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公園通りで「新しい渋谷カルチャー」を創造「hotel koe tokyo」とライブハウス「TOKIO TOKYO」の挑戦

2021.04.22 Vol.Web Original

 

 2021年2月、渋谷・公園通りのホテル「hotel koe tokyo」の地下にライブハウスがオープンした。新型コロナでエンターテイメントの形が変容していく中で、ライブハウス「TOKIO TOKYO」は今、渋谷から新しいカルチャーを発信していこうとしている。4月24日には、hotel koe tokyoとTOKIO TOKYOが共同主催するサーキットライブも行われるという。両者が目論むのは「公園通りから発進する、新しい渋谷カルチャーの創造」だ。その展望をTOKIOTOKYO代表・橋本登希男氏と、hotel koeの音楽事業プロデューサー・加藤将氏に聞いた。

 

ウィズコロナの今「新しいライブハウス」を作った理由

 

橋本登希男(TOKIO)

 

――「TOKIO TOKYO」は、コロナ禍でオープンした新しいライブハウスとしても注目されていますよね。なぜ、このタイミングだったのでしょうか。

TOKIO:タイミングが今だったのは「熱量が止まらなかったから」ですね。学生時代からライブハウスが好きで、自分で音楽イベントを主催していて、そこにしかない「生と現場の熱量」に胸焦がれていましたF。最初はIT企業に就職しましたが、やっぱり自分にとって「たぎる」のは音楽の仕事だったから、起業して音楽業界で生きていくことを決めました。

2019年にライブハウス立ち上げを決め、物件を探している時にコロナがやってきて、2020年5月に「hotel koe tokyo」の地下に空き物件があるという話がきた。こんな世の中でなければ、話が回る前になくなってしまうであろう好条件の物件。世の中のライブハウスに対する目線が冷え込んできているのはわかっていたけど、やるしかないと思った。店舗工事を着工して、オープンしたのが2021年3月です。

加藤将


加藤将(以下、加藤):
 hotel koe tokyoとしても「公園通りのこの十字路から新しいカルチャーを発信していきたい」という強い想いがありました。新型コロナがやってくる寸前までの3年間、hotel koe tokyoのラウンジでは毎週末、入場無料でDJイベントをやっていた。ここから音楽を好きになってくれる人を作る場所として、過去渋谷のカルチャーを作って来た人、今作っている人、これから作っていく人をクロスオーバーする企画を行ってきました。

イベントがコロナで中断されていたさなか、地下にライブハウスができると知った時はとても嬉しかったです。「新しい武器ができたな」と。ホテルという体裁上、僕たちはなかなかバンド形態のアーティストと関われる機会が少なかったから、一緒にできる場所ができたことに感謝しています。

TOKIO:koeが続けていたDJイベントも、音楽業界にアンテナを張っている人々の中では非常に評価が高かった。そんな「hotel koe tokyoの地下」というブランド力は、僕たちにとっても圧倒的な魅力であり、武器だと感じました。

新木場「STUDIO COAST」は「USEN STUDIO COAST」に! 名称を変更

2021.01.15 Vol.Web Original

 音楽ライブやクラブイベントとして親しまれている新木場のイベントホール「STUDIO COAST」が、13日付で、名称を「USEN STUDIO COAST」に変更した。

 同施設は、年間45万人を動員する日本最大級のライブハウスで、 世界ベスト100にも入るクラブ「ageHa」としての一面も持つイベントホール。2019年は年間320本以上のイベントが開催された。2002年に開業。

 同施設は、名称変更以前から株式会社 USENが保有している。

荻窪ベルベットサン『VS cast and Archives』ライブハウスが動画配信サービスをスタート

2020.04.13 Vol.729

 新型コロナウイルスの感染拡大において密閉・密集・密接のいわゆる「3つの密」の回避が叫ばれる中、多くのエンターテインメントやスポーツのイベントが中止や延期となっている。

 クラスターと呼ばれる感染者の集団の発生源として槍玉に上がるライブハウスの多くは3月中旬くらいから公演を自粛。あくまで“要請”ではあるものの、自粛せざるを得ず、出口の見えない中で苦しい経営を強いられている。それは演奏できないミュージシャンも同じ。日本の音楽界は大きな危機を迎えている。

