2020年秋、東京芸術劇場30周年記念公演「真夏の夜の夢」が上演される。シェイクスピアの不朽の名作を、日本の演劇界をけん引する劇作家・野田秀樹がダイナミックに翻案、ルーマニアを代表する演出家・シルヴィウ・プルカレーテが演出。物語の舞台を、アテネの森から富士のふもとの「知られざる森」へ移し、切なくも美しい恋物語を繰り広げる。本作で愛する者と駆け落ちする割烹料理屋のピュアな娘、ときたまごを演じるのは、女優の北乃きい。映画にドラマ、演劇へと活躍の場を広げる彼女の新たな挑戦に迫った。
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本場のロミジュリ動画配信にみる「劇場」という“空間”【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】
こんにちは、黒田勇樹です。
皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
僕は先週(23日)、38歳になったんですが、これまでにない誕生日になったように思います。
不要不急の用事以外は家にいることになっているのですが、まあ、不要不急というのがどのへんのことなのかがよく分からなくて、困っちゃうんですけどね。
今回もWEBの配信による作品の鑑賞記なんですが、それはそれで“気づき”があったりしました。今の時間をどう使うかが、新型コロナウイルスが収束して演劇を始める時に大きな差が出るんだろうな、とか思いながら今日も過ごしています。
では始めましょう。
Sexy Zone菊池風磨が『ハムレット』!「新たな菊池風磨、見せる」
Sexy Zone菊池風磨がシェイクスピアに挑む。シェイクスピアの四大悲劇のひとつ『 HAMLET ―ハムレット―』で、本作が舞台単独初主演。また、初めてのストレートプレイへの挑戦となる。菊池は「ハムレットという大役を、歴史と伝統に則り、真摯に演じて参りたいと思っております。その表現の中で現れる新たな菊池風磨をお見せすることを約束致しますので、ぜひご覧ください」と意気込んでいる。
デンマーク王子のハムレットが、 父を毒殺し母を妃とした叔父に復讐する物語。 主要な登場人物全員が最終的に死んでしまう、悲劇中の悲劇といわれる作品で、これまでにも何度も上演され、市村正親や内野聖陽、藤原竜也らが主人公のハムレットを演じている。
菊池は、「作品自体に歴史と伝統があり、国内外においても、様々な方々が演じられてきた由緒正しき役であることは私でも百も承知ですので、かなりのプレッシャーを感じていることは否めません。ですが、やりたいと思ってやらせて頂ける役ではないからこそ、この機会に全身全霊で向き合いたい」。
また「ストレートプレイに対する意識は強く、恐縮ながら役者としても活動させていただく以上、一度はストレートプレイの舞台に立ちたいと思っていたので、これ以上光栄なことはございません。Sexy Zoneの可能性を広げるきっかけになれればと思っております」と、話している。
オフィーリアは南沢奈央、ボローニアスは大鷹明良、クローディアスを大谷亮介、ガートルード役には元宝塚歌劇団星組トップスターで注目作への出演が続く安蘭けいが出演する。
演出は森新太郎。シェイクスピア作品には、『夏の夜の夢』『ジュリアス・シーザー』『十二夜』に続き4作目の挑戦となる。
東京公演は、9月8日~10月6日まで東京グローブ座で。大阪公演は10月9~15日に森ノ宮ピロティホールである。
チケット一斉発売は7月28日から。
中国伝統演劇の演出手法を取り入れたシェイクスピア作品が上演
中国国家話劇院 『リチャード三世』
現在、池袋では東アジア文化都市関連事業として多くのイベントが開催されている。「東アジア文化都市」というのは、日本・中国・韓国の3か国において、文化芸術による発展を目指す都市を選定し,その都市において、現代の芸術文化や伝統文化、また多彩な生活文化に関連するさまざまな文化芸術イベント等を実施するというもの。2019年は日本は豊島区、中国は西安市、韓国は仁川広域市が東アジア文化都市に選定されている。
数あるイベントの中でも「スペシャル事業」と位置付けられるものがいくつかあり、4月から池袋の東京芸術劇場で上演される「中国国家話劇院 『リチャード三世』」もそのひとつ。ちなみに日本初演でもある。
