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大谷ノブ彦 | TOKYO HEADLINE - Part 6
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大谷ノブ彦 カタリマス! (裏) 第38回 「〇〇の日」は〇〇に想いをはせる日

2015.05.14 Vol.642

 ゴールデンウイークの連休明け、2日ほど布団に潜っていました。体調を崩しながらも、6日は駒沢公園の「肉フェス」から『キキマス!』の公開生放送をどうにか終え、病院へ。本当に声が出なくなってしまって、翌7日の放送はお休みさせていただきました。何年かに一度、何もできないほど体調を崩すことがあるんですよね……こればっかりは、どうにもならない。いい先生に診ていただいて、どうにか復活。9日の土曜日から仕事に戻りました。『キキマス!』にも月曜日から復帰。「よしもと」ってすごいね、月曜は仕事が6カ所でありましたよ…

 伏せっていた2日間、考えていたのが母や家族のこと。母親とあとどれぐらい一緒に時間を過ごせるんだろうなって。スペシャルウイークで介護のことが話題になったし、SMAPの中居さんが、ニッポン放送でやっている彼のラジオ番組でお父様が闘病の末に2月に亡くなられていたことをしゃべりましたよね。俺はまだ肉親を亡くした経験はないんだけど、中居さんとは同い年だしね。自分が体を壊してたことも影響してるんだろうけど、余計にそんなことを思ったんです。
 

 番組でも話したんだけど、そんなふうに考えていたことをツイートもしたら、いろいろな反響があって、みんなにとっても、あるあるなんだなって思いました。お母さんに想いをはせる感じとかがね。10日は母の日でしたけど、感謝するのはもちろん、そうやって想いをはせる日なのかなって思います。これが父の日でも、他の日でも同じです。きっと、そういうことに気づくために、あるんだと思います。

 今、アメリカで人気の動画があります。『World’s Toughest Job』っていうタイトルなんだけど、ビデオチャットで就職面接をするっていう内容で、面接官がすごいハードな仕事だ、時間は関係ないし休みもない、とすごい条件を付き突けるんです。…とどめにサラリーはゼロ円とくる。面接を受けている人は、無理だよっていう当然の反応です。で、面接官はいうんです、今もその仕事をしてる人がいるんですよ、「Mom(お母さん)」って。

 仕事に復帰した土曜の夜、焦りにも似た気持ちから、大分にいる母親に「1カ月でも2カ月でもいいから、東京に出てきて一緒に暮らさないか?」とメールしました。母親は今も大分にいて、弟が面倒を見てくれています。弟がずっとやっていることを、1カ月、2カ月っていう短時間でやろうしてるなんて都合がいいとは思うけど……。で、母親の返事はというと、「なんの罠?」でした。  

 あの時、母が何を考えていたのか。40を超えてくると、そういう思いに寄りそっていくのが生活の一部になってきているような気がします。母を、妻や息子に置き換えても同じですね。そういう家族っていう、ちょっと厄介なものが今、非常に楽しいんです。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)
第37回 子供が喜ぶことをしたい

2015.05.06 Vol.641

 ゴールデンウイークですね。『キキマス!』もゴールデンウイークムードで、4日、5日と放送がお休み。こどもの日にちなんでというわけでもないんですが、僕がやっている「キッズジャイアン」について話したいと思います。

「キッズジャイアン」というのは、DJ ダイノジでやっているパーティーのひとつです。タイトルの通り、子供も親も一緒に踊ろうよっていうことを意識したものです。子供の好きそうな曲をかけるっていうのもあるけど、ダンスを簡略化してみんなで踊ります。例えば、『恋するフォーチュンクッキー』のダンス。フリを完コピしてみんなで踊るのもいいんだけど、「そこはいらない!」と振り付けをシンプルにして一緒にやってみる。阿波踊りの踊り方を紹介してから「今日はこれを、ものすごい速さでやります。高速阿波踊り、できるかー!」と、すごい早い曲に合わせて踊らせる。みんな、大喜びです。

