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大谷ノブ彦 | TOKYO HEADLINE - Part 8
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大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)第22回 ベイスターズを応援するための物語ができた!

2014.12.15 Vol.632

 今年最後のリスナー感謝ウイークの真っ最中です。初日の8日は、大阪から浜村淳さんが駆けつけてくれましたが、出演が終わったらそのまま新幹線に乗って大阪に帰っていきました。番組が終わるころにはもう静岡ぐらいまで行ってるっていう……なんだか、すごいですね。

 今年も残すところわずかです。1年を振り返ったり、来年の抱負だとか、やりたいことを考える時期になってきました。このコラムでもそれを……っていうもんで、分かりました! 「来年は横浜DeNAベイスターズを応援することに決めた」で、どうでしょう。この1年で、そのための物語ができたんです。

 4月に番組がスタートして、野球はもちろん、いろんなテーマでお話をしてきました。面白いって思うことばっかりだったけど、なかでも特に面白かったのがベイスターズ! というか、ベイスターズのファンが面白い。番組でも取り上げたけど、「ベイスターズのためにクライマックスシリーズを残してほしい」だとか、2013年のシーズンが終わってベイスターズが掲げた目標が「来年はクライマックスシリーズに行きます!」だったとか。それに対して、ファンが「オーッ!」って素直に盛り上がっていただとか……ベイスターズを取り上げると寄せられるメールが面白すぎる。 番組を一緒にやってくれる脊山さんもユニフォームを持ってるぐらいだし、面白い人はみんなベイスターズファンなのかって思います。

 子どものころから野球が好きで、地元に近いチームということで広島、好きな選手や監督がいるから中日と、いろいろ応援をしてきました。で、ベイスターズを応援しようって決めるには、面白いに加えて、もうひと押しが欲しかったんですよね。なんか、応援するストーリーが欲しくって。そこで、坪井智哉コーチなんです。来シーズンからベイスターズの一軍打撃コーチ補佐に就任が決定。これでできました、物語が!

 自分のブログにも書いたんですが、坪井コーチとはちょっと思い出があるんです。大地さんがエアギターで世界一になったというのに、ダイノジがうまく行ってなかったころのこと。ダイノジで北海道のレギュラー番組を持っていたこともあって、日本ハムファイターズの試合もチェックしていたんですが、そこで見た坪井コーチ、いや、坪井選手のヒーローインタビューがめちゃめちゃ面白かったんで、その思いの丈をブログに書いたんです。そして、優勝パレードの時。番組で中継に行ったら、坪井さんが僕を指さしていったんですよ。「ブログ、ありがとね」って……。

 阪神、日本ハム、オリックスと球団を渡り歩き、アメリカにも行っていた坪井コーチ。僕なんかのブログを読んでいてくれた彼がベイスターズに! これはもう、ベイスターズを応援するしかありません。2015年は坪井コーチを見るってことでベイスターズを応援していきますよ。今のところは面識っていってもブログの件しかないんだけど、もっと近づけたらなって思っています。

 沖縄キャンプも見に行く予定です。みんな、野球のキャンプ、行ったことがありますか? 行ったらいいよ。野球が分かんなくてもお祭りだから。行けば楽しいの。みんなで僕とキャンプを楽しもうよ。……どっかの媒体、その様子、密着してくれないかなあ。ねぇ、TOKYO HEADLINEさん…?

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)第21回 人生、山あり谷あり……大谷あり

2014.12.03 Vol.631

 THE MANZAI、決勝大会進出者が発表されました。……ダイノジが残れなかったのは残念ではありますが、気持ちはもう次に行ってます。今回選ばれたメンバー、若手も多いですが、博多華丸・大吉さんや二丁拳銃さんとかベテランもちゃんといる。大地さんには、ダイノジもまだ可能性あるぞ、腐らずにやるぞ、来年は決勝だぞ!と。もうそういう気持ち。そのためにも、42歳の老体に鞭を打って、手を抜かず、必死にやろうと思います。そうしたら来年泣けると思う。身体的じゃなくて、自分のなかで盛りあがるって意味でね。
 

