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キキマス | TOKYO HEADLINE - Part 5
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大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)
第43回 マンガみたいな野球が見たい!

2015.07.01 Vol.645

 マンガみたいな野球が見たい! この連載でも言ったと思いますけど、僕はそういう野球が見たいんですよ。12連敗、交流戦史上最低勝率の横浜DeNAベイスターズが6月23、24日の対巨人戦に連勝。その後の対阪神戦ではまた嫌なムードが漂ってきましたが、30日には沖縄連戦の初戦を取り、3位につけてます。僕は言いたい。中畑清監督に期待するのはマンガみたいな展開です。もうフリは済みました、状況は十分整いました。ここから優勝です。これができれば、もう異例も異例、初めて尽くしの記録尽くしになりますよ。「交流戦史上最低の勝率から駆け抜けた!」。そんなスポーツ紙の紙面が…浮かんできます。

 そんなことが見え始めたのはやっぱり、育成から上がってきた砂田毅樹投手の存在ですね。24日の対巨人戦で登板。残念ながら勝ちはつかなかったですけど、彼は救世主になりうると思っています。

 僕が砂田投手を初めて見たのは沖縄キャンプに行った時。当時はまだ3ケタの背番号「111」をつけていました。育成の選手が投げるんだなあ、なんて見ていたんですが、彼があれよあれよって感じで投げる。左が弱いとベイスターズが言われるなかで、あの砂田投手の投球。三浦大輔投手に彼のことを聞いたら、「シーズンの途中で絶対に出てくるから、注目していてください」って言ってました。その時がいよいよ来たって感じです。そういえば、交流戦対日ハム戦で登板したときには、大谷翔平投手と投げ合ったんだけど、相手が大谷投手で注目されるから良かった、かましてやろうと思ったみたいなこと言ってましたね……いいじゃないですか。彼が後半戦活躍すれば、さらに上、優勝だって行けますよ。
 

 もう一つ、砂田投手に注目してほしいポイントがあります。それが、登録された背番号「68」ですよ。6と8、6月8日は僕の誕生日なんです。分かります? こういうことなんですよ! ここのところ、なかなか球場には行けてないですけれど、今度スタジアムに行った時には、投げる砂田をノブ彦が見守ります。

 今の状況で行けば、昨年の「来年はクライマックスシリーズに行きます」という目標は、確実に優勝に変わってくると思いますね。ファンのなかには、負け続けて焦っていつもの定位置だよって、いつも通り言い始めている人もいるけど、何言ってるの! 始まりでしょう! いい状況になってきてるでしょうって。大谷は一切あきらめていません。

大谷ノブ彦 カタリマス! 第14回 10月は清水港でマグロック&フジソニック

2015.06.22 Vol.645

『キキマス!』でもお知らせしていますが、ダイノジ、再び、野外フェスをやります。10月3、4日に静岡の清水港の清水マリンパークで。1日目は「マグロック」、2日目は「フジソニック」と日替わりのタイトルがついていて、それぞれ違うテーマを掲げて。タイトルを発表してから、SNS上でたくさんの人がザワザワしてくれて、本当にうれしいですね。

 つい先日、出演アーティスト第2弾を発表しました。ライブハウスで元気のいいバンドを中心としたラインアップの「マグロック」は、でんぱ組.incとTOTALFATが加わって5組に。静岡に関わりのあるアーティストを軸にしたちょっと大人のフェス「フジソニック」には、森高千里さんと斉藤和義さん、静岡出身のさくらももこさんのユニットであるイエローパープルが追加されて6組になりました。これ、どっちもすごいでしょ。

「フジロック」については、吉井和哉さんと斉藤和義さんが同じステージに立つってことがすごいし、そこに森高さんがいる。さらに電気グルーヴにさくらももこさんもいるわけだから、静岡が生んだサブカルチャーのおいしいところ、2組が揃っちゃうという。さくらさんについては、ビートたけしチルドレンでもあるし、お会いできるっていうのがもう楽しみですよね。