 最初は3年ぐらい前になるのかなあ。DJイベントに遊びに来てくれている子のなかに保育士さんがいて、「ぜひ、幼稚園に来てください」って言われたんです。幼稚園っていうと漫才っていう訳にも行かないし、DJだろうって。子供たちが好きな曲とかを散りばめたようなセットを持っていったんですが、すごい踊るんです。最後には手作りの金メダルをくれて……おじさん、感動しちゃった。子供が喜んでいるって純粋な快楽ですよ。それが、すべてのエンターテインメントのもとだろうと思ったし、だからこそ子供が喜ぶものを作らないとって思いました。それまではお金でしか考えなかったような僕が、そんな気持ちになるやり取りができたことは大きかったですよ。ここから始まって、復興地……僕は被災地ではなくてこう呼ぶんだけど、そこでも子供たちと踊りました。町のお祭りにも呼ばれたときは漫才もさせてもらうんだけど、最後に「じゃあ、ちょっと体を動かしましょうか」って、子供たちはもちろん、おじいちゃんやおばあちゃんも踊りましたね。おもしろかったなあ。

 選曲がカッコいいとか、テクニックがすごいとか、DJダイノジはそういったDJとは違います。DJがものすごくしゃべって、みんなで盛り上がって、一緒に踊る。パーティーもそういう雰囲気。僕らがDJをやってるのって、漫才やコントをするのと同じように、僕らの一つのネタであり、“芸”なんだよなあ。それをどんどん伝えていけたらいいのに。

「キッズジャイアン」は、今は呼ばれてやるスタイルですけど、定期的にやっていきたいと思っています。昼間のライブハウスとか、ショッピングモールとか、みんながふらっと来て楽しめるようなところでやりたい。そのためには、僕らはこういうこともできるよって、大地さんと僕がアピールしていかなきゃいけないと思っています。近々では、「Goody’z DANCE&MUSIC 2015」っていう5月23、24日に静岡の東伊豆町で開催される野外イベントでやります。僕たちの出演は23日です。お時間のある人はぜひ、来てほしい。イベントはもちろん、東伊豆も楽しいと思うしね。

 さて最後に、今週の『キキマス!』ですが、6日からスタートします。駒沢オリンピック公園で行われている「肉フェス」の会場から公開生放送です。これは、僕も楽しみだなあ。

大谷ノブ彦 カタリマス
第12回 人にはそれぞれの役割がある

2015.04.27 Vol.641

 ここ最近考えていることのひとつに「役割」っていうのがあります。というのも先日、日本はもちろん世界でも活躍しているギタリストのMIYAVIさんとご一緒する機会があって、そのなかで彼がこの「役割」ってことについて話してくれたからなんです。
 MIYAVIさん、ハリウッドで映画デビューも果たしているんですよ。アンジェリーナ・ジョリーが監督・製作した

『UNBROKEN』という作品で、日本では公開されてなくて、本国ではいろいろ話題になった映画です。それで、彼にアンジェリーナ・ジョリーから影響を受けたことについて聞いてみたんですが、「ミッション(MISSION、役割)を持っている」ってことを言ったんですよ。映画を制作するにしても、国際的な人道問題や難民問題、避難民などの問題提起にしても、母親として養子を迎えてたくさんの子供たちを育てていることだとか、全部そういうことは、自分の立場がどういう影響を与えるかを分かって、ミッションとしてやっている人だと。

 このこと、プロ野球、広島東洋カープの黒田投手の見方でも考えられますね。男気だ!って世の中が大騒ぎしているなかで、野球解説者の江本孟紀さんは『キキマス!』に来てかなり手厳しいことを言いました。黒田はいるかもしれないけれど他がいない、このままだとカープ危険だよって。それは、江本さんが野球解説者としてのミッションがあって発言しているわけです。その一方で、『週刊ベースボール』を読んでいたら、作家の北方謙三さんが黒田を大絶賛。黒田ほど分かりやすく男気というものを示した人はいない、子供たちに男気を教えたって、正反対なことを言っている。それが、北方さんの作家としてのミッションなんです。
 今、映画『セッション』について議論が起きていますが、これについても同じことが言えるでしょ。ジャズミュージシャンの菊地成孔さんに、映画評論家の町山智浩さんが反応してて、意見がぶつかり合っています。それも、それぞれがミッション、役割に基づいて、映画を見ているからなんです。

