キキマス タグーの記事一覧
大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 第52回 ラジオの役割について考えさせられる日々。
大雨で鬼怒川の堤防が決壊、阿蘇山が噴火、東京にも大きな地震もあったりと、災害が頻発しています。今月のあたま、防災の日にちなんで特集をしたり、専門家にお話しを伺ったばかりなのですが、こんなにすぐ自然災害やそれについての対策についてお話を伺うことになるとは…。いつも備えていなければ、考えていなければと思わずにはいられません。
被害にあった人に対して想いを寄せ、現場からのリポートや、本当に大変な、その渦中にいる方の声も聞くかせていただきながら番組を放送しています。ボランティアセンターの方ともお話しすることができましたが、手伝いに行きたいという人がたくさんいるなかで、それに対応しきれない。その環境が整っていない。週が明けて、いろんなことが分かってきたことで、やることがいっぱいで切迫している。そんな状況が伝わってきました。
現地の声を伝える、分かったことや状況を伝える、それとは違って、音楽や楽しい話が癒しになることもある。こういうときのラジオっていろんなやり方があるなって思います。そのひとつに、考えるためのいろいろなネタフリをするってこともあるかなあって思います。今週伺ったお話のなかに、浸水の際には長靴ではなく、履きなれたスニーカーのほうがいいっていうのがありました。長靴だと、水や泥、砂が入ってしまって、かえって避難しにくいっていうね。考えてみればそうだなって思うけど、気が付かなかったところです。「今夜、お家に帰って、家族の人と話し合うことも大切だよね」というときに、どこに避難するか、何を備えておくか、そういったことを含めて、話してほしいなって思うんです。そういうことを考えるってことをしてほしいって。
その時だけじゃないかっていうかもしれない。だけど、そのたびに話す、そのたびに考える。それって大切じゃないのかな。
改めて、ラジオについて考えるってことをする大切な時間になっています。災害対策も目的のひとつになっているワイドFMも本放送開始は12月の予定になっていますし、ラジオについて考えることがもっと増えていきそうです。
21日(月・祝)の放送は、東京スカイツリータウンスタジオから公開生放送をします。ワイドFMについての話にもなるだろうし、南海キャンディーズの静ちゃんこと山崎静代さん、カラテカの矢部太郎くん、さらにはシンガーソングライターのななみさんもゲストで登場してくれます。シルバーウイークの一日、東京スカイツリーで僕とラジオについて考えてみませんか? お待ちしています。
大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)第50回 エンブレム問題は、パクリ探しで終わっちゃいけない。
9月の声を聞くとともに比較的過ごしやすい日が続いています。涼しくなったと感じる一方で、ますます過熱しているのが、2020年東京オリンピック・パラリンピックのエンブレム問題。1日には、組織委員会が白紙撤回を決め、選考し直すことを決めました。
この件について、デザインを手がけた佐野研二郎さんの盗作なのか否か、トレースがどうだと、ネット上では「これもそうじゃないか」「あれもそうじゃないか」っていう指摘が、ものすごい勢いで行われ続けています。これが、なんか気持ち悪い。行き過ぎちゃってる感じもするし、揚げ足取りにしか見えなくなってきてるんです。
この動きが大きくなったことで白紙撤回になったとは思うんだけど、本当の問題というか、驚いたのは、デザインの世界って、こんな身内で回ってるんだってことが分かっちゃったことじゃないですか? それで仕事が発生してるんだったら、デザインをやってる人、これからやろうと思っている人は……希望がないって思っちゃうんじゃないかな。
