世界中を巡りながら、娼婦、薬物中毒者、スラム、性行為、暴力など生と死の狭間や世界の暗部で生きる人々を、撮影し続ける写真家アントワン・ダガタの写真展。
1961年フランス、マルセイユに生まれたダガタは、1983年にフランスを離れ、およそ10年の間、世界を放浪した後、90年からニューヨークのICP(国際写真センター)でラリー・クラークらに師事し、マグナムのニューヨークオフィスにて久保田博二のアシスタントも経験。98年に出版した最初の写真集『De Mala Muerte and Mala Noche』(不貞な夜)が注目を集め、以降、出版した写真集は数々の賞を受賞。映像作品も手掛けており、2006年には東京でドキュメンタリー作品『Aka Ana』も撮影している。
本展では古い鏡に映った49点のセルフポートレイトによる新作のインスタレーションを中心に、過去の作品も含めて展示。時には自ら被写体と関係を持ち、自らその世界の住人となりながら、欲望、苦痛、希望と絶望のはざまを縫うように撮影する鬼才写真家の眼差しを受け止めて。
会期中、1FのNADiff a/p/a/r/tでは新作写真集『Aithō』 『Desordres』を限定販売。