあること全てが新鮮でしたし、日々必死に吸収しようとしていたことを今でも鮮明に思い出します」とし、「またあの充実感に満ち溢れた濃密な時間を思うと、今から胸が高鳴ります」と気合が入っているよう。
口出し屋の草臥を演じる宮野は、「また劇団☆新感線さんの舞台に立たせていただける事になり、改めて、この事実に僕自身が、本当に本当に感謝です。福士くんと舞台に立てる喜び、そして、錚々たる豪華出演者の皆様と、作品づくりができる喜びを、噛み締めています。いのうえさん、かずきさんの想いに応えられるよう、そして、観に来てくださるお客様に楽しんでいただけるよう、全力で臨みますので、是非、応援してください!よろしくお願いします」。
ほか出演に、松雪泰子、髙嶋政宏、橋本じゅん、粟根まこと、木村 了、清水葉月。
演出のいのうえひでのりは、「より少年マンガ、より冒険活劇でワクワクできる、躍動感のある舞台にするつもりです。歌と踊りと、もちろん立ち回りもあり、そのすべてをショーアップさせて楽しい空気を出したい。舞台になるのは江戸末期、幕末なので、大概のものは日本に入ってきている時代でもありますから、なんでもアリ!の世界観で大胆に表現したい」と、コメントを寄せている。
9月に大阪のフェスティバルホールで開幕。 10月に東京建物Brillia HALLで東京公演がある。
東京芸術劇場では2009年に野田秀樹が芸術監督に就任以来、さまざまな自主企画による作品を上演している。その中に国内外の演出家が野田の戯曲に挑むというシリーズがあるのだが、今回は劇団・快快の野上絹代が『カノン』を演出する。
同作は2000年にNODA・MAPで上演されたのだが、浅間山荘事件をモチーフとした作品ということもあり大きな話題を呼んだ。作品では思想や理想、人間の本質、若者たちの焦燥感といったものが描かれたのだが、それは20年経った現在でも全く色褪せることはないもの。むしろ現在の日本の国内外で起きている現象や我々を取り巻く環境を鑑みると、今こそ上演する意義のある作品にも思える。
野上は5年前に東京芸術劇場の共催協力で行われた「演劇系大学共同制作」という企画でこの作品を演出。それを見た野田が「冴えわたった演出に吃驚し、再演をすればさらに磨きがかかるのではないかと思った」と発言。今回のシリーズ企画への抜擢につながったという。
なお6日の19時には追加公演が決定した。
劇作家で演出家、そして俳優としても活躍するノゾエ征爾が主宰を務める劇団「はえぎわ」の番外公演『お化けの進くん』が2月28日から東京・有楽町のニッポン放送 イマジン・スタジオで上演される。番外公演ではあるが、はえぎわの公演は約1年ぶり。今回は「“ミュージカルみたいな”作品」と言うノゾエに話を聞いた。
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今夏上演になる舞台『ボーイズ・イン・ザ・バンド~真夜中のパーティー~』の製作発表が22日、都内で行われ、主演の安田顕、大谷亮平、鈴木浩介らキャスト9名、演出を手掛ける白井晃が出席。安田は「オリンピックイヤーの夏を、白井さんの演出のもと、キャストのみなさんとともに過ごしたい。思い出に残る夏になるように頑張りたいと思う」と、意気込みを語った。
2016年、アメリカで視聴率NO.1を誇るニュース放送局「FOXニュース」の元人気キャスター、グレッチェン・カールソンが“テレビ界の帝王”として業界に君臨する同社CEOロジャー・エイルズを提訴。そのスキャンダラスな報道にメディア界に激震が走る。
2016年には亡き蜷川幸雄氏の遺志を継ぎ『1万人のゴールド・シアター2016』、昨秋の東京芸術祭では74人の出演者による野外劇『吾輩は猫である』の演出を手掛けるなど話題作が続くノゾエ征爾。
今回はニッポン放送のプロデュースで自ら主宰を務める劇団、はえぎわでの番外公演。ニッポン放送とは2016年の『其処馬鹿と泣く』に続き2度目のタッグとなる。
本作は「あんまり歌えない人たち」による「小さな空間」での「ミュージカルみたいな」作品で「音階」の概念が分からない男の子・進くんのお話となる。
SAKEROCKのメンバーであった田中馨率いるバンド「Hei tanaka」から田中、あだち麗三郎、池田俊彦の3人が参加し、生バンドで演奏するのだから「ミュージカル」と言ってもよさそうなものなのだが、あえて「ミュージカルみたいな」というのがノゾエ流。
2012年に『〇〇トアル風景』で第56回岸田國士戯曲賞を受賞後の作品は特に観劇後に感じるちょっとした切なさが強めの作品が増えてきた。今回は若干にぎやかめの作品のようだが、果たしてどのような作品に仕上げてくれるのか。
なお、はえぎわとしては今年はこの公演のみとなるので、古くからのファンには必見の作品となる。
筆者が初めて沖縄本島に旅行したのは20年ほど前のことだった。「亀甲墓(かめこうばか)」や「石敢當(いしがんどう)」など、目にするものすべてが珍しく、本土との違いに驚いた記憶がある。
そんな沖縄の島建築を紹介する本書は、決して有名だったりデザイン性が高いわけではないものの、土地に根ざした10軒の建築物と、そこで生活する人々の話を丹念にすくいあげている。味噌屋や泡盛工場、戦前から続くホテル、ドライブイン、コルビュジエ風の教会……。シリーズ名の「味な建物探訪」にもうなずける、散歩していてひょっこり出てきたらうれしくなるような場所ばかりだ。
さらにコラムでは「鉄門扉」、「花ブロック」、「直書き看板」などの知っているようで知らなかった意匠を網羅。こんな意匠を探しながら沖縄を歩けば、風景ががらりと変わって見えるだろう。
副題に「建物と暮らしの記録と記憶」とある通り、いつまで残っているか分からない建物を書き留めておく意味合いもあるようだ。取材中に公設市場がなくなってしまい、「あとがき」を執筆中に首里城が焼失してしまったことにも触れられている。
「二子玉川 本屋博」の出版社ブースで入手した掘り出し本。本書を頼りに実際に建物を探訪したくなる。
第158回芥川賞と第54回文藝賞をW受賞し、50万部を突破するベストセラー小説『おらおらでひとりいぐも』の映画化が決定した。当時63歳の新人・若竹千佐子のデビュー作で、夫を亡くしてひとり暮らしをする74歳の桃子さんを主人公に、〈おらだば、おめだ。おめだば、おらだ〉と脳内からジャズセッションのように湧き上がる東北弁を織り交ぜながら、これまでの人生を振り返りたどり着いた「老いの境地」を描く。
主演は現在の桃子役に田中裕子、若い頃の桃子役に蒼井優が決定。なお、田中の映画主演は15年ぶりで、蒼井との共演は今回が初となる。監督は『南極料理人』、『横道世之助』の沖田修一が務め、脚本も原作に惚れ込んだ沖田自身が執筆した。原作『おらおらでひとりいぐも』は絶賛発売中、映画は2020年公開予定。