コンセプチュアル・アートの先駆者として、社会のシリアスな課題をユーモアあふれるアプローチで発信してきた芸術家、オノ・ヨーコ。これまで主に戦後アメリカ美術の中で語られてきた彼女の活動の軌跡を、本展では、そのルーツである“東京”に沿って紹介。
展覧会では、1930年代にオノの感性を育んだ芸術教育に始まり、アーティストとして活動する以前の関連資料や創作、初期の創作活動、1950−70年代の東京での活動、近年の作品などを紹介。オノの代表作であり、コンセプチュアル・アートの歴史の中でも重要な本『グレープフルーツ』については、日本初公開となる作品で紹介するほか、東京都現代美術館が所蔵する初版本も展示。また1969年に日比谷野外音楽堂で行われたジョン・レノンとのキャンペーンの企画『WAR IS OVER!』や、環境をテーマに掲げた1974年の『One Step Festival』など、社会の課題に向き合ってきたオノの活動も貴重な資料とともに振り返る他、近年、さまざまなところで起きた暴力を主題とする美術作品や音楽作品なども紹介。