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ニッポン放送 | TOKYO HEADLINE - Part 11
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大谷ノブ彦 カタリマス! 第22回 テーマは「思い出ご飯」。でも、リアルテーマは家族だった!

2016.02.22 Vol.661

『キキマス!』では毎週火曜、キキマスターのマキタスポーツと僕、そしてリスナーの方々と一緒に、食についてアツいトークをする『グルメの迷宮』というコーナーがあります。最高の揚げ物、中華定食、海鮮丼の食べ方、ラーメンの袋麺とか、いろんな食べ物を取り上げて、それについて話しています。このコーナー、反響がすごくてね。放送されているあいだ、メッセージが止まらないんです。

 それならばと、15〜18日までのスペシャルウイーク、『キキマス!』はいろんな「思い出ごはん」をテーマに、さまざまなゲストの方にも登場していただきました。孤独ならぬ、『おひとりご飯』には高橋ジョージさん、熊切あさ美さんね。『お仕事ごはん』には、僕と同じ大分県佐伯市出身の嘉風関! 最終日には久本雅美さんにも来ていただきました。メッセージもいろいろ寄せていただいて、盛りだくさんの内容でした。

 どの方のお話もおもしろかったし、いい話だったんだけど、ちょっとガツンと来たというか、考えさせられたのが、16日に来てくれた佐々木健介さんの言葉でした。この日のテーマは、『家族の思い出ご飯』。闘病中の奥様・北斗晶さんを支える佐々木家のこと、料理にまつわるエピソードであるとか、いろいろなお話を伺いました。

 佐々木さんには、リスナーさんからの電話にも出ていただきました。医師から家事をすることも止められていたというリスナーさんが、夫が仕事で帰ってこられなくて困ったとき、「僕が作るよ」と料理なんてしたことがない小学生の息子さんが、お父さんの見よう見まねで焼きそばを作ってくれた。それが、おいしかったと。僕はさ、「おいしいよね。おいしくなくてもおいしいって言っちゃうよね」って言っちゃったの。そしたら佐々木さんがさ、「……おいしかったんですよ」って。それ聞いて、ドキッとしちゃったんです。ものの味ってさ、ものすごくおいしいもの、そうじゃないものはあるよ。だけど作ってくれた人のこと、その状況も含めて、感じるもの。マキタスポーツもよく言ってるけどさ、「背景食い」ってやつだね。それ、分かってたつもりだったんだけどなあ。

 この日話したご飯の“おいしさ”ってさ、検索サイトでは見つけられないものです。こういったおいしさ、僕も家族と一緒に作っていきたいと思っています。そういえば、この間食べたハングリータイガーの「ダブルハンバーグステーキ」、おいしかったなあ。息子と一緒に行ったんだけどさ、僕がそれを頼んだら、息子が「…僕も、同じものを」って頼んだんですよ。何、そのフレーズ、どこで覚えたって。おおよそ息子は食べきれないだろうっていう量だったんだけど、食べきってましたよ。……おいしかったなあ。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 第67回 グラミー賞授賞式で受け取ったメッセージ

2016.02.18 Vol.660

 今年のグラミー賞が発表されました。テイラー・スウィフトがアルバム『1989』で主要賞のひとつである年間最優秀アルバム賞を奪取しトータル3冠。彼女と大親友のエド・シーランも『Thinking Out Loud』で年間最優秀楽曲賞を取りました。年間最優秀レコードはマーク・ロンソン ft.ブルーノ・マーズの『Uptown Funk』。新人賞は“ぽっちゃり”歌手のメーガン・トレイナーという結果になりました。

 主要賞の顔ぶれを見て思うのはポップだなってこと。中継を見ていて、そう来たかとも思ったし、これは悪くないなとも思いました。近年のグラミー賞はオルタナティブな感じがあったけど、もっと開かれた感じ。

 グラミー賞って毎年メッセージを送ってきます。受賞者・作品はもちろん、授賞式や最大の見どころともいえるライブパフォーマンスもね。誰が出るのか、どの曲を演奏するのか、どんな順番で登場するのか。そういうところも含めてメッセージしてきます。

