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日本が生んだ「美」を再発見!特別展「春日大社 千年の至宝」

2017.01.12 Vol.682

世界遺産の一つ、奈良・春日大社にまつわる、王朝工芸の名宝をはじめ刀剣類、武器武具、春日信仰にかかわる絵画・彫刻などの名品を一堂に紹介。

 会場では6章の構成で、テーマごとに貴重な品々を展示。第1章では、春日信仰の象徴的存在である鹿をモチーフにした作品を紹介。第2章では、大社に奉納された王朝工芸の国宝などを展示し“平安の正倉院”とも呼ばれるその見事な所蔵の一端を伝える。他にも、春日信仰を今に伝える絵巻や曼荼羅、仏像、奉納品ならではの美しさを持つ刀剣や甲冑、奉納された舞楽や能などの芸能に関わる品など、国宝や重要文化財を含む名宝が揃う。また、2016年に60回目の式年造替を迎えたことから、本展でも御造替に関わる記録とともに、今回の御造替で御徹下(ごてっか。神に奉られていた御道具などが役目を終え、神殿から下ろされること)され、注目を浴びた獅子・狛犬などを公開する。

 会期中、展示替えあり(主な展示替:前期展示=1月17日?2月12日、後期展示=2月14日?3月12日)。

日本が生んだ「美」を再発見!天明屋尚「形質転換」展

2017.01.09 Vol.682

 日本の現代アートを代表する作家の一人・天明屋尚の2年ぶりの個展を開催。

「形質転換(Transformation)」と題し、新作を発表する。形質転換とは、外部から与えたDNAを遺伝情報として組み込み個体の表現型を変化させることを指す、生物学の用語。変化といっても、この場合その物質の組成や由来を踏まえて変化させるものであり、無方向的な突然変異とは異なる。これはまさに、日本美術のコンセプトや組成を踏襲した上で、偶発的ではなく確信犯的な改変を仕掛けてきた天明屋の作風を象徴するものだ。

 本展では、幕末明治期作とされる作者不明の洛中洛外図屏風(六曲一双)を大胆に変容させた、天明屋の作品のなかでは最大級の平面作品のほか、仏画の明王図や琳派の紅白梅図屏風を現代的に改変した作品、従来の鎧兜を変異させた立体作品を展示。さらに、初の試みとなる写真作品も発表予定。

 古美術的観点と、現代美術的観点。両方の視点を重ねつつ、新たな世界観を楽しみたい。

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