 プロ野球にしても、映画にしても、他のことにしても、それぞれにミッションがあり、役割に基づいてやってるって理解したほうがいいよって思います。それぞれの考え方に心酔している人たちが、「正しい」を一個にして、その「正しい」で裁こうとすることこそが、危険だと思うから。でも一番悪いのは、論争を読んで「じゃあ、行かない。見に行かない」ってなっちゃうパターンだけどね。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 第36回「じゃないほうの大谷」

2015.04.22 Vol.640

 競馬で勝ったと喜んでいたら、ベイスターズが良くないです。絶不調です。19日の長時間にわたった試合も、最後はエラーでゲームセット。負け方が悪い。どうにか最小限のところで収めて、悲観的なことで知られるベイのファンがネガティブなことを言い出してそのまま毎年のモードっていうのは嫌だなあ。

 一転、良いのは二刀流の日本ハムファイターズ・大谷翔平選手です。開幕4連勝で、完封まで。これまで立ち上がりが良くないっていうのが大谷選手のイメージでしたけど、最高じゃないですか。試合を見ていると、ただ調子がいいっていう感じじゃなくて、自分の弱点に対応して投げているように見えます。制球が良ければ打たれないとか、そういうことを理解している。そして、自分で試合を作り、最終的に試合にも勝っている。ピッチャーは、試合を作ることが大事です。その結果として勝ちがあるんです。一時期、「大谷じゃないほうの大谷!」なんて言われると、何をっ!と思ったこともあったけど(笑)、もうそれでいいよ、そうですよ。「エアギターじゃないほう」、「大谷じゃないほうの大谷」……いったい俺、どこに行くんだろう。

「じゃないほうの大谷」、漫才とラジオスター、どちらに専念すべきか迷っているかと言えば、考えれば二刀流どころじゃありませんでした。漫才、ラジオスター、DJ、コラムニスト……もうよく分からなくなっていますけど、肩書きはもう人に決めてもらえればいいや。僕ら芸人、二刀流どころじゃなくて、何刀流ってやらなきゃだめですからね。どんどん仕事も広がって、先日もついに『プロ野球ニュース』からオファーが来た!……と思っていたら、プロ野菜ニュースですって。プロ野球には遠回りですが、野菜は大好きだしね!いろいろ面白いことがいっぱい転がっていそうで楽しみでなりません。

 さて、『キキマス!』では今週、スペシャルウイークを実施中です。『母ちゃんバンザイ! 泣き笑いウチのオカン伝説』と題して、ゲストの方々にお母さんのエピソードを伺っています。20日は矢口真里さん、21日は『マッサン』のエリー、シャーロット・ケイト・フォックスさんからお話を伺いました。そして22日は西川きよし師匠、23日はピースの又吉くんが登場してくれますのでお楽しみに。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)
第35回  半チャーハンは愛情のないキスみたいなもの。

2015.04.16 Vol.640

 14日放送の番組のなかで、「半チャーハンは愛情のないキスみたいなもの」っていう話をしたら、たくさんご意見をいただきました。僕に同意してくれる人、ラーメンを食べたあとに一口二口チャーハンが食べたいんだよねっていう肯定派と、いろいろな方から反応があって、面白かったなあ。でもやっぱり、僕は言いたい。半チャーハンは愛のないキス、いやセックスみたいなものだって。

 ラーメンと半チャーハン、半ラーメンと半チャーハンって、単品として出しているチャーハン、ラーメンとは別ものになっている場合がかなりあるんじゃないかなって思うんです。半チャーハンは半チャーハン用に作り置きしてあったりする場合もあるし、ラーメンの半っていうのもね。番組でも話したけど、本来出しているものの半分でそのお店を味わっちゃえみたいなところも、ねえ……。ミニかつ丼とかそういうのもそうです。なんかなあ、嫌いなんですよね。

そのなかで、唯一、僕が好きなのが、神保町のさぶちゃんの「半チャンラーメン」です。元祖といわれるところなんだけど、ここはラーメンとのバランスを考えたうえで、その半チャーハンを作ってるんです。「ラーメン」と「チャーハン」のセットじゃなくて、「半チャンラーメン」という単品なんですよ。