いろいろな報道を見ていると、受賞は持ち回りになっていたとか、選ばれる顔ぶれが似ているとか…。これって、決定の方法が問題ですよね。誰がエントリーできるようになっているのかってこともそうだし、審査する・決定する人、権力のある人たちは、ちゃんと仕事をしているのかなっていう見方もできちゃいます。
お笑いに置き換えて考えてみると、お笑い番組に出ている芸人が同じ顔ぶれだとしましょう。でも、それって芸人それぞれの努力や人間的な魅力があってプロデューサーに気に入ってもらい、「使いやすい」だとか「大衆性がある」だとか、ちゃんと理由があって、呼ばれているわけです。それ以降も呼ばれるかどうかは、芸人自身がさらに努力し続けるかどうかなんですよね。プロデューサーは常に新しい才能に目を光らせていますから、常に自分をプレゼンし続けないとならない。そうやって動いているんです。
僕はデザインのことは分からないですけど、佐野さんもこれまでいろいろ仕事をしてきて、プレゼンし続けてきたからこそ、そこに名を連ねる人になったんだと思います。ただ、自分のプレゼンを続けている人は佐野さんを含めて今もいるし、これからも出てきます。だからこそ、選ぶほうがもっとしっかりしなければならないと思うんです。審査をする人として選ばれたんだからね。そうすると、デザイナーさんもこれまで以上に自分をプレゼンしていくことが必要になるけど、希望が持てるんじゃないかなって思うんです。
新国立競技場のことについても、同じことじゃないの。そう思わずにはいられません。
大谷ノブ彦 カタリマス! 第16回 スペシャルウィークは「しくじらない」。
8月も残すところあとわずかになりました。『キキマス!』のスタッフは夏休みを楽しんでいたみたいなんですけど、僕は番組があるし、夏フェスがあったし、舞台もあったしね…。充実した夏を過ごさせていただいてますよ。
さて、8月の最後の週はスペシャルウィーク。24日から27日まで毎日、『さらば!しくじり中高年 絶対に失敗しない〇〇』と題して、さまざまなジャンルの大人の達人をお招きしてお話を聞いていきます。なんか、聞いたことがある? テレビの影響もあるんでしょう、ポップですし。
このスペシャルウィークを控えて、『キキマス!』ではここ2週間ぐらい、リスナーからいろんな“しくじり”エピソードを聞かせてもらってきました。青春のしくじり、恋愛でのしくじり、旅でのしくじりと、テーマを決めて、本当にいろいろね。そのなかでも、メールが止まらなかったのが、電車がらみの失敗。飛び乗った最終電車で眠り込んでしまって気づいたときには自分が降りる駅はとうに過ぎた福島。さらにその電車は青森まで降りられない、っていう。新幹線通勤の方で、朝起きたらお城の下で寝ていて、なぜ小田原城の下で寝たのかなあと思ったら名古屋城だった…なんていうのもありました。僕も夜勤のバイトしてたころ電車に乗って寝て起きたら乗った駅。そのたびに、俺、この街が好きなんだなあって思いました。
エピソードを聞いてくなかで思ったんだけど、聞くたびにほっこりした気持ちになるんですよね。失敗して笑える!っていうのではなくてさ、面白いのは面白いんだけど、なんだか、いい気分。失敗、いいじゃない、と。「しくじらない! 絶対に失敗しない!」っていう企画をやっていくんだけど、最終的には、「ちょっと失敗してもいいかも…」なんて、思ってくれたらいいかもしれないなんて思っています。さすがに40代になってのしくじりは本当に怖いし、しくじった自分を責めることになるんでちょっと嫌だなあとも思いますが、20代とかだったら絶対しくじったほうがいい。そのほうが人にも話せるしね!