 しかしながら安倍首相は3月2日の参院予算委で「政府としては個別の損害を補償することはできない」と答弁。同28日には会見で「損失を税金で補償するのは難しい。そうではない補償の仕方を考えている」などと一歩進んだのか進んでないのか分からない発言。公的な補償については大きな期待は望めない。

 そんななかでフリージャズピアニストのスガダイローらが拠点としている荻窪のライブハウス「ベルベットサン」では4月から動画配信サービスをスタート。収益化に向けて、YOUTUBE課金投げ銭システム「Super Chat」使用を目指している。この投げ銭で得た収益はアーティスト、店舗、スタッフの運営費に回し、イベント開催が難しいこの状況を乗り切っていくという。

 現在は過去のライブの模様とその日予定されていたライブを生配信している。

【いまライブで聴くべきバンド】「浅草橋MANHOLE」編

2020.03.08 Vol.Web Original

 たくさんのバンドやアーティストが自身の音楽を発信しているライブハウス。ドキドキとワクワクと興奮でいっぱいなはずのライブハウハウスが今は、新型コロナウイルスの影響で、元気を失わざるをえない状況にある。だったら、今は、誰を見に行ったらいいのかリサーチに費やしたらいいじゃない? 現場に聞いてきました。

 今月伺ったのは、浅草橋のライブハウス「MANHOLE(マンホール)」。最寄りはJRと都営が通る下町・浅草橋駅だが、秋葉原も徒歩圏内。浅草橋のアットホームさと、秋葉原らしいネット系カルチャーが融合した次世代ライブハウスに集うおすすめアーティストを店長・古賀さんから聞いた。

【いまライブで聴くべきバンド】青山「月見ル君想フ」編

2019.09.25 Vol.Web Original

 今日もまた、都内のライブハウスではたくさんのバンドやアーティストがライブを行っている……けれど、数も種類も多すぎて、誰を見に行ったらいいのか分からない!!! だったらプロに聞きましょう!

 今月伺ったのは、青山のライブハウス「月見ル君想フ」。名前も覚えやすい、オシャレな街青山にぴったりのロマンチックなライブハウスだ。最も特徴的なのはこのステージにぽかんと浮かんだ巨大な満月。ライブの楽しみ方も他のライブハウスとはちょっと違う。そんな月見ル君想フ店長・タカハシさんレコメンド、この夏聴きたいおしゃれな音楽をチェックしよう。

ユルイのに、どこかメロウ。夏のドライブが楽しくなる、「TENDRE(テンダー)」

「ここ最近、グッと名声を得てきているTENDRE。ユニクロやHONDAなど、大きなメーカーのCMソングにも起用されていてまさに”今をときめく”おしゃれなサウンドが魅力です。 

 TENDERこと河原太朗は、ボーカルとしてだけでなく、奏者としても才能にあふれています。 ベース、サックス、ピアノ……ライブもその時々によっていろんな楽器を使いこなします。

 TENDREは河原太朗のソロなので、さまざまなサポートメンバーとのライブになります。つまり、ライブに行く度にその日だけのTENDREを聴くことができます。ライブで聴く生演奏って、その日その場でだけの音だと思うんです。彼もそういうマインドを持って、いろんな楽器やいろんなメンバーで自分の曲をその日だけのアレンジで演奏します。そういうその日だけの音が聴けるのが、やっぱりライブの魅力ですよね。やっぱり音楽は、目の前で鳴る音をそのまま聞くのが一番。体験に勝るものはないですよ」

 爽やかで耳に馴染むポップな楽曲は夏にぴったり。これからの時期ならホームパーティーやBBQなどで流してみるのもいいかもしれない。Suchmosのような雰囲気のあるおしゃれな横揺れ音楽が好きな人にオススメ。

 

茶目っ気たっぷりなピアノサウンドにウキウキする「Maia Hirasawa(マイア・ヒラサワ)」

「現在はスウェーデン在住で、日本では2011年にデビューしたマイア・ヒラサワ。ちょうどお子さんを出産されて一度活動を休止していましたが、最近また子育てが落ち着いて活動を再開しました。代表曲でもある『It’s doesnt stop』は花王のエッセンシャルのCMソングにもなっていたので、一度は聴いたことがある人が多いと思います。

 再活動を皮切りに、またじわじわと再沸騰してきています。キャッチーでかわいくって、それでいてファッショナブル。ライブでは会場の雰囲気作りも上手で、聴いている人を自然と元気にしちゃうような、そんなステキなオーラのある女性です」

