農業を楽しみながら実践する『ファーミングプロジェクト』のマンスリーイベントが4月24日に、千葉・リソル生命の森リゾート内のファーミングガーデンで行われた。2016年シーズン第2回目のイベント、さらに毎年高い人気を誇るタケノコ堀りが組み込まれていただけに、いつも以上に多くの人が参加、夏野菜の植え付けや畑のメンテナンスにも力が入った。
グループごとに割り当てられた畑を使って野菜を育てるのではなく、広いエリア全体を参加者で一緒に使うスタイルへと変更が加えられた今年の畑。約1カ月前に行われた初回イベントで植えつけた、ジャガイモの種イモは元気に芽を出していた。ひとつの種イモから丈夫そうな茎が何本も出て、葉も青々としている。高さは10センチメートルといったところだ。
この日のタスクは、順調に成長しているジャガイモの芽かき作業。ひとつの株から複数の芽が出ていると大きなジャガイモの収穫が望めない。栄養がいきわたらなくなるからで、収穫期を迎えても小さなままといった残念な結果になる。そこでするのが芽かきだ。
「元気そうな一本の茎を残して、他は抜いてしまいましょう。株の下、茎の出ている土のあたりを、そっと抑えるとうまくいきますよ」とのアドバイスを受けてスタート。必須の作業とはいえ、元気に伸びた茎を抜く作業は「ちょっと切ない」。一株、そしてまた一株。抜いた茎が山になるうちに、最初は残す茎を選ぶ時間を含め一株あたり少なくとも2〜3分かかっていた作業も最後には半分以下に減っていた。
新しい苗の植え付けも行った。中には、これまでこの畑では挑戦してこなかった野菜もあった。作業面での大物は手ごろな長さまで成長するゴボウだ。種まきのために畝を作るまではほぼ一緒だが、芽が出にくいため、一定時間水につけておいた種を、畝の上に適当な感覚を開けて、置いていく。土をかけすぎてしまうと芽が出ない原因になるといい、振るいを使って薄く土をかけ、農業用不織布で畝全体を覆う作業で、仕上げた。
その他にもこの日は、ピーマンやナスの苗を支柱で支えながら植えたり、バターナッツを始め複数の種類のカボチャ、漬け物に使用されることが多いハヤトウリ、そしてスイカと、夏の畑を彩るさまざまな種類の野菜の苗を植えて、参加者は大満足だった。
昨シーズンは野鳥やイノシシの被害を受けた畑。今シーズンはどう乗り切るのか。当面は、防御用のネットなどで苗や野菜を守る計画だ。「去年は残念だったからね……」。きれいに苗が植えられた畑を見ながら、常連の参加者たちは苦い笑顔を交わす。週末ファーマーたちの悩みの季節が始まった。