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日本平動物園 | TOKYO HEADLINE
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せっかく来たのに「富士山が見えな~いッ!」 曇天&雨天でも楽しめる静岡市の“だぁーいすき!”スポットはココ

2019.09.28 Vol.Web Original

 そりゃもちろん、静岡市が誇る上写真のような茶畑越しの富士山を拝めるなら最高だけど、人生はそんなに都合よくはいかない。それに、「制約はイノベーションの母」とも言われているわけで、新たな発見につながることだってある(はず!)。というわけで、もしも富士山が顔を出さなくてもガッカリしなくて済む静岡市の魅力的なスポットを紹介したいと思う。

 

①東海大学海洋科学博物館

 景勝地・三保松原にほど近い東海大学海洋科学博物館は、1Fが水族館部門、2Fが科学博物館部門の展示で構成されている、“エンタメ”と“教養”がつまったスポット。約400種類(深海生物も約50種類)6000尾の魚を展示する水族館でありながら、大規模な海洋科学博物館としての側面を持つ施設は、日本全国広しと言えどココだけ。あのさかなクンも絶賛する“学べる水族館”として、人気を博しているのだ。

 中でも、10m×10m×6mの巨大水槽は圧巻。体長2mを超えるシロワニを始め、約50種1000個体以上の魚たちが優雅に泳ぐ姿は、「富士山なんて最初から見れなくても良かったんだ」と、妙な心の安らぎを与えてくれる。また、同施設の人気者・クマノミをフィーチャーした「くまのみ水族館」は、世界中のクマノミ約20種を展示するだけではなく、クマノミの仲間にエサをあげることができる水槽もあって子どもたちから大人気だ。「ニモ! ニモ!(ディズニー・ピクサーの名作アニメーション『ファインディング・ニモ』)」と気持ち良く魚を見つめて連呼している子どもに対して、「ニモのモデルはクラウンフィッシュだよ」などと野暮なことは思わないように。水族館を楽しむ、その気持ちが大事なの!

 2Fの科学博物館部門は、駿河湾の地形や海に含まれる生物資源や鉱物資源、波や風のエネルギー資源など、海が持つさまざまな資源を展示している知的探求心が満たされる場。駿河湾は深海2500mまであるため、富士山山頂までの高低差は、なんと6000mを超える。地形のダイナミズムや、地形によって生み出される資源などなど、なぜゆえ駿河湾が豊かなのかを、「ギョギョギョ!」と驚きながら学ぶことができる。実験装置を動かしたりして、楽しみながら海そのものも理解できる「うみの研究室(コーナー)」もオススメ。単に“鑑賞する”だけで終わらないところが、水族館+海洋博物館、“二刀流”の東海大学海洋科学博物館の魅力だろう。

全長が約18.6mもある巨大なピグミーシロナガスクジラの全身骨格標本を始め、駿河湾の生き物の骨格標本や剥製もある

【東海大学海洋科学博物館】http://www.umi.muse-tokai.jp/ 

 

②静岡市立日本平動物園(「レッサーパンダ館」)

 日本国内のレッサーパンダの繁殖計画を担っている静岡市立日本平動物園は、“レッサーパンダの聖地”と言われているほど、レッサーパンダの頭数が多い。動物の生態や能力を、自然な姿として動物園内で誘発させることで、来園者に飽きさせない工夫をするレッサーパンダの「行動生態展示」に優れ、屋内施設「レッサーパンダ館」では、高低差のある遊具でのびのびと動き回る愛くるしい姿を見ることができる。あの“立ち姿”で一世を風靡した風太くんも日本平動物園で生まれたOBだったりする。

