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劇団鹿殺し | TOKYO HEADLINE
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劇団鹿殺し渾身の王道音楽劇『キルミーアゲイン’21』

2021.09.27 Vol.745

 座長・菜月チョビが関西学院大学在学中にサークルの先輩であった代表・丸尾丸一郎とともに旗揚げした鹿殺しが今年、活動20周年を迎えた。2005年には当時の劇団員全員で上京し、既存の劇団とは一線を画した活動と並外れた行動力で徐々に東京の演劇ファンに知られるところとなり、公演規模も拡大。菜月、丸尾のみならず劇団員の外部での活動も増えていった。

 劇団が成長する過程でよく選択肢として上がる「解散」「活動停止」といったこともなく毎年コンスタントに公演を行えたのは菜月、丸尾の「劇団」というものへのこだわりがあってこそ。

 今回は2016年の15周年記念公演として上演された『キルミーアゲイン』の再演。劇団鹿殺し渾身の王道音楽劇だ。

 ゲストには真田佑馬、梅津瑞稀らフレッシュなメンバーから、小林けんいち(動物電気)、谷山知宏(花組芝居)といった劇団の黎明記を支えたメンバーまで、活動20周年にふさわしいゲストが集結。いつにも増してお祭り感も満載の公演となる。10月15〜17日には大阪IMPホールでも公演。10月9、10日には配信公演も行う。

お芝居は不要不急です「OFFICE SHIKA PRODUCE『秘剣つばめ返し』」

2021.01.11 Vol.737

 劇団鹿殺しの丸尾丸一郎が脚本・演出を務め、2017年NHKラジオドラマ「劇ラヂ!」シリーズで発表され話題となった、丸尾丸一郎版“巌流島の戦い”『秘剣つばめ返し』が松島庄汰、佐伯大地のW主演のもと舞台化される。

 今作の佐々木小次郎は、勇気“以外”の全てを持つ孤高の剣客。岩流と自らの剣を称したのも臆病者の大口で、恋心を抱くたら姫とは口も利けない男。一方の宮本武蔵は六十戦無敗の剣豪にもかかわらず、女好きで自由奔放な性格のため、士官先は見つからず、その日暮らしの生活を送っていた。小倉藩の陰謀が渦巻く中、天下無双を決める小次郎と武蔵の決闘がついに始まることになるのだが…。さまざまな説がある小次郎の人物像や宮本武蔵との世紀の一戦を丸尾独自の目線で描く。

どんどん舞台に活気が戻ってくる予感 劇団鹿殺し『ザ・ショルダーパッズ』

2020.11.01 Vol.734

 新型コロナウイルスの感染拡大防止による劇場の休館で3月の東京公演が中止となってしまった鹿殺しが劇場に帰ってくる。

 3月の大阪公演はなんとか実施したものの、他の劇団同様、そこから長く沈黙せざるを得なかった彼らだったが、8月には劇団活動の「再起動」を宣言。11月に劇団公演を実施することを発表した。

 今回の「ザ・ショルダーパッズ」は男性の衣装は2枚の肩パットのみで行われる。このスタイルは2004年の劇団公演を皮切りに、ライブハウスでの音楽劇、PLAY PARK2012、福岡演劇フェスティバルなどさまざまな公演・会場で上演されてきたもので、劇団鹿殺しの伝統表現の一つの集大成といえるもの。シンプルな肉体と、想像力の翼のみを武器に演者と観客、双方の世界を無限に解放することに挑戦していく。

 今回は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」と江戸川乱歩の「少年探偵団」の2作品をそれぞれ上演。この名作を丸尾丸一郎が戯曲化し、菜月チョビによる「ザ・ショルダーパッズ」ならではの演出で作品世界を美しく立体化するという。

