代官山の洋食店「KUCHIBUE」の店主で人気料理家の坂田阿希子が、新刊『家で揚げるともっとおいしい』(リトルモア)を発売した。揚げる料理が好き過ぎて揚げものレシピを刊行した坂田と、新刊『味な店 完全版』(マガジンハウスムック)が好評なフードエッセイストの平野紗季子がオンラインイベント「揚げ揚げ夜話 偉大な揚げもの、たまらない揚げもの」を開催した。主催はジュンク堂書店池袋本店。
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先人たちの情熱とともに…珠玉の近代美術が集う「ポーラ美術館コレクション展 甘美なるフランス」
展覧会タイトルにある「甘美なるフランス(ラ・ドゥース・フランス)」とは、美しく、穏やかで、稔り豊かなフランスとその文化を賛美するため、古くから親しまれてきた表現。19世紀後半に出現した印象派の画家たちは、日常生活や余暇の楽しみなど、あるがままのフランスを画題とし、新たな「甘美なるフランス」の世界を描き出した。その後、20世紀のピカソら外国出身の画家たちの作品からも、祖国への思いと共にパリのエスプリやパリで展開していた芸術活動の豊かさが伝わってくる。
本展では、ポーラ美術館のコレクションより、印象派からエコール・ド・パリの時代にフランスで活躍した人気画家の絵画74点を厳選し、当時のパリジェンヌたちが愛用したアール・ヌーヴォーとアール・デコの化粧道具12件と併せて展示。「時代を映すファッショナブルな“女性像”」「近代化によって大きく変貌する“パリ”」「フランス各地への“旅”」という3つのテーマを背景に“ラ・ドゥース・フランス”が香る名作の数々を紹介していく。
ポーラ美術館のコレクション展をBunkamuraザ・ミュージアムで行うのは15年ぶり、2回目となる。なかなか県外の美術スポットにも足を運べない今、都内で名コレクションを堪能できる貴重な機会だ。
先人たちの情熱とともに…珠玉の近代美術が集う「ゴッホ展――響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」
世界中で絶大な人気を誇るフィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)。その芸術に魅了され、世界最大の個人収集家となったヘレーネ・クレラー=ミュラー(1869-1939)のコレクションに焦点を当てた展覧会。
本展では、クレラー=ミュラー美術館に収蔵されているヘレーネのコレクションに焦点を当て、ファン・ゴッホの初期から晩年までの画業をたどる油彩画28点と素描・版画20点のほか、彼女の関心や収集傾向を明らかにするミレー、ルノワール、スーラ、ルドン、モンドリアンらの油彩画20点を展示。ファン・ゴッホ作品を軸に近代絵画の展開をたどる、ヘレーネの類まれなコレクションを堪能できる展覧会となっている。
さらに、ファン・ゴッホの弟テオ、その妻ヨーが引き継いだコレクションを核とするファン・ゴッホ美術館から、《黄色い家(通り)》を含むファン・ゴッホの油彩画4点を展示する。
珠玉のゴッホコレクションとともに、ゴッホの芸術を世界に伝えるべく尽力したヘレーネたち収集家の情熱にも思いをはせてみては。
【明日は何を観る?】『君は永遠にそいつらより若い』『マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ”』
