武尊「K-1チャンピオン同士が戦えば最高の試合になる」
K-1実行委員会が12月7日、会見を開き「K-1 WORLD GP 2018 JAPAN ~K’FESTA.1~」(2018年3月21日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ・メインアリーナ)の第一弾カードを発表した。
同大会はK-1が現在の新体制になって以降、最大規模のイベントのなることからカード編成が注目されていたが、この日はタイトルマッチ7試合とスーパーファイト1試合が発表された。
中でも注目はフェザー級王者の武尊が階級を上げ、王者の大雅に挑戦するスーパー・フェザー級タイトルマッチ。
この2人、2014年11月の新生K-1旗揚げ戦で対戦。武尊が劇的なバックブローでKO勝ちを収め、2015年4月に行われた「初代K-1スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」では決勝でぶつかり、武尊が判定勝ちで初代王者に輝いた。
武尊は人生のターニングポイントでことごとく大雅を破り、その地位を盤石にしてきた。
一方、大雅にとってはその逆。大一番で2連敗を喫したことで大きな回り道を余儀なくされてしまった。武尊との2度目の対戦の後、痛めていた拳の治療のため休養に入り、階級を上げ戻ってきたが、その初戦で敗れるなど紆余曲折あった大雅だったが、スーパー・フェザー級の戦いに慣れるにつれその実力を発揮。「日本代表決定トーナメント」で優勝を飾り、「世界最強決定トーナメント」でも準優勝。その実績をひっさげ時の王者・卜部弘嵩に挑戦し、判定勝ちを収め、第3代王者に輝いた。
階級が変わったことで戦うことはないと思われた2人だったが、大雅の頭の中には常に武尊へのリベンジがあったようで、今回、K-1側からの武尊戦のオファーを快諾。
武尊も「僕はメインイベントじゃないと『K’FESTA.1』に出る気はないし、そうなったときにふさわしいカードは何なんだろう?と考えた時、K-1チャンピオン同士が戦えば最高の試合になると思いました」とこのカードに至った経緯を話した。
そして「僕はずっと新生K-1を引っ張ってきて、一緒にやってきたのが旗揚げ戦で戦った大雅です。その大雅と『K’FESTA.1』で戦えることはうれしいです。過去の試合では僕が2回勝っていますが、あの時とは別人だと思っているし、自分と戦ったあともずっと大雅のことは意識していました。この試合を組んでもらって、そして大雅が受けてくれて感謝したいと思います。絶対に勝ちます」と話した。
一方、大雅は「ずっと武尊選手とやりたいと言っていて、負けた日からずっと忘れたことがないです。今日試合が発表されて『やっときたな!』って気持ちです。スーパー・フェザー級でチャンピオンになりましたけど、直接(武尊に)勝たないと、ずっと(武尊の)下にいることになると思うので、しっかりこの壁を越えて、本当のチャンピオンになりたいと思います」と応じた。
大雅の「嫌い」発言に武尊が「3回目もぶっ潰す」
しかし質疑応答のなかで大雅が「武尊選手はずっとK-1を引っ張ってきて尊敬する選手です。でも嫌いです」と発言。この言葉に武尊の表情が一変。「僕は相手のことを尊敬しているし、今回はクリーンな気持ちで挑もうと思っていましたが、今の一言でスイッチが入りました。3回目もぶっ潰して、二度と“武尊”という名前を出せないようにしてやろうと思います」と言うと大雅も「2回やられているんで、次は倍返しにしてやります」と返し、一気に両者の間に緊張感が走った。
武尊が勝てば前人未到の3階級制覇となり、最高の舞台で「K-1の顔」であることを天下に知らしめることとなる。大雅はここで勝てば過去2回の敗戦を帳消しにするくらいのインパクトとなるが、負ければまたも武尊の踏み台となってしまう。「二度あることは三度ある」のか「三度目の正直」か。3月まで2人の言動から目の離せない時間が続きそうだ。