立ち技格闘技「Krush. 74」(3月3日、東京・後楽園ホール)の追加対戦カードが10日、発表された。
この大会から「Krush -60kg次期挑戦者決定トーナメント」が開催されることとなった。
1回戦4試合は①明戸仁志vs横山巧、②大沢文也vs稲石竜弥、③闘士vs原田ヨシキ、④島野浩太朗vs“DYNAMITE”高橋佑太の組み合わせで行われ、5月大会で①vs②、③vs④で準決勝、7月大会で決勝が行われる。優勝者は10月大会での王座挑戦が予定される。
-60kgは現在、王座決定トーナメントの1回戦が終了。2月大会で2回戦、4月大会で準決勝、5月大会で決勝が行われ王者が決定する。
今回の次期挑戦者決定トーナメントの開催について、宮田充Krushプロデューサーは「-60kgはKrushの中でも最激戦区なのは間違いない。チャンピオンが決まったと同時に、チャンピオンも追われる立場になる。そういったストーリーも同時進行してもいい。10、12月の1回戦は接戦もあった。過酷なトーナメントにエントリーしてくれた選手たちにはいずれチャンスは生まれると思っていたが、それが早くなったということ。また新たな敵と戦って3つ勝てば挑戦者に、4連勝すればチャンピオンになれる。そこで目が輝いてくれれば」と話した。
当初は王座決定トーナメントの1回戦で敗れた8選手に参戦のオファーをかけたが、コンディションの問題などで加藤港と松野祐貴が参戦を見送り、新たに闘士と横山が追加され行われることとなった。
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1・17「Krush.62」渡部が-67kg王座奪取
立ち技格闘技「Krush.62」(17日、東京・後楽園ホール)のメーンでKrush-67kgタイトルマッチが行われ、王者、牧平圭太に渡部太基が挑戦。延長ラウンドにもつれ込む激戦の末、渡部が判定で勝利を収め、第4代王者に就いた。
渡部は約10カ月前の昨年3月、このベルトに挑戦。そのときも延長ラウンドに突入する一進一退の攻防を繰り広げた末、ジャッジ1人が渡部を支持したもののドローに終わっていた。雪辱を期す渡部は昨年11月に行われた塚越仁志との挑戦者決定戦を勝ち抜き、再び牧平の前に立った。
会場を二分する声援の中ゴングが鳴るや、渡部は積極的に前へ出てローキックにパンチで主導権を握る。渡部を突進を止めるべく牧平は前蹴りに左ミドルキック放つが、渡部は委細構わずローを蹴り続ける。ローキックを嫌がる素振りを見せた牧平だったが2Rに入ると左ストレート、左ハイキックが当たりだし、激しい打撃戦に。3Rに入っても渡部の突進は続くが、牧平も下がりながらも手数は出し続け、残り30秒で右ハイキックがクリーンヒット。会場の渡部応援団から悲鳴があがるが、渡部は一瞬動きを止めながらも最後まで左ハイに左フックを放ち続けたところでゴングが鳴った。
精根尽き果てた表情の2人だったが、判定は1人が30-29で牧平を支持したものの、残り2人が29-29。延長ラウンドへ突入。
本戦同様に前へ出続ける渡部。牧平もハイキックで応戦するが、渡部が放った飛び膝で牧平の右目尻が切れて出血。ドクターチェック後も距離を詰めてパンチを連打する渡部。牧平はキックで距離を取ろうとするが、渡部はそれを許さない。残り1分、壮絶な打撃戦が繰り広げられたが、最後も渡部が左ストレートをクリーンヒット。今度はジャッジ三者とも渡部を支持した。
渡部は試合後のリングで「やっと一番になれました。チャンピオンになるという夢がいつしか目標に変わって、ようやくベルトを獲れました。いっぱい失敗して、思い通りに行かない日々もありました。でもあきらめなくてよかったといま改めて思っています」と挨拶した。会見では「強かった。前回はパンチパンチだったので、今回は蹴りを混ぜてうまく戦おうと思ったんですけど、相手もうまくて、なかなか攻めきれなかった」試合を振り返り「牧平選手が2回防衛しています。防衛数でも負けたくないし、歴代のチャンピオンよりもスーパースターになれるようにがんばっていこうと思います」と王者としての覚悟を語った。
