「K-1のベルトという忘れ物を取りにいきたいんです」と、2017年2月25日に開催される「K-1 WORLD GP 2017 JAPAN ~初代ライト級王座決定トーナメント~」でのスーパーファイトに参戦が発表された日菜太。「他団体でいくつかベルトを取るなかで、K-1のベルトは取れていないという思いがずっとあった。K-1 WORLD MAXでベルトを取ることを目標にしていたが、自分が力をつけてきたと思ったときにK-1がなくなってしまって。その後、いろいろな所で頑張ってきたけど、どうしても取り残したっていう気持ちがあったんです。そんな気持ちを察してくれた山口代表がお願いしてくれたおかげで今回出場が実現しました。新生K-1は今盛り上がっているし、僕自身もそこに加わって、しっかり結果を残し、メジャーになりたいと思います」
対戦相手は松倉慎太郎。
「新生K-1の初めてのリングであり、久しぶりのK-1での試合なので、相手は誰でも良かった。手を上げてくれた松倉選手は非常に若く、僕がK-1 WORLD MAXに出ている時に、K-1甲子園とかユースで戦っていた、K-1育ちの選手。すごくいい選手だと思いますが、僕にも目標とか野望があるので、ここではつまずけない。ですから何が何でも勝ちたいと思っています」
格闘技との出会いは意外と遅い。
「小さい時に空手を習っていたんですけど、サッカーのほうが好きで、中高はサッカーしかやっていませんでした。大学もそのままサッカーをやろうと思っていましたが、高校で引退してから大学でサッカーをやるまで暇だったので、近所のキックボクシングのジムに半年ぐらいのつもりで入ったら、あれよあれよという間に今ここにいます(笑)。結局、個人競技のほうが好きだったんですね。団体競技って強いチームに入らないと勝てないんですよ。しかも監督に評価されないと試合に出ることもできない。その点個人競技は自分さえ頑張れば試合に出られるし、勝ちも負けも自己責任。それが妙に性にあっていた。身体能力やボクシング対応力は、そんなに高いほうじゃないと思います。それでも勝ってこられたのは、運とか努力じゃないでしょうか。自分で言うのもなんですけど、僕結構真面目なんですよ(笑)。練習もあまり休まないし、コツコツ積み上げてきたことが今の僕のスタイルを作り上げました」
コツコツ磨き上げてきたキックが日菜太の武器だ。
「K-1では僕のキックを見せたいですね。僕みたいに蹴る選手は、今の新生K-1にはいないんじゃないですか。パンチの選手が多い中、僕のようなスタイルの選手は珍しいと思うので、楽しんでもらえたら。練習の8?9割ぐらいは蹴ってますから(笑)」
セルフプロデュースも重要だと言う。
「自分で何かを切り開いていきたいという意識が常にあるんです。格闘家は個人事業主なので、これまで全部自分でスポンサーを取ってきましたし、いろいろな場所にも出て行きます。ホームページも自分で人に頼んで作ってもらいました。また、僕からチケットを買ってくれた人には、自分で作ったオリジナルグッズのプレゼントも。缶バッジとかキーホルダーとかクリアファイルとか。そういう細かい草の根活動が大事だと思うし、それをコツコツ続けてきた結果、僕の試合は大体平均で250人ぐらいは来てくれます。企業のトップの方にお会いしたら、営業マンとして雇いたいってよく言われますもん(笑)」
2月の試合の先には大きな目標も。
「スーパー・ウェルター級初代王者の(マラット)グレゴリアンがベルトを返上したので、2代目王者のトーナメントがあるらしいんですよ。そのトーナメントに出場して、2代目王者になりたいです。そして初代王者のグレゴリアンと戦って勝って、さらにGLORYという団体のシッティチャイというタイ人王者も倒したい。シッティチャイは、グレゴリアンに3戦3勝している、多分今世界最強の選手。その彼とK-1王者の日菜太として戦って勝ちたいなと。それが実現したら、自分が世界最強と胸を張って言えると思う。そして世界最強のまま勝ち逃げします(笑)」
K-1のリングに帰ってきた日菜太からファンへ。
「来年、2017年は多分、僕にとって最終章だと思うんです。本当に常に引退を意識して頑張る1年、2年になると思う。1年か2年かわかりませんが、どちらにしても残り何戦もできないと思っています。ですから、日菜太の格闘技人生の集大成となるこの1年、2年の試合を見逃さないでほしい。応援に来てくれた人が笑って帰ってくれるような試合をしたいといつも思っていますのでぜひ見に来て下さい」