 受け取り方はいろいろあると思うけど、僕が今回見ていて感じたのは、スキがある、スキがある人っていいじゃない、それがかっこいいじゃないっていうメッセージ。今は、SNSとかいろんな道具があるから、いろんなところから突っ込まれるじゃない。だから説明が求められるような世の中になっているというか、先に説明をして突っ込まれないようにするみたいなことになっている。つまり、スキがなくなってる。あそこにいた人たち、受賞した人もそうじゃない人も、みんなスキがあるように感じます。テイラー・スウィフトにしても、ジャスティン・ビーバーにしても、ずっと攻撃され続けてるけど、それに対していろいろ説明したりしないし、いい意味で「軽さ」があるといってもいいかもしれない。彼らは、受け止めるっていうか、攻撃されることも含めて、何か良い方向へと変えていってる。なんていうのかな、「告発だけでは時代は変わらない」って言ってるような気がする。それ悪くないよね、いいよね。
 
 今回、主要賞を取るだろうと注目を集めていた1人に、ラッパーのケンドリック・ラマーがいます。僕も何か取るだろうって思ってました。結果は、主要賞は逃したけど、最多受賞の5冠。彼は当日、すごい社会派なステージを展開しました。いいステージだったし、間違いなく彼はこのエリアでは今最も注目すべきアーティストですが、ポップで「軽さ」があってっていう今年のグラミーとは、違うカッコよさだったってことだったんだろうなって思います。

 さて『キキマス!』ですが、今週はスペシャルウイーク。いろいろな“思い出ごはん”をテーマに、いろんな方からお話を伺っています。月曜からもう、いい話ばっかりです。ぜひ聞いていただけたらうれしいです!

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 第66回 “町おこし”のダイノジ

2016.02.10 Vol.660

「やりたい」「興味がある」とここ数年言い続けてきたことのひとつに、“町おこし”があります。ここのコラムでも、『キキマス!』でもさ、何度も言ってきたことだから、またって思うもいると思うけど、言い続けてるからなのかなあ、つながってきちゃった。

 そのひとつが、毎年やろうって去年からスタートした夏の喜劇。今年の夏もやるんですけど、そのテーマが“町おこし”。町おこしのファンタジーだって。西野(キングコング)から提案されたんだけど、自然な形で出てきてね。少し前に町おこしについて話したこともあったから、それも関係があるのかもしれないけどさ、それ聞いて思ったんだよね、つながったぞって。

 公演はまだまだ先だけど、すごい楽しみになってきましたね。昨年は1週間の公演で、日替わりで違うチームが同じ脚本を上演したんだけど、今年は僕らダイノジに、去年出てくれた人、それに数名加わるようなメンバーで、脚本は今年も西野がやってくれます。去年やって、すごくいい座組だったから、しばらく一緒にやってみたいと思ってるんです。まずは今年。それから、もっと続けたら面白いことになると思ってます。

 “町おこし”の話に戻ると、いろんなところが気になってるんだけど、ここ数日特に気になっているのは生まれ育った大分県、「おんせん県おおいた」の象徴ともいえる別府なんです。別府温泉ってね、たくさんの観光客が訪れるらしいんだけど、いざ宿泊となると別府温泉ではないところに泊まってる、県外に泊まってるっていう場合も少なくないらしいんだよ。これを聞いて驚いちゃったよなあ。これも、聞いた話なんだけど、どうしてこうなってしまったかっていうと、別府温泉が古き良き時代のまま、昔の風情を保っているってことにあるみたい。時代が変わるなかで、他の温泉地や観光地がより多くの人を呼び込むために変化していったのに、別府温泉は……って。温泉地もいろいろあっていいんだけど、問題を感じるなら、何かしたほうがいい。気付いて何かしようという人たちもいるようなんで、僕もその“町おこし”に何か協力できたらって考えています。その結果、おんせん県大分にありながら温泉がない僕の故郷の佐伯市にもたくさんの人が来てくれたらうれしいしね。