Krush 「第4代-63kg王座決定T」組み合わせ決定 17歳平本は31歳総合格闘家・原田と異次元マッチ
立ち技格闘技のKrushが2日、都内で会見を開き、「第4代Krush -63kg王座決定トーナメント」の組み合わせを発表した。同トーナメントは山崎秀晃の王座返上に伴い行われるもので『Krush.62』(2016年1月17日、東京・後楽園ホール)から3大会に渡って行われる。
1回戦は①「眞暢vs南野卓幸」、②「佐々木大蔵vs東本央貴」、③「泰斗vs早坂太郎」、④「原田ヨシキvs平本蓮」で行われ、準決勝(3月20日)で①と②、③と④の勝者が対戦。決勝は6月12日に行われる。
会見には対戦する2人ずつが登壇。
南野が「このベルトを取るために大阪から上京してきた。決勝には平本選手もいるので、こんなところ(1回戦)で負けていられない」と言えば、眞暢は「内容の問われるトーナメント。全試合KO勝ちしなければいけない。それができるのは自分だけ」と返す。
かつてKrushのユースグランプリで対戦し、勝利を収めている東本が「何回やっても一緒ということを見せてやりたい。眠れるドラゴンにはいつまでも眠っといてもらわなダメなんで」と話せば、佐々木は「第4代Krush-63kg王者になる佐々木大蔵です。あと半年でそう呼ばれるんだなと思うとワクワクします。1回戦ではリベンジして準決勝、決勝と進化を見せて強い第4代王者になりたいと思います」と飄々と返した。
名古屋対決となるのが泰斗と早坂。早坂が「僕がデビューする前から第一線で活躍されている選手なので、ここで食ってやろうと思っています」と話せば泰斗は「いきなり名古屋対決か、と聞いたときはびっくりしたが、そんなこと言っていたら話にならない」とともに臨戦態勢。泰斗は前戦で-65kg王座に挑戦し失敗。今回は階級を下げてのチャレンジとなるが「前回は地元の名古屋でやって、絶対に取らなきゃいけないベルトだったのに逃してしまって、そこから無気力になってしまった。今回は階級を63kgに戻して、初心に帰るというわけではないんですが、ベルトへの思いは変わらずあるので、絶対にベルトを巻きたいと思っています」と話した。
K-1で木村“フィリップ”ミノル、マサロ・グランダーらと激闘を繰り広げてきた平本はKrush初参戦。師匠の梶原龍児が初代王者とあって「他のメンバーにこのベルトを譲るくらいなら、僕が巻いたほうがドラマにもなるし、なにより似合うだろうなと思う。まずベルトを取って、年内中に防衛戦の一番最初の相手としてゲーオ・ウィラサクレックを指名してタイトルマッチをやりたい。ここはまずしっかり全員KOで倒して優勝します」と話した。
対する原田は総合格闘技のマッハ道場所属の総合格闘家。Krushでも5戦4勝(1KO)1敗の実績を誇るが「このベルトは伝統のベルトといわれているようですが、僕には関係ない。総合格闘家にベルトを取られないように、全選手は俺を潰しに来てください」と全員を挑発。そして平本については「一番やりたくない選手だったので戸惑っています」と答えたが、その心は「17歳で高校生。しかも“K-1の申し子”っていわれているんでしたっけ? そういう若い芽をつみたくないという意味です」とのこと。ちなみに原田は31歳で、このカードは最年長と最年少の対戦。
また平本が「龍児さんが初代の王者なので絶対にこのベルトは巻きたいと思っていた。試合的には龍児さんより僕のほうが面白い試合ができると思う。龍児さんへの挑戦でもあるので、しっかり見ていてください」と梶原への思いを話せば、一方の原田は「(師匠のマッハ速人は)多分知らないかもしれないです(笑)。誰が出るんだ? 頑張れよって感じだと思います」と年齢をはじめ、なにからなにまで好対照の2人だった。