「マグロック」のラインアップは、DJダイノジがやっていることの延長線上で、どのバンドもアイドルもDJでかけまくってるメンバーです。第2弾で発表したTOTALFATはすごく真面目な子たちでメッセージ性も強いパンクバンドなんだけど、一点突破するパーティーバンドっていう側面もあって、それがいいなって。でんぱ組.incについては説明いらないよね。他にはない存在であり、音楽。出自もいいじゃない。秋葉原でオタクでっていうカウンター側にいたところがね。

 さて、フェスまで4カ月を切りました。今後もラインアップは追加される予定だけど、いいですよ。あとは、SNSでザワザワしてくれている人たちがどれだけ当日来てくれるか。8年前、同じ場所でマグロックをやった時、自分としては完璧なラインアップで、ライブも最高だったのに、多大な借金だけが残りましたから……。あれからいろんな経験もしたうえでの復活です。音楽ライブを楽しむことはもちろんですけど、清水という町を好きになってもらえるようなフェス、子どもも大人も、誰でも楽しめるフェス、全体的にふわっと楽しいみたいなフェスにできたらなと思って、準備を進めています。

 DJダイノジは両日とも出演しますよ! 10月、一緒に清水で楽しみましょう!

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)
第42回 この夏、ダイノジが上げる”喜劇”というでっかい花火。

2015.06.17 Vol.644

 ダイノジの夏といえば夏フェス……ではありますが、今年の夏はそれだけじゃない。20周年の夏、ダイノジは喜劇に挑戦します。それが、『ダイノジ活動20周年記念公演「テイラー・バートン〜奪われた秘宝〜」』!……ダイノジ活動20周年記念公演。なんだか、すごい。関わってる人たちみんなが、持ち上げてくれてます。

 自分のブログでも書いたことだけど、以前から喜劇をやってみたいって思っていました。そのなかでいろんな出会いや巡り合わせがあり、20周年っていうのもあって実現しました。脚本は、西野くん(キングコング、西野亮廣)にお願いしています。前に自分で書いて芝居をやったこともあるし自分でっていう選択もあったんだけど、今回は西野くんにお願いしたかった。西野くんは、誰も傷つかない、死なない、ハッピーエンドな話を作るんです。ダイノジはコントのなかでも人が死ぬので、そうじゃないことをやりたいっていうのがあって。それに、西野くんは、タモリさん、鶴瓶さん、三谷幸喜さんが認めるクリエイティブな才能でもありますから、その感じに挑んでみたいなっていう気持ちがあったんですよね。

 さて、舞台ですが、テイラー・バートンっていう宝石があって、それを盗む側がいて、守る側がいて……そのなかで誰が一番ずるいのかっていうもの。大筋はそんなお話です。それをですね、「グランジ PRESENTS」「ブロードキャスト!! PRESENTS」、西野くんやNON STYLEの石田の「ナイスなやつらPRESENTS」、そして「ダイノジ PRESENTS」という4組の異なるキャスト陣が、それぞれ違った演出家と組んで6日間にわたって上演します。同じ話なのにまったく別の舞台になってるかもしれないし、そうでもないかもしれない? 見てくださる方はそれぞれを見比べる楽しみ方もあると思います。

 僕らの演出をしてくれるのは、川尻恵太さん。エレキコミックやエレ片、ラーメンズと仕事をしている方ですけど、西野くんの推薦。自分たちのなかからは出てこないアイデアでしたね。まだどうなるかはこれからってところもあるけど、普段使っている武器は使わないつもり。大地さんのマッチもエアギターも出ないし、ラジオDJも出てこない。西野くんの脚本、川尻さんの演出…そこに飛び込んで行ってどうなるのか、楽しみですよ。

 公演は、8月18日〜23日まで、草月ホール。ダイノジ出演は、20、21、22日の3日間で3公演です。もともとは、ダイノジの喜劇というところからスタートしたのに、いろんなことを考えていたら、壮大なものになっています。ダイノジの喜劇、期待していてください。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)
第41回 「父ちゃん」はちょっと切ない。

