人気沸騰中の町田啓太が2回目の大河ドラマに挑む。放送中の『青天を衝け』で土方歳三を演じる。幕末に活躍した新選組で鬼の副長と呼ばれた人物で、歴史上の人物のなかでも有名人といっても差し支えがないであろう人物。これまで多くの役者によって演じられてきた大役をどう演じるのか。
『青天を衝け』に土方歳三で出演することが決まり、演じることを楽しみにしていたという。
「もともと時代劇が好きで剣道を始めたこともありますし、殺陣もあるんじゃないかと。(新選組の)羽織に袖を通すと身が引き締まる思いがしました。幼少期、田舎道で木の枝を振り回していた自分にとって、ありがたい役をいただけたなと思います」
大河ドラマに出演するのは2回目。前回は『西郷どん』で小松帯刀を演じた。
「初めての時はいろんなところに力が入っていたので、今回は心に余裕を持って撮影に入れるように準備しないといけないなと思っていました。役についてよく知ってからということは普段と変わりはないんですが、モチベーションというか心の部分ですね。浮足立つ心をちょっと抑える。落ち着けって自分に言い聞かせて(笑)、少し余裕を持って入れたかなとは思います」
土方は、幕末のみならず、歴史上で人気のある人物。
「すごく自信がある人だと思います。鬼の副長と呼ばれるくらいですから狂気な部分もあるのかなと思っていたんですけど、調べていけばいくほど、自分自身に厳しく周りにも厳しい人で、自分の筋を通そうと思って行動した人物だと思いました。それって心が強くないとできないこと。いろいろな考えを自分の中に落とし込んでいかないとできないと思います」
これまで数えきれないほどの役者たちによって演じられて来た役でもある。町田はどう演じる?
「今まで演じてきた方たちも自分の土方歳三像をキャッチして、それぞれの作品のなかでの土方歳三をどう演じようと懸命に探してきたと思います。僕もそういうふうにしっかりやりたい。『青天を衝け』ならではの土方歳三を演じられたらと思います」
それではいったいどんな人物としてアプローチしていくのだろうか。
「やんちゃだった、バラガキだったというところもあって、人一倍熱量が高かったと思うので、そこを大事にできたらと思っています。武士を目指して成り上がってきたところもあって、武士のイメージを守りたいし、近づきたいという気持ちが人一倍ある人物。そこを意識して演じていけたら何かあるんじゃないかなと思っています」
渋沢栄一も絡んでくることで、『青天を衝け』の土方歳三、町田の土方歳三が作られる。
「渋沢栄一も土方歳三も同じ田舎の出で、お互いにシンパシーを覚えるシーンがあります。自分がどういう思いで武士になったのか吐露するんですが、すごく大好きなシーンです。僕も田舎出身なのでシンパシーを感じます。そういうところも大事にしたいと思いながら演技させてもらっています」
そのシンパシーとは?
「僕は東京っていう一番栄えている街に入ってきて田舎者な部分を出したくなくて、服や流行っているものを学びました。土方にもそういうところがあったんじゃないかなって思うんです。土方についてはそれが武士で、武士とはこういうところもあるだろうと、武士を“演じている”ところもあるのではと思っています」
いよいよ町田の登場が近づいてくるなかで「大好きなシーン」への期待も膨らむ。ところで、吉沢亮が演じる渋沢栄一をどう思う?
「常に前を向いている姿勢が素晴らしいと思います。アンテナを張っていて、いろいろなことに気づける、それってすごいと思います。人生のなかで気づけることはたくさんありますが、気づけないことのほうが多いと思いますから、才能だと思う。栄一のそういうところが吉沢君とリンクしていて、魅力たっぷりなキャラクターだなって思います」
町田は土方を演じるなかで「自分自身がどうありたいかを自分自身に問うようになりました」と話している。吉沢演じる栄一を始めとした熱のある人物たちと交流しながら、土方が外見同様に変化していくのか、しないのかもまた見続けていきたい。
『青天を衝け』は、 毎週日曜、NHK総合で20時~。BSプレミアム・BS4Kで18時~。再放送土曜13時05分~。
(TOKYO HEADLINE・酒井紫野)