 そんなことがある一方で、仕事にはいろんな広がりが出てきてます。いろいろな司会とかドラマの主演とか! また『ゴッドタン』にも呼んでもらえるみたいだし。これ、「言われたとおりにやる」ってことをしてるからかなって思います。そこに楽しみとかやりがいも感じてるしね。

 芸能界とか芸人とかエンターテインメントの世界では「言うことを聞く」ってこと、大前提なんです。自分のやりたいことをやる、自分が面白いって思ったことをやるって、すごくカッコよく聞こえるけど、これって実は空気が読めてないってことでもある。これ、『キキマス!』で各曜日のキキマスターや、ゲストにお招きした人たちとお話しするなかで、改めて気づかされたことです。ここでも、何回か書いてきました。大前提であるこのこと、振り返ってみると、ターニングポイントになってます。以前読んだインタビューで、さまぁ〜ずさんも言ってました。売れた理由は台本通りにやるようになったからだって。

 例えば僕、改名して、大谷ノブ彦になりました。『いいとも!』にも出ていた開運アドバイザーの安斎勝洋先生とご一緒したことがあって、ちゃんとお金を払ってお願いしたものです。それまで改名とかそういったものはまったく信じてなかったんですけど、出口が見えなかったり、プライドが高すぎるだとか、思いあたることがたくさんあったし、大地さんがエアギターで世界一になったにも関わらずうまくいかなかったのも全部、僕のせいだって思ってて。とりあえず、改名したほうがいいよっていうのを信じてみたんです。

 それから変わったかっていうと、変わった。だけど、それは改名したから変わったんじゃなくて、僕自身が改名をするという人に変わったからなんですよね。神社に行ったのにいいこと起きなかったって平気で言っちゃう人、いるじゃないですか。そういう合理的な発言も分かるけど、やったらいいよ、行ったらいいよっていうのをやった人にはいいことが起きるもの、夢も叶うものなんです。

 でもそういうターニングポイント、その時は分からないもんなんですよね。だいたい3年ぐらい後に振り返って答え合わせで分かるもの。これがあったからこそ、今がある。あれがあったからこそ今の自分がある。そういう因果関係はほとんど後付けです。もっと複雑で濃厚で緻密で、詳細な出来事の集合体で人生ってできているものだから。

 来週8日から、今年最後のスペシャルウイークが始まります。番組では『キキマス!人生劇場 人生は山あり谷あり大谷あり』と題して、浜村淳さん(8日)、板東英二さん(9日)、坂上忍さん(10日)、そして僕がオールナイトニッポンでアシスタントを務めた華原朋美さん(10日)を生放送でスタジオにお招きして、それぞれの“山あり谷あり大谷あり”を伺っていきます。みなさん、いろんなことを乗り越えてきた方々だから、いろんな話、聞けるんだろうなあ。

大谷ノブ彦 カタリマス!第7回 僕の役割は「なぜ素晴らしいのか」を伝えること

2014.11.23 Vol.631

 12日のコラムでは、番組にお招きしたCMプランナー澤本嘉光さんのお話が目からウロコだったということを書きました。みんながスマホを持っていてradikoというアプリがある今は、歴史の中で最も多くの人がラジオを聞けるハードを持っている時代だと言われたことで、僕が持ってたラジオのイメージであるとか、よく耳にするラジオを聞く人が少なくなってるっていうネガティブな意識を覆してくれたんです。

 それから考えていたのは、どうしたらラジオを聞いてもらえるのか、アプリをインストールして、それを立ち上げてくれるのかってこと。そんなふうに思ってもらうためには何ができるのか、自分の役割ってなんだろうって。それで思ったのがレコメンド。しゃべって見方や解釈の仕方を紹介すること、それなんじゃないかな。