 「レッサーパンダ館」は、温度管理されているため、来場者もレッサーパンダも快適だ。暑さに弱いレッサーパンダたちは、夏日ともなればまったく動いてくれないが、屋内施設では無問題。四川省やネパールの山奥で暮らす動物だけあって、冬は大得意の季節なので、秋以降に訪れると屋外の展示スペースでも活発に動き回る姿が予想される。ちなみに、レッサーパンダの立ち姿は“威嚇ポーズ”なので、「かわいい!」とカメラを構えるよりも、嘘でもいいから「うぉっ!」と驚いてあげてからカメラを構えたほうが、レッサーパンダ的にはうれしいらしい。この愛らしい姿を見れただけで、「富士山が見れなかった」なんて後ろ髪は気持ち良く断髪できる。「富士山? なにそれ、美味しいの?」。もちろん、レッサーパンダ以外にも、「猛獣館299」、「ペンギン館」など見ごたえ十分です!

【静岡市立日本平動物園】https://www.nhdzoo.jp/

 

③神の道&みほしるべ

 「富士山が見えな~~いッ!」。“読めな~いッ”よろしく、ハズキルーペばりに曇天・雨天に発狂してしまいそうになっても、三保松原は見ておくことをオススメしたい。大正11年(1922年)、日本初の名勝に指定され、平成25年(2013年)には世界文化遺産の構成資産として登録された三保松原。たしかに富士山は見えないかもしれないが、海岸線を雲海のごとく覆う松林の光景は、ただただ美しい。

 とりわけ、御穂神社と松原を結ぶ全長500Mの松並木「神の道」は、天候関係なしに歩いて損のないホーリースポット。樹齢200~400年と言われる老松に囲まれた厳かな松並木は、松の保全のため根を踏まないようボードウォークとして整備されているので、歩きやすさも抜群。また、ボードウォーク仕様になっていることで、能における橋掛かり的な舞台装置のような幽玄さを感じる点も面白い。歩いているだけなのに、背筋がピンと伸びるような厳かさが漂い、夜間のライトアップ時ともなれば、まるであの世とこの世を結ぶような幻想的風景が広がる。富士山の眺望関係なく訪れておきたい場所だ。

 その「神の道」の先にある「みほしるべ」では、三保松原の背景や文化、松の生態などを知ることができる。2019年3月にオープンしたばかりとあって、館内もとても清潔感あふれる。三保の歴史、富士山信仰、猜疑心を恥じて人間の欲を捨て羽衣を返す物語“三保の羽衣伝説”……映像や展示物を通じて、なぜ人は松に魅せられ、松に気高さを感じてしまうのか、その謎が解明される歴史好きにはたまらないスポットだ。屋上から富士山を眼前に眺望できる好立地にあるため、晴れている日は絶対に訪れておきたい新名所だろう。

【静岡市三保松原文化創造センター「みほしるべ」】https://miho-no-matsubara.jp/center/ 

 

④S-PULSE DREAM PLAZA(エスパルスドリームプラザ)

 静岡市清水区に暮らす人にとって憩いの場であり、ソウルスポットとも言うべき場所がS-PULSE DREAM PLAZA(エスパルスドリームプラザ) である。館内には、さまざまなアミューズメントパークや食事処が集まり、「駿河みやげ横丁」に行けば、静岡市の名産品がズラリと並ぶ。中でも、館内で目を引くのが「清水ラムネ博物館」、「ちびまる子ちゃんランド」、「みんなの学校給食」。

 「清水ラムネ博物館」は、辛子めんたいコーラ、カレーパンサイダー、うなぎコーラなど、「ッ!?」と思わず二度見してしまうサイダーを含め、50種類以上のバラエティ豊かなラムネ・サイダーを展開する、まさに気の抜けないスポット。すべての商品は、静岡県唯一の老舗ラムネメーカー・木村飲料のもので、戦後、全国に2000社以上あったラムネメーカーは時代とともに淘汰され、現在は100社ほどに激減しているという。「清水ラムネ博物館」では、激動の時代を生き抜いてきたラムネ・サイダーの歴史を振り返るとともに、大正~昭和初期の貴重なラムネビンや、当時使用されていた機械の展示なども行っているため、ラムネ・サイダーに詳しくなれるのも◎。美味なサイダーに加え、“怖いもの見たさ”ならぬ“怖いもの飲みたさ”なサイダーも購入して、あれこれ飲み比べるといいだろう。「清水ラムネ博物館」のお隣には、まぐろ類缶詰日本一のシェアを誇る静岡にちなんだ、さまざまな缶詰が揃う「清水かんづめ市場」もあるので、ここでしか目撃できないお土産をゲットしてほしい。

