フィンランド大会:ハイレベルな内容と得点で強さを見せつけた羽生結弦
最強の五輪覇者が帰ってきた。羽生結弦はショートプログラム、フリースケーティングともに今シーズンの世界最高得点を記録、堂々のグランプリ初戦優勝を果たした。シーズン初戦からプログラム構成難度をより高めて臨んだ今大会。他の追随を許さないハイレベルな内容と得点で強さを見せつけた。中でも注目したいのは、ジャンプやスピン各要素の質の高さ。入りから出まで複雑なターン、ステップが組み込まれ、要素そのものも確実に決めていく。特にショート冒頭の4回転サルコウは、4.3点もの出来栄え点(GOE)を引き出した。それでも羽生は、チャレンジ精神も常に備えた男だ。フリーでは世界初となる4回転トウループ、3回転半ジャンプの連続技(シークエンス)に挑戦。やや着氷で堪えマイナス評価がついたものの、五輪連覇を果たしてもなお上を目指す羽生の姿勢が垣間見えた瞬間に会場が大きく湧いた。次戦はロシア大会。演技の完成度を高め、さらに得点を上積みできるか。引き続き注目だ。