3月30日に開催された「Krush.99」で、塚越仁志(第5代Krushウェルター級王者/K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)の引退セレモニーが行われた。
塚越は2009年デビュー、2016年に渡部太基を破り第5代Krushウェルター級王者に。2度の防衛を果たすも、昨年8月木村”フィリップ"ミノルに破れ王座陥落。引退を表明した。
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塚越は2009年デビュー、2016年に渡部太基を破り第5代Krushウェルター級王者に。2度の防衛を果たすも、昨年8月木村”フィリップ"ミノルに破れ王座陥落。引退を表明した。
K-1 WORLD MAX、Krushなどで活躍し、2月に引退を表明した山本優弥の引退セレモニーが4月10日に東京・後楽園ホールで開催された「Krush.65」(4月10日、東京・後楽園ホール)で行われた。
「叫ぶ大和魂 卒業式」と銘打たれたこの日のセレモニー。山本は試合用のガウンで入場し四方に深々と頭を下げると、その場で短いシャドーを見せる。
そして牧平圭太、城戸康裕、山内佑太郎、佐藤嘉洋といったライバルたちが駆けつけ花束を渡した。
山本は挨拶で「このリングから話をさせてもらうのは最後だと思うんですが、みなさんにお礼を言う前に、リングはは血のにじむような努力をして、試合をするために上がる場所。マイクを持てるのも勝者、選ばれた人間だけです。試合もできないくせに、やめてしまうのに、ここから物を言うのを許してください。このリングに大きい男2人が入ったら凄く狭いんです。僕はいつも試合前は緊張しないよう、上がった時も緊張しないように何も考えないようにしましたが、相手が目の前に来たら凄い怖かったです」と涙ぐんだ。
「Krush.65」(4月10日、東京・後楽園ホール)で「引退記念セレモニー」を行う山本優弥の「引退記念Tシャツ」当日発売される。
サイズはS・M・L・XL。カラーはブラック・ナチュラル・ターコイズ・ピンク。価格は3000円(税込)。各色とも限定枚数のみの販売となる。
それに伴い、正面ロビーの特設販売ブースで「引退記念Tシャツ」購入者限定で「開場~本戦開始まで」「引退記念セレモニー終了後の休憩時間」「全試合終了後」の3回にわたりサイン会を開催する。
またブースでは山本優弥、寺戸伸近、寺崎直樹のBooch Beat 3選手の入場テーマ曲が収録されたCD「力、鼓舞」も販売する。
※山本優弥インタビューはこちら。
〈前編〉 http://www.tokyoheadline.com/?p=166469
〈後編〉 http://www.tokyoheadline.com/?p=166472
4月10日(日)東京・後楽園ホールで開催される「Krush.65」で引退セレモニーを行う山本優弥の特別インタビュー・後編を公開。
――さて4月10日(日)東京・後楽園ホール「Krush.65」での引退セレモニーも近づいてきましたが、どんな心境で当日を迎えると思いますか?
「それはちょっと分からないですね。僕も引退セレモニーは初めてのことなんで(笑)。いざリングに立ったら心が動かされることはあるかもしれませんが、僕自身が主役としてリングに立たせてもらう=感謝の気持ちを伝えることに徹すると思います。来てくれた方に試合を見せられないのは申し訳ない気持ちなんですけど、僕の感謝の気持ちや思っていることを言葉にさせてもらおうかなと思います。自分自身どんな言葉が出てくるか、どう振る舞うかはその時にならないと分からないし、僕も楽しみにしています。僕は事前に言うことを考えたり、用意することができない人間なんで、その時の素直な気持ちを伝えたいと思います」
――引退後は指導者の道を進むことになりそうですか?
「はい。もともと空手を始めた11歳のころから先生にあこがれて先生になりたくて格闘技をやってきたんで、これからは自分がやってきた空手・キックを伝えていきたいと思います。今は尾下塾でクラスを持たせてもらったり、地元のスポーツセンターで空手を教えていて、これから指導者になるためには何をすればいいかを一生懸命考えているところです」
――現役時代の優弥選手は17歳でプロデビューして、いわゆるK-1甲子園世代の選手たちの走りといえる選手だったと思います。若い選手たちが活躍しているK-1・Krushの状況をどう見ていますか?
「まず僕は年齢のことを気にしたことが一切ないんですよ。僕は周りに恵まれて色んな選手と練習させてもらいましたけど、若いからどうとか年齢が上だからどうとか思ったことがないですね。小さいころから、心が変に育つ前から格闘技を一生懸命やっていれば、今のように若い世代の活躍を生み出すと思いますけど、格闘技は何歳からでもできますよ」
――優弥選手としては周りが自分のことを『若くて強い』と言っていた、という感覚だったんですね。
「そうですね。僕は『年下だから負けられない』と思ったこともないし『年上だから勝つのは大変かな…』と思ったこともないです。だからいかに工夫して練習するかなんですよ。僕は本当に色んなジムで練習させてもらったんですけど、なんでこの練習をやるのか? どういう意味があるのか? それを全部教えてもらいながら、自分で意味を理解して練習していたんで、練習以外のことをしたいとか遊びたいと思ったことがないんですよね。練習が一番楽しかったんで(笑)。僕はそれを親や周りにやらせてもらっていたんで、きれいごとじゃなくて感謝しかないです」
――優弥選手から今の若い選手たちにメッセージはありますか?