 今年もね、いろいろあるんですよ“町おこし”。独演会で話した気仙沼のフェニックスバッティングセンターではゴールデンウイークにDJイベントをやるし、秋にはマグロックとフジソニックがある。他にもいろいろね。“町おこし”のダイノジ……来てる…のかな。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)第64回 いろいろな人に会いたい。

2016.02.03 Vol.659

 初めての独演会が29日、無事に終わりました。足元の悪いなか、たくさんの人に足を運んでいただいてね。なかには『キキマス!』を聴いてくださってる方もいて、うれしかったなあ。公演時間も、終わった後に新宿で食事して帰れるよ!っていう予定していた通りの90分でほぼ収まりました。でもさ、これからずっとやっていきたい、ライフワークにしたいっていうライブの当日、天気予報が雪って……! 僕らしいというか。

 ここでもお話ししましたが、独演会では、2015年に出会った人たちと交わした会話のなかで心に残ったことをおすそ分けしました。『キキマス!』にも出てくれてるマキタスポーツくんに森脇健児さん。角田陽一郎さん、僕がやっているイベント『ジャイアンナイト』の常連さん、それと気仙沼フェニックスバッティングセンターの千葉さん…。さだまさしさんまで。ライブ終了後「ヤクルト400」について検索した人もたくさんいたみたいです。

 今年ももう1カ月が過ぎましたけど、すでに話したいことが、たまってきてる状態。来年のこのライブでは何を話そうなんて考えてます。 ウェブや本で知った話ではなくて、実際に顔を合わせた人から聞いた話というのを条件にしているので、もっといろんな人に会いたい、たくさんの人に会いたい。独演会で話すためにも会いたいという人もいるんですよね。そのなかの一人が、漫画家のタナカカツキさん。コップのフチ子さんの原案で知られている方ですが、タナカカツキさん、サウナにはまっていらっしゃって通い続けるうちに、その作法、本質にたどり着いたそうなんですよ。それを『サ道』と呼ぶそうで、本も出していらっしゃる。この本が、すごい面白いんですよ。お会いしたいなあ…。

 さてライブに話を戻すと、いろんなお客さんとお会いできて楽しかったです。日程がどうしても合わなかったという人もちらほらいたので、次回は2日間できたらな。会場はあのサイズのままでいいから…と思っています。

 芸人としての生活が20年を超えて、自分はもちろんダイノジが1年間こういう感じで動いていくっていうのが固まってきた気がしますね。1月はこのライブがあって、夏にはダイノジとして舞台をやって、10月にはマグロックとフジソニックがあって、2月にはプロ野球の沖縄キャンプを見に行くっていうのもあるね。あとは、ちゃんと漫才やっているところを見せられる場所があればいいかな。…ちゃんとって何だろう?って話ではあるんだけど。今もやってるしね。

大谷ノブ彦 カタリマス! 第21回 僕たちは、より正しく生きるしかない。

2016.01.25 Vol.659

 2016年が始まって、そろそろ1カ月。長くはないこの期間で、本当にいろんなことが起きています。ベッキーとゲスの極み乙女。の川谷さんの件に、僕も大好きなSMAPの解散騒動、5人の生のコメントに日本どころか世界も注目したり。CoCo壱番屋の廃棄したはずのカツが業者によって横流しされてたのが分かったり…。

 それぞれのニュースや報道のされ方、その受け取り方を見ていると、2016年って何かの変わり目だと感じますし、僕らはもう「より正しく生きるしかない」ってことを改めて思いました。

 今は、すべてが可視化された社会であり、時代。当事者が言ったこと、報道されたことだけじゃなくて、いろんな角度からもたらされる情報、SNSの意見だとか、そういうものが統合されることで、すべてが見えてきてしまう。以前ならば見えなかったようなこともね。そういう状況ですから、何か不正や不誠実なことを隠そうとしたって必ずバレるし、隠そうとする行為がバレた時にはとんでもないことになってしまっています。繕おうとしたって難しい。どっかから飛んできますよ、本当はこういうことしてるんだよっていうのが。