 僕、人に何かをオススメするとか何かについて話すっていうのが好きだったみたいなんです。僕が通っていた高校は進学校で、放課後みんな残って勉強してるような学校でした。女の子と話すことなんてなかった高3の時、女の子に日本史を教えてって言われたんですよ。ドキドキしながら「この人は、昼ドラにおけるなんとかですわ……」って、ミニコントというか、物語調で話したらすごく評判が良くてね、次の日もやってって言われたんです。初めて女の子に求めれられて、調子に乗って、それからはそのために準備をしたりしてね。それが今につながっています。

『キキマス!』には毎日、僕が音楽を紹介する「大谷レコメンド」というコーナーがあります。レジェンド、若手、音楽の国籍とかジャンルなどにこだわらず、僕がオススメしたい楽曲を紹介するコーナーで、いつも熱を持って、なぜその曲が素晴らしいのかをお話しています。

 作品を手に取るうえで重要なのが批評やレビューです。いろんなレビューがあふれているなかで大切なのが勧めてくれる人のパーソナリティーだったり、レコメンド能力の高さだと思います。情熱があって、愛情があって、情報量がある。そういうこと。

 僕がレコメンドをするうえで興味があるのは、どうしてその曲がすばらしいのか、どうしてその曲が愛されるのか、またなぜヒットしているのかというところ。「それは批評じゃない、レビューじゃない」って批評もありますけど、売れ線だからダメだっていうようなものとか、ただ否定すればいいっていう価値観、今はもう響かないんじゃないかなって思います。

大谷ノブ彦 カタリマス(裏)
第19回 澤本嘉光さんの話で燃えあがるラジオ熱

2014.11.12 Vol.630

 目からウロコ。『キキマス!』をやっているなかで何度もこんな瞬間を経験してきましたが、今回はすごかった。CMプランナーの澤本嘉光さんの話です。澤本さんは、ソフトバンクの犬のお父さんだとか、東京ガスの『ガス・パッ・チョ!』などを手掛けた方で、10日に番組に来てくれました。

 CM作りや今のCMを取り巻く環境など、短い時間のなかで、いろいろお聞きしました。CMを飛ばしてテレビ番組と録画できる機能があるからこそ、見たいと思ってもらえるCMを作ろうとしているという話。またACC CM Festivalの話も出ました。澤本さんは、ラジオCM部門審査委員長を務められていたということもあって、ラジオCMの魅力、さらにはラジオの可能性へと話は広がりました。

で、澤本さん、「今って実は、過去最高にラジオを聞くハードが普及している時代だ」っていうんです。ラジオが聞けるアプリ『radiko』があって、スマホを持つ人も増えている。ラジオを持っていなきゃ聞けなかった時代と比べたら、今のほうが、ずっとラジオを聞きやすい状況でしょって。どこに行っても、「ラジオを聞く人がいない」って話になることが多いなかで、はっとさせられました。僕はもちろん、番組スタッフも含めて。

 もうすでにみんな分かってることだと思うけど、スマホはエンターテインメントの中心になってます。音楽を聴く時間も、映画を見る時間も、テレビを見る時間も、本やマンガを読む時間がすべてカットされて、その分がそのままスマホに移行しているとも聞きます。ラジオだってそれに含まれてます。だったら、そういう楽しまれ方のなかに入っていかないと。そこで、何ができるのか、何してったらいいのか、それを考えよう、やろうっていう。毎日、いろんな方からお話を伺っていますが、こういう出会いがあるから、面白いんだよなあ。

 実はこれ、お笑いも例外じゃないんですよね。スマホでネタを見るとしたら1分ぐらいが限界だと思うと、レッドカーペットが象徴的だったなあ。だけど、ダイノジは10分なんです。10分なら必ず笑いがとれるし、自分で言うけど、いい漫才すると思う。今、THE MANZAIで4分のネタをやるわけだけど、それでさえ難しいです。きっと僕らだけじゃなくて、他の芸人も感じてることだと思います。そうしたお笑いとスマホとの相性の悪さがあるなかで、どう折り合っていくか。劇場に来る人がスマホを持ってる、それにどう関与するか。より考えなきゃいけないなあって思います。

