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普段とはちょっと違ったテイスト『語る室』カタルシツ

2015.09.13 Vol.650

 カタルシツは劇団イキウメの本公演とは一味違ったテイストの作品を上演する場、いわば“別館”として2013年にスタートした企画。

 第1回公演ではドストエフスキーの『地下室の手記』を、安井順平と小野ゆり子の二人芝居で上演。今年2月の第2回公演では同作を今度は安井が一人芝居で演じた。ちなみに安井がその第1回公演で読売演劇大賞の優秀男優賞を受賞するなど、個人としても作品としても高い評価を得た。
 今回は田舎町で起こった失踪事件をテーマとした新作SFミステリー。

 人気のない山道で一人の幼稚園児と送迎バスの運転手が姿を消す。5年経っても行方は知れないまま。消えた子供の母、その弟の警察官、バス運転手の兄。そしてこの3人が出会った、帰ることのできない未来人、奇跡を信じて嘘をつき続ける霊媒師といったさまざまな人々を通じて、徐々に事件の全貌が見えてくるのだった。

 取り上げる題材自体は一見、普段のイキウメでやるようなSFやオカルトっぽいものではあるが、より語り口や物語性に重点を置いた作品となっている。

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