2015.06.11 Vol.644

 今週の『キキマス!』、すげー面白いです。8日に萩本欽一さん、9日に田中眞紀子さん、10日に檀ふみさんと、豪華なゲストを迎えて放送しています。豪華すぎなのかなあ。暴飲暴食したわけでもないのに火曜日の夜から痛風の症状が出始めました……。番組が終わったときは何でもなかったんですけどね。夜、仕事を終えてタクシーを降りたら、あれっ?って。症状が出るときはたいてい「飲み過ぎたからな」と原因が分かるもんなんですけど、本当に心当たりがない。『キキマス!』のゲスト以外にね。

 さて、なぜこんなに豪華なゲストが登場しているかというと、今週はスペシャルウイークなんですね。「父ちゃんバンザイ! 波乱爆笑オヤジ伝説キキマス!」と題して、ゲストの方々から、お父様のことやお父様とのエピソードなどを伺っています。当たり前のことなんだけど、それぞれまったく違う「父ちゃん」で、話を聞いていて面白いんですよね。聞きながら、ゲストの方の新たな魅力も感じられたりもしますしね。田中眞紀子さんがいらっしゃったときなんて思わず「きれいですね」って言っちゃいましたし。眞紀子さんのちょっと乙女な部分も見えたりして…。政治家としての顔を見てきたから怖いイメージが先行するけど、可愛げのある人。だから、こんなに目を引くんだろうなって思いました。

 このテーマでお話を聞きながら思うんだけど、「父ちゃん」ってちょっと切ないんですよ、結構報われない。同調圧力っていうのかなあ、周りから「父親はこうあってほしい」みたいなイメージを押しつけられてるようなところがあるし、しつけとして偽薬的な意味で子どもに対して怖い存在でなければならないみたいな、悲哀がある。もちろん家庭によって違うだろうし、どんな「父ちゃん」であってもいい、それでいいって思っているんだけど、やっぱりそういうところ、あると思うんですよね。そうなると、愛情を注ぐ母親は感謝されやすくて、父親は…ってなる。

 父の日(6月21日)が近いからって考えた企画ではあるんだけど、お話を伺ったり、いただいたメールを読んだりしていると、切ない、報われない存在である「父ちゃん」にスポットをあてられて良かったなって思っています。最終日(11日)は、間寛平さんが来てくれます。また、いいお話が聞けそうです。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)
第40回 マグロック復活! ダイノジがフェスをやります

2015.06.03 Vol.643

 毎日暑いですね。もう、夏。夏といえば夏フェス。ビッグフェスの出演ラインアップも充実してきてフェスムードが高まってきました。そんななかで、『キキマス!』でもお知らせさせていただきましたが、ダイノジ、野外フェスをやります。場所は静岡の清水マリンパークで、日程は10月3・4日の2日間。1日目が『マグロックフェスティバル2015』、2日目が『フジソニック2015』。つい先日情報解禁になったんだけど、「マグロックってなんだよ…!」「フジソニックっていったいどっち?」なんて、SNSでは話題にしてくれて、すごくうれしいです。……だって、これ、リベンジだから。

 僕ら8年前に野外フェス「マグロックフェス」をやってるんです。同じ静岡の、同じ場所で。当時は、単純に野外フェスをやりたくて、当時の最高のメンバーに出てもらって。豪華だったんですよ……。でも、大赤字。僕の最初の挫折です。それから大地さんと僕は小さなイベントにいっぱい出演するであるとか、たくさん働くことになりました。そのうちフェードしようなんて思ってたDJだって、辞められないじゃんってことになりました。その記憶があるから、どんなことにせよ話題にしてもらえることがうれしいです。

 今回のフェス、静岡朝日放送さんと一緒にやるんですが、話を聞いたのが去年、おととしぐらいだったかな。ダイノジ20周年でいろんなことをやってきたのもあるし、この7年間でいろいろ経験してきたなかで、今、僕らがやりたいって思うことなんですよね。例えば、元気づけたいって復興地に行きます。だけど、もう地元の人たちは他から人を呼んで盛り上がろうって、自分たちでコンテンツを作っているんです。これって復興地だけのことじゃなくて、他の地方に行ってもそういった時代の流れを感じます。だったら、ダイノジもそれになりたいなって。漫才でも、DJでもなんでもいいから、盛り上がろうっていう人たちと一緒にやりたい、お手伝いしたいと思っていろいろやってます。

