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大谷ノブ彦 | TOKYO HEADLINE - Part 3
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大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)第64回 いろいろな人に会いたい。

2016.02.03 Vol.659

 初めての独演会が29日、無事に終わりました。足元の悪いなか、たくさんの人に足を運んでいただいてね。なかには『キキマス!』を聴いてくださってる方もいて、うれしかったなあ。公演時間も、終わった後に新宿で食事して帰れるよ!っていう予定していた通りの90分でほぼ収まりました。でもさ、これからずっとやっていきたい、ライフワークにしたいっていうライブの当日、天気予報が雪って……! 僕らしいというか。

 ここでもお話ししましたが、独演会では、2015年に出会った人たちと交わした会話のなかで心に残ったことをおすそ分けしました。『キキマス!』にも出てくれてるマキタスポーツくんに森脇健児さん。角田陽一郎さん、僕がやっているイベント『ジャイアンナイト』の常連さん、それと気仙沼フェニックスバッティングセンターの千葉さん…。さだまさしさんまで。ライブ終了後「ヤクルト400」について検索した人もたくさんいたみたいです。

 今年ももう1カ月が過ぎましたけど、すでに話したいことが、たまってきてる状態。来年のこのライブでは何を話そうなんて考えてます。 ウェブや本で知った話ではなくて、実際に顔を合わせた人から聞いた話というのを条件にしているので、もっといろんな人に会いたい、たくさんの人に会いたい。独演会で話すためにも会いたいという人もいるんですよね。そのなかの一人が、漫画家のタナカカツキさん。コップのフチ子さんの原案で知られている方ですが、タナカカツキさん、サウナにはまっていらっしゃって通い続けるうちに、その作法、本質にたどり着いたそうなんですよ。それを『サ道』と呼ぶそうで、本も出していらっしゃる。この本が、すごい面白いんですよ。お会いしたいなあ…。

 さてライブに話を戻すと、いろんなお客さんとお会いできて楽しかったです。日程がどうしても合わなかったという人もちらほらいたので、次回は2日間できたらな。会場はあのサイズのままでいいから…と思っています。

 芸人としての生活が20年を超えて、自分はもちろんダイノジが1年間こういう感じで動いていくっていうのが固まってきた気がしますね。1月はこのライブがあって、夏にはダイノジとして舞台をやって、10月にはマグロックとフジソニックがあって、2月にはプロ野球の沖縄キャンプを見に行くっていうのもあるね。あとは、ちゃんと漫才やっているところを見せられる場所があればいいかな。…ちゃんとって何だろう?って話ではあるんだけど。今もやってるしね。

大谷ノブ彦 カタリマス! 第21回 僕たちは、より正しく生きるしかない。

2016.01.25 Vol.659

 2016年が始まって、そろそろ1カ月。長くはないこの期間で、本当にいろんなことが起きています。ベッキーとゲスの極み乙女。の川谷さんの件に、僕も大好きなSMAPの解散騒動、5人の生のコメントに日本どころか世界も注目したり。CoCo壱番屋の廃棄したはずのカツが業者によって横流しされてたのが分かったり…。

 それぞれのニュースや報道のされ方、その受け取り方を見ていると、2016年って何かの変わり目だと感じますし、僕らはもう「より正しく生きるしかない」ってことを改めて思いました。

 今は、すべてが可視化された社会であり、時代。当事者が言ったこと、報道されたことだけじゃなくて、いろんな角度からもたらされる情報、SNSの意見だとか、そういうものが統合されることで、すべてが見えてきてしまう。以前ならば見えなかったようなこともね。そういう状況ですから、何か不正や不誠実なことを隠そうとしたって必ずバレるし、隠そうとする行為がバレた時にはとんでもないことになってしまっています。繕おうとしたって難しい。どっかから飛んできますよ、本当はこういうことしてるんだよっていうのが。