そういう意味での『絶対に失敗しない』企画。初日の24日は「絶対に失敗しない居酒屋呑み」。25日は温泉・SPAめぐり、26日は京都・鎌倉遊び、最終日の27日は『絶対に失敗しない1人でも楽しい休日』。究極のお1人様特集です。達人たちの話、僕も楽しみです。
大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 第49回 『テイラー・バートン〜奪われた秘宝〜』、ついに本番。
声がガサガサです。いつものことだろうって思われていることだとは分かってるんですが、いつも以上にガサガサなんですよ。なぜかっていえば、舞台の稽古ですよ。
18日からスタートしたダイノジ活動20周年記念公演『テイラー・バートン〜奪われた秘宝〜』。キングコングの西野くんが書いてくれた作品を、6日間にわたって、いろんなメンバーで上演します。ダイノジは、20日、21日、それと22日の昼と3公演に出演します。
『キキマス!』でも、このコラムでも何度となく話題にしてきたこの舞台。ある宝石があって、それを盗む側がいて、守る側がいる。そのなかで誰が一番ずるいのか……。そんなお話です。台本を読んだときには震えましたね。
喜劇、軽演劇は、活動するなかでいつかやってみたいと思っていたこと。セリフがある、役が決まっている、そういう制限のあるなかでやるってことに挑戦してみたかったんです。その役だったら絶対言わないことだけど、ウケればオッケー!っていうのではないところで。
稽古はいつも深夜で、頭がコックリコックリしながらですが、楽しいし発見もいっぱいあります。例えば、大地さんはやっぱりおもしろいってこと。もともと大地さんは一定の制限があるなかでやるとすごく面白い人。セリフが決まっている、演じている役に準じてその人としてボケるっていうのは、すごく大地さんに合っているんですよ。だから、水を得た魚って感じです。
で、自分はっていうと、全然ヘタレ。稽古しながら、ああ限定されているなあって思ってるし、話の本筋を進めるということに苦戦しちゃってる。もっと解き放たれないといけないなって思います。なんて、何よりもセリフが全然覚えられないのが困ってるんですけどね。
本番はもうすぐです。はあ、こんなに余裕がなくなるとは思わなかったなあ。本当なら、他のグループが稽古しているときに、「はい、差し入れ〜!」なんていって見に行ったりさ、そういうのやりたかったのに。自分たちのことで精いっぱいだよ。
とはいってもね、手応えはあるの。ワクワクしているし、どういう反応が返ってくるのかすごい楽しみなんです。
大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 第48回 佐野元春さんに夢見心地。
はあ、今も、夢見心地です。8月10日、『キキマス!』に佐野元春さんが来てくれました。佐野さんは中学生の頃からあこがれていた人。ゲストで来てくれることが決まってから、緊張で睡眠時間がずいぶん減りました。
佐野さんとは本当の初対面でしたが、笑いもこぼれながら、いろんなお話を伺うことができました。たくさんのアーティストに影響を与えた『アンジェリーナ』、ひとつの音符で「シャンデリア」って歌ってしまう当時は珍しかったあの手法に至った背景であるとか、ずっと聞きたかったことをぶつけられたし、うれしかったなあ。
なかでも面白かったのは、最新アルバム『BLOOD MOON(ブラッド・ムーン)』のアートワークに関わる話。佐野さんは、最近話題のハイレゾであるとか、iTunesに代表される配信やダウンロードで音楽を届けるスタイルも、いち早くやってきた方。そういう佐野さんが、見せたいって最新アルバムのアナログ盤を抱えてやってきました。最新作ではアートワークにもすごく力を入れていて、70年代から活躍しているヒプノシスというアーティスト集団がいてその流れを組むアーティストとコラボレーションしたそうです。景色で音楽が変わるじゃないけど、ジャケットがこういうアートワークだから、アルバムがこう聞こえる。そのためのアートワークなんだっておっしゃっていました。
音楽業界の元気がない、CDが売れないっていう話が言われ続けているなかで、佐野さんは全包囲網でできることをやっている方だなあって改めて思いました。佐野さんは、「音楽ファンに楽しんでもらいたい」。CDで聞きたい、レコードで聞きたい、ダウンロードで聞きたいと聞き方が多様化してきているのだから、「自由に選んでもらいたい」と話していました。きっとこれって、音楽だけじゃなく、漫才でも同じですよ。たけしさんが、いい芸人だったら相手のチューニングに合わせなきゃっていうようなことを言ってましたけど、どうやって、どういう環境で、漫才を届けるかってことまで、考えるってことだと思いました。
佐野さんは現在、最新作を携えて全国のライブハウスを巡るツアーを展開中です。夏フェスへの出演もあるようなので、アルバムもいいですけど、ぜひライブで聞いてほしい。佐野さんとのお話はポッドキャストでも聞けます。佐野さんならではのフレーズがあちらこちらに飛び交っていますので、ぜひ聞いていただけたらうれしいです。
夏フェスといえば、今週末はサマーソニック。DJダイノジも出演しますのでいらっしゃる方はぜひ見に来て下さい! 10月のマグロック、フジソニッックの準備も進んでいますし、夏フェスに出演するなかでポジティブなイメージができてきました。こちらは、これから追い込みをかけます!