 10日の放送終了後のスタジオでは、僕もスタッフも残って、話が止まりませんでした。いろいろ考えて、またこのお話したいですね。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 第18回 大きな声で好きって言えない、汁とイモ

2014.11.06 Vol.630

 当てました、2日の天皇賞・秋! スピルバーグ!番組リスナーの方に2万6000円をプレゼントさせていただきました! 『キキマス!』のディレクターが、僕の予想でずっと馬券を買ってたらしいんですが、なぜか今回だけは買わなかったと悔しがってますよ。だから、ブレちゃだめってこと!……でももう、当たらないと思いますけどね。

 さて、そんないいニュースで始まった今週の『キキマス!』。火曜日は、キキマスターのマキタスポーツさんと一緒に、熱い“汁”トークでした。“汁”といっても、おでんの煮汁だとか、サバの味噌煮缶の汁だとか、そいういう“汁”。番組でも、おでんの煮汁を翌日カレーにするように、“汁”のリミックス話で盛り上がり、メールもたくさんいただきました。もちろん、僕も大好きです。男は汁で白いメシを汚してこそ。いい男の条件だと思いますよ。

 汁好きって大きな声では言いにくいですけど、僕にはもう一つ“大きな声では言えない問題”があります。それがサツマイモ。サツマイモが大好きだ、一番好きだって、なかなか言えなくないですか。女性には好きな人、多いみたいですけど、僕が言うとなんだか子供みたいじゃない? 

 実は最近、サツマイモが尋常じゃないぐらい好きだって気付いちゃったんです。例えば、天丼であと一品って時は、必ずサツマイモの天ぷら。蒸しパンにサツマイモが入ってるのあるでしょ。あれ、サツマイモが好きじゃない人は、なんでこんなのあるんだ?って思うだろうけど、僕はあれを、こっそり買ってる人。芋ようかんとか芋きん、羽田空港でも買えるってことを知って宝物見つけたって思いましたね。

 なぜ、こんなに好きなのかって考えると、小学生のころにさかのぼります。

 僕は、かあちゃんの妹に育てられたんです。その姉ちゃんはバスガイドをしていて、全然しゃべらないし、人の家にも上がれないような子どもだった僕が、今みたいに話せるようになったのも、その姉ちゃんのおかげです。
 

 それで、その姉ちゃんが、おやつに出してくれたのがサツマイモ。短冊状に切って素揚げしただけだったけど、これがすごいうまかったんです。ただ、うまいものを「うまい、うまい」っていうのは下品だって思ってたから、その時は素っ気なく食べたんです。心のなかでは「こんなうまいもんない!」って思いながら。別の日、おやつは何がいい?ってお姉ちゃんが聞いてきたとき、僕は「うーん、なんだろうね、この間の……芋? なんだっけ? 芋、あの軽く揚げた、あんなのでいいんだけどねー」って、時間をすごくかけて言うわけ。心の中では、めっちゃ食べたいのに。そしたら姉ちゃんが「あんた、サツマイモ超好きなんだね」って。気づかれてたんだよね。すごく恥ずかしかったです。この話、サツマイモが旬だって聞いて、数日前に思い出しました。

 本当に僕、サツマイモが好きなんだなあ。

大谷ノブ彦 カタリマス!第6回 芸人”愛”じゃなくて、芸人”熱”

2014.10.27 Vol.629

 先週の『キキマス!』はスペシャルウイーク。日本の音楽史を彩るレジェンドに登場していただきましたが、初日20日は小林幸子さんがゲストでした。ネット上では、“ラスボス”なんて言われて大人気。新しいことをどんどん吸収していく、その柔軟性、しなやかさ、バイタリティーには、学ぶところがいっぱいあります。

 小林さんは、ニコニコ動画だとか、コミケだとか、やってみたらって言われて乗ってみて今の状況になった。歌をやる、演歌だからって留まっていたら、今の輝き方、いろんな形で解釈してもらえるようになることはできなかったんじゃないかなって思うんです。僕も、ラジオを始めて、「昼もできるよ!」って言われて『キキマス!』をやってるわけで、みんな人から言われてやってみた。「肩書きって人から“つけられる”ものなんだ」って『キキマス!』でマキタスポーツさんが語ってたけど、僕には“LFが生んだナルシストラジオDJ”という肩書きがついた。僕に何が向いているのか、それは人が決めればいいことなんだって思うんです。

