演歌界のイケメンとして人気の山内惠介が銀幕デビュー。往年の大スターたちのように、時代と人間模様と昭和歌謡を生き生きと描く。
「最初は自分に演技ができるのか不安でした。でも歌手・山内惠介という本人役だったし、挑戦する前からあきらめるのは違うんじゃないかと…。それにこの映画をきっかけに、自分や昭和歌謡のことをもっと知ってほしいと思った。劇中の衣装はほとんどすべて自前ですし、ステージの上で歌っている時より、素の自分自身が出ている気がします。ファンの方は意外な一面に驚かれるかも(笑)」
所属事務所が事業に失敗、歌えなくなった歌手は自分の意に沿わない仕事をさせられそうになる。
「天国と地獄というか、人生の中で、1秒前まで幸せだったのに突然うまくいかなくなったりすることってありますよね。でもそれを乗り越え、人生ってそんなもんだよねって思う事が大事だと思うんです。だから、さまざまな不幸に見舞われた山内が人との出会いの中で、大切なものを見つけていく様子は、見ている方に共感してもらえると思います」
撮影中にはハプニングも。
「カメラマンが車内で蜂に刺されたんですが、一目散に逃げました(笑)。100mぐらい逃げて、すごすごと車に戻る姿は、恥ずかしくて情けなかった(笑)」
そんな山内の野望とこの作品を通じて伝えたいこと。
「朝ドラに出たい(笑)。その時は主題歌も担当して、ついでに大河にも…(笑)。その前に、この映画で僕や昭和歌謡のことを知った人には、ぜひコンサートやキャンペーンに来て、生の演歌や歌謡曲を体験してほしい。僕も映画の世界に飛び込んでみて、いろいろな人とお会いして、世界が広がったので、映画を見てくれた方にも、昭和歌謡の世界を体験していただき、世界を広げていただけたらうれしいです。あと、芸能界にあこがれる人には、芸能界は甘い世界じゃないぞと(笑)。そのへんもリアルに描かれているので娯楽作品としても楽しめます」