 誠実さが評価されるよい例が、CoCo壱番屋の件だと思います。社員がいち早く不正を見つけて、自ら動き出した。そうせずにはいられなかった。その姿が明らかになったことが、今、CoCo壱番屋の評価が高くなってることを裏付けてると思います。思えば、ペヤングがあれほど大歓迎されて戻ってきたのも、まるか食品の誠実さがあったからですよね。

 僕にも隠しておきたいこと、大きな声でいえないようなことだってありますよ。いや、そういうことは、誰にでもあるでしょう。それでもこれからは「より正しく生きるしかない」し、少なくともそう生きるようにしないと。そうしない限り厳しいだろうし、自ら株を下げることになってしまうと思います。芸能人や政治家、企業の偉い人、企業や団体とかそういうのに限ったことじゃなくてさ、いろんなケースに対して言えることだと思いますね。

 誠実さや正しく生きることが大切なんて、ずっと言われてきていることです。なんの目新しさもない。これまでは不誠実なことがあってもそれが隠せちゃう時代というのもあっただろうしね。でも、もう何も隠せない。みんな見えちゃうんですから。誠実であることに本気で向かい合わないとならない、「より正しく生きるしかない」。今更だけど、2016年ってそう変化していく年になっていくんでしょう。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 第63回 まだ本調子ではないけれど…イッツオーライ! 29日に独演会 

2016.01.21 Vol.658

 先週1週間といっても、月曜日は祝日だったので12〜14日の3日間、『キキマス!』をお休みさせていただきました。理由は体調不良。喉だけがなかなか回復しなくてね。お医者さんの勧めもあって、大事をとらせていただいたんです。そのあいだは、大地さんに番組をやってもらって……。聞こえてますよ、もう大地さんでいいんじゃないかって声が! でもそれってこれまで毎日俺の声を聞いてたからこそ、大地さんが新鮮で、よく聞こえたってことだからね!

 さて、18日から番組に戻ってきましたが、もういろんなことがあるね。それを見てると、今年はいろんなことが変わっていく年なんだろうなと感じます。そのあたりの話は、25日発行号のTOKYO HEADLINE紙面掲載分でお伝えしたいと思っています。あ、ウェブサイトでも読めるみたいですけど。

 いろんなことが起こるとともに、考えることも増えてるわけですが、いよいよ近づいてきましたよ。29日に、『ダイノジ大谷ノブ彦独演会!「イッツオーライ」〜2015年、縁のあった10人の日本人〜』を新宿文化センター小ホールでやります。いろんなところで言ってますが“縁”っていうのがテーマになっている独演会です。たくさんの人と出会って、刺激があって、いろんな発見もあるわけです。そういう経験のなかから10人の話をおすそ分けしたいと思っています。
 
 これにも関わる話だけど18日の『キキマス!』にTIMのゴルゴさんが来てくれて、ゴルゴさんがしている少年院での漢字の授業について話してくれました。そこにいる子たちにどんな授業をするのか、どんなふうにして話を聞いてもらうようにしているのかとか。これが面白かった。ゴルゴさん、「これをやるために、芸人をやってた、後付けだけどね」って言ってました。それ、すごい分かるっていうかさ。 これをやるために芸人をやってきた、やってるんだっていう、そういう感覚。全部後付けだけど、それって指名を受け取ってるってことなんじゃないかなって思うんです。

 この独演会は毎年やってライフワークにしたいと思っています。いろんな人から聞いた話、受けた刺激、そういうのを伝えることって自分の使命だと思うからさ。これもまた、後付けなんだけどね。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 第62回 2016年は「いい感じ」です。

2016.01.07 Vol.658

 少し遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます。2016年も『キキマス!』、ダイノジ、そして大谷ノブ彦もよろしくお願いいたします。