『君は永遠にそいつらより若い』
大学卒業を控え就職も決まり手持無沙汰な日々を送るホリガイ。身長170cmを超える22歳、処女。変わり者とされているがさほど自覚は無い。同じ大学に通う1つ下のイノギと知り合ったホリガイは、過去に痛ましい経験を持つイノギと独特な関係を紡いでいく。
【今月のオススメDVD & Blu-ray】限られた人生、それぞれの生き方
『ミナリ』
第93回アカデミー賞で助演女優賞を受賞(ユン・ヨジョン)、作品賞含む6部門(監督賞・主演男優賞・助演女優賞・脚本賞・作曲賞)にノミネートされるなど、世界中の映画祭を席巻した新たなる家族映画のマスターピース。韓国からアメリカにやって来た移民家族の父親役にドラマ「ウォーキング・デッド」シリーズのスティーヴン・ユァン。監督は本作で一躍注目を集めた俊英リー・アイザック・チョン。
1980年代、農業で成功することを夢みる韓国系移民のジェイコブは、アーカンソー州の高原に、家族と共に引っ越してきた。荒れた土地とボロボロのトレーラーハウスを見た妻のモニカは夫の冒険に危険な匂いを感じるが…。
オリ・パラの熱狂をゲームのなかで『NBA 2K22』
世界で最も売れているNBA公認のバスケットボールゲーム、NBAシミュレーションシリーズの最新版。NBAやWNBAのリアルな環境で本物のチームやプレーヤーを相手に戦えるのが特徴で、現役の選手はもちろんレジェンドたちも登場させて自分だけの夢のチームを作り上げて遊べる。臨場感のあるビジュアル表現と選手のAI、さまざまなチームでのプレイなど何度でも楽しめる。また、プロ選手に駆け上がりながら楽しむマイキャリア、自身がチームのエグゼクティブとなってチームを運営していくなど遊び方もいろいろだ。
通常版の日本限定特別バージョンのカバーは、ワシントン・ヴィザーズの八村塁。
“破天荒な刑事”ד真面目過ぎるホテルマン”のコンビが復活!『マスカレード・ナイト』
木村拓哉&長澤まさみが演じる“水と油”のバディが、一流ホテルを舞台に再び難事件に挑む! 数々の傑作ミステリーを世に送り出してきたベストセラー作家:東野圭吾が描く「マスカレード」シリーズをオールスターキャストで実写化し大ヒットを記録した『マスカレード・ホテル』から2年。待望の続編が公開。
前作に続き破天荒な刑事・新田浩介役には映画・ドラマ、音楽やCMなどさまざまなジャンルでトップを走り続ける木村拓哉。原作の東野が木村を「あてがき」した正真正銘のハマリ役で、シリーズの世界観に引き込んでくれる。新田の相棒となる真面目過ぎるホテルマン・山岸尚美には、第44回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞も受賞し、近年さらに役幅を広げる長澤まさみ。続投組はもちろん、新キャストとして中村アン、石黒賢、沢村一樹、勝村政信、木村佳乃、凰稀かなめ、麻生久美子、高岡早紀、博多華丸といった豪華な顔ぶれが集結する。
舞台となるのはまたしても「ホテル・コルテシア東京」。大晦日のカウントダウン・パーティーに現れる殺人犯を捕まえるため、再び“すべてを疑う”潜入捜査官としてホテルのフロントに立つ新田。一方、フロントクラークからコンシェルジュに抜擢され“お客様を信じる”ことで最上の時間を提供しようとする山岸。相変わらず相容れない2人が“パーティー参加者500名、全員仮装、全員容疑者”という究極の難事件に挑む!
