アカデミー賞史上最多タイとなる、作品賞他14部門にノミネート。ゴールデン・グローブ賞では歴代最多7部門を受賞した、今年の賞レース大本命の一本。昨年、鬼コーチと若きドラマーの狂気のような情熱を描いた『セッション』で第87回アカデミー賞で3部門を受賞したデイミアン・チャゼル監督の最新作として、日本でも早くから高い注目を集めていた作品だ。
緊迫と狂気に満ちた前作から一転、本作はなんと、華やかなハリウッドを舞台に夢を追う恋人たちを描くミュージカル。しかしそこはチャゼル監督作。見る者の想像を越える、演出力は圧巻。名シーンを生み出す多彩な音楽、驚愕のカメラワークによる映像、観客をミュージカルの世界に引き込むセットや衣装…。すべてオリジナルで作られた本作の歌、音楽、ダンス、物語には、夢のようなロマンティックさと、心が締め付けられるような切なさ、夢を追う情熱が生き生きと織り込まれている。
歌やダンスを披露する役者陣も魅力的。ジャズピアニストのセブ役に『きみに読む物語』『ドライヴ』のライアン・ゴズリング。女優志望の恋人・ミア役に『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』でも高く評価されたエマ・ストーン。前作の鬼コーチ役で助演男優賞に輝いたJ・K・シモンズも出演。
賞レースの行方に注目しつつ見ておきたい作品。