同作は2012年に開催されたロンドンオリンピックの関連事業として行われた「ワールド・シェイクスピア・フェスティバル」の中でロンドン・グローブ座が企画した 37 の言語で 37 のシェイクスピア作品を上演する演劇祭「Globe to Globe」で上演された作品だ。
「中国国家話劇院」というのは2001年12月、中国青年芸術劇院と中央実験話劇院が合併して発足した国立の劇団。中国青年芸術劇院の前身の延安青年芸術劇院は1941年に創設されており、欧陽予倩(よせん)、廖承志、呉雪、舒強、金山、孫維世らの先達の指導、中央戯劇学院との密接な連携の下で中国話劇の伝統を現代に引き継いできた。そういう意味においては中国国家話劇院というのは中国で最も歴史があるカンパニーといえる。また2011年に880席の大劇場と300席の小劇場が落成。500人を越える俳優陣を擁して年間公演数は約1000回を数えるなど、規模的にも中国を代表する劇団として活動を続けている。
浦井健治と高杉真宙が青空の下で歌披露!【メタルマクベス】
11月に開幕する舞台「新感線☆RS『メタルマクベス』disc3」のイベントが6日、都内で行われ、出演する浦井健治、高杉真宙、柳下大が登壇。季節が夏に戻ったようにじりじりと照り付ける太陽の下で、舞台への意気込みを語った。
浦井は「『メタルマクベス』のオーラスということで、自分たちにかなり負荷がかかっている」としたうえで、「お客さんの力を借りて60回(全公演の)完走を目指しながら、ちゃんと(橋本)さとし兄さん、(尾上)松也からのたすきを我々が受け継いでやっていきたい。がんがんに盛り上げていただいて、拳を突き上げてやっていきたいのでぜひとも劇場に足を運んでください」と、アピールした。
劇団☆新感線と宮藤官九郎がタッグを組んで、シェイクスピアの四大悲劇のひとつ『マクベス』を大胆にアレンジした舞台。初演から12年を経て今年再演。この7月から豊洲のIHIステージアラウンド東京で幕開けし、disc1(すでに終了)、disc2、そしてdisc3とキャストも演出も違う3つのカンパニーで順番に上演する。
disc3は、一連の『メタルマクベス』公演の締めくくり。ストーリーの軸となるランダムスターを演じる浦井健治は「先輩たちが……とにかく大変だと。体力勝負だというので、我々は肉を食べて臨みたい」。
尾上松也と大原櫻子の『メタルマクベス』がきょう開幕!「心地よくやらせていただいている」
舞台「新感線☆RS『メタルマクベス』disc2 」がきょう15日、豊洲の「IHI ステージアラウンド東京」で、初日を迎える。
劇団☆新感線と宮藤官九郎がタッグを組んで、シェイクスピアの『マクベス』を大胆にアレンジした作品。2006年に初演時には新鮮かつ斬新な『マクベス』と好評を博した。今回はその再演で、この7月からキャストと演出を変え、「― disc1」「― disc2」「― disc3」と連続で上演される。
「― disc2」の軸となるのは、尾上松也と大原櫻子。9日に行われた公開稽古では、2時間弱ある第1幕を公開。その際には、尾上と大原のコンビや新たなキャストの魅力を引き出す演出で、「ーdisc1」とはまた違った『メタルマクベス』を見せた。
その際に、尾上と大原の2人は取材に応じ、意気込みを語った。
尾上は、「劇場に入って4日目なんですけれど、稽古場では理解できなかったことを体で実感できるようになってきて、この劇場のスペシャル感を肌で感じています。それだけに、お客様に楽しんでいただける要素が満載の劇場だなと思っています。残り1週間初日までみんなでできることを一生懸命やって、初日には大盛り上がりで、僕たちも楽しんでできるように稽古に励みたい」。
大原は、「1週間後は……まだ実感がない。あと1週間ぐらい稽古できるのかという安心はある」といいつつも、堂々とした雰囲気。その際に、「ーdisc1」が上演されていたときに劇場を訪れたことを明かし、「(濱田)めぐみさんと(橋本)さとしさんからエネルギーをいただいた」。また、濱田から「死ぬ気で頑張ってね。死ぬ気で応援するからとメールが来た」と明かした。
Hey! Say! JUMP八乙女と高木W主演の舞台が初日「高まってきた」
Hey! Say! JUMPの八乙女光と髙木雄也がW主演する舞台「薔薇と白鳥」が5月27日、東京グローブ座で開幕した。