今こそ演劇の力を見せる時!! OFFICE SHIKA PRODUCE『罪男と罰男』

2020.03.06 Vol.728

 劇団鹿殺しの丸尾丸一郎が脚本・演出を務め、2017年にNHKラジオドラマ「劇ラヂ!」シリーズで発表された『罪男と罰男』が舞台化される。

 同作は丸尾自身の経験から着想した、罪と罰の因果を描くお伽噺のようなダークファンタジー。

 物語には「罪を犯す男」と「罰を引き受ける男」の2人が登場する。

「罪を犯す男」森日出男はオレオレ詐欺をしている電話口から「孫に会いたい」と懇願するお婆さんの声を聞いた時に、ふと「思い返せば、いくつの罪を犯してきたのだろう」と思い、自分の罰を引き受けてくれた旧友・山田武男のことを思い出す。そして再会した「罰を引き受ける男」武男は世界中の罰を引き受けて瀕死の状態だった。

 日出男役に映画、ドラマ、舞台と幅広く活躍する松島庄汰、武男役をラジオドラマ版に引き続き渡部秀が演じる。

 またオフィス鹿の「若手演劇人を応援したい」という思いから3月12日の14時の回は「若手演劇人支援公演」として行われる。チケット料金の特別割引に終演後に丸尾が「演劇の創り方」をテーマにしたトークベントなども開催する。

「銀牙 -流れ星 銀-」が舞台化! 2019年夏に上演決定

2018.11.21 Vol.Web Original



 少年漫画の名作「銀牙 -流れ星 銀-」が舞台化されることが21日、発表された。2019年夏に、東京と神戸で上演される。

 高橋よしひろによる同名の人気漫画が原作。登場するのは犬たち。宿敵である殺人熊を倒すという目的のもとで、勇気、友情、正義、諦めない心などが描かれる。1983〜1987年まで「週刊少年ジャンプ」(集英社)に連載され、30 年以上が経ったが今もなお少年漫画の名作として語り継がれている。

 公演の発表とともに、キャスト発表第1弾として、佐奈宏紀、郷本直也の出演が明らかにされた。脚本・演出は、「劇団鹿殺し」の丸尾丸一郎が担当する。

 舞台化決定につき、髙橋はコメントを寄せている。コメントは以下の通り。

「銀牙は今からおよそ35年前に、週刊少年ジャンプで四年程連載された漫画です。私にとって銀牙は、自分の漫画家生命を今に迄永らえさせてくれた、とても親孝行な作品です。銀牙の連載が終ってからも、私は色々なジャンルの漫 画に挑戦してみましたが、どれも今一つ読者の反応を得られませんでした。そして読者からくる手紙には、『先生はどうして 動物漫画を描かないの』という手紙ばかり。ならばという事で銀牙の続編を始めたのです。(銀牙の連載が終ってから十 五年経っていました)それが熱狂的ファンに支えられ今に至っている訳なのです。そして今回、ネルケプランニング様のお力で舞台化となりました。私にとっては他のどの作品より漫画家として生きてゆく上で、支えられた作品です。皆様に是非、 銀牙のテーマでもある愛と勇気を舞台で感じて頂ければ幸いです」

舞台『親愛ならざる人へ』で異色の組み合わせ実現—— 奥菜恵×丸尾丸一郎

2017.02.27 Vol.685

 劇団鹿殺しの作家である丸尾丸一郎の脚本・演出による新作舞台OFFICE SHIKA PRODUCE『親愛ならざる人へ』が3月2日から上演される。

 OFFICE SHIKA PRODUCEはこれまで劇団の本公演とはちょっと毛色の違った作品を手掛けてきた。それに伴いキャストも普段では見られない、あっと驚くものが多かった。

 VOL.1(2014年1月)では歌手・絵本作家・アーティストであるCoccoを主演に迎え、VOL.2(2014年8月)では鳥肌実、森下くるみ、ISOPPといった異ジャンルから大胆にキャスティング、VOL.3(2015年8月)では鳥越裕貴、小澤亮太といった若手俳優を起用した。

 本作は2014年にNHKラジオドラマ「劇ラヂ!ライブ2014」に書き下ろした作品を舞台化するもの。主演に女優・奥菜恵を迎え、丸尾としては初めてのコメディーに挑む。奥菜が演じるのは33歳厄年の花嫁役。

 まず意外にも思える2人の接点とは?

