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沖縄の真の景気対策は学力底上げ【鈴木寛の「2020年への篤行録」第61回】
沖縄県知事選が9月30日に投開票され、新知事に玉城デニーさんが初当選しました。基地問題に注目が集まりがちですが、どなたが翁長さんの後任になられたとしても、基地問題以外にも山積している沖縄特有の社会課題をどう解決していくか、その手腕が問われます。
人づくりにこだわってきた私からすれば、沖縄でとくに取り組むべきは、子どもたちの学力問題です。全国の小学6年生と中学3年生を対象にした「全国学力テスト」で、沖縄の中3の正答率は、2007年の実施以来、全国最下位です。
沖縄の自治体、教育関係者も決して無策だったわけではありません。この間、全国でトップクラスの秋田県との間で教員の人事交流を行い、学力底上げに向けた取り組みを参考にするなど、試行錯誤してきました。数学のA問題の正答率の全国平均との格差については、2007年当時より半分程度に縮まってきたようで、現場の地道な努力が少しずつですが、結果につながっています。
なぜ、沖縄の子どもたちの学力はこれほど不振を極めているのでしょうか。まず、歴史的には、戦後30年近く米軍統治下に置かれたことで、教育や子どもたちの福祉が本土に比べて遅れをとってしまった構造的要因があります。
さらに身近な理由としては、子どもたちの生活環境の問題。沖縄に県外から赴任した方からの指摘がよくありますが、「夜型社会」で、地縁・血縁が濃い沖縄では、深夜まで飲食店で仲間同士が家族ぐるみの付き合いをし、子どもたちも遅くまで一緒ということもしばしばです。そうした背景を裏付けるように、学力テストと同時に行う生活調査において、沖縄の子どもたちは、朝食を食べる比率が全国で下位に低迷。逆に秋田はこれが上位で相関関係が専門家から指摘されています。
沖縄は学力と同時に平均所得も最下位です。さきごろ観光客の数がハワイを抜いたことが話題になりましたが、観光、IT、医療、福祉など、沖縄で期待される分野の業種は、語学やプログラミング、医療知識といったスキルの高い人材でないと就職が難しくなります。豊かさを手にするためには、やっぱり勉強が必要なのです。
貧しい家庭の子どもにも、努力すれば道を開けるように支援するのは政治の役割ですが、子どもたちの生活環境の改善は、保護者、地域の大人たちの協力が絶対に不可欠です。ただ、これまでの習慣に流されそうなところで、「このままではいけない」と地域社会をまとめあげていくのは、リーダーの役割の一つでしょう。
(東大・慶応大教授)
【KEY WORD で見るニュース】8万票、オスプレイ、五輪ボランティア
8万票
沖縄県知事選(9月30日投開票)では玉城デニー前衆議院議員が佐喜真淳前宜野湾市長に約8万票の大差をつけて当選した。玉城氏を支援する「オール沖縄」の基礎票は約32万票と思われていたが、約7万5000票を上乗せした。無党派層の多い那覇市では57%が玉城氏に投票。佐喜真氏に約2万7000票の差をつけた。
オスプレイ
米空軍の垂直離着陸輸送機CV22オスプレイ5機が10月1日、米軍横田基地に配備された。オスプレイが国内で沖縄県以外に正式配備されるのは初めて。国内では米海兵隊オスプレイの事故やトラブルが相次いだことから横田基地周辺では抗議活動が行われるなど住民の不安が高まっている。
五輪ボランティア
2020年東京オリンピック・パラリンピック組織委員会と東京都は9月26日、大会ボランティアの募集を開始した。インターネトなどで12月上旬まで応募を受け付け、計11万人の確保を目指す。組織委は競技会場などで各種運営をサポートする「大会ボランティア」8万人、東京都は空港や駅などで観客の交通案内などを行う「都市ボランティア」3万人を募集する。
安室奈美恵が引退、地元沖縄でラストライブと花火でお別れ
アーティストの安室奈美恵が9月16日、引退の日を迎えた。90年代から現在に至るまで女性たちのアイコンとして走り続けてきた“平成の歌姫”のフィナーレには、ファンはもちろんメディアも注目。さまざまな角度から話題が届けられた。
