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大谷ノブ彦 | TOKYO HEADLINE - Part 4
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大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 第56回 笑って学べる、「赤っ恥」は最高。

2015.10.22 Vol.652

 スペシャルウイークの『キキマス!』、いいですよ。本当におもしろいんです。前回も書きましたが、今回のスペシャルウイークは「涙の赤っ恥リクエスト」。結婚式、出産、合コン、メール……届く赤っ恥エピソードが全部おもしろい。それに加えて、ゲストをはじめ出演していただく人がみんなおもしろいんです。

 ゲストの方々、リスナーのみなさんから、ご自分の赤っ恥エピソードとともに曲のリクエストを募っています。送っていただいた赤っ恥を紹介するとともにリクエスト曲をかけているんですが、1曲はママさんコーラス隊の生歌で応えます。そのコーラス隊が、すごいんですよ。どの日もすごいんだけど、特に20日に出ていただいた、メンバー全員60歳以上という「谷中HKB」はね、強烈だったなあ。HKBはHA・KA・BAの略のようですが、このマダムたち、キャラクターもすごいし、歌もすごかった。木魚を叩き、お鈴(りん)を鳴らしながらリクエスト曲『てんとう虫のサンバ』を歌ってくれました。……歌詞が、まさかの谷中HKBバージョンだったのもおもしろかったですね。『キキマス!』に出演する前に、福祉施設で歌ってきたそうで、喉も相当温まってたんだと思います。

 お迎えしているゲストのお話しも聞き逃せません。林家木久扇さん、笑福亭鶴光さん、東国原英夫さん、どの方のお話しにも、笑いあり、エロあり、心に響く言葉がある。鶴光師匠は、ちゃんとエロい人になって、手振りつきでエロトークをさく裂させていましたが、ちょいちょいとまじめな話もはさんで来てねえ。そういう鶴光師匠のすごさは、届くメールからも感じられました。「このメールは師匠が読むことを想定して書かれている」っていうのが分かるんですよ。当て書きされているというか、師匠にこれを読ませたいっていう感じが伝わってくるの。それで思ったのよ、鶴光師匠って、きゃりーぱみゅぱみゅみたいな存在なんだなって。リスナーのみなさんを、中田ヤスタカみたいな気分にさせちゃうんですよ。これって、鶴光師匠もきゃりーぱみゅぱみゅも一本筋が通ってるというか、これだ!っていうところを持っているからだと思います。僕も何か一本何かを作らないとなあ。そう感じました。
 
 さて、スペシャルウイーク最終日の22日は、東野幸治さんがいらっしゃいます。白い悪魔ですよ。なんでこんな人を呼ぶんでしょう。もう憂鬱でたまりません。

大谷ノブ彦 カタリマス(裏) 第55回 あの人の『蒙古斑』が見たい!?

2015.10.15 Vol.652

 ここのところ、番組を聴いてくださっているみなさんの赤っ恥エピソードをいただいています。なぜかというと、19日からスタートするスペシャルウイークは、『キキマス!涙の赤っ恥リクエスト』という企画で、豪華なゲストをお招きして、それぞれの赤っ恥の思い出をうかがっていこうと思っているからなんですが、どのエピソードも……こういってはあれなんだけど、面白い。恋愛、学校、仕事、スーパーで、いろいろです。どれもいいなって思ったんだけど、「蒙古斑」の話は印象に残ってるなあ。会社で映画を見に行くことになって「中居正広さんの『模倣犯』を見たい!」っていったつもりが、「蒙古斑」って言ってたっていう。いい会社なんだろうなあっていうのが伝わってきました。

 赤っ恥…僕もたくさんあるんですよね。番組のなかでは言えないなっていうのも含めてさ……。

 あれは、まだ上京したてのころ。白いTシャツにジーンズ姿の吉田栄作さんとか織田裕二さんにみんながあこがれてたころです。僕は、「大谷もいよいよリーバイスの501を履く時が来た!」と、下北沢に501を買いに行ったんです。試着室に入って、501に足を通しました……そこまでは良かった。気が張ってたのかな、便意だけならまだ良かったんだけど、…なんていうか鹿のもののような小さな固形物がポロリと落ちたんです……。

