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【ウィズコロナの演劇シーン】東京芸術祭 2020 芸劇オータムセレクション『ダークマスター VR』

2020.10.01 Vol.733

 タニノクロウが主宰を務める庭劇団ぺニノの代表作『ダークマスター』がVR作品となって上演されることとなった。

 これは今秋開催される「東京芸術祭2020」で東京芸術劇場のオータムセレクション作品として上演されるもの。

 本作は庭劇団ぺニノが2003年に初演した代表作『ダークマスター』を現在の社会状況を踏まえて新たに構想し直し、今回の上演用に新たに撮影したパフォーマンス映像を特別仕様の演劇的空間で各回20人限定でVRゴーグルをつけて観劇する。

 これまで新型コロナウイルスの感染拡大防止については各団体でさまざまな方策が取られてきたのだが、それでも不安を感じる人はいるようだ。

 こればかりは個人の感覚の問題でどうしようもないことなのだが、「ならば」とばかりにタニノは俳優をVRの世界に移動させ、1回に収容する観客数も20人までとした。

 上演と書いていいのか、上映と書くべきなのか。演劇の概念さえぶち壊すタニノの試み、というかさまざまな投げかけを観客たちがどう受け止めるのか。

オーストラリアの劇団バック・トゥ・バック・シアターのユニークな野外劇が日本初演!

2018.10.19 Vol.Web Original

知的障害を持つ 6 人の俳優を中心とした劇団
 現在開催中の東京芸術祭の一環で、一風変わった野外劇「スモール・メタル・オブジェクツ」が、20日から開幕する。

 この作品は、知的障害を持つ 6 人の俳優を中心に構成されたオーストラリアの「バック・トゥ・バック・シアター」によるもの。作品は圧倒的にユニークで、見る者に強烈なインパクトを与え、世界中で称賛されている劇団だ。

 これまでも駅やバスターミナル、ショッピングモールから商業施設に至るまで、人通りの激しい都会で、あらゆる公的な場所・空間を舞台として上演して来た百戦錬磨の彼らが、世界でも有数の大都市・東京で、しかもIWGPこと池袋西口公園の雑踏の中に紛れて、このドラマを繰り広げる。そして、行き交う通行人たちは気づかぬうちにこの作品のエキストラになっている。また、日本初演となる本公演のため新たに日本人キャストも参加している。

池袋西口公園で『野外劇 三文オペラ』を上演【東京芸術祭】

2018.10.10 Vol.Web Original

宮城聰セレクトによる「東京芸術祭直轄プログラム」10月18日からスタート
 
 東京・豊島区池袋を中心に開催してきたフェスティバル/トーキョーをはじめとする4つの舞台芸術事業が集まって2016年から開催されている「東京芸術祭」が、今年も9月1日から開催中だ。

 今年からこの東京芸術祭に総合ディレクターとして宮城聰が新たに就任。これまでの4つの事業に加えて、宮城がセレクトした全6演目からなる「東京芸術祭直轄プログラム」を立ち上げた。

 そのスタートを飾るのが、10月18日(木)開幕の『野外劇 三文オペラ』。

 日本でもなじみのあるブレヒトの戯曲を大岡淳による新訳で、イタリアを代表する演出家の一人ジョルジオ・バルベリオ・コルセッティが自らオーディションした日本人キャストで、池袋西口公園を舞台とする野外音楽劇で上演するという、宮城の肝いりの企画となった。オーディションで選ばれたのは「ナイロン100℃」の廣川三憲や「柿喰う客」の淺場万矢ら。多彩でありながらも海外の演出家の目線ならではで、国内ではなかなか見られない配役となっている。

 この公演について宮城は、「いまの東京には、“劇場に行く楽しみを知っている人”と“それを一切知らない人”の2種類の人々がいます。そこで、劇場を飛び出し、囲いさえ作らずに上演し、チケット代は“三文”というわけにはいきませんが、ワンコインにします。遠巻きに眺めるぶんにはタダです。そういう方々に音だけでも楽しんでもらえるよう、音楽劇を選びました。途中から観ても良いし、途中で立ち去ってもかまいません。ただし、クオリティは一流でなければ意味がありません。“敷居が下がったぶん、クオリティも下がった”となっては、演劇とは面白くないもの、という先入観を広げる役にしか立ちません」と語る。ワンコインという破格の公演のため既にチケットは完売しているが、宮城のコメントの通り、無料の鑑賞エリアが用意されている。通りすがりの人も一流の演劇を楽しめるという、芸術祭=お祭り的な体験ができるはず。

個性あふれるラインアップが楽しい最近の公共劇場 東京芸術祭2016 芸劇オータムセレクション『三代目、りちゃあど』

2016.11.13 Vol.678

 東京芸術劇場は2012年のリニューアル以降、海外の劇場やアーティストとの交流を積極的に行っている。本作はそんな国際共同制作の第3弾。

 同劇場の芸術監督を務める野田秀樹が1990年に自らが主宰する「夢の遊眠社」に書き下ろした『三代目、りちゃあど』をアジアを代表する演出家であるシンガポールのオン・ケンセンが演出。シンガポール国際芸術祭、SPAC?静岡県舞台芸術センターとの国際共同制作により上演する。

 この『三代目、りちゃあど』はシェイクスピアはなぜリチャード三世やヴェニスの商人を徹底的に悪人として描いたのか?という疑問から生まれた作品。舞台は法廷。被告は「りちゃあど」、その弁護人に「シャイロク」、検事は「シェイクスピア」という突拍子もない設定のもと、作家と登場人物の確執を描く。

 キャストは日本、シンガポール、インドネシアから集結。日本の俳優陣だけ見ても歌舞伎、狂言、宝塚出身、小劇場出身と多彩過ぎる顔ぶれ。この個性あふれる面々をオン・ケンセンがどうまとめあげるのかにも注目。

東京芸術祭2016 芸劇オータムセレクション『三代目、りちゃあど』
【日時】11月26日(土)?12月4日(日)(開演は26日18時、27・3日13時/18時、29・1日14時/19時、30・2日19時、4日13時。28日休演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前)【会場】東京芸術劇場 シアターウエスト(池袋)【料金】全席指定 一般5500円、65歳以上5000円、25歳以下3000円、高校生割引1000円(65歳以上、25歳以下、高校生割引チケットは東京芸術劇場ボックスオフィスにて一般発売日より前売りのみ取扱い。枚数限定・入場時要証明書)【問い合わせ】東京芸術劇場ボックスオフィス(TEL:0570-010-296=休館日を除く10?19時 [HP] http://www.geigeki.jp/ )【作】野田秀樹〈ウィリアム・シェイクスピア「リチャード三世」(小田島雄志訳)より〉【演出】オン・ケンセン(シンガポール国際芸術祭芸術監督)【出演】中村壱太郎、茂山童司、ジャニス・コー、ヤヤン・C・ヌール、イ・カデック・ブディ・スティアワン、たきいみき、江本純子、久世星佳

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