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ブルドッキングヘッドロック | TOKYO HEADLINE
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喜安が今作で選んだテーマは「芸術家になること」ブルドッキングヘッドロック『芸術家入門の件』

2019.05.16 Vol.718

 ナイロン100℃の劇団員であり、脚本家としては映画『桐島、部活やめるってよ』で日本アカデミー賞の優秀脚本賞を受賞するなど多方面で活躍する喜安浩平。その喜安が主宰するブルドッキングヘッドロックが2000年の旗揚げから今回で30回目の本公演を迎える。昨今、ユニットという形の劇団運営が多い中、劇団員が21名という大所帯で、喜安を含め劇団員が外部での活動などで徐々に時間が取れなくなるなか旗揚げ以来ほぼ毎年、作品を発表し続けるのは並大抵の努力ではできない。

 喜安が今作で選んだテーマは「芸術家になること」。

 主人公は創作に迷う鳴かず飛ばずの60代の芸術家。大金とわずかな名声に飛びつきうっかり新しい依頼を受けてしまうのだが製作は一向に進まない。そんな時、街で「芸術家入門」の看板を発見し、ここでもうっかり足を踏み入れてしまうのだが…。

 資格でも称号でもない「芸術家」という肩書の意味を、自ら「芸術家志望」という喜安がブルドッキングヘッドロック流のおかしみをもって問い直す。

クスリと笑うもよし、大声で笑うもよし『スケベの話〜オトナのおもちゃ編〜』ブルドッキングヘッドロック

2016.03.27 Vol.663

 ブルドッキングヘッドロックの作品は、不安、悪意、狂気といった現代の人間が抱えるさまざまな息苦しさを描きつつも、それゆえに発生してしまう、ささやかな“おかしみ”を緻密な会話劇で綴る。いわばどんよりしたお話を笑いでさらっと昇華する、といった感じ。

 題材的には幅広いタイプの作品を上演してきたが、今回は中でも人気の高かった?「スケベ」をテーマに、あらゆる「スケベ」を嗜むシリーズ、「スケベの話」の公演新作。

 とある国の軍部に属する中佐の邸宅で行われた、ある日のパーティー。中佐の部下の大尉は、そこで謎めいた美しいメイドと出会う。「このスイッチを君に預けよう。君を救うためのスイッチだ」中佐の懐には、たくさんのスイッチ・スイッチ・スイッチ…。大尉のもとへ渡ったスイッチは、隣国へのミサイルか、美人秘書を身悶えさせるのか。というように、さまざまなことがちょっとずつエッチな方向に転がり始める。それは「スイッチのせいだ!」と気づいた将校だったが、そこにメイドの女が妖しく歩み寄るのだった…。

 家族、権力、そして性欲の狭間でおもちゃのように揺れ動く、男たちのおかしみと哀しみが描かれる。

会話劇の妙を楽しめる作品 ブルドッキングヘッドロック結成15周年記念公演 vol.26『1995』

2015.07.20 Vol.646

 ナイロン100℃の役者でもある喜安浩平が自ら作・演出を手がける劇団、ブルドッキングヘッドロックを旗揚げしたのが2000年。近年、喜安はナイロン100℃での役者としての活動はもとより、映画『桐島、部活やめるってよ』で日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞するなど、脚本家としての評価も高まっている。

 その作品は「グロテクスな日常に、ささやかなおかしみを」をモットーに、現代の人間が抱えるさまざまな息苦しさを描きつつも、それゆえに発生してしまう、ささやかな“おかしみ”に着目したもの。作品によって軽めのタッチからやや息苦しい空気感まで変幻自在なのだが、共通するのは緻密な会話劇であるということ。

 今回は1995年という時代をモチーフとした作品。この年は阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件、女子高生文化の萌芽、『エヴァンゲリオン』の放送開始など、社会的にも文化的にも特徴のある時代。そんな中でも彼らが注目したのは「アイドル」。それも「アイドル氷河期」という現象。

 表舞台に表れることのなかったアイドルグループの少女たち、それに無償の愛を注ぎ続けた男、かつてアイドルだった女を軸に1995年と2015年を行き来しながら壮大な偏愛の物語が展開される。

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