名作オペラ「オペラ座の怪人」が、渋谷の東急シアターオーブで上演中だ。映画化されたロイド=ウェバー版の原点となったケン・ヒル版で、日々、多くの観客が劇場を訪れている。
ケン・ヒル版の特徴といえば原作に忠実であること。そして、ビゼーやドヴォルザーク、グノーらのアリアが使われていること。さらに、客席やオーディエンスを巻き込む演出だ。作品の象徴であり客席の真上に下げられた巨大シャンデリアについて落ちたらどの席の人までが危ないか説いたり、緊張感が走るシーンでキャストがオーケストラに演奏を止めさせたりと、ウィットに富んだやりとりが劇中のあちらこちらに散りばめられている。シアターオーブの客席でも連日、クスっと笑い声が聞こえる。
ロイド=ウェバー版だけを鑑賞したことがあるという場合には、その違いも楽しめるだろう。
ファントムは、ジョン・オーウェン=ジョーンズが演じている。
9日まで同所で。