 ピアノが入った遊び心のあるサウンドは、カラフルで可愛らしい。雨の日でも、ちょっと眠たい出勤前でも、柔らかく楽しげなサウンドは私たちに元気をくれる。YUKIや木村カエラのような、パワーのある曲が好きなら聴いてみて。

 

ネクスト東京事変?圧倒的な演奏力とPOPセンスに包まれる「CLCK/LCKS(クラックラックス)」

「イチオシのスーパーバンドです。バンドって奇跡的なバランスで存在していることがよくあると思うのですが、クラックラックスはまさにそんなイメージで、メンバーがそれぞれ個性的なアーティスト。各パートの主張も強いのですが、見事にバランスを保っているバンドなんです。

 そういう個性の強い、存在感のあるメンバーが集まって作ったバンドなので、とにかく作り込み方がすごい。椎名林檎や東京事変が好きな人にも刺さると思います。」

 ひねりのきいたサウンドに、すっと通る女性ボーカルが耳に残る。体ごと持っていかれそうなリズムと浮遊感で、散歩中に聴いたらどこまでも歩いていけそうだ。最近聴きたい音楽がない……そんな風に思っている人は一度聴いてみてほしい。

 

温かみのある音楽を聴きたいあなたへ「金佑龍(キムウリョン)」

「金佑龍は関西出身のシンガーソングライターです。 バンドを解散した後に、現在はソロとして活動しています。深みのあるボーカルに、ギター一本で奏でる柔らかな音色が特徴です。

 彼に関してはイヤホンで音源を聞くよりも、ライブで聞く方が絶対に楽しい。会場全員を巻き込むような、手拍子を載せたくなるようなライブパフォーマンスが彼の魅力です。 音楽を通して、お客さんと会話するのがとても上手なので自然と引き込まれます。お酒を片手に誰でも楽しめるはず」

 年代を選ばず愛される魅力があるキムウリョン。ハナレグミや秦基博のような、優しい音楽が好きな人におすすめ。

 

ライブハウスではなく、文化娯楽施設です。食事とお酒をメインに楽しめる!

 月見ル君想フでは食事とお酒を音楽と一緒に楽しもう、ということをモットーにしているそう。

 そもそもライブハウス内に席数がとても多く、「ライブは立って見るもの」という雰囲気もない。2階席は手すり付近がカウンター席になっており、座りながらライブを見れる。もちろん階下ではしっかり立ってライブを全身で楽しんでいる人もいるし、そういう遊び方を個人が選べるのが月見ル君想フのいいところだ。

※注・ セッティングは日によって変わります

 

 ライブハウスには珍しく、フードはがっつりと仕込みからこなしてメイン級の料理を提供している。カレーにタコライス、ルーロー飯にルーローまんなど……。しっかり食べたい人は座ってご飯物を、サクッと食べたければワンハンドで食べれるルーローまんがおすすめ。

お酒の種類の多さにも驚かされる。ドリンクの種類は期間限定のものなども含めて約60種、日本酒やクラフトビール、自家製の漬けフルーツを使ったカクテルも楽しめる。完全に音楽をバックに「お酒と食事を主役に」楽しむことも可能なのだ。

 珍しい台北産のビールなども提供。台北にも支店がある月見ル君想フでは、アジアを中心にグローバルな文化を大切にしている。そのため海外からの来日公演も多く、音楽好きならいつ行っても発見の多いイベントに巡り会える。

 日によっては演劇や、ダンス、映画の上映会などもやっている。職場が近いなら、有人と食事を楽しみに行ってみてはいかが? ステキな音楽との出会いも着いてくるおまけ付きです。

■月見ル君想フ
【URL】http://www.moonromantic.com
【Twitter】https://twitter.com/moonromantic

 

(取材と文・ミクニシオリ)

【いまライブで聴くべきバンド】新宿「ACB」編

2019.04.30 Vol.Web Original

 今日もまた、都内のライブハウスではたくさんのバンドやアーティストがライブを行っている……けれど、数も種類も多すぎて、誰を見に行ったらいいのか分からない!!! だったらプロに聞きましょう!

 今月伺ったのは、なんと今年で50周年を迎える東京でも老舗のライブハウス、新宿ACB。特にメロディックハードコア、通称「メロコア」のジャンルに特化したライブハウスだ。メロコアの今を問いかけながら、これからのメロコアシーンを担っていくネクストバズバンドも紹介していただきます!

