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小松台東 | TOKYO HEADLINE
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あらゆるものをのみこんだものが舞台芸術である 小松台東『消す』

2018.05.14 Vol.706

 作・演出家の松本哲也の一人劇団である「小松台東」。その作品は松本の出身地である宮崎を舞台に、これまでの公演はすべて宮崎弁で行っている。いわば「現代“宮崎弁”演劇」。

 扱う題材は田舎の日常のなにげない出来事なのだが、強い物語性から脚本への評価も高く、最近では松本は外部公演、テレビドラマなど脚本家、演出家としてひっぱりだことなっている。

 そんな松本が劇団としては2年半ぶりに新作を書き下ろした。

 今回は誰かを言い訳にして生きる人々の物語。とにかくみんなが誰かのせいにする。そして田舎であるといったことも言い訳のひとつ。「こんなはずじゃなかった」「あいつが悪い」と言いながらもそれがいつまでも通用することもないことは実はみんな分かっている。そんな中で懸命にもがく人たちの生きざまがやるせないほどの苦笑いとともに描かれる。

 松本は2年半ぶりの書き下ろしということについて、自身の好きなプロレスを引き合いに「レスラーに例えるなら海外武者修行を経て鍛えられ、満を持して帰ってきた感じ」と表現。二流のレスラーはたいがいそういう時にポカをしでかし早々に二度目の海外修行に出されるものだが、松本の場合はそんなことはあるまい。

【日時】5月18日(金)〜27日(日)(開演は18・22・23日19時30分、19・26日14時/19時、20・24・27日14時、25日14時/19時30分。21日休演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前)【会場】三鷹市芸術文化センター 星のホール(三鷹)【料金】全席自由 前売3500円、当日3800円/早期割引(18〜20日)前売3200円、当日3500円/平日昼割引(24・25日14時)前売3200円、当日3500円/学生2000円(当日学生証提示)高校生以下1000円(当日学生証提示) 【問い合わせ】三鷹市芸術文化センター(TEL:0422-47-5122=10〜19時 [劇団HP] http://komatsudai.com/ )【作・演出】松本哲也【出演】瓜生和成(東京タンバリン)、山田百次(劇団野の上/ホエイ)、荻野友里(青年団)、山本真由美、今村裕次郎、田村優依(なかないで、毒きのこちゃん)、井上みなみ(青年団)、櫻井竜、松本哲也

劇団公演ならではの味わい 小松台東『山笑う』

2017.04.23 Vol.689

 小松台東の作品は、作・演出を務める松本哲也が自身の出身地である宮崎県を舞台に、日常の何気ない出来事を何気なくそのままに、派手さも奇抜さも特になくあくまでシンプルに宮崎弁で送る。
 本作は女手一つで兄妹を育てあげた母親の通夜の夜を舞台としたもの。母に反抗し続けていた妹が東京から帰ってくるのだが、この妹は母の闘病中に一度も見舞いに来なかった。怒りを抑えきれない兄。それを見越してか、妹は東京から恋人を同伴させる。歓迎する者、あきれる者とさまざまな反応が入り交じる中、斎場の片隅にある親族控室で、母への想いを巡り家族が激しく、そして醜くぶつかり合うのだった。

 本作は2014年に「僕たちが好きだった川村紗也」というユニットに書き下ろした作品。再演を希望する声が多く寄せられたことから今回、劇団公演として再演することとなった。

 外部への書き下ろしということで、やや“行儀の良い”作品になっていたものに荒々しさとか生々しい部分もプラス。見終わった後に懐かしく、優しい気持ちになりながらも“座りの悪さ”のようなものを感じる作品になるという。

見る者をぐいぐいと作品に引きずり込ませる世界観

2015.09.27 Vol.

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