演劇の可能性を広げる実験的な新プロジェクト ワタナベエンターテインメント Diverse Theater『物理学者たち』
「Diverse Theater」というのはワタナベエンターテインメントが立ち上げた、さまざまなクリエーター、プロデューサーとのコラボレーションにより、演劇の可能性を広げる実験的な新プロジェクト。その第一弾となる今回はオフィスコットーネの綿貫凜氏とタッグを組む。
今回はスイスを代表する劇作・小説家・推理作家のフリードリヒ・デュレンマットの代表作の一つである『物理学者たち』をノゾエ征爾の上演台本・演出により上演する。
物語の舞台は、サナトリウム「桜の園」の精神病棟。そこには「物理学者」の3人の患者が入所していた。そのサナトリウムで、ある日看護婦が絞殺される。犯人は通称“アインシュタイン”を名乗る患者で、院長は放射性物質が彼らの脳を変質させた結果、常軌を逸した行動を起こさせたのではないかと疑う。 しかしさらなる殺人事件が起き、事態は思わぬ方向へ動いていった。
第二次世界大戦での甚大な原爆被害も記憶に新しく、ベルリンの壁建設や水爆ツァーリ・ボンバの爆発実験など、世界情勢が緊迫した 1961年に執筆された本作では「科学技術」そして「核」をめぐって渦巻く人間の倫理と欲望が描かれる。
音楽ライブを楽しむ生活をゆっくりと始めよう「androp 」
ロックバンドのandropが18日に配信ライブ「androp Billboard Live Tour 2021 “Lonely”」を開催。ビルボードライブとLIVE LOVERSがタッグを組んで行う企画で、ファーストとセカンドの2ステージを配信する。いずれもアーカイブ配信あり。
andropは完成度の高い楽曲とライブパフォーマンスで人気を集めるバンド。音楽とバンドのが醸し出すオンリーワンの世界観はクリエイターたちにも愛されており、ミュージックビデオが国内外でアワードを受賞している。映像効果にこだわったライブでも定評があるため配信ライブであっても、何かすごい体験をさせてくれるのではないかと期待してしまう。
「LIVE LOVERS」は、コロナ禍で多くのコンサートやフェスが延期や中止を余儀なくされているなかで、オンライン上でライブを開催することで、ライブや音楽を止めないことを目指したプロジェクト。
キンプリ神宮寺が三島由紀夫の代表作に挑戦「神宮寺勇太を大放出したい」
キンプリことKing & Princeの神宮寺勇太が11月から上演される舞台『葵上』『弱法師』に主演、ストレートプレイに初挑戦する。また、神宮寺は本作が舞台単独初主演となる。
三島由紀夫の全八篇の短編戯曲からなる代表作「近代能楽集」の二編を連続して上演する。『葵上』は、「源氏物語」を原典に、嫉妬や欲望、情念など、心の内に秘められた闇を描く。『弱法師』は終末観に腰を据えた青年が主人公で、現実的なもの全てに対する敗北を表す最後の台詞が印象的な作品だ。
「初めて単独での主演舞台をやらせて頂く事を聞いた時、心臓のビクン!とする音が聞こえました」と、神宮寺。「主演として舞台に立たせていただける喜びと、自分にどこまで出来るのかな?という思いが同時に駆け巡りました。ストレートプレイに挑戦させて頂くのも初めてですし、色んなことが初めてづくしな作品になります。」
『葵上』では美貌の青年・若林光役を、『弱法師』では戦火で視力を失った二十歳の青年・俊徳役を演じる。
「2作品の役を演じる事は、決して簡単ではないと思いますが、この2つの作品を演じ切ることができた後に演じる事の楽しさや、表現の幅が広がっているように、全身全霊で稽古に臨みたいと思います! 来ていただけるお客様に今まで見た事のない、神宮寺勇太を大放出したいと思います」
共演は、中山美穂ら。中山は『葵上』では光のかつての恋人・六条康子を、『弱法師』では俊徳を救おうとする調停委員・桜間級子を演じる。
中山は「長い芸能生活の中で、お芝居の舞台というのは1度しか経験が無く、正直不安でいっぱいです。古典文学から近代劇にされた三島作品2作ですから、尚更歴史の重みを感じています」としたうえで、「人間の奥深い感情を、ストレートに演じることになると思うのですが、演出の宮田さん、キャストの皆さんと丁寧に思いを込めて演らせて頂きます。何より、足を運んで下さるお客様に満足頂ける『葵上』、『弱法師』をお届け出来るよう、努めて参ります」と、コメントを寄せている。
演出は宮田慶子。
11月に東京グローブ座、12月に梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティで上演。
「エリックサウス」稲田俊輔が語る池波正太郎『むかしの味』考
8月20日、稲田俊輔『おいしいものの語り方 〜食を巡る「言葉」の変遷〜』@ジュンク堂書店池袋本店