『キキマス!』は4日からスタートしていますが、冒頭から「疲れてます」でした。というのも、年末からお正月にかけては稼ぎ時というか、働かなきゃいけない芸人なんで、あっちこっち行ってたんです。カウントダウンジャパンでは1万人を前にDJしましたし、デパートで子供たちと一緒に歌って踊ったり、漫才もやったりして。なかなかいい正月でした。続いているウオーキングしながらですけど、品川神社にも行きましたしね。神社、好きなんですよ。身が引き締まります。ちゃんとした初詣は家族揃って行こうと思ってます。

 さて年頭というと、今年の抱負だったり目標を聞かれたりすることが多いです。僕はというと、うん、2016年は「いい感じですね」って感じかなあ。というのもここ最近、2年ぐらいかな、今年はこれをやろうとか、やりたいだとか、がっちり決めることはしなくなったんです。もちろん、こんな年にしたいなっていうものは持っていますし、言いもするんだけど。「いいことあるぞ! いい年だぞ!」ってね。

 なぜこうなったかというと、ここでもラジオでも言い続けていることだけど、外圧的なものを受け入れるっていう姿勢でいるからです。言っちゃえば、自分で運命を切り開かない。人からやってみたらって言われたらやってみるっていうのをしているから。

 きっかけっていうと、たぶん、名古屋でオーラが見える人に会ったこと、それとゲッターズ飯田くんかな。そのオーラが見える人がね、芸能界で一番オーラがある人はビートたけしさんだって言ったんです。何がすごいかっていうと、たけしさんはオーラだとか霊だとかをちゃんと理屈で“ない”と言える人なのに、催眠術にはすぐかかる。それがいいタレントだよって。僕はオーラとかはほとんど信じてないんだけど、この話ってさ、ツッコミができるかってことと、催眠術にかかってしまうという性質、そのバランスのことかもって思った。ツッコミをネガティブとするなら、もう一方はポジティブ。自分はそのネガティブな部分しかないから面白くないんだとも思いました。それで、同じぐらいのタイミングでゲッターズ飯田くんと話すことがあって、彼の言うことを聞いてみようと思ったんです。財布は緑にしてみよう。神様がいるかどうかは分からないけど、神社に行く人になってみよう。ツッこむんじゃなくて、聞いてみるということをやり始めたんです。

 それからしばらく経つわけだけど、なんとなくですが、いいんじゃないかなって思ってます。何かが切り開かれていく感じもあります。日々いいことがあったなって気付くし、悪いことがあったとしてもこれで運が一つ貯まったと思う。外に出る、人に会う、いい出会いがある。そういうのに気付かないっていうのは悪だと思うんです。だから、2016年は「いい感じ」なんです。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 第61回 ドリカムのワンダーランドにやられた!

2015.12.23 Vol.656

 史上最強の移動遊園地に行ってきました。ナゴヤドームで行われたドリームズカムトゥルーワンダーランド。ドリカムはずっと聴いてきましたけど、ワンダーランドやライブにはなかなかタイミングが合わなくて。今回ようやく会場に足を運ぶことができたんですが……、衝撃でしたね。「史上最強の」っていうけど言葉のままでした。ナゴヤドームが、ディズニーランドやUSJっていうか、ファンタジーの世界。お客さんのなかを騎士とかが歩いていたりするし。……会場に入ったときから、自分はワンダーランドにいる、そんな感じなんです。そしたら、吉田美和さんが…! もう、うわーっ!ですよ。

 ライブではあるかもしれないけど、移動遊園地であり、ワンダーランド。こういう考え方を持っていたり、そういった考えをライブに取り込んでるアーティストやバンドって、いないことはないと思うんです。SEKAI NO OWARIとかね。ただ、ドリカムはこの『史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND』っていうのを90年代からやり続けている。この形式を90年代に作り上げている。それってすごいですよ。