引退の日、そしてその前日、安室の生まれ故郷である沖縄はにぎやかだった。彼女のラストを飾るイベント「We ♥ NAMIE HANABI SHOW supported by セブン-イレブン」が15、16日の2日間、沖縄県・宜野湾海浜公園で開催された。
15日に、沖縄コンベンションセンター展示棟で行われた前夜祭では、安室はもちろん、平井堅、BEGIN、MONGOL800らが、3500人のファンの前で2時間30分に渡ってパフォーマンス。それぞれの出演アーティストは、オリジナル楽曲のほか安室の曲をカバー。平井は「WANT ME, WANT ME」、MONGOL800は「TRY ME ~私を信じて~」、BEGINは「Tempest」を歌い、会場を盛り上げた。
沖縄県知事選は佐喜眞氏×玉城氏の一騎打ちムード
翁長雄志知事の任期に伴い11月に行われる予定だった沖縄県知事選が8月8日の翁長氏の急逝により、9月30日投開票(9月13日告示)の日程で行われることとなった。
8月14日には宜野湾市の佐喜眞淳市長が出馬を表明。佐喜眞氏は自民、公明、維新の推薦を受けての立候補となる。
8月29日には自由党幹事長の玉城デニー衆院議員=沖縄3区=が出馬を表明。翁長知事の遺志を引き継ぐことを強調した。
玉城氏については、これまで翁長氏を支えてきた「オール沖縄」が支持。事実上、この2人の一騎打ちとなりそうだ。
佐喜眞氏は9月3日に那覇市内で会見し「県民の暮らし最優先宣言」と題した政策集を発表。米軍普天間飛行場の1日も早い返還を実現するとした。
翁長氏の後継候補については、翁長氏が生前、玉城氏と沖縄の金秀グループの呉屋守将会長を指名する音声が残っていたことが分かったのだが、その音声を聞いたのが新里米吉県議会議長のみで、その真偽をいぶかる声もあった。
石垣島の人気のリゾートが大規模リニューアル
沖縄県石垣島の人気リゾート「フサキリゾートヴィレッジ ビーチ&ガーデン」は、今年から2020年にかけて段階的に客室棟や施設棟などのリニューアルや増設を行い、施設全体の敷地面積を現在の約2倍へ拡張する計画を発表した。
石垣島の西海岸に面し、島内随一のサンセットが楽しめる同リゾートは、1982年7月に開業。ウミガメが産卵に訪れる天然ビーチが目の前に広がり、敷地内にはハイビスカスやヤシの木など亜熱帯植物に囲まれたガーデン、サンセットや満天の星空が楽しめる桟橋「Fusaki Angel Pier(フサキ エンジェル ピア)」もあり、ゆったりと流れる島時間を楽しみながら大自然を体感できると評判。今回のリニューアルでは、島内随一の天然ビーチと充実した設備を有するリゾートホテルとして生まれ変わる。
リニューアル第一弾として今年6月には、約1kmの天然ビーチが目の前に広がる絶好のロケーションに高さ最大6m50cmのウォータースライダーを完備したプールエリア「アクアガーデン」をオープン。リゾートビーチバーや託児スペースなども新設。その後順次、客室や施設を新設・リニューアルし、2020年秋、南側客室棟「サウステラス」を増設し完了となる。
名護市の財政がひっ迫。市民生活の地盤沈下が止まらない
名護市の今後4年間の命運を左右する名護市長選(2月4日投開票)が行われる。
ここで名護市が現在抱える問題を整理してみる。
沖縄県は現在人口がどんどん増え続けている。これはおりからの「移住ブーム」と特殊合計出生率が全国1位という数字が表すように「自然増加率」も全国1位という2つの要因から。
名護市を中心とする北部地域も人口は増加しているのだが、増加率は県平均よりも低く、過疎地域も他地域に比べ多く抱え込む状況となっている。
人口増加率
沖縄県平均→3%増
名護市→1%増
そればかりか完全失業率も高く、雇用情勢も厳しいことから若年層の流出も進み、将来に向け深刻な状況となっている。
沖縄県はここ5年ほどで経済が急成長。2017年度の財政力指数が0.356で過去最高水準になるなど税収も大幅に増加した一方、名護市は市の借金残高が平成27年度で264億円にのぼる。これは市民1人当たり42万円もの借金を背負っている計算だ。
借金残高264億円
市民1人当たり42万円の借金
現市政は辺野古移設反対の立場から米軍再編交付金の受け取りを拒み続けており、結果、名護市は約135億円の財源を失っている。さらに名護市の1人当たりの市町村民所得は他の地域と比べ最も低く、それに伴い税収も横ばい状態。
