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2011.04.18 Vol.506

資料改竄の前田元検事に実刑

 大阪地検特捜部の押収資料改竄(かいざん)事件で、郵便不正事件の証拠品だったフロッピーディスク(FD)のデータを書き換えたとして、証拠隠滅罪に問われた元主任検事、前田恒彦被告(43)の判決公判が12日、大阪地裁で開かれた。中川博之裁判長は「刑事司法の根幹を破壊しかねない行為で極めて強い非難に値する」と述べ、懲役1年6月(求刑懲役2年)の実刑を言い渡した。


15歳未満初の脳死判定、臓器提供

 日本臓器移植ネットワークは12日、関東甲信越地方の病院に入院していた10歳以上15歳未満の少年が、家族の承諾により脳死判定を行い、法的に脳死と判定されたと発表した。13日、臓器が摘出され、移植された。昨年7月に、15歳未満からの臓器提供を可能にした改正臓器移植法の施行後、初の適用例。移植ネットによると、少年は交通事故で頭部に重傷を負い、入院していた。


福島県が稲の作付け解禁

 福島県は12日、福島第1原発の事故を受け、今季の稲の作付けの可否を判断するために行った土壌の放射性物質に関する調査結果を公表。国が作付け制限の上限とした土壌1キロ当たり5000ベクレルを超える放射性セシウムは、(1)避難指示(20キロ圏内)(2)計画的避難(3)緊急時避難準備−の3区域以外では検出されなかったとして、これらを除く全県で稲の作付けを解禁した。


ローソンから日本を元気に!

 ローソンは14日、東日本大震災による影響と、今後の被災地復興・経済活性化に向けた取り組みとして、「元気になろう日本」プロジェクトを始動する事を発表した。これは、被災地での仮店舗や移動販売車を活用した営業、東北・茨城の産品の販売等による経済活性化の支援のほか、エンターテイメントのもつ魅力を通じて被災者と日本を元気づける支援を行うというもの。


キュートでユーモラスな世界

2011.04.18 Vol.506
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『バムとケロ』シリーズなどで人気の島田ゆかと、フィンランドのユリア・ヴォリの絵本原画展が開催される。同展は、プライベートでも交流の深い2人の絵本の世界から、絵本原画・スケッチのほか、2人のコラボレーション作品約200点を展示。東日本大震災復興支援、子供たちに笑顔を!「世界の絵本作家チャリティ」展も同時開催。読者5組10名に招待券をプレゼント(係名:「絵本」)。

Reunion-再会- I ©Yuka Shimada/Ojigi Bunny Inc. 2011, ©Julia Vuori 2011

島田ゆか&ユリア・ヴォリ絵本原画展〜バムとケロ、ぶた(SIKA)の世界〜 【日時】4月27日(水)〜5月9日(月)、10〜20時 【会場】松屋銀座 8階大催場 【入場料】一般1000円、高大生700円、中学生以下無料 【問い合わせ】松屋銀座 TEL:03-3567-1211(大代表)


プロ野球ついに開幕 楽天が開幕2連勝

2011.04.18 Vol.506

 東日本大震災の影響で開幕が延期されていたプロ野球が4月12日、セ・パ同時に開幕した。

 各地で6試合が行われ、被災地である仙台に本拠地を持つ楽天が6−4でロッテを破った。試合は同点で迎えた7回、選手会長の嶋が勝ち越しの3ランホームランで勝利をたぐり寄せた。嶋は4回、相手のスライディングでボールをこぼし、先制を許す失策を犯していただけに、まさに名誉挽回、意地の一発となった。

 嶋は「(東北の人々を)何とか笑顔にしたいという思いで打ちました」と被災者にエールを送った。試合を観戦した楽天の三木谷球団会長は「気持ちが入っていて良かった。東北のみなさんのためにも、いいゲームができたのではないか」と満足げにうなずいた。

 第2戦も山崎が7回に試合を決める3ランホームラン。人気選手の活躍で2連勝を飾り、東北のファンを勇気づけた。

 また1953年に本拠地制が確立して以来、初めての地方での開幕となった巨人は、宇部でヤクルトと対戦。初の開幕投手となる東野が7回途中まで2失点で踏ん張ると、後半に打線が爆発。9−2で開幕戦を飾った。