「僕のころはたまたま同世代に強い選手がいなくて自分が目立っていましたけど、今は競技人口も増えて競技レベルも上がっている。そこを勝ち上がる選手はセンスも才能もあって、あまり苦労を知らない本当にエリートだと思います。その分、人間としての魅力や選手としての色気はまだないですよね。それは若い選手に言ってもしょうがないことだし、若い選手にそれを出せと言っても難しいです。でも僕が宮田(充)さんに教わったのは『プロの試合は人に見せるものだ』ということ。人に試合を見てもらえなかったら、僕らの存在価値なんてないわけですよ。じゃあ人に見てもらうためにはどうすればいいのか? 見てよかったと思える試合をすること。それが何かというと人の心を動かす試合で、人の心を動かすには自分の心が動かないといけないんです。勝つためには平常心でいなきゃいけないから難しいんですけど、自分の心が動いて人の心を動かす試合をしなきゃいけないのかなと思います」
――色んな人たちに応援されてきた優弥選手らしいメッセージだと思います。
「試合には練習でやっていることしか出ないわけだし、だったら毎日死ぬ気で練習して必死に生きる。そうやって毎日やってきたことを人に見てもらって、何かを感じ取ってもらう。言い方は悪いですけど、僕らの仕事はなくてもいい仕事だから、自分の試合を少しでもたくさんの人に見てもらって、そこで何かを感じ取ってもらう。それが僕たちファイターの存在価値だと思います」
――では引退セレモニーで優弥選手からどんな言葉が聞けるのか楽しみにしています。
「僕も自分で何かを言うのか楽しみだし、変なことを言わないように気を付けます(笑)」
※前編はこちら http://www.tokyoheadline.com/?p=166469
4月10日(日)東京・後楽園ホールで開催される「Krush.65」で引退セレモニーを行う山本優弥の特別インタビュー・前編を公開。
――2月10日に現役引退を発表して約2カ月。周囲の反応・反響はいかがでしたか?
「周りからは『寂しい』や『もっと見たい』と言ってもらえることが多いのですが、僕としてはあんまり“選手”という意識がなかったので、引退を発表してからもそんなに変わることはなかったですね。僕はキックボクシングが好きでやっているので、選手として試合をしようがしまいが同じなんですよね。この間(3・20「Krush.64」)の寺戸(伸近)君のセコンドについたように、ああいう役目の方が自分には向いているのかなと思います」
――ずっとキックボクシングをやっていて、選手というものにピリオドを打つだけ、という感覚ですか?
「はい。これからも練習は続けるし、体型が変わるつもりもないです(笑)。もともと僕は指導者になりたくて、その過程に選手があっただけなんで、引退しても僕は変わらないですね」
――ふとした時に自分のキャリアや過去を振り返ることはありますか?
「僕はあんまり過去を振り返らないんですよね…なんかカッコつけた言い方になっちゃいますけど(笑)。こうやって取材を受けたりすれば、あの時はああだった、こうだったと話せるんですけど。ただ一つ言えるのはいつもその時々で一生懸命やっていたということです。周りからは『あの試合とあの試合じゃ気合の入れ方が違う』と言われることもありますけど、僕はそれを認めたことがないです。どの試合もすべて全力でやったし、これで終わりになってもいいと思ってやってきたんで、僕自身が印象深いと思う試合は…ないですね」
――ある意味、全試合がベストバウトですか?
「あの人だったらこう言うだろうな。この人はあの試合が好きだろうな。と、思うことはあっても、自分の感情でどうこう選ぶということはないです。すぐ倒した試合も好きだし、すぐ倒された試合も好きだし、会場がすごく盛り上がった試合も好きだし、ダラダラやってブーイングも浴びた試合も好きだし…すべての試合が僕の色になっていると思います」
――優弥選手は格闘技を始めたころからそういった感覚なのですか?
「昔からそうですね。僕は先生が厳しかったんで、練習がすごくきつかったんです。でも僕は先生になりたかったんで、ちゃんと練習していたんですけど。それで試合が近づくと試合のための調整だったり計量だったりで練習が休みになるじゃないですか。それが本当にうれしくて(笑)」
――練習よりも試合をやる方が楽なんですね。
「はい。試合は3分3Rくらいやって終わりですからね(笑)。だから僕は練習よりも試合のほうが好きでした」
――では周りから『この試合が好き』と言われることが多いのは誰と戦った試合ですか?
「やっぱりドラゴとやった試合(2009年7月、K-1MAX)ですね。あの試合は地上波でも放送してもらえたし、色んな人から『あの試合は何回も見たよ』や『元気がない時にはあの試合を見る』と言ってもらえることが多いです。僕自身はただ好きなことを一生懸命やっているだけで、リングで戦おうが草むらで戦おうが、どこでやっても同じなんですけど、人に見てもらうことって、こんなに大事なんだなと思いましたね。自分の試合が見てくれた人の役に立っているというか。ちょうどあのくらいから、それが自分の生きがいになっていきましたよね。K-1MAXに出ていた2009~2010年は自分にとっても転機でしたね」
※後編へ続く http://www.tokyoheadline.com/?p=166472