財政ひっ迫のしわ寄せは公共サービスの低下という形で市民を直撃。
危機感がない!? 基幹病院整備
医療に目を向けると慢性的な医師不足が深刻化。県立北部病院では医師の確保が難しく夜間急病センターがたびたび閉鎖。また産科のある病院は名護市に2つあるだけという状況だ。この問題の解決に向け2014年末に県立北部病院と北部地区医師会病院の統合再編の声があがり、前知事が統合を進めたのだがその後は遅々として進まず、昨年末にやっと現知事が統合を進め、基幹病院を整備する方針を表明した。
日々の生活に目を向けると、下水道普及率は県平均の70.9%に比べ62%と低い数字となっている。意外に見逃しがちなところではゴミの分別問題というものも上げられる。
ゴミ分別問題
那覇市は5分別
名護市は16分別
現在名護市では実に16分別してゴミを出さねばいけないのだが、本島の他市をみると那覇、糸満、南城、豊見城、宜野湾が5、沖縄が7、うるまが8、浦添にいたっては4分別。
ゴミの分別については各市町村で独自に定めたルールで行われる。ゆえに焼却設備や埋め立て場といった個別の条件で大きな違いが出てくるのは必然ではあるが、それにしても名護市の16という数字は突出している。
ゴミ処理については出す側(住民)が細かく分別したほうが経済的と思われがちだが、実は必ずしもそうではない。分別することで専用の収集車が必要となり、コストと効率の悪化につながる場合もあることから、今では最低限に分別したうえで、収集後に専門の業者が分別、また焼却技術の向上などで分別が大まかになるケースもある。いわば行政の手腕に負う部分が大きいというわけだ。
夏日で沖縄気分 代々木公園でOKINAWAまつり開幕
沖縄文化や沖縄の味に触れられることで人気のイベント「OKINAWAまつり in 代々木公園 2017」が20日、開幕した。
午前中から気温が上がり夏日となった初日は、暑さにもかかわらず、多くの人が参加。11時のスタート時にはすでに行列ができ始めた飲食ブースも出始め、冷えたビールのカップやカラフルなかき氷、ブルーシールアイスクリームなどを手に日陰を求めて会場を歩く人も多く見られた。
音楽ライブには沖縄にゆかりのあるアーティストが続々登場。20日は、ボーカルデュオのD-51を始め、大城クラウディア、宮沢和史ら。21日には、エンタメユニットのきいやま商店、男女4ピースバンドの7!!らが出演する。
「OKINAWAまつり」は、アーティストによる音楽ライブや、伝統芸能のステージといったエンターテインメントや沖縄由来の商品、ローカルフードも楽しめるイベント。沖縄そばやタコライス、アグ―豚を使った料理、オリオンビールや、沖縄ではおなじみのスイーツなども楽しめる。沖縄の県産品を購入できるブースや、リゾートにピッタリなウエアやアイテムを扱うブース、注目の東京キャンピングカーレンタルセンターも情報提供を行っている。
代々木公園野外ステージ、イベント広場で、20、21日の2日間で開催。両日とも11~21時まで。
山本昌が沖縄キャンプ観戦PRで「投げたい」
『プロ野球OKINAWA SPRING CAMP 2016カウントダウン』記者発表会が11日、都内で行われ、プロ野球OBの山本昌、タレントのビビる大木とお笑いコンビ・ザブングルの松尾陽介が出席した。
プロ野球の各球団が、来シーズンのスタート前に沖縄で行うキャンプの魅力を伝えるというもの。イベントでは、山本らが沖縄キャンプの思い出や楽しみかたをトークした。サプライズは、来シーズン期待したい球団に話題が及んだとき。大の巨人ファンである大木が、「高橋由伸選手、井端弘和選手、まだ選手っていう感じなんでね、オープン戦でいいから、二人の引退試合……打席、守備を見たい」と、ぽろり。それを聞いた山本が「巨人対中日戦ないのかなあ…2人に投げたいな」。そのびっくり発言に大木も松尾も「これだから、キャンプは面白い!」と、歓喜の声を上げた。
山本はユニフォームを脱ぎ沖縄キャンプに臨む。「「球団が違うと、キャッチボールの仕方も違う。評論家として、ファンとして、他の球団がどんな練習をしているのか見に行くのが楽しみ」とのこと。「「初日はドラゴンズ、全球団回るつもりで行きたい」と、意気込んだ。