ラーメン店もちろん、食事を提供しているお店は、単品として出すサイズで、一番おいしく感じられるように考えて味を作っていると思います。それを半分にするって……違うんじゃないかなあ。やっぱり、一番おいしいとされる形で食べたいじゃないですか。

単品のサイズの話ついでに、番組ではいいきれなかった「取り分け」問題です。複数で食事に行って注文したものが届くと、ささっと取り分けてくれる方がいらっしゃいますね。それ、僕はいりません。僕がサラダを頼んだとしましょう。そのサラダ、僕はフルサイズで食べたいから頼んでるんです。取り分けられたらもうそれは別のサラダになってしまう。他の方がサラダを食べたいのなら、取り分け用にもう1つ頼めばいいと思うんです。焼き肉でも同じです。よくどんどん肉を焼いて、焼けた肉を僕のたれの皿にポンと置いてくれる人がいる。もちろん肉は食べたいですよ、でもまずは柚子胡椒で食べようと思ってた! そんなこと、あるでしょう? 

「取り分け」ってさ、気がきいてるだとか心遣いができてるみたいに言われたりするし、男性の女性に取り分けてもらうとうれしいなんて意見があったりするし、もはや同調圧力以外の何ものでもない。みんなで食べに行ったとしても食べたいものを自分が思うように食べたい時もある、それを僕は伝えていきたい。取り分けてるときには、一言、声をかけよう。それを広めていきたいって思いますね。だから僕が食べに行ったお店の方、サラダを2皿頼んでも、聞き返さないでください。こういうことなんで。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)
第34回 何が敵か。

2015.04.08 Vol.639

 今月の2日、『キキマス!』でも予告していましたが、横浜スタジアムに行ってきました。ベイスターズの本拠地開幕戦。対カープの3連戦の最終日。いい試合でした。勝ちましたし、ドラマティックだったし、いい日に観戦できたなって思います。

 この日は、僕と息子、スタッフ、それにニューロティカのあっちゃん、ピエロ姿でボーカルを担当している人ね、そのメンバーで行きました。あっちゃんは八王子でお菓子屋をやっているので、そのお菓子をくれたりするもんだから息子は大喜び。家に帰ってから息子にニューロティカのビデオを見せながら、このピエロの格好している人があっちゃんだよって教えました。息子が「とってもいい人だったから、またお会いしたいって言っていたと伝えておいてよ」ですって。何なんですか、その反応。

 あっちゃんを見ていると、バンドの続け方を見つけた人だなって思います。ニューロティカは去年結成30周年を迎えたんだけど、そのあいだにはバンドブームがあり、バンド的にもいろいろあって、今はオリジナルメンバーは、あっちゃんだけなんです。こういう場合、ライブでは、昔のっていうか、かつての体制で発表した楽曲で盛り上がることが多いんだけど、ニューロティカは新たにスタートを切った楽曲のほうが盛り上がります。これってすごいことですよ。

「バンドってこうじゃなきゃいけない」っていうようなことを言う人、いますよね。それって芸人についても同じで、芸人への愛からそういうことをいってしまうんだと思います。でもそれって、愛があるようでいて、同調圧力であって、一番いらないもの。一番の敵なんです。バンドにしても芸人にしても、いろんな形があってよくて、大切なのはそれを熱を持ってやり続けることだと思います。新学年とか、新社会人とか新しい環境でスタートした人もいると思いますが、そのなかで「こうじゃなきゃいけない」っていうのがあると思う。もちろん、やらなければいけないこともあるよ。それをしたうえで、いろんな形ってあっていいんじゃないかなって思いますね。

 最後になりますが、あっちゃんがどうやって「見つけたか」を知りたい方は、ドキュメンタリー映画『あっちゃん』をぜひ見てください。ニューロティカの結成30周年を記念したドキュメンタリー映画です。朝早く起き、店のシャッターを開け、お菓子を詰める。夜はライブをするか、スタジアムかテレビの前でベイスターズ観戦…そんなあっちゃんの生き方が映し出されています。ちなみに、この映画にまつわる資金はクラウドファンディングで賄われていて、1000万円近い金額が集まったそうです。それだけ見たい、『あっちゃん』の映画を作ってくれよって人がいたってことが、すごいですよね。渋谷HUMAXシネマで、18日から公開です。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)
第33回 2年目の『キキマス!』は、より”キキマス”に

