東京都の小池百合子都知事は2日、都庁で緊急記者会見を開き、新たなモニタリング指標での分析のもと、現在は「感染拡大要警戒」の段階にあるとの認識を示し、都民に警戒を呼びかけた。
1日から試行した新たなモニタリング体制では、「感染状況」と「医療提供体制」を柱に、7つの指標を基準に専門家がそれぞれ4段階で総括を示した。
それによると、感染状況では4段階のうち、3段階目の「感染が拡大しつつあると思われる」に該当。理由として、接触歴不明の陽性者の増加人数や増加比を挙げた。
専門家の分析では、現在、接触歴不明の陽性者の増加人数や増加比が上昇傾向であるとし、仮にこの状況が4週間続いた場合には、4週間後に接触歴不明の陽性者の数が、約6倍に拡大する可能性があるとの予測を示した。会見に同席した国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は、「接触歴不明の陽性者の数が課題。このまま増え続ければ、4週間後には1日あたり6倍、160人です。10日続けば1600人の患者さんが発生することになる」と警戒を呼びかけた。
一方、医療提供体制は4段階のうち、2段階目の「体制強化の準備が必要であると思われる」に該当。入院患者数の増加傾向や、医療スタッフ・病床準備に時間を要することなどを理由とした。
陽性者の傾向については、これまでの分析によると、20代と30代が7割、夜の街関連が4割、新宿・池袋エリアで感染が多く発生しているほか、若年層の友人同士のパーティーや、会食の場でも感染が見られ、無意識のうちに拡大している傾向があるとした。小池知事は「高齢者層に感染が広がる可能性もある」とし、「感染拡大要警戒」と「“夜の街”要注意」を掲げ、より一層の警戒を呼びかけた。