 もうひとつも、おしりの話。ずいぶん前の話になるけど、痔で悩んでいて出血がすごくなったりすると女性の生理用ナプキンをあててたんです。で、ある時、電車に乗っていたらズボンから足元にそのナプキンが落ちまして…。そそくさと逃げようと思ったら、正義感のある男性なんでしょうね、「これは何だ」と。明らかに“お前、これをどこからか盗ってきたんだろう”って感じだったんですよね。車内は人でいっぱい。僕、痔なんですとも言えず…。経堂で降りてそそくさと逃げました。あれが、初めての経堂駅でしたね。 

 さて、スペシャルウイークに話を戻しましょう。ゲストは今回も豪華です! 19日が林家木久扇さん、20日が笑福亭鶴光さん、21日が東国原英夫さん、そして22日が東野幸治さん…。火曜、水曜にはそれぞれキキマスターのマキタスポーツさん、森脇健児さんもいらっしゃいます。最終日の東野さん、どうなっちゃうんだろうなあ。  ……みなさんの赤っ恥も、もっと聞かせてくださいね。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)  第54回 清水で8年前のリベンジ、果たせました

2015.10.07 Vol.

大谷ノブ彦 カタリマス! 第17回 氣志團万博でもらった大きな土産

2015.09.28 Vol.

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 第53回 東京の土産、やるじゃん!

2015.09.24 Vol.

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 第52回 ラジオの役割について考えさせられる日々。

2015.09.16 Vol.650

 大雨で鬼怒川の堤防が決壊、阿蘇山が噴火、東京にも大きな地震もあったりと、災害が頻発しています。今月のあたま、防災の日にちなんで特集をしたり、専門家にお話しを伺ったばかりなのですが、こんなにすぐ自然災害やそれについての対策についてお話を伺うことになるとは…。いつも備えていなければ、考えていなければと思わずにはいられません。

  被害にあった人に対して想いを寄せ、現場からのリポートや、本当に大変な、その渦中にいる方の声も聞くかせていただきながら番組を放送しています。ボランティアセンターの方ともお話しすることができましたが、手伝いに行きたいという人がたくさんいるなかで、それに対応しきれない。その環境が整っていない。週が明けて、いろんなことが分かってきたことで、やることがいっぱいで切迫している。そんな状況が伝わってきました。

 現地の声を伝える、分かったことや状況を伝える、それとは違って、音楽や楽しい話が癒しになることもある。こういうときのラジオっていろんなやり方があるなって思います。そのひとつに、考えるためのいろいろなネタフリをするってこともあるかなあって思います。今週伺ったお話のなかに、浸水の際には長靴ではなく、履きなれたスニーカーのほうがいいっていうのがありました。長靴だと、水や泥、砂が入ってしまって、かえって避難しにくいっていうね。考えてみればそうだなって思うけど、気が付かなかったところです。「今夜、お家に帰って、家族の人と話し合うことも大切だよね」というときに、どこに避難するか、何を備えておくか、そういったことを含めて、話してほしいなって思うんです。そういうことを考えるってことをしてほしいって。

 その時だけじゃないかっていうかもしれない。だけど、そのたびに話す、そのたびに考える。それって大切じゃないのかな。

 改めて、ラジオについて考えるってことをする大切な時間になっています。災害対策も目的のひとつになっているワイドFMも本放送開始は12月の予定になっていますし、ラジオについて考えることがもっと増えていきそうです。

  21日(月・祝)の放送は、東京スカイツリータウンスタジオから公開生放送をします。ワイドFMについての話にもなるだろうし、南海キャンディーズの静ちゃんこと山崎静代さん、カラテカの矢部太郎くん、さらにはシンガーソングライターのななみさんもゲストで登場してくれます。シルバーウイークの一日、東京スカイツリーで僕とラジオについて考えてみませんか? お待ちしています。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)第50回 エンブレム問題は、パクリ探しで終わっちゃいけない。

