第3次安倍内閣が3日発足した。今回の改造後、ある意味、最も注目を集めているのは江崎鉄磨沖縄担当相。江崎氏は入閣にあたり一度は「せっかくですが、お断りします」と固辞したものの、所属する二階派の領袖である二階俊博幹事長に翻意を促され就任に至ったという微笑ましいエピソードも伝えられた。
そんな江崎氏は5日に地元・愛知県一宮市で記者団に「しっかりお役所の原稿を読む。立ち往生より、答弁書の朗読かな」と述べ、北方領土問題についても「素人」と言い切ってしまった。内閣改造からわずか3日目での失言に野党も色めき立った。
しかし江崎氏、8日の記者会見では、オーストラリア沖で起きた米軍新型輸送機オスプレイの墜落事故に関連し「日米地位協定をもう少し見直さないといけない」という一歩踏み込んだ認識を示し、一躍脚光を浴びる。一気に「この人、意外にやる人なのかも…」と思わせておきながら、同日、沖縄入りしたときには那覇空港で記者団に「言葉足らずのところがあった。安倍政権も2度大きな見直しを行い、あるべき姿を追求する姿勢だ。その方針に沿った発言だ」とトーンダウン。上げたり下げたり忙しい…。
この江崎氏について安倍首相は9日に行われた長崎市内での記者会見で「今後、一層緊張感を持って職務に当たってもらいたい」と述べ、辞任は必要ないとの考えを示している。