腕利き宣伝マンが猛プッシュ コレよ、コレ! 石井裕太

2011.04.18 Vol.506

市川孝典事務所・広報担当
石井裕太 さん

「坊主は、節約と節電の二重効果があります。」

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線香を使って絵を描く…!? 市川孝典が連続個展開催中

 絵を描く道具といえば、まあ普通に考えれば絵の具とかクレヨンとか…。ちょっとひねれば木炭っていうのもあるかな。
「今回ご紹介したい市川孝典は、線香を使って絵を描くアーティストです。60種類以上の線香を使い分けて、一切の下書きなしに和紙を微かな炎で焦がしながら無数の焼跡で絵を紡ぎ出すんですが、そのスタイルは、“線香画”と称された市川独自の表現方法なんです」
 石井さんはこの絵のどういったところに…。
「最初は、市川の生い立ちに興味をもちました。13歳で単身NYに渡ってから数年前まで世界各国でさまざまな表現活動をしていたのですが、アーティストとしての彼の噂や作品の評判を漏れ聞いていて。僕が初めて彼の作品に出合った時は“鑑賞”というより“目撃”に近い感覚でした。やべーもん観た!っていう感じです(笑)」
 現在、初めての連続個展が開かれていますね。
「東京都現代美術館内のWall Galleryで『merry-go-round』を4月6日から開催中です。そして4月28日からは恵比寿のNADiff Galleryで『FLOWERS』と題したもう一つの個展がはじまるのですが、28日のオープニングレセプションでは、ビームス代表の設楽洋社長と市川が対談します。今回は、B印YOSHIDA(ビームス×吉田カバン)に企画協力していただいているのですが、トートバッグやカードケースなど市川自らが手を加えたコラボレーションアイテムも同時に展示しています。ぜひ、作品と市川本人を目撃しにきてください!」

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〈市川孝典展〉
■『merry-go-round』 【日程】4月6日(水)〜5月8日(日) 【場所】Wall Gallery(東京都現代美術館内) ■『FLOWERS』 【日程】4月28日(木)〜5月29日(日) 【場所】NADiff Gallery(恵比寿) 【オープニングレセプション】4月28日20〜21時〈アーティスト対談〉設楽洋(ビームス代表) ×市川孝典 司会:中井美穂  【トークイベント】5月7日(土)17〜19時 いしいしんじ(作家)×戌井昭人(鉄割アルバトロスケット主宰/作家)×市川孝典


辰吉ら歴代・現役王者が集結 義援金募る

2011.04.18 Vol.506

 世界ボクシング評議会(WBC)のトリプル世界戦が8日、神戸ワールド記念ホールで開催された。当初は東京・両国国技館で開催の予定だったが、震災やそれに伴う計画停電の影響などで直前になって会場を変更したものの、8500人の観衆が集まった。試合はスーパーバンタム級の西岡利晃が9RKOで6度目の防衛、スーパーフェザー級の粟生隆寛が4RKOで初防衛を果たした。フェザー級の長谷川穂積は4RTKOで敗れ、初防衛はならなかった。

 なおこの日は入場口で、辰吉丈一郎、井岡一翔ら現役から歴代王者9人が東日本大震災への義援金を募った。


食べて応援! 上野で福島県産品販売会

2011.04.14 Vol.505
福島県主催の「福島県産品販売会 in 上野駅」が4月16、17日の2日間、JR上野駅で開催される。福島第一原発事故とその風評被害にあえぐ福島県の農産物や畜産物を販売するもので、会津コシヒカリや福島県産の米粉を使用した米粉パンやラーメン、こんにゃく、きゅうりやたらの芽、にら、いちご、トマト、アスパラなどが販売される予定。
 会場は、JR上野駅の中央改札口ガレリア広場前。両日とも11〜17時までだが、売り切れ次第終了する。詳細はコチラ(http://blog.zennoh.or.jp/event/)まで