大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 第47回 70年目の原爆の日に思うこと。
広島、そして長崎に原爆が投下されてから70年目を迎えました。黙とうを捧げ、犠牲になった方々に心を寄せながら、思うんです。自分はその思いを自分のなかに留めておくんじゃなくて、外に伝えていかないとって。それが僕の仕事じゃないかって。戦争反対。それだけは伝えていきたいんです。
70年前に起きたこと。現在もアメリカでは6割の人が原爆投下は正しかったと考えているという話を聞いたことがありますが、それってどうなんだろうって思わずにはいられません。
こういう話をすると、パールハーバーであったり、日本が他の国にしたことについてはどうなんだ、という議論になりがちですが、それって水掛け論でしかないんじゃないかな。もちろん、悪いところがないわけじゃないと思う。当時の日本が戦争を始めたということ、それ自体についても思うところがあります。ただ、そういう細かいこと、広がったことを考える前に、もっとシンプル、簡単でいいんじゃないですか。爆弾を落とすこと、命を奪うこと、そういうことをしていいのか悪いのか。そこを考えたい。
そのためにも戦争を知ることが大切です。僕自身、どうやって戦争に触れてきたかといえば、記念館を訪れる、語り部の方たちにお話しを伺うというのもそうですね。それと、黒澤明監督の映画もあります。それをきっかけに自分で調べたりして、緩やかに自分の中に入れてきたように思います。その蓄積された情報をもとに、戦争について考え続けているんだと思います。僕には息子がいますが、彼もまた関心を持って同じように緩やかに情報を入れていってくれたらなと思います。僕や誰かが正しい、間違ってるって言うのではなく、彼自身で積み重ねて行ってほしい。僕はそれを見守りたいと思っています。
原爆の日。記念式典が行われましたが、ふと思ったことがあります。厳かな式典とはまた別に、あのころできなかったであろう楽しいことをやる、やってやろうっていうイベントっていうのもいいんじゃないかって。それに参加しながら、当時のこと、その時代を生きた人たちのことを思う。そういうのをね。……日本でやるだけじゃなくてさ、これだったらアメリカでもできるんじゃないかな。そんなことも考えました。
大谷ノブ彦 カタリマス! 第15回 ベタなことをやって夏休みを回収したい
世の中はもう夏休み。喜んでいる人がほとんどだろうけど、なぜかうちの息子はそうでもないようなんですよ。学校が好きなのかな、休みはつまらないみたいなんですよね。
僕の場合、『キキマス!』が月〜木でありますし、週末は夏フェスがあります。8月には舞台『テイラー・バートン〜奪われた秘宝〜』も控えていますし、なかなか夏休み気分は味わえなさそうなんですが、できることならば、夏休みっていえばこれだよねっていうベタなこと、いつも以上にベタなことをしたいって思っています。
いろんなことがあるんでしょうけど、僕は家族がいるので家族でよりベタなことをやりたいんですよね。というのも、この間、家族で動物園に行ったんですけど、カミさんにすごい言われたんですよ。「一生懸命お父さんやってるね、すごい無理してる」って。お父さんをやるのが……下手なんだろうなあ。異常な行動力というか、人のことを考えていないというか、家族をおいて1人でスタスタ歩いて行っちゃう。だからね、多くの人がやっていることをやってみたいなって思うんですよ。バーベキューとかね。一緒に出掛けたり、カルピスを作って一緒に飲むだとか、キャッチボールをするだとか。もっとボール遊びができるところ、あるといいのになって思います。本当にできるところが少ないですよね。まあ、今は足が骨折してますから、フォームについてアドバイスぐらいしかできないんですけどね……。
大人になると、無駄なことというか必要じゃないことを行動に移すことは億劫になりがちです。僕がこういうベタなことをしたいのも、きっと息子がいるから。それにベタなことをすることで、自分ができなかった夏休みの過ごし方を回収したいっていうのもあるかもしれないですね。
自分が親ではなく子供だったらどんな夏休みを過ごしたいか?……そうだなあ、釣りがしたいですね。海でも川でもいいんだけど、誰かに釣り方を教えてもらってね。
さて『キキマス!』では、夏休みを盛り上げていきます。いろんな夏の過ごし方、お聞きしたいですね。一緒に楽しめることも考えていますのでお楽しみに。
大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 第46回 今年の夏フェス、DJ ダイノジはちょっと違う…かも?