 人が提案してくれたこと、肩書きに、乗れるか乗れないか。この違いは“愛”か“熱”だって思います。愛、例えば、芸人“愛”だとか映画“愛”。すごくいい響きだけど、“愛”って縛るんだよ。「芸人とはこうじゃなきゃいけない」「映画とはこういうものだ!」とかね。そこから広げることを許さない。若手芸人で「…なんか、俺のやりたかったことじゃない」っていう奴もいるけど、そういう奴で自分がやりたかったことをやる奴なんて見たことないし、絶対やめるんだよ。そんな“愛”に縛られてるのを「ブレてない」っていう人もいるけど、それってそんなにかっこいいかな。

 それに対して“熱”は広がっていくもの。閉じ込めたりしないし、伝染もしていく。芸人なのに絵を書いているだとか、芸人なのにDJをしてるだとか、“愛”ある人には痛い奴って思われちゃうとは思う。だけど、“愛”ある人たちのコミュニティーのなかで留まってるよりも、そこから広がっていったら、やり続けてたらどうなるんだろうってやってくほうが面白いと思うし、より広く伝わっていくと思うんです。だから、僕は、芸人“愛”よりも芸人“熱”だと思う。そう思ってやってます。

 最近、ある人から、いい顔をしてるって言われたんです。もちろん、男前だとかそういう意味じゃなくて、だけど。“愛”よりも“熱”をやり続けているからだと思う。だから、これからも、“熱”なんです。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 第17回 チームスマイル・豊洲PITで俺のグッドタイム

2014.10.22 Vol.628

 今週20日から、『キキマス!』ではスペシャルウィークが始まっています。「忘れられぬミュージック! 波乱万丈我が人生に名曲あり!」と題して、日本の音楽史を語るうえで欠かすことができないレジェンドをお招きして、それぞれの「忘れられぬミュージック!」とともに、お話を伺っています。

 初日には小林幸子さん、そして昨日は加山雄三さんに来ていただきました。お二人の最近の動きを見ているとすごいというか、感銘を受けます。小林さんはニコニコ動画で人気爆発して、コミケ行ったりとか、これまでとはまた違った輝き方をしている。加山さんも若いミュージシャンを引き連れてライブを行っていたり、お二人とも新しいことに挑戦してらっしゃる。それも、楽しんでやってらっしゃるんですよね。そのしなやかさ、バイタリティーから学ぶところがいっぱいあるなって思いながらやってます。今日22日は大竹しのぶさん、南こうせつさんが、そして明日23日は谷村新司さん、森山良子さん、布施明さんがみなさん生出演してくれます。

 番組では同じテーマでリスナーのみなさんから、人生のグッドタイム、またはバッドタイムを彩った楽曲のリクエストを受け付けています。毎日いろんなエピソードとともに、たくさんのリクエストをいただいているんですが、ここでは僕の話を少しさせてもらおうかな。

 先週末、豊洲に新しいライブハウス「チームスマイル・豊洲PIT」が誕生しました。そのオープニングとして、ウカスカジーやゲスの極み乙女、キマグレンが出たライブイベントがあったんですが、そのアフターパーティーにDJとして呼んでいただきました。会場はライブハウス横のフットサル場だったんだけど、僕らが出てったらみんなお客さんが座ってたんです。「俺らと一緒に30分間ウソやりましょう、パーティーしましょう」って、お客さんを強制的に立たせて、「空撮してるぞー」とかあおって、やったんです。そしたら、徐々にみんな踊りだして、オアシスの『ドント・ルック・バック・イン・アンガー』をかけたら、全員で熱唱。終盤ふと後ろのほうを見たら、ミスチルの桜井さんや鈴木さんも来てたし、ゲスの極み乙女。のメンバーもキマグレンもみんな踊ってました。終了後、桜井さんが「DJ ダイノジ、最高!素晴らしい!」って抱きしめてくれました。「音楽好きじゃなきゃできないよ」って。アーティストにそれを言われるって……。最高のグッドタイムでした。

    
 ちなみに、「ミスチルの忘年会出てよ、年末どうですか?」って!!! そりゃ、行きますよ、もちろん、ノーギャラで参加させてください!