 僕が勝手に思ってることですが、始めたときはきっと、これは果たして音楽ライブなのか?みたいな意見があったんじゃないかなと思うんです。それでも会場に来てくれる人たちを喜ばせたい、楽しみたいって、スタートしたんだと思います。この、何が起きるんだろうってワクワクドキドキする気持ち、それがずっと続いていて、たくさんのお客さんが足を運ぶんだと思います。

 ドリカムは今年、ベストアルバム『DREAMS COME TRUE THE BEST! 私のドリカム』をリリースしているんですが、CDが売れない、音楽が売れないというこの時代に、セールスはミリオンを超えているんですよね。代表曲は全部入っているベストですが、収録曲は、カラオケでよく歌われているドリカム曲、カラオケランキングやダウンロードされている曲のデータなどを突き合わせて選んだものなんだそうです。カラオケのことまで考える……、これってなかなかできないことですよ。

 ライブでも、作品でも、ドリカムさんって、みんなが戦ってるところのさらにその上いっちゃってるんだよな。それと並行してドキドキとワクワクをストイックに追求し続けているんですよね。僕もダイノジも、DJダイノジもそっちに行きたい。ドキドキワクワクしたいし、してもらいたい、そういうのをやってきたいんだよなって改めて思います。

初めてのワンダーランドで、すごい刺激もらっちゃいました。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 第60回 お昼の番組集合で分かっちゃったこと

2015.12.10 Vol.655

 ワイドFMが始まりました。TBSラジオ、文化放送、そしてニッポン放送のAMラジオ局の放送が、FMでも聞けるようになるというもので、7日の13時から本放送がスタート。それを記念して、3局のコラボで『FMでもキキマス!ゴールデンたまむすび』を、東京スカイツリーから放送しました。

 タイトルからお分かりになる方もいらっしゃると思いますが、それぞれの局のお昼の番組、裏番組同士のパーソナリティが集合した番組で、TBSラジオからは赤江珠緒さん、文化放送から大竹まことさん、そしてニッポン放送からは私、大谷でお送りしました。

 普段なら絶対に顔を合わせることができない顔ぶれですし、これまでにはない試みに、どうなるんだろうと緊張しつつ楽しみにもしていたんですが、実際に始まってみると、「こういうの、やりたかったんだよな」って思いでいっぱいになりました。

 リスナーを招いての公開放送でもあったんですが、すごくいい雰囲気でねえ。誰かがかめば、みんな大喜びだし、赤江さんがやりとりのなかで、前日の『M-1』で優勝したトレンディエンジェルのフレーズ「斉藤さんだぞ!」を差し込めば、大竹さんが「赤江、やるなあ」って反応する。大竹さん発のタマキン発言もあったりで。その一方でさ、ポエムを読みながら涙しちゃったりもするんですよ。そういうの全部含めてさ、思いついたことは全部やっちゃおう、言っちゃおうっていうスタイルに、お昼の番組ってこれじゃないかなって思ったんですよ。ダメって言われちゃう部分かもしれないけど、それも受け止めちゃう、それも愛しちゃう環境に、これだよなーって思っちゃったんですよ。この番組をやったことでいろいろなことが分かったし、これからのラジオはもちろん、『キキマス!』についても考えさせられました。

 ラジオもそうですが、いろんなことをやっていると意見や提案、ダメ出しとかね、されることがあります。番組前、大竹さんと話したんだけど、そういう時どうしてますかって聞いてみました。そしたら、「1回も聞いたことない、聞かなくていい」って。自分がそういうことができないのが分かってて、その上でやらせてるんだからって言ってました。

 そんなことも含めて、この番組、僕たちにとってはすごくいい経験でした。またやろうよって声も聞こえていますが、まずは、これからの『キキマス!』にも反映させていきたいですね。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)  第59回 その場を楽しむことが、ハッピーへの近道だ。