 誠実さが評価されるよい例が、CoCo壱番屋の件だと思います。社員がいち早く不正を見つけて、自ら動き出した。そうせずにはいられなかった。その姿が明らかになったことが、今、CoCo壱番屋の評価が高くなってることを裏付けてると思います。思えば、ペヤングがあれほど大歓迎されて戻ってきたのも、まるか食品の誠実さがあったからですよね。

 僕にも隠しておきたいこと、大きな声でいえないようなことだってありますよ。いや、そういうことは、誰にでもあるでしょう。それでもこれからは「より正しく生きるしかない」し、少なくともそう生きるようにしないと。そうしない限り厳しいだろうし、自ら株を下げることになってしまうと思います。芸能人や政治家、企業の偉い人、企業や団体とかそういうのに限ったことじゃなくてさ、いろんなケースに対して言えることだと思いますね。

 誠実さや正しく生きることが大切なんて、ずっと言われてきていることです。なんの目新しさもない。これまでは不誠実なことがあってもそれが隠せちゃう時代というのもあっただろうしね。でも、もう何も隠せない。みんな見えちゃうんですから。誠実であることに本気で向かい合わないとならない、「より正しく生きるしかない」。今更だけど、2016年ってそう変化していく年になっていくんでしょう。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 第63回 まだ本調子ではないけれど…イッツオーライ! 29日に独演会 

2016.01.21 Vol.658

 先週1週間といっても、月曜日は祝日だったので12〜14日の3日間、『キキマス!』をお休みさせていただきました。理由は体調不良。喉だけがなかなか回復しなくてね。お医者さんの勧めもあって、大事をとらせていただいたんです。そのあいだは、大地さんに番組をやってもらって……。聞こえてますよ、もう大地さんでいいんじゃないかって声が! でもそれってこれまで毎日俺の声を聞いてたからこそ、大地さんが新鮮で、よく聞こえたってことだからね!

 さて、18日から番組に戻ってきましたが、もういろんなことがあるね。それを見てると、今年はいろんなことが変わっていく年なんだろうなと感じます。そのあたりの話は、25日発行号のTOKYO HEADLINE紙面掲載分でお伝えしたいと思っています。あ、ウェブサイトでも読めるみたいですけど。

 いろんなことが起こるとともに、考えることも増えてるわけですが、いよいよ近づいてきましたよ。29日に、『ダイノジ大谷ノブ彦独演会!「イッツオーライ」〜2015年、縁のあった10人の日本人〜』を新宿文化センター小ホールでやります。いろんなところで言ってますが“縁”っていうのがテーマになっている独演会です。たくさんの人と出会って、刺激があって、いろんな発見もあるわけです。そういう経験のなかから10人の話をおすそ分けしたいと思っています。
 
 これにも関わる話だけど18日の『キキマス!』にTIMのゴルゴさんが来てくれて、ゴルゴさんがしている少年院での漢字の授業について話してくれました。そこにいる子たちにどんな授業をするのか、どんなふうにして話を聞いてもらうようにしているのかとか。これが面白かった。ゴルゴさん、「これをやるために、芸人をやってた、後付けだけどね」って言ってました。それ、すごい分かるっていうかさ。 これをやるために芸人をやってきた、やってるんだっていう、そういう感覚。全部後付けだけど、それって指名を受け取ってるってことなんじゃないかなって思うんです。

 この独演会は毎年やってライフワークにしたいと思っています。いろんな人から聞いた話、受けた刺激、そういうのを伝えることって自分の使命だと思うからさ。これもまた、後付けなんだけどね。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 第62回 2016年は「いい感じ」です。

2016.01.07 Vol.658

 少し遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます。2016年も『キキマス!』、ダイノジ、そして大谷ノブ彦もよろしくお願いいたします。

『キキマス!』は4日からスタートしていますが、冒頭から「疲れてます」でした。というのも、年末からお正月にかけては稼ぎ時というか、働かなきゃいけない芸人なんで、あっちこっち行ってたんです。カウントダウンジャパンでは1万人を前にDJしましたし、デパートで子供たちと一緒に歌って踊ったり、漫才もやったりして。なかなかいい正月でした。続いているウオーキングしながらですけど、品川神社にも行きましたしね。神社、好きなんですよ。身が引き締まります。ちゃんとした初詣は家族揃って行こうと思ってます。