90sインディー・メロコアブーム。「Hi-STANDARD」に始まる今のシーン

 新宿ACBは多くのバンドを輩出してきた、東京のメロコアシーンを牽引し続けるライブハウスだ。一時経営問題で閉店に追い込まれるも、メロコアファンたちのアツい要望で復活した。

 メロコアシーンは日本では90年代に大きなブームになった。Hi-STANDARDを筆頭にBRAHMAN、HAWAIIAN6など、スピード全開の英詞バンドが愛された。今の3〜40代は、Hi-STANDARDのレーベル「PIZZA OF DEATH RECORDS」主催の伝説のフェスの名を借りて「AIRJAM世代」と呼ばれることもあるほどだ。

【いまライブで聴くべきバンド】吉祥寺「WARP」編

2019.03.23 Vol.Web Original

 今日もまた、都内のライブハウスではたくさんのバンドやアーティストがライブを行っている……けれど、数も種類も多すぎて、誰を見に行ったらいいのか分からない!!! だったらプロに聞きましょう!

 今月伺ったのは、吉祥寺にあるライブハウス「WARP」。昔ながらの音楽の街、吉祥寺ですが、今年からサーキットイベントが行われるなど音楽熱はさらに上昇中!インタビューに応じてくれたのは本連載初の女性コンビとなる小泉店長と吉田副店長。女性もハマる吉祥寺のおしゃれ音楽シーンの今を問う。

【いまライブで聴くべきバンド】「立川BABEL」編

2019.02.23 Vol.Web Original

今日もまた、都内のライブハウスではたくさんのバンドやアーティストがライブを行っている……けれど、数も種類も多すぎて、誰を見に行ったらいいのか分からない!!! だったらプロに聞きましょう!

今月登場していただくのは、「赤い公園」や、オバ犬と呼ばれ愛される「OverTheDogs」など、数々の有名バンドを輩出してきた西東京の有名ライブハウス、立川BABEL。300人という東京の中では比較的大きめなフロアを持つオールジャンルライブハウスならではの、多彩なネクストバズアーティストを教えてもらった。

これが本当の「待望のライブ」だ。「Paul Draper (Mansun)」

2019.02.12 Vol.715

 90年代のブリットポップムーブメントの終盤に登場し全英を夢中にさせたロックバンド、Mansun(マンサン)のフロントマンを務めていた、ポール・ドレイパーが待望の来日。アコースティックセットのジャパンツアーを展開する。

 最後に来日したのはMansunとしてで2000年。実に19年ぶりの来日! ソロとしては初めての来日になる。「待望の」とされるだけあって、最初に発表された日程はあっという間にソールドアウトとなり、追加に追加を重ねている。

 今回のライブでは、Mansun時代のヒット曲はもちろんのこと、B面曲、彼のソロ楽曲までプレイするとのこと。その時からのファンはもうチケットは手にしているはず。「ロックフェスっておじさんやおばさんばっかりたよね」と言ってやまないニューミレニアム以降の音楽を聴きながら育ってきた音楽ファン! このライブを見れば、その“おじさんおばさん”たちが本気でうらやましくなるはず! もちろん、今のティーンネージャーたちをも夢中にさせる、ポールのニューマテリアルも聞いておくべき!

【いまライブで聴くべきバンド】下北沢「ERA 」編

2018.10.12 Vol.Web Original

 今日もまた、都内のライブハウスではたくさんのバンドやアーティストがライブを行っている……けれど、数も種類も多すぎて、誰を見に行ったらいいのか分からない!!! だったらプロに聞きましょう!

 今月うかがったのは、ライブハウス激戦区下北沢の中でも全国各地からバンドが訪れる、ある意味下北沢らしくないオールジャンルライブハウス下北沢「ERA」。久保寺店長に、今現場で注目するバンドを聞いてきました!

越谷EASYGOINGSに聞く地方ライブハウスのリアル「正直キツイけど、好きだから」

2018.09.05 Vol.Web Original

都心の有名ライブハウスと比べると経営努力を強いられる郊外ライブハウス。埼玉県越谷市のライブハウス、越谷EASYGOINGS(イージーゴーイングス)の若き店長サダさんにリアルと努力を聞く。

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