演劇はもちろん歌舞伎も手掛けるG2が書き下ろした シェイクスピア誕生の秘話に迫る歴史ミステリー 。八乙女は16世紀末の英国でエリザベス朝期の演劇の礎となった天才劇作家クリストファー・マーロウ、髙木はウィリアム・シェイクスピアを演じる。
初日公演に前にはゲネプロが行われ、八乙女と髙木は取材に対応した。
膨大なセリフに挑戦したことについて聞かれた八乙女は「最初は無理だと思った。入れるしかないので頑張って入れ込みました!」と、コメント。この舞台のために、髙木と2人で2日間の弾丸スケジュールでイギリスに行ったことが手助けになったといい「マーロンの勉強もして刺激をもらって、そしたらすっとセリフが入るようになった。マーロウをこう演じたい!と思いながら(セリフを)入れてきました」と、胸を張った。
NEWS増田貴久がジャニーズ楽曲でロミジュリ舞台「今からワクワク」
NEWSの増田貴久が4年ぶりに舞台に主演する。「Only You~ぼくらのROMEO&JULIET~」で、ジャニーズ楽曲でシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」に挑戦する大学生を演じる。増田は「誰も見た事のないロミオとジュリエットになる!と今からワクワクしています」と期待に胸を膨らませている。
舞台は、大学の公認を取り消されそうなっているミュージカル研究会が、危機を乗り越えるために、人気を集めるジャニーズ楽曲だけで綴る「ロミオとジュリエット」を上演することになる物語。増田は、ロミオ役をあてがわれてしまった大学生という役どころ。
増田は「台本を読ませて頂いて、これは誰も見た事のないロミオとジュリエットになる!と今からワクワクしています。シェイクスピアと深く関わりのあるグローブ座でまさか自分が演じさせて頂く事になるとは!! このコラボレーションをジャニーズ、NEWS増田貴久。全力で歌い踊り演じさせていただきます!!」とコメントを寄せている。
7月12日~8月4日、東京グローブ座で上演。チケットの発売は6月9日。大阪公演もある。
佐々木蔵之介 舞台『マクベス』で20役の一人舞台に初挑戦
舞台で鍛え上げられた演技力で人気の俳優・佐々木蔵之介。役者としての評価に加え、女性からはそのルックスで、また男性からは見た目とは真逆な関西弁の気さくなトークで広く支持されている日本を代表する俳優だ。そんな佐々木が自身のキャリアの中で初の一人芝居『マクベス』に挑戦。演劇界だけではなく、多方面から注目の舞台を前にして心境を語る。
渋さ知らズと毛皮族がシェイクスピアをやるんだって!?
昨今、公共ホールはプロデュース公演や共催公演はもとより、ワークショップといった育成プログラムなど独自の方針を持ち、さまざまな活動を展開している。
そのなかでも、演劇に限らず個性的なラインアップが並ぶのが池袋にある「あうるすぽっと」だ。
あうるすぽっとでは今年、シェイクスピア生誕450周年を記念して「あうるすぽっとシェイクスピアフェスティバル2014」と題して2月から演劇、ダンス、落語とさまざまなジャンルでシェイクスピア作品を発信してきた。
そろそろラストスパートとなる11月も注目の作品が並んでいる。
まずは11月13日から始まる渋さ知らズ25周年企画『十二夜より十三夜』。渋さ知らズは日本が世界に誇る音楽集団。基本的にはジャズバンドというカテゴリーなのだが、古くから演劇における劇伴を担当することもあれば、バンドにダンサーも取り込むなど、ジャンルレスな活動を続けている。そんな渋さが今回は演劇をする。それだけでも十分びっくりなのだが、題材がシェイクスピアということで2度びっくり。25周年記念とうたうだけあって、脚本には4年連続で芥川賞候補となっている戌井昭人が名を連ねるなど、これまでに関わってきたさまざまなジャンルのアーティストが集結した。
11月20日からは毛皮族との共同プロデュースで『じゃじゃ馬ならし』の上演が始まる。同作は数多いシェイクスピアの中でも、世界中のフェミニストたちから総スカンを食らう問題作。
こちらも注目はキャスティング。鼻っ柱の強い深窓の令嬢「キャタリーナ」に異才のピン芸人鳥居みゆき、マッチョな上昇志向男「ペトルーチオ」に若手個性派俳優・柄本時生を起用する。そして小劇場界でも指折りの個性派たちが脇を固める。
この2作品に共通するのは意外性と一回性。そしてそこからくる刹那感。唯一無二、見逃し厳禁の2作品となる。
石原さとみの純情
劇団☆新感線でシェイクスピアに初挑戦!