2015.04.03 Vol.639

 新年度の始まりとともに、『キキマス!』も2年目に入りました。番組の構成も、メンバーも少し変わって、新しいスタート切りました。分かりやすい変化といえば、東島衣里アナウンサーが新アシスタントになってくれたこと。すでに他の番組でも活躍していらっしゃったこともあって、初登場となった3月30日の放送から、届くメールも初めて見るラジオネームの方が多いです。50〜60代の男性も多い。きっと東島さんのファン……。東島さんのホンワカした雰囲気、好きになっちゃうんだろうなあ。

 そのホンワカ感やのんびり感、僕にも伝染しているんです。今週、自分が喋っている量がすごく少ないんですよね。これ、そうしようって思ってやってるんじゃなくて、自然とそうなっちゃってる。東島さんと話すときだけじゃなくて、ゲストやキキマスターのマキタスポーツさんや森脇健児さん、中継コーナーを担当してくれる人、参加してくれるお店の方々、誰とお話をする場合でもそうなの。その人の話を聞く、より“キキマス”な感じになっている気がします。

 振り返ってみると、1年前、『キキマス!』が始まったころって、昼の時間帯の生放送を初めて担当することになって、すごく意気込んでたし、ピリピリしてました。他の番組にはできないこと、自分だからできることをどんどんやっていこう、言いたいことも言っていこうって。そういうことを放送でも話してたと思います。それが、1年間やってきて、余裕も出てきたっていうのもあるけれど、少しずつ変わって来たんですよね。

 一番言いたいことを届けるためにはどうしたらいいか。ちょっと“ラジオスター”みたいなこと言わせてもらっちゃいますけど、オープニングからラストまで、どう構成したら伝わるのか、それが大事なんだよね。すごく当たり前のことだけど。これって、DJをすることにも似ていて、一番届けたいこと、DJでいうなら最大の盛り上げに持っていくために、その前の曲、さらにはその前の曲って遡って構成していくのと同じだと思うんです。常に、自分の意見をぶつけるだけじゃなくて、それをより届けるために、番組の選曲やオープニングのトークの話題も選択していくんです。熱を持ってね。

 最後になりますが、チーフディレクター曰く、東島さんと僕、「姪っ子」と「おじさん」という裏テーマらしいです。いつも顔を合わせる家族の話はうんざりすることもあるけど、たまに会うおじさんなら仕方ないから付き合うかっていうのあるでしょ、そういうの。

 それでは、2年目の『キキマス!』もよろしくお願いします。

今季のベイスターズはここ10年で一番いい!
ポジティブな雰囲気にあふれ、ワクワクする。

2015.03.22 Vol.639

 少年時代から熱を持って野球を見続けている、ダイノジの大谷ノブ彦。根っからの中日ファンとして知られる彼だが、今年は横浜DeNAベイスターズに熱視線を送っている。きっかけはパーソナリティーを務めるラジオ番組『キキマス!』。昨年ベイスターズを取り上げたらリスナーから熱いメールが山のように送られてきた。

「“ベイスターズのためにCSをなくさないでほしい”だとか、中畑清監督の次は3位を目指しますっていうスピーチにすごく盛り上がったとか……なんか、みなさんが自虐的で面白いんです。悪い女につかまって別れられないみたいな感じなんですよね。それがきっかけになって、今シーズンは番組をあげてベイスターズを応援していこうと決めました。それから僕もベイスターズについての本を読んだり、2月には沖縄キャンプも自腹で見に行って中畑監督が朝の散歩で歌うのも見ました。いろいろジーンとしちゃってね。ノック練習を終えた選手に“ありがとうございます”っていうのは監督じゃなくて来てくれたお客さんに対してだろってスタンドに向かってあいさつするように促したりするのなんか見たら……もう、ベイスターズが大好きになっちゃった」