報道陣から、趣味のラジコンについての質問も出たが、「最近(ラジコンは)趣味、野球があっての趣味だったんだなって感じています。野球がなくなって(自分は)野球が好きだったんだなって。だから、今は、野球にすり寄ってる感じなんです(笑)。だから、こういう仕事はうれしい」と、笑った。
プロ野球の沖縄キャンプは2016年2月1日から約1カ月間行われる。期間中には、さまざまなイベントやプレゼント企画などが展開される予定。詳細は公式サイト(http://www.spring-camp.okinawa/)で。
沖縄の豊富な恵みをそのままジュースに! ON OFF YES NO
ニューヨークなどアメリカの大都市で流行しているコールド・プレス・ジュース。加熱処理を行わず、特別なジューサーを使って抽出する栄養価の高いジュースのことです。日本でも東京を中心に続々と店舗ができていますが、ついに沖縄にも上陸しました。
再開発を予定されている那覇の農連市場の目の前にオープンした「ON OFF YES NO」。東京で経営コンサルタントおよび言語療法士をされていた小田切さんご夫婦が、沖縄ならではの素材を生かしたいという考えからスタートしました。
「最初は不便な場所じゃないかと思ったんですが、結果的に正解でした。毎日市場に行っておばあたちとしゃべっているうちに、新しいヒントがどんどん生まれてくるんですよ」
そんな市場から直接仕入れた旬の野菜や果物を、新鮮なまま絞ったジュースは、独自のブレンドが施されています。ハンダマやフーチバーなど季節の野菜を数種類混ぜたり、タンカンやシークワーサーなどの柑橘系が爽やかなものから、ビーツやアーモンドミルクといったちょっと意外な食材を使うなど、いずれもこの店のオリジナル。グリーン、オレンジ、アイボリーとカラフルで鮮やかなので、見た目でも楽しめるのが特徴です。
「無限の組み合わせがあって、乾燥しているときはこれ、二日酔いならこれとか、その日の体調によって合わせられます。動物性のものは一切使っていないので、ベジタリアンの方にもおすすめです」
ボリュームたっぷりなので、一杯800円前後という値段はけっして高くはありません。でも、ちょっとずつ試したいという方向けに、200円のショットサイズを用意しているのもうれしいところ。また、氷や水を一切使わないスムージー、サンドイッチやスープといった軽食もあるので、朝食にも活用できます。長寿国・沖縄ならではのジュースを、あなたも試してみてはいかがでしょうか。(栗本斉)
コザの街で歌うフォークとブルース『sing KOZA blues』ひがよしひろ
コザといえば、昔からロックの街として全国的に知られている。70年代には、紫やコンディション・グリーンといった伝説のバンドが続々と登場し、オキナワン・ロックというジャンルを作り上げたがその一方で、フォーク・シーンも存在していたことはあまり知られていない。
ひがよしひろは、そんな70年代のころから音楽活動を始め、今も現役で歌っている数少ないフォーク・シンガー。フォークといっても、彼の渋くしゃがれた歌声はブルースといったほうがいいかもしれない。全国津々浦々を放浪しながら実力を付けてきたが、なぜかこれまでレコード・デビューすることはなかった。しかし、満を持して発表したのが、このファースト・アルバムとなる『sings KOZA blues』だ。
アルバムのタイトルからも分かるとおり、コザの風景が切り取られたナンバーが多数収録されているのが、本作の特徴。まずは、返還前のギラギラとした街の風景が描かれた『熱帯夜』と、まだ映画館があったころのゲート通りを優しく見つめる『KOZA黄昏に吹かれ』との対比と表現力に圧倒される。また、無骨なブルースをベースにした『別れはブルースで』や『彼女はいい女』、そしてまるで70年代のボブ・ディランを思わせるフォークロックの『女優』といったナンバーからは、彼がフォークとブルースを自由に行き来できるセンスを持っているのがよく分かる。三線の音色も取り入れながらウチナーグチで披露する美しい『月夜の願い』や、どこかノスタルジックながらも今を生きる友人たちへのエールを込めた『語る想いは友からの夢』なども説得力満点。ラストの『ヨンナァ』も愛する人へのメッセージが心に染み渡る。この冬、ちょっと暖まりたいなら必聴の一枚だ。(栗本斉)