丸尾「いつか出ていただきたいと思っていて、以前、何度かラブコールをしたことがあるんです。タイミングが合わなくてなかなか実現しなかった。今回、この作品をやるにあたって、“主人公の本宮華を誰にやってもらおう…”とすごく考えました。華は口汚い言葉を素直に吐く。そのたたずまいが女性を勇気づけるようでありながら、“正直に生きていいんだ”ということを感じさせる人。お客さんをいい意味で裏切りたいのでそういう印象ではない人、ということで考えていたら奥菜さんの顔が浮かびました。それですぐにオファーさせていただきました」

 もともと出演作を見てファンだった?

「奥菜さんには一度、劇団鹿殺しの本公演の推薦文を書いていただいたことがあったんです。あれはなんで書いてもらえたんだろう? 別にそれまでに親しくさせていただいていたわけでもないのに。楽屋でご挨拶くらいはさせていただいていたのかな…」

奥菜「私は何度か舞台を拝見させていただいていました」

丸尾「なぜ劇団鹿殺しを見ていただいていたんですか?」

奥菜「周りからすごく劇団鹿殺しの名前は聞いていたんです。それで“これは一度見ないと”と思って『岸家の夏』(2011年、青山円形劇場)という作品を見たのが最初でした」

 では今回オファーが来た時の感想は?

奥菜「私でいいんですか?という感じでした」

丸尾「僕たちはOKしていただいて小躍りしましたよ(笑)。すぐにビジュアルのイメージとか公演の全体像が浮かびました。これは作・演出家というよりは、主催者としてのイメージなんですが、奥菜さんがぽんと頭にいるだけで、作品がまとまるということがはっきりした。そして、劇団ではなかなかできないことがしっかりやれると思いました」
もう成功したも同然みたいな。

丸尾「はい。まだ脚本は出来上がっていなかったんですが、奥菜さんを頭に置いて書き進めることで、舞台の使い方も含めたイメージがまとまっていきました」

 稽古場でのお互いの印象は?

奥菜「けっこう激しい…激しいというと変ですね(笑)。愛のむちという感じで、こういう環境でお芝居ができる皆さんがうらやましくなっちゃいました。ちゃんとビシバシ言ってくれる演出家がいて、そういう環境でもまれる。こういう稽古場にいられるだけでも刺激を受けるし、身の引き締まる思いです(笑)」

 稽古場で罵倒はされたりは?

奥菜「まだされてないですけど(笑)。これからかも(笑)」

丸尾「奥菜さんは求心力がすごいんです。まず、見てしまう。それは外見のことではなくて。吸い込まれてしまう力というのかな。どうしても劇団鹿殺しの劇団員たちは発散するのが得意で外に外に出していくんですが、奥菜さんは内に秘めていくものがあるから、物語がすごく入って来る。もうひとつすごいのは、演技において嘘をつかないということ。自分が分かっていないところで“こんな感じなんでしょ”といった分かったふりをしない。だから“いま感情の流れがはっきりしていないんだな”ということが分かる。本当に嘘がつけない人なんだなということが分かるから話しやすい。それは普段ではもちろんですが、今回の物語では、華には思ったことをしっかりと言ってほしいということもあって、特に重要なことなんです。そこはごまかしてほしくない。役者って下心がいっぱいあるんです。目立ってやろうとか、こう見えているかしら?といった邪念も入るものなんですが、奥菜さんはシンプルに物語に取り組んでくれているのでやっていてすごく楽しいし、みんなにも見習ってほしいと思います」

 稽古場では丸尾のきめ細かい演出に真剣な眼差しで聞き入る奥菜の姿が印象的。

奥菜「演出がものすごく丁寧で、そして情熱を持たれていますよね。ビジョンが明確だから、私が悩んでいることも相談しやすいし(笑)、話も聞いてもらえるので、とてもやりやすいんです」

 奥菜は約2年ぶりの舞台出演。ちなみに舞台に関してはどういう距離感?

