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カタリマス | TOKYO HEADLINE - Part 9
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ダイノジ大谷ノブ彦 カタリマス!第2回 サッカーはテクノミュージック論。

2014.06.23 Vol.620

 W杯、グループ戦も佳境です。みなさん、“ポジティブ”に行ってますか?

 さて、観戦しながら思ったことがあります。それは、「サッカーはテクノミュージックに似ている」ってこと。

 僕はDJとしても活動をしています。クラブでDJをやると、すごく盛り上がる曲っていうのがあるんですけど、それをひたすらかけていればずっと盛り上がる、高揚するかっていうと、そうじゃないんです。テクノミュージックはずっと平坦なリズムが続くんですが、お客さんは最初、それに合わせて体を揺らしています。DJは、いろんな曲を積み重ね、時にはじらしてみたりしながら、場が完全に自分の空気になったタイミングを見計らって、ドーンとビックビートな曲や祝祭感のある曲を入れます。そうすると、「待ってました!」って感じで、お客さんは両手を上げて喜んだり、ハイタッチをしたりして、高揚感を得ます。ちょっと、セックスにも似てますね、全部同じ調子でやればいいわけじゃない(笑)。

 積み重ねて積み重ねて自分の空気になったところでドーン! これって、グループB初戦のスペイン対オランダ戦と似てませんか? それぞれ強豪チームですが、オランダはスペインの得意なところを一つひとつ封じて、前半終了直前に1点、後半に4点と、ドーンと5点を取りました。オランダは、少しずつ積み上げて自分たちの空気、自分たちの流れに持っていった。その時の高揚感を思ったら、世界中でサッカーがこれほどまでに愛されている理由も分かります。

 テクノミュージックだけじゃなく、サッカーと音楽の関係は密接です。みんなで歌を歌うっていうスタジアムアンセムっていうのもあるし、ウカスカジー(Mr.Childrenの桜井和寿とラッパーのGAKU-MCのユニット)の『勝利の笑みを 君と』を筆頭に応援ソングなど、W杯に合わせてたくさんの作品がリリースされています。全部聞かせてもらっていますが、そのなかで僕が最も気になっているというか、好きなのが椎名林檎さんの『NIPPON』。椎名さんらしさを貫いている楽曲だと思うし、今の若者たちがサッカーを見るときに感じる一体感とつながっているというか、すごくいい曲です。あれがナショナリズムだとかいう人がいるってニュースをネットで見たけど、僕はあれ、椎名さんの日本人への批評であり、問いかけなんじゃないかって思いますね。

 さあ、日本代表はグループのリーグ戦も残すところあと1試合。みなさん、“ポジティブに”ですよ!

ダイノジ 大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)第3回 サッカーってライフ!

2014.06.18 Vol.619

 W杯、盛り上がってますね。もちろん、僕も楽しんでいます。対コートジボワール戦は、浅草のホテルで息子と一緒に観戦。選手もそうですが、ザッケローニ監督も初めてのW杯で緊張してしまったのか策もブレてしまった。改めて、W杯って特別なんだなって感じました。

 初戦敗退でいろんな論調でザックジャパンが語られましたが、『キキマス!』は全肯定、そしてポジティブにお伝えしました。特に16日は、キキマスター(曜日レギュラー)の松木安太郎さんと一緒に特にポジティブに。松木さんも何度も口にしていましたが、こういう時に大切なのが“ポジティブ”。ああだった、こうだったって敗戦の理由を分析するよりも、ポジティブに見る、考える、感じる、そして動ける環境を作っていくことの方が大事。ネガティブに行くのはいくらでもできますからね。

観戦していて改めて思うのが、すごいサッカーチームっていうのは、技術の高い選手が1人、2人いるからすごいんじゃなくて、スター選手を機能させることができるチームなんだってこと。劣性であっても、そこからポジティブな空気を作り出せる人、そういう環境があると、ある瞬間からがらりと変わる。試合が動いて、空気も支配するようになるですよね。

 そんなことを考えていたら、サッカーがすごく実生活に即したスポーツだなって思いました。人と対する仕事をしていると、そんなふうにガラッと変わる瞬間に出会うことが多々あるんです。夫婦間でもネガティブな空気に支配されるときがありますよね、夫婦げんかとか。その空気を推進しようって思えばいくらでも推進できるんですが、そこで脇をくすぐったりとか、ちょっと道化をしたりすることで、空気が変わる瞬間が訪れる。お互いが機能するチームになっていくんです。

 サッカーってライフ!ですよ。こんなたくさんの人が夢中になってサッカーを見ているのにも納得します。

 話を戻すと、自分がこんなに楽しんでサッカーを見ていることにびっくりしています。この間、別の現場でW杯の話題になったとき言われたんですよ、「そんなにサッカー好きでしたっけ?」って。これも、『キキマス!』、その前に担当した『Good Job ニッポン』で、サッカーの知識のある人と話すチャンスをもらえたからです。海外組の選手名を眺めていただけだったのに、今は自分なりの楽しみ方も見つけちゃってます。
さあ、つぎはギリシャ戦。みなさん、ポジティブに行きましょう!