BATTLES、クラムボンら、フジロックが第4弾出演アーティスト発表

2011.04.14 Vol.505
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  日本の夏フェスのパイオニアであるフジロックフェスティバルが14日、第4弾出演アーティストを発表した。BATTLES、クラムボン、JAMIE XX、トクマル・シューゴなど国内外のアーティスト10組が加えられた。
 今回の発表では、耳の肥えた音楽ファンを唸らせるアーティストがラインアップされた。BATTLESはニューヨーク出身のエクスメリメンタルロックバンド。インストルメンタル、圧倒的かつ迫力のパフォーマンスで、本国アメリカだけでなく、ヨーロッパや日本でも多くの支持を集めているバンドだ。日本発のクラムボンもまた、確かなパフォーマンスと実験を繰り返すバンドとして人気を集めるバンド。トクマル・シューゴは、ファンタジックなエレクトロニカサウンドで世界から注目を集める。彼らに加えて、リトルクリーチャーズ、SAKEROCK、SOIL&“PIMP”SESSIONSなど、個性的なサウンドに注目が集まる日本のアーティストたちが追加された。また、JENNY AND JOHNNYの出演はキャンセルとなった。
 フジロックフェスティバルは、7月29〜31日まで、新潟県・苗場スキー場で開催。すでに、人気英バンドのCOLDPLAY 、ARCTIC MONKEYS、日本からはYellow Magic Orchestraらの出演が決定している。チケットなど詳細はオフィシャルサイト(http://www.fujirockfestival.com/)まで。

『芝浦ブラウザー』都会のスキマの豊かな暮らし

2011.04.14 Vol.505
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 V6の井ノ原快彦が主演する舞台『芝浦ブラウザー』が、大久保のグローブ座を笑いでいっぱいにしている。
 高層マンションが立ち並ぶ芝浦のスキマ、ぽっかりと存在するユニークな物件に暮らしている人たちがいる。川岸を不法占拠して、小屋を建てたり、階段下のスペースや土管を自分たちの部屋に作り変えて、脱サラしてサバイバル生活を送る人、DJ、ギャル、法律学生らしき人、女子中学生、そしてその住まいにはおおよそ似つかわしくない美女までが共同生活をしている。井ノ原演じる不動産会社の営業マンは、ワンクリックで空き物件を3Dで閲覧できるという画期的な自社開発システムの使い方を習っているうちに、彼らを発見、そしてあっという間に彼らの暮らしに魅せられ、営業もそっちのけで、彼らの暮らしぶりに釘付けになってしまう。
 作・演出の上田誠(ヨーロッパ企画)がつくる“ガイド”をもとに、エチュードを重ねて作り上げていくスタイルの舞台。頭からエンディングまで、アドリブか台詞か区別できないような生(なま)ぽっさがある。奇妙な共同生活を覗き見て入れる井ノ原の突っ込み、そこから生まれる笑いも、演技なのか判別に苦しむ。その雰囲気は客席にも広がって、ストーリーが進むほどにどんどん笑い声が大きくなる。
 最終的に、切ないエンディングが訪れるのだが、登場人物たちが打ちひしがれないのもすがすがしい。しっかりと根を張ることこそが人間のあるべき姿と説かれてきた時代もあったが、時代の流れに乗りながら自発的に流れていくのも“あり”なんだという、ポジティブなメッセージが伝わってくる。
 本当に豊かな暮らしは、広い占有面積やウォークインクローゼットで決まらない。要はどう暮らすか。『芝浦ブラウザー』は、当たり前かもしれないが、忘れがちなことを思い出させてくれた。
 公演は4月19日まで同所で。

X JAPANがサマソニで初の日本フェス出演

2011.04.11 Vol.505

 ロックバンド、X JAPANが8月13、14日に千葉と大阪で同時開催される夏フェス「サマーソニック」に初出演することが4日、同フェスの公式HPで発表された。千葉・幕張メッセとQVCマリンフィールド(旧千葉マリンスタジアム)、大阪・舞洲サマーソニック大阪特設会場で開催。バンドの出身地・千葉での凱旋公演はグループ名がXだった1987年以来24年ぶり。大阪でも15年ぶりとなり、日本フェスへの参加も初めて。

 同フェスは2組に出演者を分けて総入れ替えするスタイル。X JAPANがどちらの会場に先に登場するかは未定。


大相撲八百長で力士ら23人に厳罰 夏場所は無料で開催へ

2011.04.11 Vol.505

 大相撲の八百長問題にひとつの区切りがついた。日本相撲協会は1日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、特別調査委員会(座長・伊藤滋早大特命教授)が関与を認定した23人の力士、親方について事実上の角界追放を意味する厳罰処分を決めた。

