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世界柔道で金メダル減らす。東京五輪へさらなる強化は必須
9年ぶり6度目の日本開催となった「2019世界柔道選手権東京大会」が8月25日〜9月1日の日程で東京・日本武道館で開催された。
日本は最終日の1日、来年の東京五輪新種目となる混合団体の決勝でフランスを4−2で下し、3連覇を達成した。
混合団体は各チーム男女3人ずつの6人制で争われ、3−3となった場合は無作為で選んだ階級での代表戦で決着をつけることとなる。
日本は第1戦の男子90キロ超級の景浦心、第3戦の男子73キロ級の大野将平、第4戦の女子70キロ級の新井千鶴が一本勝ちを収め3−1と王手をかけたものの第5戦の村尾三四郎が敗れ、3−2に。まだまだリードはしているものの、代表戦がどの階級で行われるかは未知数なだけに、決して予断を許さない状況に。これが混合団体の面白いところでもあるのだが…。
しかし第6戦の女子70キロ超級で濱田尚里が勝利を収め優勝を果たした。
濱田の相手は個人戦の決勝で敗れたマドレーヌ・マロンガ。2日前には大外返しに天を仰いだが、この日は必殺の寝技でがっちりと抑え込み、会心の一本勝ちで雪辱を果たした。
本来なら70キロ超のクラスには、前夜に78キロ超級を制した素根輝と同3位の朝比奈沙羅が出場するはずだったが、当日の朝。2人がそろってコンディション不良を訴えたことから急きょ濱田が出ることに。
濱田は初戦の2回戦から全3試合とも一本勝ちを収め、日本の危機を救った。
第2日(26日)に行われた男子66キロ級では準決勝で3連覇を目指した阿部一二三と初出場の丸山城志郎が対戦。
丸山は試合序盤に右膝を負傷し、足を引きずりながらも試合を続行。延長戦で、ともえ投げから流れるような浮き技で優勢勝ちを収め、決勝進出を果たした。
患部をテーピングで固め、痛み止めを飲んで臨んだ決勝では韓国の金琳煥を合わせ技で破り優勝した。阿部は3位決定戦では勝利を収め銅メダルを獲得したが笑顔はなかった。
丸山は今回の優勝で、11月のグランドスラム大阪大会でも優勝すれば東京五輪の代表の座はほぼ手中に。一歩リードした形となったが、阿部の巻き返しも必至で、こちらの代表争いから目が離せない状況となってきた。
東京五輪を来年に控えた今回の世界選手権で、日本勢の金メダルは男子が66キロ級の丸山と73キロ級の大野で昨年と同じ2個、女子は52キロ級の阿部詩と78キロ超級の素根にとどまり、5個だった昨年から3つ減らした。全日本柔道連盟(全柔連)の山下泰裕会長は「全体的な印象として、研究され、苦戦した。厳しい戦いだった」と総括。残り1年でさらなる強化を迫られる結果となった。
世界柔道2019 丸山城志郎vs阿部一二三 激闘のラストシーン 【アフロスポーツ プロの瞬撮】
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山下泰裕会長が「己を信じろ。最善を尽くせ。それができれば自ずと結果はついてくる」【2019世界柔道】
「JUDO IPPON PROJECT」がギネスに認定
9年ぶりに日本で開催される「2019世界柔道選手権東京大会」(8月25日~9月1日、東京・日本武道館)に先駆けて行われていた「JUDO IPPON PROJECT」がギネスの世界記録に認定され、8月21日、認定式が行われた。
同プロジェクトは大会の開催を記念して「最も長いポスターの列」を作ろうというもの。今年2月12日~5月31日まで世界中の柔道家から柔道衣を着用した立ち姿の写真を募集。この期間に海外を含む大人から子供まで約6500人から写真の投稿があり、その中から2019枚の写真をポスターにして、それをつなげ列を作った。
この日はギネス認定員から山下泰裕全日本柔道連盟会長に世界記録認定証が贈呈された。山下会長は「世界選手権というのは世界の多くの柔道家の憧れの晴れの舞台。そして日本武道館は世界の柔道家にとって聖地でもあります。世界中の、そして日本中の柔道を応援してくれている方々と一緒になって大会を盛り上げたい、という思いからJUDO IPPON PROJECTがスタートした。私も写真1枚1枚を見させてもらった。小さい子供からかなりの年配の方まで、さまざまな国の方が誇らしげに立っておられたその姿は非常にほほえましいものがあった。その写真を見ながら“必ず世界選手権を成功させなければいけない”と決意した」などと話した。
世界柔道で日本が男女混合団体初代王者に
柔道の世界選手権が8月28日〜9月3日の日程でブダペストで行われた。最終日には2020年東京五輪の新種目として採用され、今大会で初めて実施された男女混合団体戦決勝でブラジルに完勝。初代王者に輝き有終の美を飾った。
日本は個人戦では男女合わせて国・地域別で最多となる金メダル7個を含め、12個のメダルを獲得。
初出場で頂点に立った20歳で男子66キロ級の阿部一二三(日体大)、女子48キロ級の渡名喜風南(帝京大)、52キロ級の志々目愛(了徳寺学園職)、男子73キロ級の橋本壮市(パーク24)、100キロ級のウルフ・アロン(東海大)と初出場の5選手が金メダルを獲得。若い力が台頭し、3年後に自国開催される東京五輪へ向けて好スタートを切った。