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 第16回 芸歴20周年のお祭りで「衝撃」との邂逅

2014.10.15 Vol.628

  3連休、ダイノジは芸歴20周年の祭りを楽しんでました。11日に記念ライブの『吉本東京ダイノジ寄席』、そして13日にトークライブ『ダイノジのキスで殺してくれないか』。13日は台風が来ていたんですが、いろんなイベントが中止されるなかで、「みんな、中止を決定するの早すぎないか?」なんて思うところもあって決行。来てくれた人、楽しんでもらえたかな。

 2日とも、豪華な面々に出ていただきました。ライブは、中川家さんに、タカアンドトシ、そして次長課長。トークのほうには、品川庄司に、イジリー岡田さん。いうなら、“豪華なメンバー頼り”の2日間です。

 ずっと知ってる品川庄司、『キキマス!』を通じて知り合ったイジリー岡田さんも豪華ですが、『吉本東京ダイノジ寄席』に関しては、ダイノジ、そして僕にとって衝撃を与えてくれた人に出ていただきました。ターニングポイントとなった人たち、ともいえるかもしれない。

 中川家さんは、漫才師として一番尊敬している人。いつだったかなあ、舞台に出てから30分ぐらいネタに入らないっていうのをやってて。あれを見た時に、「これ、ジャズだ!」って、衝撃を受けた。テレビでもしっかりと見せてくれるけれど、生、ライブでの中川家さんのスゴさって、言葉や活字では表せないものがあります。

 タカアンドトシは、僕らがピンチだったときに北海道のローカル番組でレギューラーくれたこともあるし、教えられることがいっぱいあったかな。あれはペナルティのヒデさんの結婚式だったかな、タカが急に行けなくなったことがあったんです。昔、僕は芸人の集まりとか行かなかったし、行かないつもりだったんだけど、「絶対、行ったほうがいい」って説教されたの。普段行かない人が行くから面白い。面白いことなんて言おうとしなくていい、行ってお祝いするだけでいいんだって。芸人ってどうしても面白くありたいって思うけど、そういうことやらない人が行ってただはしゃいでる。それが面白いんだって。『キキマス!』でも、このコラムでもよく言ってることだけど、「当事者でいれば何かが起きる」ってことを教えてくれた。それを邪魔する芸人のプライドなんて脱ぎ捨てろ、そういう闘いもね。

 そして、次長課長さん。ブレークのきっかけになった『細かすぎて伝わらないモノマネ選手権』、自らオーディションを探し当てて行ったのは有名な話。「こういうオーディションがあるけど…?」って誰か、例えば会社とかが言ってくれるのを待っててもダメで。向こうは面白い人を待ってるんだから、自分から行かないとって。『細かすぎて〜』のオーディションに自分たちも行くようになって、それがきっと、のちの『めちゃ2イケてるッ!』のオーディションにつながっていったんだと思ってます。

 楽しかったなあ。芸歴20周年のお祭り、いろいろやってきてますけど、毎回感じることがあります。それにこれで終わりじゃなくて、地方でのイベント、DJなど、年末まで続いていきます。……楽しいことしかないな。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)第15回 カッコいいのは、笑われることを恐れない愚直さ。

2014.10.08 Vol.627

 まだ、ジーンとしています。みなさん、見ましたか? 森脇健児さんの走りを。キキマスターの森脇さん、4日に放送された『オールスター感謝祭』の赤坂5丁目ミニマラソンで4位入賞。「5位に入れなかったら引退」と明言していらっしゃったので、引退は回避されました。