2015.12.02 Vol.655

 今年もあと1カ月。2015年の総括、気になったニュースは?といった話題が増えてきました。今週の『キキマス!』は「○○するなら羽生選手?五郎丸選手?」っていう妄想メールを募って始まりましたが、先週末に大活躍した羽生選手、そして銅像もできちゃったラグビー日本代表の五郎丸選手。2人は間違いなく今年を代表する顔。やり遂げたことはもちろんすごいですけど、そこから広がったワチャワチャ感がものすごいですよね。止まらない妄想メールを読みながら、2人のキャラクターというか、タレント性のすごさを改めて感じました。笑いも止まらなかったです。

 今年の総括は、これからの番組内でもやっていくんでしょうけど、今、感じていることを挙げるなら、価値観が大きく変わったなってこと。前回のコラムで、ハロウィーンで仮装してパレードして騒いでいる彼らたちは「その場を楽しむこと」が自然にできるって書きました。彼らに対して目的とかゴールがと意見する人もいるけどそれが固定概念で、あえていうなら「その場を楽しむ」というのが目的で彼らはそれを遂行しているんだって。その価値観が支持されて実際にやり始めた。今年はそれを多く目撃した気がしています。

 先日、大みそかの紅白の出演者が発表されましたが、いろいろザワザワしています。なかには、選から漏れた人に対してオワコン!なんていう声もある。そういうのもまた固定概念ですよ。紅白は目標っていう見方もひとつあるでしょう。でもね、紅白ではない別なところで楽しんでる、その場を楽しむってことをやっているアーティストはたくさんいる。アーティスト自身も出られないことに悲観したりもしていないと思うんですよ。

 その場を楽しむ、その環境を楽しむっていう考え方。僕自身この価値観に大いに感化されているし、刺激を受けています。DJやったり、ラジオやったり、漫才やったり、いろんなことやって、いろんなところから意見されたり批判もされてきたなかで、何よりも自分が楽しむこと、ハッピーなほうに行くことが大事って思うようになりましたから。人と自分を比較したりするのはなんか違う。比べちゃうと、苦しいだけなんだから。

 こういう考え方、以前はもっと風当りが強かったと思います。でも今は、それでいいじゃないって。そういう考え方、価値観を持っている人がこれだけ増えてきたんだから、自分もそうしやすいと思うんですよ。“みんながやってるから”。これについては、そういう理由でもいいんじゃないかなって思います。

大谷ノブ彦 カタリマス! 第19回 「おんせん県おおいた」の、温泉のない佐伯市で考えた

2015.11.23 Vol.655

 今年も残すところあと1カ月になりましたが、先日、『キキマス!』から1週間お休みをいただいて遅めの夏休みを堪能してきました。故郷の大分で墓参りをしたり、九州を回ってきました。

 大分はもちろんですが、仕事で各地を訪れるたびに地方を盛り上げたいという気持ちが強くなります。秋に静岡の清水でマグロックとフジソニックというフェスをやりましたが、ああいった感じで、いろんなところから集まってもらってっていうのをさ、やりたいなって思うんです。

 大分県はいま、「おんせん県おおいた」っていって、いろいろ盛り上げをしています。でもね、僕が生まれ育った佐伯市はその大分にありながら……温泉がない。周りは“おんせん県”って盛り上がってるのに、どうしたらいいのって思っちゃう。 このことを、キングコングの西野に話したら、それは「温泉がないところがいいんじゃないですか」って。ないことが逆に魅力じゃないかっていうんですよ。温泉がないという、“おんせん県”という観点からは欠点とみなされるようなところ、それがそのまま魅力だって。あたりまえだけど、魅力っていうのも一つじゃなくてさ、いろんな見方があるんだよね。これもさ、「いろいろあっていい。いろいろあるからいい」っていう、『キキマス!』でもこのコラムでも、とにかくいろんなところで言い続けている多様性であり、フラットな物事の見方の話だって思いました。