奥菜「舞台は一番好きで、一番やりたいと思っているんです」

丸尾「ちょうどいいタイミングで良かった(笑)」

奥菜「楽しい、と言っていいのかな? この稽古場でさらに喜びとか楽しさといった魅力を教えていただけたかなと思います」

丸尾「奥菜さんは舞台はもっとやったほうがいい。以前、KERAさんの作品で青山円形劇場でやられていたんですが、ああいった形状の舞台は絶対に合うと思います」

 丸尾は客演の役者や舞台経験の浅い役者の今まで見たことのない魅力をうまく引き出し、そして舞台を好きにして帰すといった印象がある。

丸尾「得してもらいたいという気持ちはあります。僕の作品に出演して、損してほしくはない。楽しかった思い出であってほしいし、お客さんにとってはこの女優さんの新たな面が見えたとか、そういうものを持ち帰ってほしいという気持ちはあります。今回の作品については、女性たちに“どうやって生きていってもいいんだ”ということを感じてほしいし、少しでも周りにいる家族とか友達なんかと、ちゃんと付き合っていかなきゃと思うような後味を残せるお芝居にしたい。でも芝居は笑って泣けるという、日常生活の楽しくないところを補うものでありたいと思っていて、そういったお芝居をしっかり作るので、ぜひ楽しんでいただきたいです」

奥菜「きれいにまとめましたね(笑)。私は不条理劇がずっと続いていて(笑)、幽霊みたいなというか、きっと皆さんが“どこ向いて喋ってるんだよ”って言いたくなるような抽象的な役がずっと続いていたので、今回は誰かとコミュニケーションを取っている時間が本当に楽しいんです。そこを丁寧に、惰性にならずに一生懸命やりたいと思います」

 公演は3月12日まで。

奥菜恵主演の舞台『親愛ならざる人へ』3月2日開幕

2017.02.27 Vol.685

 劇団鹿殺しの作家である丸尾丸一郎の脚本・演出による新作舞台OFFICE SHIKA PRODUCE『親愛ならざる人へ』が3月2日から上演される。

 OFFICE SHIKA PRODUCEはこれまで劇団の本公演とはちょっと毛色の違った作品を手掛けてきた。それに伴いキャストも普段では見られない、あっと驚くものが多かった。

 VOL.1(2014年1月)では歌手・絵本作家・アーティストであるCoccoを主演に迎え、VOL.2(2014年8月)では鳥肌実、森下くるみ、ISOPPといった異ジャンルから大胆にキャスティング、VOL.3(2015年8月)では鳥越裕貴、小澤亮太といった若手俳優を起用した。
 本作は2014年にNHKラジオドラマ「劇ラヂ!ライブ2014」に書き下ろした作品を舞台化するもの。主演に女優・奥菜恵を迎え、丸尾としては初めてのコメディーに挑む。奥菜が演じるのは33歳厄年の花嫁役。

 まず意外にも思える2人の接点とは?

丸尾「いつか出ていただきたいと思っていて、以前、何度かラブコールをしたことがあるんです。タイミングが合わなくてなかなか実現しなかった。今回、この作品をやるにあたって、“主人公の本宮華を誰にやってもらおう…”とすごく考えました。華は口汚い言葉を素直に吐く。そのたたずまいが女性を勇気づけるようでありながら、“正直に生きていいんだ”ということを感じさせる人。お客さんをいい意味で裏切りたいのでそういう印象ではない人、ということで考えていたら奥菜さんの顔が浮かびました。それですぐにオファーさせていただきました」

 もともと出演作を見てファンだった?

「奥菜さんには一度、劇団鹿殺しの本公演の推薦文を書いていただいたことがあったんです。あれはなんで書いてもらえたんだろう? 別にそれまでに親しくさせていただいていたわけでもないのに。楽屋でご挨拶くらいはさせていただいていたのかな…」

奥菜「私は何度か舞台を拝見させていただいていました」

丸尾「なぜ劇団鹿殺しを見ていただいていたんですか?」

奥菜「周りからすごく劇団鹿殺しの名前は聞いていたんです。それで“これは一度見ないと”と思って『岸家の夏』(2011年、青山円形劇場)という作品を見たのが最初でした」

 では今回オファーが来た時の感想は?