 さて年頭というと、今年の抱負だったり目標を聞かれたりすることが多いです。僕はというと、うん、2016年は「いい感じですね」って感じかなあ。というのもここ最近、2年ぐらいかな、今年はこれをやろうとか、やりたいだとか、がっちり決めることはしなくなったんです。もちろん、こんな年にしたいなっていうものは持っていますし、言いもするんだけど。「いいことあるぞ! いい年だぞ!」ってね。

 なぜこうなったかというと、ここでもラジオでも言い続けていることだけど、外圧的なものを受け入れるっていう姿勢でいるからです。言っちゃえば、自分で運命を切り開かない。人からやってみたらって言われたらやってみるっていうのをしているから。

 きっかけっていうと、たぶん、名古屋でオーラが見える人に会ったこと、それとゲッターズ飯田くんかな。そのオーラが見える人がね、芸能界で一番オーラがある人はビートたけしさんだって言ったんです。何がすごいかっていうと、たけしさんはオーラだとか霊だとかをちゃんと理屈で“ない”と言える人なのに、催眠術にはすぐかかる。それがいいタレントだよって。僕はオーラとかはほとんど信じてないんだけど、この話ってさ、ツッコミができるかってことと、催眠術にかかってしまうという性質、そのバランスのことかもって思った。ツッコミをネガティブとするなら、もう一方はポジティブ。自分はそのネガティブな部分しかないから面白くないんだとも思いました。それで、同じぐらいのタイミングでゲッターズ飯田くんと話すことがあって、彼の言うことを聞いてみようと思ったんです。財布は緑にしてみよう。神様がいるかどうかは分からないけど、神社に行く人になってみよう。ツッこむんじゃなくて、聞いてみるということをやり始めたんです。

 それからしばらく経つわけだけど、なんとなくですが、いいんじゃないかなって思ってます。何かが切り開かれていく感じもあります。日々いいことがあったなって気付くし、悪いことがあったとしてもこれで運が一つ貯まったと思う。外に出る、人に会う、いい出会いがある。そういうのに気付かないっていうのは悪だと思うんです。だから、2016年は「いい感じ」なんです。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 第61回 ドリカムのワンダーランドにやられた!

2015.12.23 Vol.656

 史上最強の移動遊園地に行ってきました。ナゴヤドームで行われたドリームズカムトゥルーワンダーランド。ドリカムはずっと聴いてきましたけど、ワンダーランドやライブにはなかなかタイミングが合わなくて。今回ようやく会場に足を運ぶことができたんですが……、衝撃でしたね。「史上最強の」っていうけど言葉のままでした。ナゴヤドームが、ディズニーランドやUSJっていうか、ファンタジーの世界。お客さんのなかを騎士とかが歩いていたりするし。……会場に入ったときから、自分はワンダーランドにいる、そんな感じなんです。そしたら、吉田美和さんが…! もう、うわーっ!ですよ。

 ライブではあるかもしれないけど、移動遊園地であり、ワンダーランド。こういう考え方を持っていたり、そういった考えをライブに取り込んでるアーティストやバンドって、いないことはないと思うんです。SEKAI NO OWARIとかね。ただ、ドリカムはこの『史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND』っていうのを90年代からやり続けている。この形式を90年代に作り上げている。それってすごいですよ。

 僕が勝手に思ってることですが、始めたときはきっと、これは果たして音楽ライブなのか?みたいな意見があったんじゃないかなと思うんです。それでも会場に来てくれる人たちを喜ばせたい、楽しみたいって、スタートしたんだと思います。この、何が起きるんだろうってワクワクドキドキする気持ち、それがずっと続いていて、たくさんのお客さんが足を運ぶんだと思います。