 もう1カ月も経っちゃいましたけど、ハロウィーンに大騒ぎして楽しんでいた人たちのことを「ウェイ族」なんて呼んでさ、何のためにやってるんだ、何をしようとしてるんだ、みたいな議論がありましたよね。これもまた、フラットな見方の話かなって思うんですよ。彼らに、目的なんて聞いても意味がないんですよ。だって、楽しそうだから参加したっていうだけ。すごくフラットに楽しんでいたんだと思います。

「お前たちは何をしたいんだ」って、若者たちに大人が問いかけるお決まりのやつです。聞かれているほうは「誰でもないし、誰になろうとも思っていないし、何をしようとも思っていない。楽しいからやっている」って堂々としている。型にはまって自分探しをし続けているのは、大人たちなんだよな…。って、思いませんか? これ、お笑いでも一緒なんだよね。自分たちもずっとそう言われてきたしね。

 もっとフラットに——。そんなことを考えさせてくれた遅い夏休みでした。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 第58回 恋をした。

2015.11.19 Vol.654

 今回はラジオでは言えない話。なにかというと……、僕はいま、恋をしているんです。AV女優の湊莉久さんに。……好きなんだよなあ。ビデオを4〜5本選ぶなかでカンパニー松尾さんの作品を選んだのが出会いだったけど、こんなに好きになってしまうなんてね。

 彼女の魅力は、どの作品を見ても全力なところ。その全力もね、自分をよりよく見せようとか、すごいことをやってやろうとか、そういう感じじゃないんだよ。相手の男優さん、作品を見ている僕らのことまでも好きなんだよっていうので、それが画面のこちら側にいる自分にも伝わってくるんです。もっと幸せに、もっと気持ちよくなっていいんだよって。包容力だね。これ、サム・クックの『It’s All Right』ですよ。……男はいいなあって思うに決まってる。いじらしいじゃないですか。

 振り返ってみると、最初に好きになったAV女優さんが樹まり子さん。樹さんは僕の女性観を養ってくれた人ともいえます。たくさんの作品を出してますけど、作品ごとにさまざまな負荷をかけられ、それを乗り越えていくんです。負荷なんていうと、今のアイドルが育っていく環境にも通じるところがあるけど、まさにそれなのよ。裸っていうところで考えると、ボクサーやレスラーにも通じますね。負荷を与えられながらもそれを乗り越えて、挑み戦い続けていく。自分で未来を切り開いていく。ファイターですよ。その姿も含めて、すべてを包み込んでくれるように見えるんですよねえ。母性っていうのかなあ、なんだか菩薩のような存在ですよ。

 湊莉久さんにもそういうのを感じて、彼女に恋しているんだと思います。この恋がどうなるか、……たぶん、彼女がずっと幸せでいてほしいって願うだけでしょうね。ずっと画面を通じて僕らに「好き」って伝えてほしい。この間ね、自分のツイッターを開いたら、TLに湊莉久さんの「SEXが好きです。」っていうツイートがあったんです。それ見たときにね、ああ良かった、これだけで十分だ。ずっと幸せでいてくれって心から思いました。やっぱり僕、彼女に恋しています。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)  第57回 遅めの夏休みにした、10年に1度あるかないかの体験。

2015.11.11 Vol.654

 先週、少し遅めの夏休みをいただきました。『キキマス!』もお休みさせていただいて大分へ。墓参りをしたり、自分が子供のころにいったバッティングセンターに息子を連れて行ったりしました。後になってそこの人が教えてくれたんだけど、そのバッティングセンター、この春で閉まっちゃうんだそうです。時代であるとかいろいろな事情があってのことだろうし、大分だけじゃなく、いろんなところでこういうことがあると思うんですよね。それでも、残していきたいってものもたくさんある。ここ数年、「村起こし」は自分がやりたいって思い続けていることですが、その気持ちを改めて確認しましたね。

