宮沢氷魚と大鶴佐助の二人舞台『ボクの穴、彼の穴。The Enemy』が池袋の東京芸術劇場プレイハウスで17日、初日を迎えた。
公演前に最終通し稽古が公開され、宮沢と大鶴、そして翻案・脚本・演出のノゾエ征爾が揃い取材会が行われた。
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公演前に最終通し稽古が公開され、宮沢と大鶴、そして翻案・脚本・演出のノゾエ征爾が揃い取材会が行われた。
2016年に初演され話題を集めた舞台『ボクの穴、彼の穴。The Enemy』が、 宮沢氷魚、大鶴佐助で、9月、東京芸術劇場・プレイハウスで上演される。企画制作のパルコが発表した。
劇作家で演出家、そして俳優としても活躍するノゾエ征爾が主宰を務める劇団「はえぎわ」の番外公演『お化けの進くん』が2月28日から東京・有楽町のニッポン放送 イマジン・スタジオで上演される。番外公演ではあるが、はえぎわの公演は約1年ぶり。今回は「“ミュージカルみたいな”作品」と言うノゾエに話を聞いた。
今秋「東京芸術祭2019」で上演
今秋、池袋を中心に開催される「東京芸術祭2019」で上演される『野外劇 吾輩は猫である』の出演者オーディションが1月15日から始まった。
東京芸術祭は3回目の開催となった昨年から宮城聰氏(演出家/SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督)が総合ディレクターに就任。「ひらく」「きわめる」「つながる」の3つの柱を掲げ、プログラムの選定を行ってきた。昨年はその「ひらく」のひとつのアクションとして東京芸術劇場の前にある池袋西口公園で『野外劇 三文オペラ』を上演した。
2019年もこのコンセプトのもと、岸田國士戯曲賞受賞作家であり演出家・脚本家として目ざましい活躍を見せるノゾエ征爾氏を脚本・演出に迎え『野外劇 吾輩は猫である』を上演する。
ノゾエ氏は主宰する劇団「はえぎわ」の公演では小劇場を中心に作品を発表するかたわら、世田谷パブリックシアターの企画で特別養護老人ホームでも芝居を上演。プロデュース公演ではサンシャイン劇場といった大劇場でも作品を手掛ける。また2016年には蜷川幸雄氏が亡くなった後に、その遺志を受け継ぎ、高齢者1600人出演の1万人のゴールド・シアター 2016『金色交響曲~わたしのゆめ、きみのゆめ~』の演出を担当。キャパの大小はもとより、出演者の老若男女を問わず注目度の高い作品を発表し続けている。
そんなノゾエ氏はどんなキャストで、そして初となる野外劇でどんな作品を見せてくれるのか。
オーディションの詳細は東京芸術祭2019のウェブサイト(http://tokyo-festival.jp/2018/news/2161/)へ。
2008年から地域色豊かな作品を北九州から全国へ発信している北九州芸術劇場。
演劇界の第一線で活躍する劇作家・演出家が約1カ月間北九州に滞在し、オーディションで選出された北九州・福岡を中心に活躍する役者やスタッフと“北九州”をモチーフに作品を創作するというスタイルで多くの話題作を生み出してきた。
今回で9作目とすっかり演劇ファンはもとより、役者の間でも定着。はえぎわのノゾエ征爾が作・演出を担当することもあって、過去最多の113人がオーディションに応募した。
その北九州芸術劇場プロデュース『しなやか見渡す穴は森は雨』の東京公演が3月10日(金)から池袋のあうるすぽっとで始まる。
東京公演に先駆け、北九州芸術劇場で2月26日に幕を開けたのだが、ノゾエの「この出演者ならではの作品にしたい」という思いの通り、役者ひとりひとりが際立った作品に仕上がった。
なおノゾエは東京公演に向け「その町にまつわる物語や、滞在創作などは、ともすると、外国人が見たニッポンのようなものになりかねません。当初は、東京を舞台に、そこで暮らす人々、結果的にみんな北九州という同郷だったという設定で構想を進めていましたが、滞在しているうちに、どうも何かが心地悪くなってきました。もう北九州の町での話でいいではないか。と決断するも、部屋で書いては、稽古場に向かう道すがら、この町に跳ね返される。この町の生活者たちに響くようなものになっていない。ごちゃごちゃ感がたまらないこのエネルギッシュな町に拮抗する力。を見出したい。北九州が好きになればなるほど、その想いは強まります。好きな人には、誠実でいたい。それと似た感覚でしょうか。観劇して泣き笑いするこの町の人々を観て、どこかで少しは行き着けたのかなと感じております。これがまた東京ではどう響くのか。楽しみにしております」とコメントしている。
公演は池袋あうるすぽっとで12日まで。公演の詳細は北九州芸術劇場( http://www.kitakyushu-performingartscenter.or.jp/ )で。
ノゾエ征爾は高齢者施設で芝居の巡回上演をするなかで「老い」というものに直面し、今まで思い描いていたそれとはまるで違っていることに気が付いた。そして「『老い』を負のイメージで終わらせたくない」という思いで描いたのがこの作品。2010年に上演され、劇団としてもターニングポイントとなった。待望の再演となる。
派遣のピエロとして働く太郎はある日、高齢者施設から抜け出し徘徊している老女のマチコと出会い、2人だけの生活を始める。太郎とマチコの家族、施設の職員らを巻き込み騒動は広がるなか、進行するマチコの症状。やがて太郎には決断を迫られる時がやってくる。
「老い」への距離感によって思いは違えど、胸にぐさぐさ来る作品だ。
「ままごと」を主宰する柴幸男が俳優として舞台に立つという。これまたかなりレアな出来事。