かつて″黒豹″と呼ばれ、RISEスーパーライト級王者として活躍した吉本光志さんが、6月1日、東京都武蔵野市武蔵境駅近にジムをオープンした。UP&SET GYMがそれだ。(取材・布施鋼治)
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SB30周年記念大会でシーザー武志が一夜限りの復活
立ち技格闘技「シュートボクシング(SB)」の30周年記念大会『SHOOT BOXING 30th ANNIVERSARY“CAESAR TIME!”』が22日、東京・大田区総合体育館で開催された。
メーンでは「SB世界スーパーライト級王座決定トーナメント決勝戦」が行われ、昨年の「S-cup 65kg」王者でSB世界スーパーライト級1位の鈴木博昭が決勝でオランダのクリス・バヤを破り、初代王者に輝いた。
トーナメントには当初、昨年の「S-cup 65kg」準優勝のザカリア・ゾウガリー、K-1で野杁正明を破ったマサロ・グランダーが参戦予定だったが、ゾウガリーは交通事故、グランダーは契約問題で参戦不能になり、代わりにラファエル・ドゥーディックとバヤが参戦した。
鈴木は直前の対戦相手変更にも動ずることなく、この2人を破っての優勝。
ドゥーディックには1、3Rに投げでシュートポイントを奪うなど圧勝。決勝も勝負どころで連打でたたみかけ、投げでもシュートポイントを奪うなど、危なげない内容でその実力を見せつけた。
シュートボクシングの創始者であるシーザー会長はこの日、エキシビジョンマッチでアンディ・サワーと対戦した。
おなじみのテーマ曲が流れると、サワーも手拍子でシーザーを迎える。リングインするやサワーと抱き合い、四方に深々と頭を下げると会場は「会長―」コールが飛び交った。親交のある歌手・山本譲二の君が代斉唱を経て、試合が始まった。
戦前「ローキックを3発は入れる」「サワーを本気にさせる」と話していたシーザーは公約通りにローキックから試合に入り、序盤に首投げでシュートポイント1を奪う。しかしサワーも“手加減は失礼”とばかりにパンチの連打で応戦。右フックを当てたシーザーだったが、足元がふらつき、ここでストップか?と会場をやきもきさせたが、終盤はノーガードでの打ち合いを見せ、残り10秒で渾身の右ストレートをサワーの顔面にヒットさせた。
シーザー会長は試合後の会見で「若い選手たちに、こんなおっさんでも頑張っているんだから、もっとファンが食いつくような試合をしろよ!というメッセージが少しでも送れたらうれしい。そして僕ら世代の中年族の人たちが“まだまだ若い人たちには負けないぞ。会長も頑張っているんだから俺も頑張らないと”といった元気を出してくれれば、今日やった価値はある。そして最後にお世話になった人たちへのお礼。自分が表現できるのはあれ(戦い)しかない。心からのお礼の態度が伝われば。これが僕からのメッセージです」と話した。
またこの日はシーザー会長の実子となる村田聖明もリングに上がり、聖王DATEと対戦し判定で勝利を収めた。
シーザー会長は「すごい幸せです。こんなふうになるとは思っていなかった。この業界には入ってほしくないと思っていた。息子が“やりたい”と言ったとき、“やるからには親子じゃない。会長と練習生だよ”と言ったんですが、“それでもいい”ということだった。家でもジムでも自分でけじめをつけて一練習生としてやっている。そういう面では偉いと思うしうれしい。それで彼が何戦か戦っていくうちに、自分も本当に(リングに上がるのは)最後になるな、というときに一緒のリングに上がれたのは感無量です」と語り、うっすらと涙を浮かべた。