 あの日、僕も赤坂にいました。小田原で仕事があって戻ってきても間に合うかどうかっていうスケジュールだったので、応援には行けないだろうなって思ってたんです。でも、行ったんですよね。先週水曜の放送で森脇さんとこのマラソンの話をしたんですが、その時の森脇さん、切腹を決意したような男の顔をしていたんです。それもあって僕は、やっぱり目撃者、体験者にならないとって思った。もしかして到着できないかもしれないけど赤坂へ行こう、最初から行かないってするよりも、とりあえず行こう、そう思ったんです。

 僕が到着したとき、すでにリスナーが集まっていてくれました。「みんなで応援しよう」という呼びかけに集まってくれたんです。なかには3時から待ってたなんて人もいました。『キキマス!』のオレンジ色のコートを着て、垂れ幕やのぼりを掲げ、森脇さんを待ってました。その姿を見た時、ジーンとしたし、なんだかおもしろくなっちゃってね。だって、赤坂5丁目ミニマラソンって、番組のなかの一つのコーナーなんですよ。それにも関わらず、それだけたくさん人が集まって盛り上がっていることが面白くて。一人ひとりを見ていると、それぞれの人生が見えてきたりもしてね。

「森脇、頑張れ!」「森脇、引退させねえぞ!」。そんな声援を受けながら走る森脇さんを見ながら、僕は、森脇さんとの出会いを思い出してました。まだ『オールナイトニッポン』をやってたころに、番組を聞いてメールをくれたこと。そこから、森脇さんのことを話すようになったこと。今では、この『キキマス!』で毎週水曜日に一緒に出演しています。仕事がないから走り続けたことだとか、『オールスター感謝祭』のマラソンのために赤坂の心臓破りの坂と同じ角度の坂道がある場所に家を買っただとか、異常な世界にひたって没頭している。そういう人って面白いんだよなあ。今田耕治さんの「沿道の歓声すごかったですね」って呼びかけに、「ボディーにきた!」だとか、「……は嘘つかない。……は嘘つかない」。たぶん、……のところは努力とかだったのかな、想いを伝えたかったんだろうね、焦っちゃって早口になってしまって全然分からなかった。ボケてもいないし、それがおもしろくなるだろうとか本人は全然思ってなくて、愚直そのものなんだと思う。のめり込んでいる人、特有の面白さなんだろうな。でもそれでいいんだと思う。それを、腕のある人が笑いに変えて行くんだよね。感動で号泣のきよし師匠の「吉本へ来い!」ってコメントもそう。面白いよなあ。

 笑われることを恐れない愚直さって、かっこいいですよ。自分も走ろうと思いますよ、この人生を。……ランニングってことじゃなくてね。

 8日の『キキマス!』は、森脇さんがキキマスターとして登場します。

大谷ノブ彦 カタリマス!第5回 「文化を嗜むよりも合理性が勝る」?

2014.09.29 Vol.627

 先日の放送(22日)で、車を特集しました。車を買う人が減っているというのはよく聞く話で、若年層ではそれが顕著になっています。番組中、鮫洲運転免許試験場の前で試験場から出てくる人にインタビューしたんですが、車を持っている人、いなかったですね。

 なぜ、こうなってしまったのか。番組に、自動車バラエティー評論家・小沢コージさんに来ていただいてお話を聞くなかで、いろんなものが腑に落ちました。車はもちろん、タバコやお酒、たぶん音楽もそうだけど、そういう嗜好品とされるようなものが切り捨てられていくような傾向は、「文化を嗜むよりも合理性が勝る」、そういうところにあるんですね。

 車を買うなら機能と合理性。これって、みんながとりあえず車を買っていた時代と一緒というか、地方で車に乗っている人たちと同じような感じじゃないですか? 今、車を持とうとすると、駐車場だとか、高速代だとか、車をちょっとだけとめておきたいだけなのにとめられないとか、面倒なことが多くて、便利な面よりも不便さが多くなってきてしまっています。それでも、車を持ちたいと思ってもらえるように説得するのは本当に難しいと思います。