2015.09.04 Vol.649

 9月の声を聞くとともに比較的過ごしやすい日が続いています。涼しくなったと感じる一方で、ますます過熱しているのが、2020年東京オリンピック・パラリンピックのエンブレム問題。1日には、組織委員会が白紙撤回を決め、選考し直すことを決めました。
 
 この件について、デザインを手がけた佐野研二郎さんの盗作なのか否か、トレースがどうだと、ネット上では「これもそうじゃないか」「あれもそうじゃないか」っていう指摘が、ものすごい勢いで行われ続けています。これが、なんか気持ち悪い。行き過ぎちゃってる感じもするし、揚げ足取りにしか見えなくなってきてるんです。

 この動きが大きくなったことで白紙撤回になったとは思うんだけど、本当の問題というか、驚いたのは、デザインの世界って、こんな身内で回ってるんだってことが分かっちゃったことじゃないですか? それで仕事が発生してるんだったら、デザインをやってる人、これからやろうと思っている人は……希望がないって思っちゃうんじゃないかな。

 いろいろな報道を見ていると、受賞は持ち回りになっていたとか、選ばれる顔ぶれが似ているとか…。これって、決定の方法が問題ですよね。誰がエントリーできるようになっているのかってこともそうだし、審査する・決定する人、権力のある人たちは、ちゃんと仕事をしているのかなっていう見方もできちゃいます。

 お笑いに置き換えて考えてみると、お笑い番組に出ている芸人が同じ顔ぶれだとしましょう。でも、それって芸人それぞれの努力や人間的な魅力があってプロデューサーに気に入ってもらい、「使いやすい」だとか「大衆性がある」だとか、ちゃんと理由があって、呼ばれているわけです。それ以降も呼ばれるかどうかは、芸人自身がさらに努力し続けるかどうかなんですよね。プロデューサーは常に新しい才能に目を光らせていますから、常に自分をプレゼンし続けないとならない。そうやって動いているんです。

 僕はデザインのことは分からないですけど、佐野さんもこれまでいろいろ仕事をしてきて、プレゼンし続けてきたからこそ、そこに名を連ねる人になったんだと思います。ただ、自分のプレゼンを続けている人は佐野さんを含めて今もいるし、これからも出てきます。だからこそ、選ぶほうがもっとしっかりしなければならないと思うんです。審査をする人として選ばれたんだからね。そうすると、デザイナーさんもこれまで以上に自分をプレゼンしていくことが必要になるけど、希望が持てるんじゃないかなって思うんです。

 新国立競技場のことについても、同じことじゃないの。そう思わずにはいられません。

大谷ノブ彦 カタリマス! 第16回 スペシャルウィークは「しくじらない」。

2015.08.24 Vol.649

 8月も残すところあとわずかになりました。『キキマス!』のスタッフは夏休みを楽しんでいたみたいなんですけど、僕は番組があるし、夏フェスがあったし、舞台もあったしね…。充実した夏を過ごさせていただいてますよ。

 さて、8月の最後の週はスペシャルウィーク。24日から27日まで毎日、『さらば!しくじり中高年 絶対に失敗しない〇〇』と題して、さまざまなジャンルの大人の達人をお招きしてお話を聞いていきます。なんか、聞いたことがある? テレビの影響もあるんでしょう、ポップですし。

 このスペシャルウィークを控えて、『キキマス!』ではここ2週間ぐらい、リスナーからいろんな“しくじり”エピソードを聞かせてもらってきました。青春のしくじり、恋愛でのしくじり、旅でのしくじりと、テーマを決めて、本当にいろいろね。そのなかでも、メールが止まらなかったのが、電車がらみの失敗。飛び乗った最終電車で眠り込んでしまって気づいたときには自分が降りる駅はとうに過ぎた福島。さらにその電車は青森まで降りられない、っていう。新幹線通勤の方で、朝起きたらお城の下で寝ていて、なぜ小田原城の下で寝たのかなあと思ったら名古屋城だった…なんていうのもありました。僕も夜勤のバイトしてたころ電車に乗って寝て起きたら乗った駅。そのたびに、俺、この街が好きなんだなあって思いました。