 処分の内訳は(1)徳瀬川ら幕内6人、十両の清瀬海を含む力士19人の引退勧告(2)谷川親方(元小結海鵬)の退職勧告(3)八百長関与を当初から認めた十両の千代白鵬、幕下の恵那司の2年間出場停止、竹縄親方(元幕内春日錦)の2年間停職−となった。弟子が八百長に関与したとして北の湖(元横綱)九重(元横綱千代の富士)陸奥(元大関霧島)の3親方が理事を辞任し、この3人を含む17人の師匠を降格処分とした。相撲協会の責任として放駒理事長(元大関魁傑)が2カ月で30%のほか、理事ら幹部の報酬の一部自主返納も決めた。

 引退勧告は八百長の処分規定で、除名に次ぐ重い処分。相撲協会は対象者に5日までに引退届を出すように求め、応じなければ解雇など、より厳しい処分を科す方針を示した。

 引退届を受理された千代白鵬と仲介役の恵那司は謝罪したが、処分された力士らの大半は八百長関与をあらためて否定。谷川親方は「ずさんな調査に不満。14年間、一生懸命やってきた。(関与を認めた)春日錦(元幕内、現竹縄親方)と一緒の時期に同じ番付にいただけで処分されるのはおかしい。法的手段に訴える」と語るなど、数人は訴訟を起こす考えを示した。2日には関与を否認したまま処分を受けた力士の大多数が墨田区内の飲食店に集結し、約3時間の会談を持ったが、前日の姿勢からやや落ち着きを見せ「ちょっと感情的だった。考えてやっていきたい」(谷川親方)とややトーンダウンした。

 続く3日には全親方らによる臨時の評議員会が開かれた。評議員会では、まず調査委から調査内容の説明を受けた。主に弟子を処分された親方から質問が相次ぎ「供述だけで証拠と言えるのか」「協会の責任をもっと強く打ち出し、力士の処分を軽くしてもいいのでは」という意見が出たという。

 その後、放駒理事長ら協会執行部に対し、関与認定者への処罰の軽減や、引退届の提出期限の延期などを求めたが、執行部側は理事会決定の変更を拒否した。評議会は最終的に理事会決定を受け入れることでまとまった。

 こうなると、勧告を受け入れるか、訴訟を起こすか、といった問題は個人の問題となる。

 協会は引退、退職勧告を受けた20人のうち力士19人が5日までに引退届を提出し、受理されたと発表した。谷川親方は提出しなかった。

 谷川親方は5日、所属する東京都墨田区の八角部屋で記者会見し、「退職届を出すことは(八百長を)認めたことになる。自らの気持ちに背いてまで勧告に従うわけにはいきません」と処分に対する不服を表明したが、協会に対して法的手段を取るかどうかについては「まだ気持ちの整理がつかないので、これから考える」とした。

 八百長に関与した力士の処分が一段落ついたところで、次の問題は「夏場所の開催問題」に移った。

 協会は6日、臨時理事会を開き、夏場所について、通常の興行としての開催を断念し、「技量審査場所」として無料で一般公開して5月8日から15日間、両国国技館で行うことを決めた。

 7月の名古屋場所の番付を編成するための場所と位置づけ、取組などは1月の初場所の成績で2月に作成した順席に基づいて編成され、記録は正式なものとして扱う。無料開放は、土俵付近にある特別席の維持員席は除く。節電対策として土俵以外の照明をふだんより落とすという。

 放駒理事長は「通常開催できないことをおわび申し上げる。素晴らしい相撲を見せ、ファンに理解していただくしかない」と陳謝。場所は館内に東日本大震災の義援金募金箱を設置するほか、被災者が希望すれば招待したいとの意向も示した。


石原さとみの純情

2011.04.11 Vol.505

劇団☆新感線でシェイクスピアに初挑戦!

石原さとみがシェイクスピアの四大悲劇に初挑戦する。15日に大阪で初日を迎える、劇団☆新感線の舞台『港町純情オセロ』に主人公オセロの妻役で出演する。これまでにもシェイクスピア作品を届けてきた劇団☆新感線が「オセロー」に新たな風を吹きこませた演出で、コミカルかつ切ない舞台にして届ける。「稽古が楽しいんです」という石原にインタビューした。

無理しなくてもいいんだって思ったら
自分の好きなことが見えてきたんです

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写真・蔦野裕

 サバサバしていてよく笑う、分からないことは分からないとはっきり言う。インタビューをしてみて、清楚で控えめという石原さとみのパブリックイメージは、ちょっとだけ覆された。

