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ティコティン日本美術館 | TOKYO HEADLINE
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中東唯一の日本博物館で“笑い”に特化した春画展が開催!

2017.01.10 Vol.682

 江戸時代に流行した男女の性風俗の様子を描いた浮世絵『春画』。実は世界一のコレクターが、日本に居を構えるイスラエル人であることは全くと言っていいほど知られていない。日本に来日して約20年のオフェル・シャガン氏(顔写真)は、9000点以上の春画を所有する蒐集家であり、これまでに国内外でさまざまな春画展を開催してきた古美術研究家でもある。そんなシャガン氏が母国・イスラエル(ハイファ)にある中東唯一の日本博物館「ティコティン日本美術館」で二度目の春画展を開催する運びとなった。

 前回2009年に開催した際は、同博物館過去最高の来場者数を誇るなど大きな注目を浴び、春画の世界的な人気が中東圏でも変わらないことを印象付けた。今回満を持して開催される展覧会は、“世界初のコンセプト春画展”であり、笑いとユーモアに特化した『笑い春画』125点を揃える野心的な展示内容となっていることも話題だ。

『わらう春画』(朝日新書)など春画に関する著書を持つシャガン氏は、「春画はポルノではなく、抗議や教育に対しユーモアを交えて表現したものである」と語る。

 江戸時代に春画は、浮世絵の中では最も売れていた歌舞伎絵(武者絵)に次いで、2位の売上実績を誇る。それほど庶民にとって一般的なものであり、生活に欠かせない日常的な存在だったのである。

「モラルや階級、コンプレックスを描いた春画の中にある笑いを通じて、江戸の風俗や文化が見えてくる。ポルノは個人の性欲高揚や自慰行為の道具として使われる役割、いわば“感情”が含まれていない絵ですが、春画は感情がうごめいている絵。世俗を春画という形で切り取った日本文化に世界は驚きと称賛を持っている」

 日本では春画に対する「恥ずかしい」という先入観があるため展覧会を開催すること自体、難しいという。しかし、シャガン氏は世界でさらに評価を上げることで、日本で春画展を定期的に行う夢を諦めていない。日本で春画が再評価される日は、そう遠くない未来に訪れるはずだ。

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