3連休も終わり夏休みシーズンに入りました。それと一緒に、各地で夏フェスも始まってます。ダイノジ20周年っていうのもあるし、僕もたくさんの夏フェスに出演させていただきます。
その一発目となったのが20日に台場であった『アフロの変フェス』。僕とレキシの池ちゃんでやってるフジテレビ『アフロの変』(毎週木曜25時25分〜)の公開収録だったんですけど、これが本当にいいイベントだったんですよ。
何が良かったかっていうと、それはいろいろあるんだけど、℃-uteですね。よっぴー(ニッポン放送の吉田尚記アナウンサー)が言ってたんだけど、℃-uteってさ、変わった振りつけっていうか、最初見た人は笑っちゃうような感じがあるんですよ。でもそれが、だんだんカッコよく見えてきてスタンダードになって、そしてライブの鉄板曲になっちゃう。それが本当のポップスなんだって。変なものとしてインパクトを与えていたものが大衆化する。2000人が彼女たちを平等に楽しんでいる……変なものを愛すっていうか、これもいいじゃんって言い合うようなフェスだったんです。それと、℃-uteのファンがどんなグループのパフォーマンスでもすごい盛り上がっていたのにもグッときました。骨折した足を引きずりながらステージを降りて、一緒になってオイコールをしたり、ハイタッチしたりして。℃-uteのファンで良かったって思いましたね。
ちなみに、このイベントではギターまで弾いちゃいました。かじった程度ですけど高校時代にバンドでギターをやってたんですけどね、その日はとにかく練習して臨みました。池ちゃんがしないっていうんでリハーサルもしなかったので、見てくれた人は、それもまた「変なもの」として楽しんでくれたんじゃないかなって思いたいです。
変だけどいいじゃない、みんな違っていいじゃない。それって、このイベントや番組だけじゃなくて、これから自分がいろいろやっていくなかでのテーマ、人生のテーマでもあります。受けること、盛り上がることばかり考えてやってきたけど、そうじゃなくて、いい曲さえかけていれば俺たちは大丈夫。変なDJでいいじゃないって思うんですよ。
夏フェスシーズンも本番。DJダイノジも、ロック・イン・ジャパン・フェスティバル、サマーソニック、そして秋のマグロックやフジソニックまでたくさんのフェスに出演します。これまでのDJダイノジを知っていてくれる人がいたら、これまでとはちょっと違う?って感じてもらえるかもしれないですね。
大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)
第45回 一杯の立ち食い蕎麦。
ここのところ、立ち食い蕎麦に通っています。前から立ち食い蕎麦は好きなんだけど、足を骨折して動きづらいっていうのもあって、立ち食い蕎麦に落ち着いちゃってるんですね。腹が減っている。何か食べたい。いつもの店に行こうかなって思っても、この足では少し距離がある。そんな時に、あたりを見回すと必ずあるんですよ、立ち食い蕎麦が。
先日、久しぶりに降りた桜木町でもそんな感じで、ふらっと立ち食い蕎麦屋に入りました。ただ、これが衝撃的な出会いだった。全部、自分の好みの店だったんです。
店は、桜木町の駅構内にある川村屋。「そば」「うどん」と文字が並んだ店先に、もうひとつ…「青汁あります」。さっそく注文を通そうとしたら、青汁は別のカウンターがあるっていうんです。青汁を出す店も初めてなら、別のカウンターがあるとは。そして「はーい」って出してくれた青汁が、ドロドロの生の青汁。これがね、体にめっちゃいいだろうなって味なんですね。蕎麦は、かつおだしの優しい味。いなりずしにはごまも入っている。…うまい。人気メニューは「とりそば」で、煮込んだ鶏肉が入ってるんですよ……やるじゃない、と。