「去年から今年にかけて、1人でニューヨークに行ったことは自分にとって大きかったですね。以前の自分を振り返ってみると、自分がやっていることが好きじゃないといけないと思っていたし、やってることが好きなんだって勘違いしていたところもあったなあって思うんですけど、そういうんじゃないんだって。無理しなくてもいいんだって思ったら、自分の好きなことが見えてきたんですよ。それが何かって説明するのは難しいんですけど......、例えば、この間、友達と久しぶりに渋谷に買い物に行ったんです。部屋を明るくしたくて、人生で初めて布を買いに行ったんですけど、ものすごい種類のなかから自分がテンションが上がる色だとか、組み合わせを選べたんですよ! これが好き、これが気持ちいい、これにひかれる、大したことじゃないかもしれないですけれど、前は、自分はそう思わなくても、周りの人がいいよって言えば、それが一番だろうって、流されていたので」

 そうした自己改革が進行中の彼女は今、15日に初日が迫った舞台『港町純情オセロ』に取り組んでいる。稽古の様子を尋ねると、石原さとみは瞳を輝かせる。「見ているだけで楽しいんです」

 舞台『港町純情オセロ』は、劇団☆新感線の最新作で、イギリスの文豪で劇作家のウィリアム・シェイクスピアの四大悲劇のひとつ『オセロー』を、劇団☆新感線らしい斬新な解釈と演出で届ける作品。設定を、戦前の日本、それも関西の港町とし、ヤクザたちの抗争を取り入れながら描く。コミカルでありながら、ちょっと切ない舞台だ。自ら「読んだ記憶があまりない」というシェイクスピアビギナーの石原も「台本が面白くてどんどん読んじゃいました」と、役者という立場を飛び越えてハマっている。

 石原が演じるのは、橋本じゅん演じるオセロが溺愛する妻・モナ。父親が病院長を勤める病院に、ヤクザの組長であるオセロが入院したときに出会い結ばれるが、オセロを純粋に愛するがゆえに、悲劇に巻き込まれてしまう。

「とても純粋な女性。私自身も、あんまり人を疑ったりしないし、信じ込みやすいタイプだし、影響されやすいんですけど、あんなに純粋にはなれないなって思いますね。さっきのニューヨークの話と重なりますけど、今は"こんな自分じゃだめだ"って思っている段階なのもあって、モナに対してこんな自分もいたなって感じます。演じるにあたっては、そういったところは抜きにして、あまり深く考えずに、オセロが好き、世の中に悪い人はいないんだ、って彼女が信じているのと同じように信じて、突き進めばいいかなって思っています。稽古が始まったときから、オセロが、オセロを演じている橋本じゅんさんを見ているのがすごく楽しいし、好き(笑)。このままやっていけば役もでき上がっていくんじゃないかって思います」

 石原がそう自信を持てるのは、演出のいのうえひでのりという存在も大きそうだ。すでに報道もされているところだが、石原は、デビューのきっかけになった「ホリプロスカウトキャラバン」で、いのうえから演技指導を受けている。

「そう、9年ぶりに稽古をつけてもらいました(笑)。いのうえさんは、このセリフで椅子のここに座って、次のタイミングで移動とか、細かく演出してくれるんです。そのなかにいることで、モナという女性が作られていく気がしています。あとは、私が、慣れない関西弁でモナの気持ちをつなげることがポイントになってきそうですね......」

 さて、そろそろ本番も迫ってきた。

「シェイクスピアという土台の上で展開される新感線ワールド。私を含めて、シェイクスピア作品に入るきっかけとして理想的な作品だと思います。演じる立場としては、時間をかけて作り上げた作品のなかで、モナという1人の女性の人生を生きることを楽しみたい。それに加えて、生(なま)ならではの魅力も味わっていただけたらと思います」

 東日本大震災とその余波で、自然を前にした人間の小ささと、人の大きさと寛容さを目の当たりにした。大切な人への想い、そして人と人とのつながりを感じられるこの舞台は、さらにその想いを強くしてくれそうだ。

(本紙・酒井紫野)

劇団☆新感線プロデュース『港町純情オセロ』

【東京公演日】4月30日(土)〜5月15日(土)12時30分開演/18時開演 ※2日、9日は休演。30日、6日、11日は18時のみ。8日、13日、15日は12時30分のみ。 【会場】赤坂ACTシアター 【料金】S席1万500円、A席8500円(全席指定・税込) 【問い合わせ】サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(10〜19時) 【URL】http://www.junjo-othello.jp/
※大阪公演は4月15〜22日までイオン化粧品 シアターBRAVA!。


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