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又吉直樹、初の恋愛小説『劇場』発売で「デートしたい」

2017.05.11 Vol.690

 又吉直樹の最新作『劇場』が11日発売され、同日、銀座の博品館劇場で、又吉本人が記者会見した。発売日を迎えて又吉は「多くの人に手に取っていただければ」と、笑顔を見せた。

 最新作は自身初となる恋愛小説だが、「どんなにうまく話したと思っても記事になると僕の恋愛が書かれているという話になっているので、慎重に話さなければと思っているんですが……」と前置きしたうえで、「僕の話です、というと嘘。どんな話でも自分の経験や見てきたものは入っているので、どちらともいえないです。主人公が僕かといえば僕ではなく、女の子側も僕でもあるし僕ではないという感じ」。
 
 作品はすでに文芸誌で発表されており、読者の感想もすでに耳に入っている。「全体的に面白く読んだというのが多いですが、登場人物に本当に怒っている人がいて。自分が書いた人物にそんなに怒ってくれたり、幸せになってほしいって思ってくれたり、作品の中に入り込んで楽しんでくださった方がいるというのがうれしいですね」
 
 作品発表時のインタビューで「恋愛がわからないからこそ、書きたかった」と言及している。「(書き終えて)恋愛はどう?」という質問には「やっぱり、分からないところのほうが多いし、難しいもんだなと思います。書いている時には自分の恋愛のことは考えられなくて、小説のことを考えていたので……デートはいっぱいしてみたいですね」と話した。

『劇場』は、成功を夢見て劇団を立ち上げた劇作家と、女優を夢見る女子大生のれない模様を描く。

 新作の予定については、「今年すぐ書き始めるかは分からないですけど、書き続けていきたい」。すでに構想や興味のあるテーマはいくつかあるとしたうえで、「小説として書き上げるのか、エッセイであるとか、コントなのか。自由律俳句として出したこともあります。人と人の関係性が変わっていくのが好き。いろんなものに興味を持って探していきたい」と、意欲的だった。

尾崎世界観が初めての小説でイベント「本は本屋で見ると感動する」

2016.07.14 Vol.670

 人気ロックバンド、クリープハイプの尾崎世界観が13日、都内で、初めての小説『祐介』(文藝春秋、1200円・税別)の刊行を記念してイベントを行った。イベント前に取材に応じた尾崎は「ずっと本屋に通っていたので、本は本屋で見ると感動する」と、笑顔を見せた。
 
 音楽で出来ていない部分と向かい合うこともあった本作。「音楽はメロディーやバンド、大きな音で表現するものなので、感情が通り過ぎていってしまうときがある。もっと書けるのにという想いもありました。もっと暴力的、性的な衝動もありますし、(小説は)そういうのと向き合うことができて楽しかった」と、振り返った。

 執筆期間については、昨年から「音楽でうまくいかないと書いていた」。また、昨年の夏には、自身の声の不調などからバンドを辞めることも考えていたそうで、「(小説で)吐き出すことで保っていた」という。次回作については「今はあまり考えていない」という。

 タイトル『祐介』は自身の本名。「世界観と名乗りだしてから、どこか切り離してしまっていたので、罪悪感があった。本にできて良かった」と話した。

 クリープハイプは、8月10日、ニューシングル『鬼』をリリース予定。

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