 それで思ったのが、最近売り上げが伸びているアナログレコード。いま車を買うって、これと重なるんじゃないかな。配信だとかCDだとかより合理的なものがあるなかで、あえてアナログを買う。これって、カルチャーとして受け止めてるからだと思います。不便さゆえに奥行きがある、それを味わう。他人は「なぜ買うの?」「で、それって何」っていわれちゃうもの、言いかえれば、無駄とされちゃうものかもしれないけど、そういうのがカルチャー。車を持つという物語、語る余白のある車も、同じじゃないでしょうか。

 この話、「芸人のボケはいるかいらないか」問題にもつながってきて、身につまされます。ボケはいらない、リアクションだけしてくれればいい。ボケ処理の時間が無駄、合理的に情報だけ伝えてくれよって。ただ、その無駄とされる部分、余白から出てくる豊かさに人生を変えられた側としては、いろいろ考えてしまいます。

 カルチャーとして車を持つ。もっとそうなってもいいと思うんだけどなあ。僕が車を持つとしたら、そういう側面でのことになると思います。「家族で移動するための大きな車」っていうのでは、僕のライフを彩ってくれないような気がします。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)第14回 ハワイに行きたい

2014.09.24 Vol.626

 箱根に行ってきました。23日、仙石原で『キキマス!』の公開生放送をしました。放送も楽しかったんですが、夜はそのままスタッフと一緒に箱根に留まって、旅気分を味わってきました。箱根って都心からも近いし、親しみのある場所。僕もそんな多くはないけど何回か行ったことがあります。最初はデートで。温泉に行きたいねって当時の彼女と行きました。そのころ、小田急線沿線に住んでいたから行きやすいっていうのもあったし、何よりもあのロマンスカーに乗りたかったんですよね。公開生放送には、連休最終日だったのもあって、たくさんの方に来ていただきました。ありがとうございました。

 旅は好きです。今は、うれしいことに、漫才やDJで日本各地いろんなところに行かせてもらっています。僕にとっては、それも旅なんです。仕事ではない旅もあります。計画を立てていくこともありますし、思い立って衝動的に旅に出ることもあります。例えば、あれは、ちゃんと稼げるようになったころだったから、2001年か2002年。空港に行ってその場でチケットを買って北海道に行ったことがあります。特にこれをやるってこともなくて、競馬だったか……パチンコだったかな。そこで勝ったら小樽に行こうっていって、小樽へ。加藤浩次さん(小樽出身)が行っていたっていう店に行ってみたりしました。そういうの、多いかもしれないな。仕事で大阪に行っても、ダウンタウンさんが食べてたっていううどんを食べて「これなんだー」って。この間、一番おいしいものは何かっていう回で書いたこととかぶりますけど、そういうのが加わるとぐっとおいしくなっちゃいますよね。

 旅の仕方もいろいろありますけど、僕はあまり計画を詰め込まない質です。「あそこも行きたい」「こっちも行かなきゃ」って観光地に行ってみるのは「あの写真と同じだ!」って確認作業をしているような気がしてしまう。なんかそういうんじゃないんだよなあ。僕は何もしなくていいんです。予定を立てるにしても、1つか2つで十分。これをやるぞ!って目的があった旅は、函館で朝の市場でイカを食べるっていうやつぐらいです。月曜の放送でした車の話じゃないけど、旅も合理的にするもんじゃないと思う。少なくとも、僕は休みに行くんだから。

 休みっていえば、そろそろ、お正月にハワイに行きたいですね。相方の大地さんはすごく言ってます。ハワイで何をしたいとか特にないんですけど、正月にハワイに行くってことが、どんな感じなのか体験してみたいなって。空港でワイドショーのリポーターに取材されてみたいんです。とにかく行ってみないことには、正月にハワイに行くことについて話をするにしても、「…でも、行ったことないんだけどね」っていうんじゃ、全然、伝わんない。行かないと、分かんないじゃないですか。
 

 とはいえ、次の年末年始ももうすでに仕事を入れてしまっているのでハワイは難しそうです。でも、いつか必ず行ってみたいですね。

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