 ドリカムは今年、ベストアルバム『DREAMS COME TRUE THE BEST! 私のドリカム』をリリースしているんですが、CDが売れない、音楽が売れないというこの時代に、セールスはミリオンを超えているんですよね。代表曲は全部入っているベストですが、収録曲は、カラオケでよく歌われているドリカム曲、カラオケランキングやダウンロードされている曲のデータなどを突き合わせて選んだものなんだそうです。カラオケのことまで考える……、これってなかなかできないことですよ。

 ライブでも、作品でも、ドリカムさんって、みんなが戦ってるところのさらにその上いっちゃってるんだよな。それと並行してドキドキとワクワクをストイックに追求し続けているんですよね。僕もダイノジも、DJダイノジもそっちに行きたい。ドキドキワクワクしたいし、してもらいたい、そういうのをやってきたいんだよなって改めて思います。

初めてのワンダーランドで、すごい刺激もらっちゃいました。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 第60回 お昼の番組集合で分かっちゃったこと

2015.12.10 Vol.655

 ワイドFMが始まりました。TBSラジオ、文化放送、そしてニッポン放送のAMラジオ局の放送が、FMでも聞けるようになるというもので、7日の13時から本放送がスタート。それを記念して、3局のコラボで『FMでもキキマス!ゴールデンたまむすび』を、東京スカイツリーから放送しました。

 タイトルからお分かりになる方もいらっしゃると思いますが、それぞれの局のお昼の番組、裏番組同士のパーソナリティが集合した番組で、TBSラジオからは赤江珠緒さん、文化放送から大竹まことさん、そしてニッポン放送からは私、大谷でお送りしました。

 普段なら絶対に顔を合わせることができない顔ぶれですし、これまでにはない試みに、どうなるんだろうと緊張しつつ楽しみにもしていたんですが、実際に始まってみると、「こういうの、やりたかったんだよな」って思いでいっぱいになりました。

 リスナーを招いての公開放送でもあったんですが、すごくいい雰囲気でねえ。誰かがかめば、みんな大喜びだし、赤江さんがやりとりのなかで、前日の『M-1』で優勝したトレンディエンジェルのフレーズ「斉藤さんだぞ!」を差し込めば、大竹さんが「赤江、やるなあ」って反応する。大竹さん発のタマキン発言もあったりで。その一方でさ、ポエムを読みながら涙しちゃったりもするんですよ。そういうの全部含めてさ、思いついたことは全部やっちゃおう、言っちゃおうっていうスタイルに、お昼の番組ってこれじゃないかなって思ったんですよ。ダメって言われちゃう部分かもしれないけど、それも受け止めちゃう、それも愛しちゃう環境に、これだよなーって思っちゃったんですよ。この番組をやったことでいろいろなことが分かったし、これからのラジオはもちろん、『キキマス!』についても考えさせられました。

 ラジオもそうですが、いろんなことをやっていると意見や提案、ダメ出しとかね、されることがあります。番組前、大竹さんと話したんだけど、そういう時どうしてますかって聞いてみました。そしたら、「1回も聞いたことない、聞かなくていい」って。自分がそういうことができないのが分かってて、その上でやらせてるんだからって言ってました。

 そんなことも含めて、この番組、僕たちにとってはすごくいい経験でした。またやろうよって声も聞こえていますが、まずは、これからの『キキマス!』にも反映させていきたいですね。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)  第59回 その場を楽しむことが、ハッピーへの近道だ。

2015.12.02 Vol.655

 今年もあと1カ月。2015年の総括、気になったニュースは?といった話題が増えてきました。今週の『キキマス!』は「○○するなら羽生選手?五郎丸選手?」っていう妄想メールを募って始まりましたが、先週末に大活躍した羽生選手、そして銅像もできちゃったラグビー日本代表の五郎丸選手。2人は間違いなく今年を代表する顔。やり遂げたことはもちろんすごいですけど、そこから広がったワチャワチャ感がものすごいですよね。止まらない妄想メールを読みながら、2人のキャラクターというか、タレント性のすごさを改めて感じました。笑いも止まらなかったです。