 野球にもいろいろな見方があるが「今シーズンは“物語”かな」と、大谷。

「キャンプでも感じたことだけど、ベイスターズはすごくいい雰囲気なんです。チームバッティングができるようになってきているし、弱点だと思っていた左のピッチャーについても、砂田毅樹投手が調子を上げている。他の選手も育ってきてここ10年ぐらいでは一番いいチームといえるかもしれないって思います。ノッてくると勝つチームだからノリに任せて、調子が悪い時にはどうやって最小限に抑えるか。それがポイントでしょうね。今シーズン、セ・リーグは本当にどうなるか予想しがたい混戦模様で、圧倒的な最下位もいない。それと、ロペス、東野、中畑監督という元巨人の面々がどう戦っていくのかっていうのもおもしろいと思う。そう考えるとやっぱり物語でしょ。応援したいよね」

 番組ではこれまで、現場、つまり球場に行くことを推奨してきた。

「中畑監督の今年のモットーは“導(みちびく”だそうです。僕も、『キキマス!』やいろんなことを通じて、多くの人をスタジアムに導くことができたら。みんなで行って応援しましょうよ。絶対楽しいから!」

大谷ノブ彦 カタリマス第11回 参加することが「おもしろい」 

2015.03.22 Vol.639

 おもしろさって何か——。いつも考えてることではあるんですが、この間、改めて衝撃を受けたことがありました。

 先週末(13〜15日)、名古屋ドームで開催されていた『HAPPY MAMA FESTA』に出演しました。子育て中のママさんとかその家族が来るフェスなんだけど、大人気なんですよ。今年で3回目になるんですけど、毎回大きくなっていて、今年は11万人超の人が足を運んでくれたそうです。フェスには、よしもとの芸人もたくさん出演していて、僕らダイノジもその1組としてステージに立ちました。同じ日には「ラッスン・ゴレライ」の8.6秒バズーカーもいました。「ラッスン〜」ってすごいですね。子供から大人までみんながマネしてます。リズム芸という意味で、オリエンタルラジオもやって見せたりして、大きな話題にもなりました。

 彼らの出番を見ていたんですけれども、すごく不思議な気持ちになっちゃった。彼らが登場すると大きな笑いが起きて、客席がワーってなってすごい盛り上がりです。それで「ラッスン〜」って始めたんですけど、客席はみんな優しく温かく見守ってるというか、「そう、これだよね」みたいな雰囲気なんですよね。なんだこれって思いました。

 今の時代、おもしろいって感じるには、自分が参加することが重要なんでしょうね。それがエンターテインメントであり、面白いと感じるってことであり、参加していくという文化みたいなね。「ラッスン〜」って自分がやってみるからおもしろさを感じる。周りの人に対してやってみて、やってみた動画をアップしてみんなでシェアして……。その現象の一コマ、感動の一コマに自分が入れることにおもしろみを感じているんだろうな。昨年は大行列になっていた店が、今はそうでもないみたいなのがあるじゃないですか。あれって、味もあるんだろうけど、並ぶこと、つまり行列に参加することの楽しさっていうのが大きいよねって思うんです。そう考えながら、僕が芸人をやっていくうえで向かい合わなければならない相手っていうのは、こういった人たちなんだとも思いました。

 参加することって確かにおもしろいよね。こうしたフェスだったり、音楽フェスだったり、自分が出演していても出ている人を見ていても、おもしろいって思いますから。そういう中に僕がいること、いられることが本当におもしろいし、楽しいです。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)
第32回 板東英二さんは太陽だ

2015.03.18 Vol.639

 先日のことです。いつものように放送を終えてスタジオを出ると、板東英二さんがいらっしゃいました。板東さんは何度かゲストとして出演していただいていて、高倉健さんが亡くなったときにも急きょお願いして健さんとの思い出を伺ったこともあります。そういえば、ちょうどいたからと突然スタジオにやってきたりなんてこともありましたよね。こうなっちゃうと板東さん、もう完全なる『キキマス!』ファミリーです。

 さて、その板東さん。ご挨拶をさせていただいたとたん、出演交渉が始まりました。笑いながら「出してくれよう」って。番組でお話したときにも話題にしましたが、かねてから執筆されていた書籍『板東英二の生前葬』が完成して、つい先日発売になったそうです。「どこか出られないかなあ」なんて、ニコニコしながら畳み掛けるもんだから、こっちも笑っちゃってね。プロ野球の開幕も迫ってますし、どこかで出ていただけたらなあって思ってます。実現するといいなあ。