 さて、フェスに話を戻しましょう。マグロックには、キュウソネコカミ、Fear,and Loathing in Las Vegasといった僕らがいま見てほしいと思っているバンドが中心のラインアップ。2日目は静岡出身の電気グルーヴ、静岡育ちの吉井和哉さんと、静岡にゆかりのあるアーティストを軸にした少し大人のロックフェス。もちろん、DJダイノジは2日間とも出演します。出演アーティストは今後もどんどん追加されていきます。まだすごい人が控えてますから楽しみにしていてくださいね。

大谷ノブ彦 カタリマス! 第13回 みなさんの代わりにお話を「キキマス!」。

2015.05.25 Vol.643

 すげーことが起きました。僕、あの沢口靖子さんとしゃべったんですよ。『澪つくし』の沢口靖子さん、『科捜研の女』シリーズの沢口靖子さん、第1回東宝シンデレラガールの沢口靖子さんですよ! 僕らの世代にとっては、もう、お姫さまのような方です。そんな沢口さんと、お話できるなんて! 10代のころの自分に自慢したい。

 あこがれの沢口さんにお会いできたのは、もちろん『キキマス!』をやっているからです。沢口さんには25日に登場していただきますが、先ほど挙げた出演作品やご自身のこと、そして最新舞台の『台所太平記』(明治座、6月4日〜)のことなど、いろいろなお話を伺いましたので、放送を楽しみにしていてください。

 沢口さん、本当に素敵な方です。おきれいなのはもちろんなんですが、僕がイジられたら、それをたくさん笑っていただいて。うれしかったなあ。大阪のご出身ですから「笑い」との距離もすごい近いのかな。楽しかった。最後にはちゃっかり、握手までしてもらっちゃいましたしね(笑)。この手の感覚が残っているうちに、舞台も見に行こうと思っています。

 沢口さんはもちろんですが、『キキマス!』をやっているなかで、あこがれの人であるとか、俳優や女優さん、ミュージシャン、芸人、いろいろな方のお話を伺えるのは、とっても光栄なことです。どなたとお話していても「おもしろい」って思うことばかりですし、楽しいんです。

 こうやって番組を通じてお会いしてお話すると、普段よりもずっと話ができるような気がします。例えば、ミュージシャンの方々。仕事以外で話す場面はたくさんあるんですけど、そういうところでは僕、全然話さないんですよ。というか、話せない。何を話していいのか分からない。だからミュージシャンの友達っていないんですよね。芸人のなかにはすぐ友達になっちゃう人もいるけど、僕にはそれができないんだなあ。でも、それが番組で話すとなると別の話で、いろいろ話したくなっちゃう。仕事だからっていうのもあるんだろうけど、それだけでもない。僕はきっと、「たくさんの方に聴いてもらうために誰かの話を聞く」ことが好きなんだろうなって思います。自分のなかに留めておくんじゃなくて、外へっていう。それに聴いていただくためってなると、話す相手も、うざいような愛情を受け止めてくれるところもあると思うしね。

 これからも、みなさんの代わりに、いろんな方のお話を聞いていきたいと思います。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)
第39回「大谷に敵はいない」

2015.05.20 Vol.642

 先週末は「ABSまつり」で秋田に行ってきました。『キキマス!』でも話したし、自分のブログにも書きましたが、あったかくていいイベントでね。お客さんもたくさんきていただきました。秋田のお客さんは、しっかり見てくれてるんだなって感じでした。もしかしたら、人によっては「ノリが悪いな」って感じちゃう雰囲気なのかもしれないけど、じっくり見たうえで笑う、みたいな、僕にとってはすごくいい感じで。ついつい出演時間もオーバーしちゃいました。……秋田、好きだなあ。

 仕事でいろんなところに行かせてもらっていますが、お客さんだったり、その土地の食べ物だったり、いろんなことからその土地に想いをはせます。秋田でも鍋にトッピングされてた白いネギの甘さの向こう側、名産の「いぶりがっこ」もそうですね。帰りの空港で知った「ババヘラ」っていうアイスクリーム。おばちゃんたちが、ヘラでコーンに盛ってくれるジェラードっていうかそういうものらしいんだけど、そこからおばちゃんたちを想う……。やっぱり、秋田好きだなあ。

 行くところ行くところ、好きになっちゃうんだよね。本当に好きなところばっかりです。もう、みんな好き!