 今年の総括は、これからの番組内でもやっていくんでしょうけど、今、感じていることを挙げるなら、価値観が大きく変わったなってこと。前回のコラムで、ハロウィーンで仮装してパレードして騒いでいる彼らたちは「その場を楽しむこと」が自然にできるって書きました。彼らに対して目的とかゴールがと意見する人もいるけどそれが固定概念で、あえていうなら「その場を楽しむ」というのが目的で彼らはそれを遂行しているんだって。その価値観が支持されて実際にやり始めた。今年はそれを多く目撃した気がしています。

 先日、大みそかの紅白の出演者が発表されましたが、いろいろザワザワしています。なかには、選から漏れた人に対してオワコン!なんていう声もある。そういうのもまた固定概念ですよ。紅白は目標っていう見方もひとつあるでしょう。でもね、紅白ではない別なところで楽しんでる、その場を楽しむってことをやっているアーティストはたくさんいる。アーティスト自身も出られないことに悲観したりもしていないと思うんですよ。

 その場を楽しむ、その環境を楽しむっていう考え方。僕自身この価値観に大いに感化されているし、刺激を受けています。DJやったり、ラジオやったり、漫才やったり、いろんなことやって、いろんなところから意見されたり批判もされてきたなかで、何よりも自分が楽しむこと、ハッピーなほうに行くことが大事って思うようになりましたから。人と自分を比較したりするのはなんか違う。比べちゃうと、苦しいだけなんだから。

 こういう考え方、以前はもっと風当りが強かったと思います。でも今は、それでいいじゃないって。そういう考え方、価値観を持っている人がこれだけ増えてきたんだから、自分もそうしやすいと思うんですよ。“みんながやってるから”。これについては、そういう理由でもいいんじゃないかなって思います。

大谷ノブ彦 カタリマス! 第19回 「おんせん県おおいた」の、温泉のない佐伯市で考えた

2015.11.23 Vol.655

 今年も残すところあと1カ月になりましたが、先日、『キキマス!』から1週間お休みをいただいて遅めの夏休みを堪能してきました。故郷の大分で墓参りをしたり、九州を回ってきました。

 大分はもちろんですが、仕事で各地を訪れるたびに地方を盛り上げたいという気持ちが強くなります。秋に静岡の清水でマグロックとフジソニックというフェスをやりましたが、ああいった感じで、いろんなところから集まってもらってっていうのをさ、やりたいなって思うんです。

 大分県はいま、「おんせん県おおいた」っていって、いろいろ盛り上げをしています。でもね、僕が生まれ育った佐伯市はその大分にありながら……温泉がない。周りは“おんせん県”って盛り上がってるのに、どうしたらいいのって思っちゃう。 このことを、キングコングの西野に話したら、それは「温泉がないところがいいんじゃないですか」って。ないことが逆に魅力じゃないかっていうんですよ。温泉がないという、“おんせん県”という観点からは欠点とみなされるようなところ、それがそのまま魅力だって。あたりまえだけど、魅力っていうのも一つじゃなくてさ、いろんな見方があるんだよね。これもさ、「いろいろあっていい。いろいろあるからいい」っていう、『キキマス!』でもこのコラムでも、とにかくいろんなところで言い続けている多様性であり、フラットな物事の見方の話だって思いました。

 もう1カ月も経っちゃいましたけど、ハロウィーンに大騒ぎして楽しんでいた人たちのことを「ウェイ族」なんて呼んでさ、何のためにやってるんだ、何をしようとしてるんだ、みたいな議論がありましたよね。これもまた、フラットな見方の話かなって思うんですよ。彼らに、目的なんて聞いても意味がないんですよ。だって、楽しそうだから参加したっていうだけ。すごくフラットに楽しんでいたんだと思います。

「お前たちは何をしたいんだ」って、若者たちに大人が問いかけるお決まりのやつです。聞かれているほうは「誰でもないし、誰になろうとも思っていないし、何をしようとも思っていない。楽しいからやっている」って堂々としている。型にはまって自分探しをし続けているのは、大人たちなんだよな…。って、思いませんか? これ、お笑いでも一緒なんだよね。自分たちもずっとそう言われてきたしね。

 もっとフラットに——。そんなことを考えさせてくれた遅い夏休みでした。

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