国際サッカー連盟(FIFA)が10日、ワールドカップ(W杯)2026年大会の出場チーム数を48に拡大することを決めた。13チームの参加で始まった大会は、現行の32からさらに膨らむことになった。
昨年2月の選挙を経て就任したインファンティノ会長は、W杯出場チーム数を現行の32から40に増やす公約を掲げて支持を集めていた。
出場枠の拡大によってサッカーの普及は進み、スポンサー、放映権料の拡大も望めることから収益などの面で恩恵をもたらすとみられる。
その一方、実力差の拡大による試合の質の低下が懸念される。
ドイツ代表のレーウ監督は、出場枠が16から24になった昨夏の欧州選手権も踏まえ「大会の価値を下げる。良いアイデアとは思えない」とドイツ紙に答えた。
また試合数増加による開催地負担の拡大などが懸念される。48チームによる新方式では、3チーム16組による1次リーグを行い、各組上位2チームが決勝トーナメントに進む。決勝までの全試合数は80に上り、32チームの現行方式で行われる全64試合を大きく上回ることになる。予選が3チームで行われ、うち2チームが決勝トーナメントに進むため、最終戦などは当該チーム同士が共謀する可能性もゼロではない。試合日程の有利不利という問題もある。
出場枠の拡大に伴い、アジアの出場枠も現行の「4.5」から増える見通し。関係者によると、アジア・サッカー連盟(AFC)は2,5増の7枠を要望しているが、「6,5」説や「8,5」説も飛び交っている。2018年ロシア大会で、6大会連続出場を狙う日本は常連国に近い。増枠でアジア代表の座をつかめる可能性はより高まることとなる。
国際サッカー連盟(FIFA)理事で日本協会の田嶋会長は12日、出場枠拡大について、「出やすくなることは日本にとってありがたいこと」と歓迎の意向を示した。