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尾方宣久 | TOKYO HEADLINE
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MONO『裸に勾玉』さまざまな形でなされる問題提起に気づく感性が大事

2016.02.08 Vol.660

 MONOの作品は、現実にありそうな設定や普通にいそうな登場人物のキャラをちょっとひねってみたり、何かを加えることで、ありそうでなさそうな世界観を作り上げ、そこで物語が展開される。そのずれた設定のお陰で、そこで繰り広げられるおかしな会話はそのままおかしく、深刻なエピソードも「まあ、架空の世界のお話だから」とそれほど気を滅入らせることなく観客に受け入れさせる。

 作・演出の土田英生が今回選んだ舞台は弥生時代。卑弥呼が死亡する少し前、狗奴の国と邪馬台国が交戦状態になるころ。ある集落の外れに身分も低く頭も悪い三兄弟を中心とした家族が住んでいた。さしたる問題もなく楽しく暮らしていたその集落に、ある日、追っ手から逃げてきた不思議な男が紛れ込んできた。それを機に平穏な生活に波風が立ち、やがて集落の人々は“ある選択”を迫られることになるのだが…。

 あえて弥生時代という現代とは大きくかけ離れた設定にすることで、個々のエピソードのリアリティーが増し、本質があぶり出される。さりげない会話の中に挟まれる疑問や問題提起に気づくともっともっと面白い作品。

MONO『裸に勾玉』
【日時】3月5日(土)〜13日(日)(開演は5・7・9・11日19時30分、6・10・12・13日14時。8日休演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前)
【会場】シアタートラム(三軒茶屋)
【料金】指定席 一般 前売4000円、当日4500円/早期観劇割引(5〜7日)前売3500円、当日4000円/U-25(25歳以下・要証明書提示。前売のみ)2000円
【問い合わせ】キューカンバー(TEL:075-525-2195 [HP] http://www.c-mono.com/ )
【作・演出】土田英生
【出演】水沼健、奥村泰彦、尾方宣久、金替康博、土田英生、山本麻貴、もたい陽子、高橋明日香、松原由希子

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