 そんなことを考えてたら、これって地方の魅力に限ったことじゃないかもしれないなと思いました。僕ね、映画にしても、音楽にしても、芸人にしても、みんないいなって思っちゃってるんですよ。どんなものでも一歩近づいてみると「おもしろい」だとか「いいな」ってところがあって、そう感じると好きになる。「自分の好みじゃないんで」って距離を取ってたら、この感覚はないんじゃないかなあ。

 で、思うんです。そういう俺、無敵じゃないかって。今の大谷に敵はいないぞって。なぜなら、みんな「いい」から。誰のことも敵だと思っていないからです。何を言ってるんだって言われるだろうけど、本当にそう思ってるんですよ。いろいろあっていい、いろいろあるからいいんじゃないって。そう思えれば、誰でも無敵。だから、俺は無敵なんです。

大谷ノブ彦 カタリマス! (裏) 第38回 「〇〇の日」は〇〇に想いをはせる日

2015.05.14 Vol.642

 ゴールデンウイークの連休明け、2日ほど布団に潜っていました。体調を崩しながらも、6日は駒沢公園の「肉フェス」から『キキマス!』の公開生放送をどうにか終え、病院へ。本当に声が出なくなってしまって、翌7日の放送はお休みさせていただきました。何年かに一度、何もできないほど体調を崩すことがあるんですよね……こればっかりは、どうにもならない。いい先生に診ていただいて、どうにか復活。9日の土曜日から仕事に戻りました。『キキマス!』にも月曜日から復帰。「よしもと」ってすごいね、月曜は仕事が6カ所でありましたよ…

 伏せっていた2日間、考えていたのが母や家族のこと。母親とあとどれぐらい一緒に時間を過ごせるんだろうなって。スペシャルウイークで介護のことが話題になったし、SMAPの中居さんが、ニッポン放送でやっている彼のラジオ番組でお父様が闘病の末に2月に亡くなられていたことをしゃべりましたよね。俺はまだ肉親を亡くした経験はないんだけど、中居さんとは同い年だしね。自分が体を壊してたことも影響してるんだろうけど、余計にそんなことを思ったんです。
 

 番組でも話したんだけど、そんなふうに考えていたことをツイートもしたら、いろいろな反響があって、みんなにとっても、あるあるなんだなって思いました。お母さんに想いをはせる感じとかがね。10日は母の日でしたけど、感謝するのはもちろん、そうやって想いをはせる日なのかなって思います。これが父の日でも、他の日でも同じです。きっと、そういうことに気づくために、あるんだと思います。

 今、アメリカで人気の動画があります。『World’s Toughest Job』っていうタイトルなんだけど、ビデオチャットで就職面接をするっていう内容で、面接官がすごいハードな仕事だ、時間は関係ないし休みもない、とすごい条件を付き突けるんです。…とどめにサラリーはゼロ円とくる。面接を受けている人は、無理だよっていう当然の反応です。で、面接官はいうんです、今もその仕事をしてる人がいるんですよ、「Mom(お母さん)」って。

 仕事に復帰した土曜の夜、焦りにも似た気持ちから、大分にいる母親に「1カ月でも2カ月でもいいから、東京に出てきて一緒に暮らさないか?」とメールしました。母親は今も大分にいて、弟が面倒を見てくれています。弟がずっとやっていることを、1カ月、2カ月っていう短時間でやろうしてるなんて都合がいいとは思うけど……。で、母親の返事はというと、「なんの罠?」でした。  

 あの時、母が何を考えていたのか。40を超えてくると、そういう思いに寄りそっていくのが生活の一部になってきているような気がします。母を、妻や息子に置き換えても同じですね。そういう家族っていう、ちょっと厄介なものが今、非常に楽しいんです。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)
第37回 子供が喜ぶことをしたい

