
相武紗季「西海岸の風、吹かす」新月9ドラマで

東京・渋谷のUPLINKで15日、「桂春蝶の落語@渋谷UPLINK亭」が開催された。同落語会は、今年から活動の拠点を東京に移した上方落語の桂春蝶の高座を中心に、東京の落語家の小噺、さまざまなジャンルのアーティストのライブなど、落語をもっとカジュアルに体験してもらおうという試み。3回目となるこの日は、東京のゲスト落語家に林家たけ平、音楽ライブアーティストにtriola(トリオラ)を迎えて行われた。
まず登場したのが、林家一門の中でもイケメン落語家として多くの女性ファンを持つ林家たけ平。東京スカイツリー周辺施設内の高座のある飲食店の話など、最新の話題で客を引き付け「味噌豆」へ。短い噺で、オチも読めてしまうのだが、テンポよく丁寧に演じていてとても楽しめた。続いて桂春蝶の「母恋くらげ」。同作は、柳家喬太郎の新作落語だが、喬太郎自身、3.11の震災以来封印していたこともあり、久しぶりに聞く。海の生物の動きも喬太郎よりお腹の肉が邪魔していない分シャープで、(喬太郎師匠すみません)初めて落語を聴く人には、新鮮だったのでは? 何度聞いても、このバカバカしさが落語だと思える同作をきっちり演じてくれ大感激。その後、席亭と春蝶のフリートークをはさみ、triolaのライブ。ヴァイオリンの波多野敦子とヴィオラの手島絵里子によるユニットの演奏は、とても心地よく癒系。春蝶の体験に基づく心理状態を即興で曲にして演奏するなど、クオリティーの高いパフォーマンスに会場から大きな拍手が起こった。仲入り後は、春蝶の2席目「一文笛」。まくらで言っていたように、笑いどころの少ない人情噺だ。ヘビーな展開に脱力系のオチ。オチから作った?と思われるような噺だが、上方落語っぽさ全開でかなり好き。こういうなかなか聞くことが出来ない噺を聞けるのはうれしい限り。喬太郎の新作をやり、上方の古典をきっちり見せてくれ、ライブも楽しく大満足。上方落語も江戸落語も、古典も新作も垣根を取っ払った春蝶落語。今後も楽しみな会であり、ここから発信されるパフォーマンスが、大きく広がっていくことを期待したい。
舞台「男の花道」の稽古場会見が11日、都内の会場で行われ、中村福助、中村梅雀、尾上松也、風間俊介ら出演者と演出のマキノ雅彦が登場した。
同作品は、これまで講談や映画、舞台で何度も演じられたことがある、男同士の友情物語。今回が歌舞伎以外の舞台初出演となる福助は「私と梅雀さんの先祖である三代目歌右衛門と医者・土生玄碩の友情を描いた作品。これをきっかけに、梅雀さんと友情が結びあえたら。普段から仲が...いいですよね(笑)。最高のスタッフと最高の出演者に恵まれ幸せ。ワクワクするような舞台になるので、期待していて」と梅雀との共演に楽しそうな様子。梅雀は、「男の花道は長谷川和夫さんが東宝でやられた時、土生玄碩を私の父中村梅之助が演じています。今年は土生玄碩の生誕250年ということで、すごい縁を感じている。昔からさまざまな所で演じられている作品ですが、決して古くなく現代に通じる普遍的なものを描いているので、生の舞台を見て何かを感じてほしい」と語った。
同舞台は、7月1日(日)~5日(木)大阪・新歌舞伎座、7日(土)~8日(日)岐阜・羽島市文化センター、12日(木)~26日(木)東京・ル テアトル銀座 by PARCOで上演される。