川村屋さん、明治33年(1900年)にもともとは西洋食堂として始まったそうなんですね。駅周辺の開発があって店舗も移転したりするなかで蕎麦屋に専念。この115年の間にはいろんなことがあって、時代も変わっていくなかで、それに合わせて変化しながら、今もおいしいお蕎麦を出し続けているんですよね。蕎麦をすすりながら、青汁を売ろうとしたときもそんなもの売ったって、なんて反発もあったんじゃないだろうか、いなりずしのごまだってコストが高くなりますよ!なんて意見もあったんじゃないだろうか。それでも、お客さんの健康を考えて……なんて、考えを巡らせていたら、涙が出てきちゃいました。
その日は本当にお腹が空いていたんで、もう一杯、かけそばを食べようかと思ったんですが、もう無理。泣いている松葉杖の男が「かけそば、もう一杯」なんてシュールすぎるでしょう。一杯のかけそば感がすごいしね。
この話、13日の『キキマス!』で話したんですが、そしたら反響がすごかった。川村屋さんに行っているっていう話もあったし、おらが村の立ち食い蕎麦話とか止まりませんでした。
骨折は全治1カ月といわれています。僕の何度目かの立ち食い蕎麦ブーム、しばらく続きそうです。
大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)
第44回 カミさんは「知らない」
骨折しました。先日、豊洲にあるフットボールパーク「MIFA」の1周年を記念したフェスにDJで呼んでもらったんですが、自分がDJをしているときに、Mr.Childrenの桜井さんが出てきてくれて一緒に『innocent world』を歌ったんですよ。それに興奮しちゃってジャンプしたら、着地に失敗。みんな心配してくれます。『キキマス!』でニッポン放送に来てもね、「足、大丈夫ですか〜」って声をかけてくれる。痛みでいうと、痛風のほうがずっと痛いですけどね。
骨折したことを笑ったカミさんですけど、動けないこともあって、いろいろやってくれるんですが、がく然としたこともあってね。…連れ添って10年になるけど、この10年ってなんだったんだって。7日の放送を聞いてくれた方は思い出してください。僕、怒りをぶちまけてたでしょ。
なぜそうなったかというときっかけは、SUBWAYのサンドウィッチの話でした。カミさんはSUBWAYの新作が出ると買ってきてくれるんですけど、そのサンドイッチにオリーブとピクルスが入っていたんです。僕はいつもオリーブとピクルスは抜いて作ってもらっているっていうことに、カミさんは気づいてなかったんです。男の勝手かもしれないけどさ、10年も一緒にいるんですよ。理解してくれてるって思ってたのに。そしたら「知らねえよ、黙って食べろ」だって。
どん兵衛もそうです。骨折した僕にカミさんが作ってくれた、どん兵衛。アゲが上にありました。僕はずっと、アゲを底に潜らせて麺を5回転ぐらいしてすべて行き届かせたうえで、どん兵衛を食べてきたんです。でも、カミさんはそれも知っていてくれなかった。このショックたるや…。それならリクエストしようって思ったら、今度は、後のせサクサクの天ぷらを沈めようとしてました。これは、暴挙ですよ。
この問題について言えば、番組でも言った、みかんの缶詰のシロップ問題もありますよ。冬場はね、みかんを食べ終わったあと、みかんをむいて入れるんだけど、そのみかんを取りに行っているわずかの間に捨てられてました。これは戦いですよ。この話をしたら番組の男性スタッフには、炭酸水を入れてジュースにするなんて人もいましたよ。うれしかったですね。ここにも侍がいるって。
ところで僕はどうかって? もちろんカミさんが何をどう食べるのが好きか、把握しているつもりですし、理解しているつもりですよ。10年一緒にいますから。まあ、1人で立ち飲みに行っている時は僕の知らない顔なんだろうけどね。