2015.05.06 Vol.641

 ゴールデンウイークですね。『キキマス!』もゴールデンウイークムードで、4日、5日と放送がお休み。こどもの日にちなんでというわけでもないんですが、僕がやっている「キッズジャイアン」について話したいと思います。

「キッズジャイアン」というのは、DJ ダイノジでやっているパーティーのひとつです。タイトルの通り、子供も親も一緒に踊ろうよっていうことを意識したものです。子供の好きそうな曲をかけるっていうのもあるけど、ダンスを簡略化してみんなで踊ります。例えば、『恋するフォーチュンクッキー』のダンス。フリを完コピしてみんなで踊るのもいいんだけど、「そこはいらない!」と振り付けをシンプルにして一緒にやってみる。阿波踊りの踊り方を紹介してから「今日はこれを、ものすごい速さでやります。高速阿波踊り、できるかー!」と、すごい早い曲に合わせて踊らせる。みんな、大喜びです。

 最初は3年ぐらい前になるのかなあ。DJイベントに遊びに来てくれている子のなかに保育士さんがいて、「ぜひ、幼稚園に来てください」って言われたんです。幼稚園っていうと漫才っていう訳にも行かないし、DJだろうって。子供たちが好きな曲とかを散りばめたようなセットを持っていったんですが、すごい踊るんです。最後には手作りの金メダルをくれて……おじさん、感動しちゃった。子供が喜んでいるって純粋な快楽ですよ。それが、すべてのエンターテインメントのもとだろうと思ったし、だからこそ子供が喜ぶものを作らないとって思いました。それまではお金でしか考えなかったような僕が、そんな気持ちになるやり取りができたことは大きかったですよ。ここから始まって、復興地……僕は被災地ではなくてこう呼ぶんだけど、そこでも子供たちと踊りました。町のお祭りにも呼ばれたときは漫才もさせてもらうんだけど、最後に「じゃあ、ちょっと体を動かしましょうか」って、子供たちはもちろん、おじいちゃんやおばあちゃんも踊りましたね。おもしろかったなあ。

 選曲がカッコいいとか、テクニックがすごいとか、DJダイノジはそういったDJとは違います。DJがものすごくしゃべって、みんなで盛り上がって、一緒に踊る。パーティーもそういう雰囲気。僕らがDJをやってるのって、漫才やコントをするのと同じように、僕らの一つのネタであり、“芸”なんだよなあ。それをどんどん伝えていけたらいいのに。

「キッズジャイアン」は、今は呼ばれてやるスタイルですけど、定期的にやっていきたいと思っています。昼間のライブハウスとか、ショッピングモールとか、みんながふらっと来て楽しめるようなところでやりたい。そのためには、僕らはこういうこともできるよって、大地さんと僕がアピールしていかなきゃいけないと思っています。近々では、「Goody’z DANCE&MUSIC 2015」っていう5月23、24日に静岡の東伊豆町で開催される野外イベントでやります。僕たちの出演は23日です。お時間のある人はぜひ、来てほしい。イベントはもちろん、東伊豆も楽しいと思うしね。

 さて最後に、今週の『キキマス!』ですが、6日からスタートします。駒沢オリンピック公園で行われている「肉フェス」の会場から公開生放送です。これは、僕も楽しみだなあ。

大谷ノブ彦 カタリマス
第12回 人にはそれぞれの役割がある

2015.04.27 Vol.641

 ここ最近考えていることのひとつに「役割」っていうのがあります。というのも先日、日本はもちろん世界でも活躍しているギタリストのMIYAVIさんとご一緒する機会があって、そのなかで彼がこの「役割」ってことについて話してくれたからなんです。
 MIYAVIさん、ハリウッドで映画デビューも果たしているんですよ。アンジェリーナ・ジョリーが監督・製作した