 夏休みといっても、こまごまいろんなこともしてたわけですけど、すごい出会いがあったんです。それが熊本の「こだま」。飯を食って感動するなんて10年に1度あるかないかだけど、まさにそれ。感動しちゃった。ブログ(ダイノジ大谷ノブ彦の不良芸人日記)に書いちゃったんだけど、すごい。革命的でした。

 チーズと餅の茶わん蒸しとかね、さんまをおにぎりに巻いて焼きました!っていうようなやつとか。とにかく仕事が丁寧。お造りや馬刺し、どの料理も全部うまいんだけど、特に思ったのがさ、野菜ね。うまいのよ。サラダもそうだけど、塩で食べた小里芋、さつまいもの天ぷらも。魚や肉だけじゃなく、九州は野菜もうまい。そんなことを思った旅でした。熊本の滞在日程が延びたのは「こだま」のせいっていうのもありますね。この店に行くためだけに熊本に行きたいぐらい。

「こだま」に導いてくれたのは、あるお客さん。僕のやっているDJイベント「ジャイアンナイト」によく来てくださっている方なんだけど、その人が教えてくれました。以前この連載でも書いたけど、旅先では、そこに暮らしている人に普段何を食べているかを聞いたり、その人のおすすめの店に行くということをします。今回もそれにならったからこそ、出会えたんだよね。

 大分の竹田市を走ってたときにも、人がどんどん入っていく店を偶然見つけて「…あれはうまいに違いない」と、Uターン。そしたら、からあげの名店だったという出会いもありました。遅めの夏休み、良かったなあ。

 今週9日から『キキマス!』にも戻っていますので、よろしくお願いします!

大谷ノブ彦 カタリマス! 第18回 大谷ノブ彦は腸だ?

2015.10.26 Vol.653

 憂鬱だったスペシャルウイーク最終日も乗り越え、28日からはいつもの『キキマス!』を、いつものメンバーでお送りします。いろいろな分野の専門家をお招きしてお話を伺ったり、火曜にはマキタスポーツさんと食べ物のこだわりについて議論、水曜には森脇健児さんと相撲やパ・リーグの話をして…。毎日いろんな話題に触れています。

 そんななかで、いま、僕が一番気になっているのが何かというと、腸内環境。今、注目されている方も多いですよね。きっかけは、『キキマス!』が始まる前に遡ります。あるスタッフから言われたんです。「大谷さん、昼間の帯番組をやるんだったら、精神状態をニュートラルにしてください。今日は調子が悪いのかな、今日はなんだか上機嫌だな、そういう波長ができるだけ分からないように」って。そのためにはどうしたらいいか考えました。心身ともに健康であること、そのためにも睡眠に気を付けること…。インターネットを使ったり、本を読んだりしながら。

 そんなとき、あるテレビ局のプロデューサーと話してて腸の話になったんです。人間って腸なんだよって。なぜそう考えるかっていうと、ヒトを含め生物がどう進化してきたのかってこともひとつあるし、プレッシャーを感じるとお腹を壊すとかいうのも、それを裏付けるというか。調べていくと、腸内環境は健康だけじゃなくて精神状態にも影響があるみたいなことも書かれていました。それで確信したんです、人間って腸だなって。

 まず腸内環境から始めよう、そう思い立って『キキマス!』の放送にはヤクルト400を飲んでから臨んでいます。普段からバナナを食べたりもしています。僕は腸、ですからね。

 余談ですが、例えば、甘いものが食べたいなとか思うとき、脳で考えていると思いますよね。でもその前に、腸が“それあったら気持ち良くなれんじゃないの”っていう信号を脳に伝えてる…みたいなところもあるんだとか。司令塔は腸にある。ということは腸を自分のコントロール下に置ければ、ダイエットだって成功するっていうわけです。

 今、『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』(デイヴ・アスプリー著、栗原百代訳)という本を読んでいるんです。シリコンバレーで成功した著者がいろんなダイエット方法を試していくんだけど、ロジカルでね。腸内環境と合わせて、おすすめです。

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