ダイノジ 大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)第2回 ”楽しいことをやることで抵抗したい”誕生日

2014.06.11 Vol.619

 42歳になりました。

 誕生日は6月8日。今年もイベントをやって過ごしました。イベントは、ここ10年ぐらい毎年やっていて、バンドを集めてロックイベントをしたり、DJしたり、漫才ライブだったりいろいろです。 なぜこんなイベントをやってるかというと、もちろん楽しいっていうのもある、でも本当は腹が立ってるからなんです。

 この日は、2つの凶悪な事件*が起きた日。テレビをつければその話題になったりして、むかつくし、腹が立つ。子供が巻き込まれる事件は特にです。ただ、それに対して怒りをぶつけるんじゃなく、楽しいことをやることで抵抗したい。許しがたい、あってはいけない事件や事故、そして悲劇に対して、人が抵抗できるのは逆のイデオロギーで振り切ることだと思うんです。

 なぜそう考えるようになったかというと、沖縄へ営業に行ったことがきっかけです。エアギターをみんなでやろうという参加型のネタだったんだけど、あんまり反応が良くなくて。スベったなあなんて思いながら帰ろうとしたら、お客さんが「良かった!」「面白かった!」って寄ってくるの。シャイな人ばかりが集まっちゃったのかなってスタッフに聞いたら、「沖縄の人はもともとすごくシャイなんですよ」って。楽しくお酒を飲んで歌って踊ってっていうのが、僕が持っていた沖縄の人たちのイメージでした。でもそれって「そうじゃないからこそ、意識してやってるんだ」って。それ聞いたら、なんかジーンとしちゃってね……。そうじゃないからこそ自分たちから乗ってく、能動的にやっていく——。シャイだからこそ見つけたやり方というか、生きていくための知恵のひとつだったんだって。

 つらくて悲しいとき、言葉を掛け合ったり、励まし合ったりしていくのも人の強さだし権利だと思う。それに加えて、周りを巻き込んで楽しい空気にしていくこともまた、人間に与えられた権利であり、武器なんじゃないかなって思うんです。僕は毎年3月11日に漫才イベントをやっているんだけど、これも笑い飛ばせっていうのじゃなくて、人は意図的にそうなろうとしたらなれるって、信じてるから。楽しいことをやることで抵抗したいんです。理不尽な不幸に対して。

 そんな思いでイベントをした42歳の誕生日、息子が部屋に誕生日祝いのデコレーションをしてくれました。こんなふうに祝ってもらったことがなかったから、うれしかったなあ。その前日、一緒に銭湯に行っていろんなことを話したんだけど、「誰かを喜ばせる」ってことって大事だって思ってくれたのかもしれない。自分がどんな父親でありたいかなんてよく分からないし、思ってもそうなれないのも分かってます。ですけど、こういうことが一つひとつ重なっていったらいいんじゃないかなって思ってますね。

 今週の「キキマス!」では、ゲストのみなさんにお父さまとのエピソードや心に残った言葉などを伺っています。今日11日はマラソンの高橋尚子さんと瀬古利彦さん、12日には島田洋七師匠も来てくれます。いつか僕もそんなふうに思ってもらえるのかなあ……。「父と子の感動ストーリー」、ぜひお聞きください。

*附属池田小事件、秋葉原通り魔事件

ダイノジ 大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 
第1回 ネガティブなことばっかりいってないで、楽しくやろうよ!

2014.06.04 Vol.619

 先日、久しぶりに呼んでもらった『ゴッドタン』が放送されて、ここ数日、いくところいくところで“ラジオスター”って呼ばれてます……。2日の放送は『ゴッドタン』放送後初の放送だったんですが、あの番組を見て、聞いてくれた人もいたかもしれなかったと思うと、“ラジオスター”っていうのを、ちゃんと“引き受け”てやるべきだったと、少し反省しています。もっと、アツくやらないと。注目してもらったのはうれしいけど、『キキマス!』そのものが浮かれないように引き締めてやっていきたいです。

 さて、先週の話になりますが、『TOKYO HEADLINE』の一木広治社長に番組に来ていただきました。一木社長、映画『バブルへGO!』に出てくるキャラクターのモデルにもなっている方なんですけれども、今も漂ってましたね、バブルの空気。あの突き抜けた感!ネガティブなことばっかりいってないで、楽しくやろうよ!っていう。僕は、それって今、一番大事だと思ってるんです。

 それで思い出したのが、いま注目を集めている音楽クリエイター、tofubeatsの言葉です。ももクロをはじめたくさんのアーティストのリミックスを手掛けたり、楽曲を提供したり、オリジナル曲も発表しています。以前、彼と話した時、音楽で何をしたいかって聞いたら「景気を良くしたい」って言ってましたね。
 