『UNBROKEN』という作品で、日本では公開されてなくて、本国ではいろいろ話題になった映画です。それで、彼にアンジェリーナ・ジョリーから影響を受けたことについて聞いてみたんですが、「ミッション(MISSION、役割)を持っている」ってことを言ったんですよ。映画を制作するにしても、国際的な人道問題や難民問題、避難民などの問題提起にしても、母親として養子を迎えてたくさんの子供たちを育てていることだとか、全部そういうことは、自分の立場がどういう影響を与えるかを分かって、ミッションとしてやっている人だと。

 このこと、プロ野球、広島東洋カープの黒田投手の見方でも考えられますね。男気だ!って世の中が大騒ぎしているなかで、野球解説者の江本孟紀さんは『キキマス!』に来てかなり手厳しいことを言いました。黒田はいるかもしれないけれど他がいない、このままだとカープ危険だよって。それは、江本さんが野球解説者としてのミッションがあって発言しているわけです。その一方で、『週刊ベースボール』を読んでいたら、作家の北方謙三さんが黒田を大絶賛。黒田ほど分かりやすく男気というものを示した人はいない、子供たちに男気を教えたって、正反対なことを言っている。それが、北方さんの作家としてのミッションなんです。
 今、映画『セッション』について議論が起きていますが、これについても同じことが言えるでしょ。ジャズミュージシャンの菊地成孔さんに、映画評論家の町山智浩さんが反応してて、意見がぶつかり合っています。それも、それぞれがミッション、役割に基づいて、映画を見ているからなんです。

 プロ野球にしても、映画にしても、他のことにしても、それぞれにミッションがあり、役割に基づいてやってるって理解したほうがいいよって思います。それぞれの考え方に心酔している人たちが、「正しい」を一個にして、その「正しい」で裁こうとすることこそが、危険だと思うから。でも一番悪いのは、論争を読んで「じゃあ、行かない。見に行かない」ってなっちゃうパターンだけどね。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 第36回「じゃないほうの大谷」

2015.04.22 Vol.640

 競馬で勝ったと喜んでいたら、ベイスターズが良くないです。絶不調です。19日の長時間にわたった試合も、最後はエラーでゲームセット。負け方が悪い。どうにか最小限のところで収めて、悲観的なことで知られるベイのファンがネガティブなことを言い出してそのまま毎年のモードっていうのは嫌だなあ。

 一転、良いのは二刀流の日本ハムファイターズ・大谷翔平選手です。開幕4連勝で、完封まで。これまで立ち上がりが良くないっていうのが大谷選手のイメージでしたけど、最高じゃないですか。試合を見ていると、ただ調子がいいっていう感じじゃなくて、自分の弱点に対応して投げているように見えます。制球が良ければ打たれないとか、そういうことを理解している。そして、自分で試合を作り、最終的に試合にも勝っている。ピッチャーは、試合を作ることが大事です。その結果として勝ちがあるんです。一時期、「大谷じゃないほうの大谷!」なんて言われると、何をっ!と思ったこともあったけど(笑)、もうそれでいいよ、そうですよ。「エアギターじゃないほう」、「大谷じゃないほうの大谷」……いったい俺、どこに行くんだろう。

「じゃないほうの大谷」、漫才とラジオスター、どちらに専念すべきか迷っているかと言えば、考えれば二刀流どころじゃありませんでした。漫才、ラジオスター、DJ、コラムニスト……もうよく分からなくなっていますけど、肩書きはもう人に決めてもらえればいいや。僕ら芸人、二刀流どころじゃなくて、何刀流ってやらなきゃだめですからね。どんどん仕事も広がって、先日もついに『プロ野球ニュース』からオファーが来た!……と思っていたら、プロ野菜ニュースですって。プロ野球には遠回りですが、野菜は大好きだしね!いろいろ面白いことがいっぱい転がっていそうで楽しみでなりません。

 さて、『キキマス!』では今週、スペシャルウイークを実施中です。『母ちゃんバンザイ! 泣き笑いウチのオカン伝説』と題して、ゲストの方々にお母さんのエピソードを伺っています。20日は矢口真里さん、21日は『マッサン』のエリー、シャーロット・ケイト・フォックスさんからお話を伺いました。そして22日は西川きよし師匠、23日はピースの又吉くんが登場してくれますのでお楽しみに。

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