 エピソードを聞いてくなかで思ったんだけど、聞くたびにほっこりした気持ちになるんですよね。失敗して笑える!っていうのではなくてさ、面白いのは面白いんだけど、なんだか、いい気分。失敗、いいじゃない、と。「しくじらない! 絶対に失敗しない!」っていう企画をやっていくんだけど、最終的には、「ちょっと失敗してもいいかも…」なんて、思ってくれたらいいかもしれないなんて思っています。さすがに40代になってのしくじりは本当に怖いし、しくじった自分を責めることになるんでちょっと嫌だなあとも思いますが、20代とかだったら絶対しくじったほうがいい。そのほうが人にも話せるしね!

 そういう意味での『絶対に失敗しない』企画。初日の24日は「絶対に失敗しない居酒屋呑み」。25日は温泉・SPAめぐり、26日は京都・鎌倉遊び、最終日の27日は『絶対に失敗しない1人でも楽しい休日』。究極のお1人様特集です。達人たちの話、僕も楽しみです。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 第49回 『テイラー・バートン〜奪われた秘宝〜』、ついに本番。

2015.08.20 Vol.648

 声がガサガサです。いつものことだろうって思われていることだとは分かってるんですが、いつも以上にガサガサなんですよ。なぜかっていえば、舞台の稽古ですよ。

 18日からスタートしたダイノジ活動20周年記念公演『テイラー・バートン〜奪われた秘宝〜』。キングコングの西野くんが書いてくれた作品を、6日間にわたって、いろんなメンバーで上演します。ダイノジは、20日、21日、それと22日の昼と3公演に出演します。

『キキマス!』でも、このコラムでも何度となく話題にしてきたこの舞台。ある宝石があって、それを盗む側がいて、守る側がいる。そのなかで誰が一番ずるいのか……。そんなお話です。台本を読んだときには震えましたね。

喜劇、軽演劇は、活動するなかでいつかやってみたいと思っていたこと。セリフがある、役が決まっている、そういう制限のあるなかでやるってことに挑戦してみたかったんです。その役だったら絶対言わないことだけど、ウケればオッケー!っていうのではないところで。

稽古はいつも深夜で、頭がコックリコックリしながらですが、楽しいし発見もいっぱいあります。例えば、大地さんはやっぱりおもしろいってこと。もともと大地さんは一定の制限があるなかでやるとすごく面白い人。セリフが決まっている、演じている役に準じてその人としてボケるっていうのは、すごく大地さんに合っているんですよ。だから、水を得た魚って感じです。

 で、自分はっていうと、全然ヘタレ。稽古しながら、ああ限定されているなあって思ってるし、話の本筋を進めるということに苦戦しちゃってる。もっと解き放たれないといけないなって思います。なんて、何よりもセリフが全然覚えられないのが困ってるんですけどね。

 本番はもうすぐです。はあ、こんなに余裕がなくなるとは思わなかったなあ。本当なら、他のグループが稽古しているときに、「はい、差し入れ〜!」なんていって見に行ったりさ、そういうのやりたかったのに。自分たちのことで精いっぱいだよ。
 

 とはいってもね、手応えはあるの。ワクワクしているし、どういう反応が返ってくるのかすごい楽しみなんです。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 第48回 佐野元春さんに夢見心地。

2015.08.12 Vol.648

 はあ、今も、夢見心地です。8月10日、『キキマス!』に佐野元春さんが来てくれました。佐野さんは中学生の頃からあこがれていた人。ゲストで来てくれることが決まってから、緊張で睡眠時間がずいぶん減りました。

 佐野さんとは本当の初対面でしたが、笑いもこぼれながら、いろんなお話を伺うことができました。たくさんのアーティストに影響を与えた『アンジェリーナ』、ひとつの音符で「シャンデリア」って歌ってしまう当時は珍しかったあの手法に至った背景であるとか、ずっと聞きたかったことをぶつけられたし、うれしかったなあ。