 「ちびまる子ちゃんランド」は、作者のさくらももこ先生が旧清水市(現在の静岡市清水区)出身という縁で、1999年にオープンしたテーマパーク。劇中同様、昭和40年代をリアルに再現したセットや、まる子、たまちゃん、友蔵などなど、おなじみのキャラクターがパネルで勢ぞろいする。佐々木のじいさんなど、好きな人にはたまらないキャラクターも忘れていないところに、同テーマパークの完成度が表れている。「ちびまる子ちゃんグッズショップ」には、ステーショナリーやハンドタオルなど多岐にわたってオリジナルグッズが用意されており、気が付くとあれもこれも買ってしまうに違いない。だって、あまりにもちびまる子ちゃんの世界観を踏襲した郷愁を誘うデザインが秀逸なんだもの。雨だろうが雪だろうが、デザインで描かれた富士山とまる子を見れたら、ゆめいっぱい、です。

 そして、「ちびまる子ちゃんランド」のお隣には、あげパン、ソフトめん、冷凍みかんなど、給食の定番メニューを“あの頃の味のまま”楽しめる「みんなの学校給食」がある。「ちびまる子ちゃんランド」で昭和の郷愁を感じたその足で、「みんなの学校給食」に飛び込む……サウナから水風呂に飛び込んだときのような最適解が、S-PULSE DREAM PLAZAにはあるのだ。幻聴だと分かっていても、どこからともなく「キーンコーンカーンコーン♪」という鐘の音が聴こえてくる……ああ、そろそろ家路につかなければ。旅のフィナーレを飾るに相応しいエンタメ体験の数々が、S-PULSE DREAM PLAZAには詰まっている。

 たしかに富士山を見れるに越したことはない。でも、見れなくても十分、静岡市は面白い。もし富士山が見えなくても、気を落とす必要はまったくない。

【S-PULSE DREAM PLAZA エスパルスドリームプラザ】https://www.dream-plaza.co.jp/ 

 

(写真・文 我妻弘崇)

 

“レッサーパンダの聖地”が教える市立動物園の未来と課題

2018.07.28 Vol.Web Original

 日本国内のレッサーパンダの繁殖計画を担っている静岡市立日本平動物園は、“レッサーパンダの聖地”とも言われている。現在、7頭のレッサーパンダが暮らし、あの“立ち姿”で一世を風靡した風太くんも日本平動物園で生まれたOBだ。SNSでも人気拡大中で、インスタグラム開設から2か月で10000人以上のフォロワーを獲得するなど、愛くるしい姿が大人気の日本平動物園のレッサーパンダたち。しかし、その裏には知られざる動物園の努力と、日本中の動物園が向き合わなければいけない課題があった。

「次世代に引き継ぐために動物たちに会いに行ってほしい」日本平動物園の試み 

 動物の生態や能力を、自然な姿として動物園内で誘発させることで、来園者に飽きさせない工夫をする「行動生態展示」。 日本では、旭川市・旭山動物園が先駆けと言われ、昨今は多くの動物園が行動生態展示を取り入れている。来年、オープンから50周年を迎える静岡市立日本平動物園もその一つ。レッサーパンダ(レッドパンダ)の行動展示に優れ、さまざまな姿を楽しめると来園者から人気を博している。

「レッサーパンダはユキヒョウやテンなどの天敵から身を守る習性があるため、基本的に樹木や竹の上など高いところに身を置いています。そのため、行動生態展示をするとなると立体的な環境が必要でした」と教えてくれるのは、日本平動物園・柿島安博園長。

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