ケージで行われる総合格闘技『VTJ 6th』が4日、東京・大田区総合体育館で開催された。メーンでは「VTJフライ級トーナメント」決勝戦が行われ、扇久保博正がシーザー・スクラヴォスを5R3-0の判定で下し、優勝を飾った。
扇久保は1Rこそスクラヴォスにバックを許した場面もあったが、そこをしのぎ反撃に出て以降は、スタンド、グラウンドのどの局面においてもスクラヴォスを圧倒。ジャッジも50-45が1人、49-46が2人という完勝だった。
扇久保は試合後「このトーナメント優勝したらUFC行けるかなって話をもらったんですけど、まだもう一つだけ日本でやり残したことがあると思うんで、国内でこのフライ級にもう一人強いチャンピオンがいると思うんで、もしできるなら僕と戦って勝ったほうがUFCへ行くってのはどうでしょうか?」とアピール。その“もう一人強いチャンピオン”というのはDEEP王者・元谷友貴のこと。今後の成り行きに注目が集まる。
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10・4『VTJ 6th』宇野薫が11連勝中の未知の強豪と対戦
ケージで行われる総合格闘技『VTJ 6th』(10月4日、東京・大田区総合体育館)のカードが続々発表されている。21日には宇野薫の対戦相手がラージャ・シッペンに決まった。シッペンは米カリフォルニアのXFSの現王者。日本では無名だが、現在11連勝中で、そのほとんどがKOまたは一本勝ちというアグレッシブなファイターだ。
宇野は現在39歳。続々とニューフェイスが登場する格闘技界だが、現在6連勝中とまだまだその実力に陰りは見られない。堀口恭司、佐々木とVTJからUFCへ参戦する選手が続くが、宇野も狙うは3度目のUFC参戦。年齢的にも一度負けたらもうおしまいという崖っぷちの戦いが続くが、その緊張感というスパイスがただでさえ面白い宇野の試合をよりいっそう面白いものにしているのだ。
24日には修斗ウェルター級王者・弘中邦佳vsキム・ドンヒョン戦も発表。UFCで活躍中のキム・ドンヒョンとは同姓同名で所属ジムも同じ。少々ややこしいがこちらも21戦13勝5敗3分という強豪だ。
宇野同様、UFC復帰を狙う弘中だが、今年3月にISAOにTKO負けを喫しており、連敗は許されない。
宇野、弘中ともに無名の強豪というリスキーな戦いとなるが、ベテランの生きざまをまざまざと見せつけてくれるに違いない。
“修斗のカリスマ”佐藤ルミナ引退
総合格闘技・修斗のカリスマともいわれた佐藤ルミナが5日、東京・後楽園ホールで行われた「プロフェッショナル修斗 25周年記念大会」で引退式を行い、約20年の現役生活にピリオドを打った。
引退式にはルミナが修斗を学んだ木口宣昭氏、対戦を希望していた中井祐樹氏、ともに“修斗四天王”といわれた桜井“マッハ”速人、エンセン井上、王座をかけて戦った五味隆典といった格闘技界からはもちろん、タレントの関根勤氏、作家の夢枕獏氏といった異業種からも多くのゆかりのある人たちが駆けつけ、その引退を惜しみ、またこれまでの功績を称えた。
ルミナは最後に「ここまで続けられたのは、応援してくださったみなさん、家族、練習仲間、そういったみなさんのおかげだと思っています。修斗はこれからもまだまだ続くものだと思います。今後とも修斗、そして佐藤ルミナをよろしくお願いします」とあいさつし、10カウントゴングを聞いた。
『VTJ 4th』高谷が復活の1R KO勝ち 宇野は3連勝
ケージで行われる格闘技イベント『VTJ 4th』が23日、東京・大田区総合体育館で開催され、メーンでDREAMフェザー級王者の高谷裕之がパンクラスフェザー級3位の内村洋次郎を1R1分27秒、TKOで破り、MVPを獲得した。
高谷は昨年6月の「VTJ 2nd」以来の参戦。そのときは、ダニエル・ロメロに1RKO負けしたが、今回は実質、右フック一発で試合を決め、らしさを見せつけた。
試合後は「まだまだ日本の格闘技、俺が盛り上げていくんで、また見にきてください」と復活をアピール。また高谷は大会MVPに選ばれ、賞金100万円を獲得した。
セミでは現在VTJで連勝中の宇野薫がジェシー・ブロックとの業師対決を制し、3連勝。格闘家人生最後の目標といっても過言ではない、3度目のUFC参戦に大きなアピールとなった。
この日から始まった「VTJフライ級トーナメント」は1回戦4試合が行われ、カナ・ハヤット、扇久保博正、シーザー・スクラヴォス、神酒龍一が勝ち上がった。
なかでも現修斗世界王者と元パンクラス&DEEP王者の対戦とあって注目を集めた神酒vs前田吉朗戦は1Rから激しい打撃戦を展開。しかしそのなかでもタックルからのテイクダウンも織り交ぜた神酒がポイントを稼ぎ、判定で勝利を収めた。
VTJ 3rd 藤井惠が引退試合で無念のドクターストップ
ケージで開催される総合格闘技『VTJ 3rd』が5日、大田区総合体育館で開催された。
メーンでは“秒殺女王”の異名を持つ藤井惠がジェシカ・アギラーとの引退試合に臨んだが、目の負傷により2R終了時点でドクターストップのTKO負けとなり、有終の美を飾ることはできなかった。
1Rからお互いジャブで距離を図る。ジリジリと距離を詰め、タックルに入った藤井の右目にアギラーの指が入ってしまう。ドクターチェックを経て試合再開。
その後も恐れずに踏み込んでパンチを放つ藤井だが、迎え撃ったアギラーの指がまたも右目に…。
藤井が試合後「1回目は軽く、2回目は奥に入ってしまった」と語る通り、大きなダメージを受けてしまう。右目の回復のためインターバルが取られたのだが、時間が経てば経つほど腫れ上がる右目。目薬をさすなどして治療を続け、長い長いインターバルを経て試合が再開された。
試合後「最初は様子を見ようと思ったが、藤井が積極的に来たので私もこたえた」とアギラーが語ったとおり、思わぬアクシデントがありながらも両者のファイティングスピリットには少しの陰りも見られない。
1R後のインターバルでも治療が行われたが、時間が経つにつれ右目のコンディションは悪化するばかり。視界が悪いことからパンチをもらうという悪循環で2R終了時点で右目はほとんど見えない状況になってしまった。
懸命な治療が行われたが、試合続行は危険とドクターが判断し試合を止めた。
引退試合ということで「応援シート」も設けられ、多くのファンが詰めかけた。「最後まで戦うことができなくてすいません」と挨拶する藤井に会場から「ありがとう」「おつかれさま」というねぎらいの声が掛けられた。