 そんなことを含めて、板東さんと立ち話をしていたら、次から次から人がやってきます。みんな、お話ししたいんですね。きっと。

 それで思い出したのが、板東さんと一緒に仕事したときのことです。実は、2人でパチンコホールに営業に行ったことがあるんです。パチンコホールのなかって、いろんな音が大きくてぎやかですし、そこにいる人、みんな一生懸命に台を見つめて打ってます。そこに営業に行ってもね、正直、聞いてもくれないですよ。そのなかで板東さん、一人ひとりに声をかけてくわけです。肩にちょっと手を置いて、どうだって感じで。それがすごくいい感じなんだよね。で、声をかけられた人もちゃんと反応するんだよね。場所が名古屋で、板東さんのお膝元的なところっていうのもあるんだろうけど、やっぱりそれは板東さんという人間なんだろうなあ。あったかいんだよね。お話ししたり、顔を見たり、一緒にいるだけで温かい気分になるし、楽しくなる。太陽みたいな人ですよ。

 以前、番組に出演していただいた際には、高倉健さんの映画にほんのちょっと出演することがあって、1日でも十分なのに、4日間拘束された話をしてくれました。それは実は板東さんと鍋を食べたかったからだったんじゃないかっていうね。最高のエピソードでした。

 最新刊にもいろんな人とのエピソードがいっぱいなんですよ。「このへん、人の話ばっかや!」って、板東さんは笑われてましたけど、板東さんだからこそそういう話がいっぱいあるんだろうって思います。やっぱり、太陽ですよ、板東さんは。

大谷ノブ彦 カタリマス! (裏) 第31回 4年目の3.11に僕ができること

2015.03.11 Vol.638

 東日本大震災の発生から4年目の3月11日を迎えました。

 4年前のあの日、僕は、品川よしもとプリンスシアターで出番を待っていました。舞台の上には中田カウス・ボタン師匠がいて、カウス師匠は「みんな落ち着いて、避難しろ」ってお客さんを誘導していました。僕らもプリンスの上のほうに避難して待機。すごく寒かったなあ。そこでは実際にどんなことが起こっているのか、まったく分からなくて、家へ向かって歩いているときも、なんとなくは伝わってくるけれど、本当のことは分からないっていう状況。そんな気持ちのままで、日曜日には営業で四国のステージに立ってました。そしたらね、それまでになかったぐらいすごいウケたんです。どかんどかん笑うの。不思議な感じだったね。笑わないといけない、みんなで作っていこうっていうような感じでね。今になって、大地さんはスベってたねって笑い話もしたりするんだけど。

 その後はみなさんも知る通り。お笑いはもちろん、音楽ライブであるとか、エンターテインメント全体が自粛ムードになりました。そんななかで、僕も他の芸人やエンターテインメントに関わる人たちと同じように、自分に何ができるんだろうって悩みました。だって、都内だって食べ物がなくなっちゃたでしょ。そんなときに、何ができるのかって話ですよ。

 そして、4年。これまでに被災地…そういうの好きじゃないから僕は復興地って呼ぶんだけど、DJしたりイベントに出たりして仕事でもあるけど、現地を見続けたいという思いもあって復興地に足を運んでいます。宮古でイベントに出て、大船渡でカウントダウンをやり、そのまま東京に戻って『爆笑ヒットパレード』で漫才やるっていう年越しもありました。よくやったって褒めてくれる人もいたんだけど…そういうんじゃないんだよな。

 自分に何ができるのか。少しずつだけどそれがクリアになってきて、今はもっと有名になって復興地でイベント打って、そこへ人を導けたらと思ってます。こうやってラジオをやっていることも一つの武器だし、それを使って何かできたらって。そのためにも、あの時の、自分の無力さはずっと持っていたい。僕にとって3.11って、「忘れらんねぇよ」ですから。

 今年の3.11は特別番組を担当させていただくことになりました。まずはそれをすることが僕にできることだと思います。現地で伺ったいろいろお話、ニッポン放送の記者さんたちが集めてきた情報などを詰め込んだ『大谷ノブ彦 東北でキキマス!~東日本大震災から4年、被災地の今、そしてこれから~』は、11日、普段の『キキマス!』より少し早い午前11時30分から放送します。

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