 彼の作品に『水星』という曲があります。この曲の元ネタになっているのが、今田耕司さんとテイトウワさんのユニット、KOJI1200の『ブロウヤマインド』です。KOJI1200が活動していたのは90年代中盤から後半。バブルは崩壊してたけど、音楽業界は景気がよかった。ミリオンヒットが頻発してCDの販売枚数も上り調子で、業界全体が潤っていたんです。KOJI1200もそういうムードのなかで生まれてきたユニットです。お金が余って、予算が余って、そこから零れ落ちたものから生まれたもの、カルチャーって芳醇なんですよね。それ自体が時代のパワーになって発展して、時代も超えちゃう。tofubeatsくんがカバーしちゃうんです。

 今は、深刻ぶることが重要視されすぎる時代になってきちゃって、深刻さがあふれすぎちゃっています。とにかく陽気に行こうよ、派手に行こうよ、そういう感覚、取り戻したいですよね。だから僕も、「景気を良くしたい」って思いながら、ラジオを含め、いろいろやっています。

 とはいえ、バブル期の雰囲気なんて知らないだとか、そんなこといっても景気も良くないし、楽しくやろうよ!なんて思えないって人もいると思います。だけど、例えば、ディズニーリゾートのファンタジー感だとか、ファレル・ウィリアムスの『ハッピー』で世界中が踊ってる感じだとか、そういうのは感覚的に受け入れられるでしょう。ちょっとだけ無理して、楽しいことを一個足す、それを重ねてくってことなんじゃないかな。学校でも会社でも、家庭のなかでも。そこからきっと、芳醇なものが生まれてくると思います。

 さて、9日からラジオはスペシャルウイーク。『キキマス!』では、「父と子の感動ストーリー」大特集として、ウエイトリフティングの三宅宏実選手と父でありコーチも務める義行さん、女子マラソン金メダリストの高橋尚子さん、マラソン界の第一人者、瀬古利彦さんなどなど、ゲストをお招きしてお話をキキマス! 日々、“デス馬券”と罵声を浴びせられている僕ですが、いろんなお話を伺いながら、楽しさを見つけていきたいです。

ダイノジ 大谷ノブ彦 カタリマス! 第1回 楽しいことは中(ナカ)にある!

2014.05.24 Vol.618

 ニッポン放送で放送中のラジオ番組『大谷ノブ彦 キキマス!』(毎週月曜〜木曜 午後1時〜午後4時 生放送)、お聞きになっていただけていますか? パーソナリティーの大谷ノブ彦です。番組スタートから約2カ月が経ちまして、この間、タクシーの運転手さんから「あれっ、ラジオの?」と声をかけられました。イベントにも「どんな顔をしているのか見に来た!」とおばあちゃんがいらっしゃったり、昼間の帯で番組を担当していることを感じることが多くなりました。

『オールナイトニッポン』など、いろいろな時間帯でラジオをやってきましたが、昼間の番組は初めて。楽しいですね。ゲストの方をお招きしたり、中継コーナーがあったり、ラジオショッピングのコーナーがあったり、やることも多いので、「大丈夫ですか?」なんて気を使っていただいたりもするんですが、僕はすごく楽しんでます。ラジオショッピングコーナーの商品がすごく売れたよ!なんて話を聞いたりすると、ものすごくうれしいんです。僕の話で買おうと思ってくれた人もいるのかな、なんて思っちゃったりもする。今まで知らなかった世界ではありますが、足を踏み入れてみると、楽しいってこと、たくさんありますね。

 番組のコーナーがきっかけで、競馬の予想も始めました。このコーナーが始まるまで、興味なかったんですが、手ほどきを受けたり、アドバイスをもらったりして、ガチで取り組んでいます。もともと、気になると調べたり勉強したくなる質なので、競馬新聞を読んだり、データを集めたり、実際に馬券を買ってなくてもレースのある日の午後3時になるとソワソワしたり。ただ結果は、全然ダメ。こっちはまだ、楽しくないです(笑)。

『キキマス!』からは、僕自身がいろいろなきっかけや新しい出会いの機会をもらっています。それをリスナーのみなさんにもお届けしたい。何よりも、僕が夢中になって話しているのを聞いてもらえたら楽しんでいただけるんじゃないかな、と思います。

 世の中、何かにつけて斜めに見がちです。『アナ雪』をみんなで歌うっていうの、なんか違う〜!とかね。それで「俺は人と違う!」って思ってる人が多いだろうけど、悪いけど、そんな人ばっかりなんですよ。僕は、中に入っていって、どうして面白いのか、どうして盛り上がってるのか知りたい。それで、“フォーっ”て声も出したい。番組でもこのコラムでも、いろいろなものの中に入り込んでいきたいと思います。

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