「K-1 WORLD GP2015 IN JAPAN~-70㎏初代王座決定トーナメント~」が4日、東京・国立代々木競技場第二体育館で行われた。
日本から4選手、海外から4選手の計8名で争われたトーナメントを制したのはヨーロッパのトップファイターであるアルメニアのマラット・グレゴリアン。
日本人選手はKrush-67kg王者の牧平圭太が1回戦でディラン・サルバドールを破ったものの、山崎陽一、中島弘貴、渡部太基はいずれもKOで敗れ、改めてこの階級での世界の壁の高さを感じさせた。
グレゴリアンは1回戦では山崎を2R左ハイキックでKO。準決勝では牧平を2R、左フックで粉砕。決勝は5月の「Krush.54」で佐藤嘉洋を破り今トーナメントの出場権を奪い取ったジョーダン・ピケオーを1R、パンチの連打でKO。3試合連続KOと圧倒的な強さを見せた。
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「K-1-60㎏トーナメント」卜部兄弟対決は功也が制す 木村はゲーオに大逆転勝利
「K-1 WORLD GP2015 IN JAPAN~-60㎏初代王座決定トーナメント~」が18日、東京・国立代々木競技場第二体育館で行われ、卜部功也が優勝。-60㎏の初代王座に就いた。
-60㎏というのは日本のみならず、海外でも強豪が揃う、層の厚い階級。今回のトーナメントには日本からも功也の他に、兄の卜部弘嵩、「第4代IT’S SHOWTIME 世界-61kg級王者」の山本真弘、海外からは「同第3代王者」のハビエル・エルナンデス、「同第2代王者」で現在“ヨーロッパ最強”とも称されるカリム・ベノーイというビッグネームが並ぶ。この過酷なトーナメントの決勝で功也の前に立ったのは兄・弘嵩だった。
戦前、“史上最高の兄弟喧嘩”ともいわれた2人の対決。ともにこの階級のトップクラスの選手とあって、もちろん見てみたいカードではあるが、その反面“見たくない”。もしくは“見てもいいのだろうか”という禁断の香りが漂うものだった。
決勝に至る経緯は対照的。功也は初戦でデニス・ピューリックを戦意喪失に追い込み1RKOで片付け、準決勝では初戦でグァニー・バラッジと一進一退の攻防の末、勝ち上がってきた山本を非情なまでのローキックで1Rで葬り、ほぼ無傷で決勝に上がってきた。
一方の弘嵩は初戦こそベノーイを飛びヒザで出血させ、ドクターストップで1R2分で終わらせたものの、準決勝のエルナンデス戦は延長にもつれ込む大熱戦。その延長ラウンドでは手数に勝るエルナンデスが有利な展開の中、残り20秒、エルナンデスの左フックに弘嵩がカウンターで左フックを合わせダウンを奪っての逆転勝利だった。
間に3試合のインタバルをおいてメーンのリングに向かった弘嵩だったが、リングインでトップロープをまたぐ時に、右足がロープに引っかかる。準決勝のダメージは明らかだった。しかし試合後「最後の最後まで倒すつもりだった」と語った弘嵩は踏ん張りの利かない下半身をカバーすべく、ロープやコーナーを背負い、スキを狙ってはパンチを打ち込んでいく。
一方の功也はローキックで追い込んだが、弘嵩の巧みなディフェンスで決定打を放てない。また準決勝でエルナンデスから一瞬のうちにダウンを奪った弘嵩のパンチの前には不用意に飛び込むこともできず、結局ダウンを奪うことはできなかったが、ジャッジ三者とも30-27の3-0で完勝した。
試合後、功也は「決勝で兄弟対決が実現しました。いつも僕は兄の背中を見て育ってきました。まだまだ未熟ですけど、これからは兄の後ろではなく、兄弟横に並んで、このK-1を盛り上げていきたいと思っています」と挨拶。会見では「兄とは万全の状態でやりたかった」という功也と「もちろんこのままじゃ終わらないですよ」という弘嵩。今後、2人はグローブを交えることはあるのだろうか。
K-1-60kgトーナメント組み合わせ発表 スーパーファイトでゲーオvs木村
来年1月18日に国立代々木第二体育館で開催される「K-1 WORLD GP 2015 ~-60kg初代王座決定トーナメント~」会見が27日、都内のホテルで行われ、トーナメントの組み合わせとスーパーファイト3試合が発表された。
トーナメントは第1試合「島野浩太朗vsハビエル・エルナンデス」、第2試合「卜部弘嵩vsカリム・ベノーイ」、第3試合「山本真弘vsグァニー・バラッジ」、第4試合「卜部功也vsヨハネス・ウルフ」、リザーブファイト「闘士vsアンソニー・カストレジョン」となった。
島野は「トーナメントで大波乱を起こす。力尽きるまで最後まで全力でいこうと思っている」、弘嵩は「ベノーイはヨーロッパ最強の選手。ずっと戦ってみたいと思っていた。1回戦で戦えてうれしい」、前田プロデューサーが「今でも世界一だと思っている」という山本は「日本のファンのみなさんに素晴らしい戦いを見せたい」、功也は「ドイツの鳥人と呼ばれているようですが、僕がしっかり撃ち落として、トーナメントを制したい」とそれぞれ語った。
前田憲作プロデューサーのもと「K-1 WORLD LEAGUE」発足
日本で生まれ、世界的なビッグイベントとなった立ち技格闘技の「K-1」が新たに「K-1 WORLD LEAGUE(K-1ワールドリーグ)」として始動することとなった。K-1実行委員会が29日、都内で発足会見を開き、その概要が発表された。
実行委員会はK-1プロデューサーとK-1GYM総本部の代表を務める前田憲作氏、K-1GYM目黒の代表・内田康弘氏、K-1GYM EBISU 小比類巻道場代表の小比類巻貴之氏、K-1GYM総本部チーフトレーナーの梶原龍児氏からなる。運営は現在、立ち技格闘技の「Krush」を運営するグッドルーザーが担当する。
この日はまず前田氏とグッドルーザーの宮田充氏が登壇。前田氏が「K-1は日本が誇れる武道であり、格闘技。このままK-1をなくすわけにはいかない。誰かがやらなければならないというなかで、今回プロデューサーを引き受けることになった」とし、「K-1には選手としても指導者としても大きな経験をさせてもらった。そのK-1に恩返しをするためにも、今まで人生をかけて頑張ってきたチームドラゴンの代表を降りて、これからはK-1のために人生をかけて頑張りたい」と決意を語った。
新しいK-1は「プロイベント」「アマチュア大会」「K-1ジム」を展開していく。プロイベントは「K-1 WORLD LEAGUE」の名称で55キロ級からヘビー級まで5階級で展開。11月3日に代々木競技場第二体育館で第1回大会が開催される。
K-1ジムは現在都内に3つあるのだが、今後は「プロを目指す人から一般の方々まで、武道として、スポーツとして、フィットネスとして、ともに汗を流せる場所として全国に広めていきたい」(前田氏)という。