なかでも面白かったのは、最新アルバム『BLOOD MOON(ブラッド・ムーン)』のアートワークに関わる話。佐野さんは、最近話題のハイレゾであるとか、iTunesに代表される配信やダウンロードで音楽を届けるスタイルも、いち早くやってきた方。そういう佐野さんが、見せたいって最新アルバムのアナログ盤を抱えてやってきました。最新作ではアートワークにもすごく力を入れていて、70年代から活躍しているヒプノシスというアーティスト集団がいてその流れを組むアーティストとコラボレーションしたそうです。景色で音楽が変わるじゃないけど、ジャケットがこういうアートワークだから、アルバムがこう聞こえる。そのためのアートワークなんだっておっしゃっていました。

 音楽業界の元気がない、CDが売れないっていう話が言われ続けているなかで、佐野さんは全包囲網でできることをやっている方だなあって改めて思いました。佐野さんは、「音楽ファンに楽しんでもらいたい」。CDで聞きたい、レコードで聞きたい、ダウンロードで聞きたいと聞き方が多様化してきているのだから、「自由に選んでもらいたい」と話していました。きっとこれって、音楽だけじゃなく、漫才でも同じですよ。たけしさんが、いい芸人だったら相手のチューニングに合わせなきゃっていうようなことを言ってましたけど、どうやって、どういう環境で、漫才を届けるかってことまで、考えるってことだと思いました。

 佐野さんは現在、最新作を携えて全国のライブハウスを巡るツアーを展開中です。夏フェスへの出演もあるようなので、アルバムもいいですけど、ぜひライブで聞いてほしい。佐野さんとのお話はポッドキャストでも聞けます。佐野さんならではのフレーズがあちらこちらに飛び交っていますので、ぜひ聞いていただけたらうれしいです。

 夏フェスといえば、今週末はサマーソニック。DJダイノジも出演しますのでいらっしゃる方はぜひ見に来て下さい! 10月のマグロック、フジソニッックの準備も進んでいますし、夏フェスに出演するなかでポジティブなイメージができてきました。こちらは、これから追い込みをかけます!

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 第47回 70年目の原爆の日に思うこと。

2015.08.07 Vol.648

 広島、そして長崎に原爆が投下されてから70年目を迎えました。黙とうを捧げ、犠牲になった方々に心を寄せながら、思うんです。自分はその思いを自分のなかに留めておくんじゃなくて、外に伝えていかないとって。それが僕の仕事じゃないかって。戦争反対。それだけは伝えていきたいんです。

 70年前に起きたこと。現在もアメリカでは6割の人が原爆投下は正しかったと考えているという話を聞いたことがありますが、それってどうなんだろうって思わずにはいられません。

 こういう話をすると、パールハーバーであったり、日本が他の国にしたことについてはどうなんだ、という議論になりがちですが、それって水掛け論でしかないんじゃないかな。もちろん、悪いところがないわけじゃないと思う。当時の日本が戦争を始めたということ、それ自体についても思うところがあります。ただ、そういう細かいこと、広がったことを考える前に、もっとシンプル、簡単でいいんじゃないですか。爆弾を落とすこと、命を奪うこと、そういうことをしていいのか悪いのか。そこを考えたい。

 そのためにも戦争を知ることが大切です。僕自身、どうやって戦争に触れてきたかといえば、記念館を訪れる、語り部の方たちにお話しを伺うというのもそうですね。それと、黒澤明監督の映画もあります。それをきっかけに自分で調べたりして、緩やかに自分の中に入れてきたように思います。その蓄積された情報をもとに、戦争について考え続けているんだと思います。僕には息子がいますが、彼もまた関心を持って同じように緩やかに情報を入れていってくれたらなと思います。僕や誰かが正しい、間違ってるって言うのではなく、彼自身で積み重ねて行ってほしい。僕はそれを見守りたいと思っています。


 原爆の日。記念式典が行われましたが、ふと思ったことがあります。厳かな式典とはまた別に、あのころできなかったであろう楽しいことをやる、やってやろうっていうイベントっていうのもいいんじゃないかって。それに参加しながら、当時のこと、その時代を生きた人たちのことを思う。そういうのをね。……日本でやるだけじゃなくてさ、これだったらアメリカでもできるんじゃないかな。そんなことも考えました。

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