石原さとみがシェイクスピアの四大悲劇に初挑戦する。15日に大阪で初日を迎える、劇団☆新感線の舞台『港町純情オセロ』に主人公オセロの妻役で出演する。これまでにもシェイクスピア作品を届けてきた劇団☆新感線が「オセロー」に新たな風を吹きこませた演出で、コミカルかつ切ない舞台にして届ける。「稽古が楽しいんです」という石原にインタビューした。
無理しなくてもいいんだって思ったら
自分の好きなことが見えてきたんです
写真・蔦野裕
サバサバしていてよく笑う、分からないことは分からないとはっきり言う。インタビューをしてみて、清楚で控えめという石原さとみのパブリックイメージは、ちょっとだけ覆された。
「去年から今年にかけて、1人でニューヨークに行ったことは自分にとって大きかったですね。以前の自分を振り返ってみると、自分がやっていることが好きじゃないといけないと思っていたし、やってることが好きなんだって勘違いしていたところもあったなあって思うんですけど、そういうんじゃないんだって。無理しなくてもいいんだって思ったら、自分の好きなことが見えてきたんですよ。それが何かって説明するのは難しいんですけど......、例えば、この間、友達と久しぶりに渋谷に買い物に行ったんです。部屋を明るくしたくて、人生で初めて布を買いに行ったんですけど、ものすごい種類のなかから自分がテンションが上がる色だとか、組み合わせを選べたんですよ! これが好き、これが気持ちいい、これにひかれる、大したことじゃないかもしれないですけれど、前は、自分はそう思わなくても、周りの人がいいよって言えば、それが一番だろうって、流されていたので」
そうした自己改革が進行中の彼女は今、15日に初日が迫った舞台『港町純情オセロ』に取り組んでいる。稽古の様子を尋ねると、石原さとみは瞳を輝かせる。「見ているだけで楽しいんです」
舞台『港町純情オセロ』は、劇団☆新感線の最新作で、イギリスの文豪で劇作家のウィリアム・シェイクスピアの四大悲劇のひとつ『オセロー』を、劇団☆新感線らしい斬新な解釈と演出で届ける作品。設定を、戦前の日本、それも関西の港町とし、ヤクザたちの抗争を取り入れながら描く。コミカルでありながら、ちょっと切ない舞台だ。自ら「読んだ記憶があまりない」というシェイクスピアビギナーの石原も「台本が面白くてどんどん読んじゃいました」と、役者という立場を飛び越えてハマっている。
石原が演じるのは、橋本じゅん演じるオセロが溺愛する妻・モナ。父親が病院長を勤める病院に、ヤクザの組長であるオセロが入院したときに出会い結ばれるが、オセロを純粋に愛するがゆえに、悲劇に巻き込まれてしまう。
「とても純粋な女性。私自身も、あんまり人を疑ったりしないし、信じ込みやすいタイプだし、影響されやすいんですけど、あんなに純粋にはなれないなって思いますね。さっきのニューヨークの話と重なりますけど、今は"こんな自分じゃだめだ"って思っている段階なのもあって、モナに対してこんな自分もいたなって感じます。演じるにあたっては、そういったところは抜きにして、あまり深く考えずに、オセロが好き、世の中に悪い人はいないんだ、って彼女が信じているのと同じように信じて、突き進めばいいかなって思っています。稽古が始まったときから、オセロが、オセロを演じている橋本じゅんさんを見ているのがすごく楽しいし、好き(笑)。このままやっていけば役もでき上がっていくんじゃないかって思います」
石原がそう自信を持てるのは、演出のいのうえひでのりという存在も大きそうだ。すでに報道もされているところだが、石原は、デビューのきっかけになった「ホリプロスカウトキャラバン」で、いのうえから演技指導を受けている。
「そう、9年ぶりに稽古をつけてもらいました(笑)。いのうえさんは、このセリフで椅子のここに座って、次のタイミングで移動とか、細かく演出してくれるんです。そのなかにいることで、モナという女性が作られていく気がしています。あとは、私が、慣れない関西弁でモナの気持ちをつなげることがポイントになってきそうですね......」
さて、そろそろ本番も迫ってきた。
「シェイクスピアという土台の上で展開される新感線ワールド。私を含めて、シェイクスピア作品に入るきっかけとして理想的な作品だと思います。演じる立場としては、時間をかけて作り上げた作品のなかで、モナという1人の女性の人生を生きることを楽しみたい。それに加えて、生(なま)ならではの魅力も味わっていただけたらと思います」
東日本大震災とその余波で、自然を前にした人間の小ささと、人の大きさと寛容さを目の当たりにした。大切な人への想い、そして人と人とのつながりを感じられるこの舞台は、さらにその想いを強くしてくれそうだ。
(本紙・酒井紫野)
劇団☆新感線プロデュース『港町純情オセロ』
【東京公演日】4月30日(土)〜5月15日(土)12時30分開演/18時開演 ※2日、9日は休演。30日、6日、11日は18時のみ。8日、13日、15日は12時30分のみ。 【会場】赤坂ACTシアター 【料金】S席1万500円、A席8500円(全席指定・税込) 【問い合わせ】サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(10〜19時) 【URL】http://www.junjo-othello.jp/
※大阪公演は4月15〜22日までイオン化粧品 シアターBRAVA!。