奥菜「私でいいんですか?という感じでした」

丸尾「僕たちはOKしていただいて小躍りしましたよ(笑)。すぐにビジュアルのイメージとか公演の全体像が浮かびました。これは作・演出家というよりは、主催者としてのイメージなんですが、奥菜さんがぽんと頭にいるだけで、作品がまとまるということがはっきりした。そして、劇団ではなかなかできないことがしっかりやれると思いました」

 もう成功したも同然みたいな。

丸尾「はい。まだ脚本は出来上がっていなかったんですが、奥菜さんを頭に置いて書き進めることで、舞台の使い方も含めたイメージがまとまっていきました」

 稽古場でのお互いの印象は?

奥菜「けっこう激しい…激しいというと変ですね(笑)。愛のむちという感じで、こういう環境でお芝居ができる皆さんがうらやましくなっちゃいました。ちゃんとビシバシ言ってくれる演出家がいて、そういう環境でもまれる。こういう稽古場にいられるだけでも刺激を受けるし、身の引き締まる思いです(笑)」

 稽古場で罵倒はされたりは?

奥菜「まだされてないですけど(笑)。これからかも(笑)」

丸尾「奥菜さんは求心力がすごいんです。まず、見てしまう。それは外見のことではなくて。吸い込まれてしまう力というのかな。どうしても劇団鹿殺しの劇団員たちは発散するのが得意で外に外に出していくんですが、奥菜さんは内に秘めていくものがあるから、物語がすごく入って来る。もうひとつすごいのは、演技において嘘をつかないということ。自分が分かっていないところで“こんな感じなんでしょ”といった分かったふりをしない。だから“いま感情の流れがはっきりしていないんだな”ということが分かる。本当に嘘がつけない人なんだなということが分かるから話しやすい。それは普段ではもちろんですが、今回の物語では、華には思ったことをしっかりと言ってほしいということもあって、特に重要なことなんです。そこはごまかしてほしくない。役者って下心がいっぱいあるんです。目立ってやろうとか、こう見えているかしら?といった邪念も入るものなんですが、奥菜さんはシンプルに物語に取り組んでくれているのでやっていてすごく楽しいし、みんなにも見習ってほしいと思います」

 稽古場では丸尾のきめ細かい演出に真剣な眼差しで聞き入る奥菜の姿が印象的。

奥菜「演出がものすごく丁寧で、そして情熱を持たれていますよね。ビジョンが明確だから、私が悩んでいることも相談しやすいし(笑)、話も聞いてもらえるので、とてもやりやすいんです」

 奥菜は約2年ぶりの舞台出演。ちなみに舞台に関してはどういう距離感?

奥菜「舞台は一番好きで、一番やりたいと思っているんです」

丸尾「ちょうどいいタイミングで良かった(笑)」

奥菜「楽しい、と言っていいのかな? この稽古場でさらに喜びとか楽しさといった魅力を教えていただけたかなと思います」

丸尾「奥菜さんは舞台はもっとやったほうがいい。以前、KERAさんの作品で青山円形劇場でやられていたんですが、ああいった形状の舞台は絶対に合うと思います」

 丸尾は客演の役者や舞台経験の浅い役者の今まで見たことのない魅力をうまく引き出し、そして舞台を好きにして帰すといった印象がある。

丸尾「得してもらいたいという気持ちはあります。僕の作品に出演して、損してほしくはない。楽しかった思い出であってほしいし、お客さんにとってはこの女優さんの新たな面が見えたとか、そういうものを持ち帰ってほしいという気持ちはあります。今回の作品については、女性たちに“どうやって生きていってもいいんだ”ということを感じてほしいし、少しでも周りにいる家族とか友達なんかと、ちゃんと付き合っていかなきゃと思うような後味を残せるお芝居にしたい。でも芝居は笑って泣けるという、日常生活の楽しくないところを補うものでありたいと思っていて、そういったお芝居をしっかり作るので、ぜひ楽しんでいただきたいです」

奥菜「きれいにまとめましたね(笑)。私は不条理劇がずっと続いていて(笑)、幽霊みたいなというか、きっと皆さんが“どこ向いて喋ってるんだよ”って言いたくなるような抽象的な役がずっと続いていたので、今回は誰かとコミュニケーションを取っている時間が本当に楽しいんです。そこを丁寧に、惰性にならずに一生懸命やりたいと思います」

 公演は3月12日まで。

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