流山児祥率いる流山児★事務所は今年7月に創立30周年を迎える。昨年秋から記念公演と銘打って上演を続けてきたが、今回はその第4弾。
2002年に鐘下辰男が書き下ろし、流山児が演出した『殺人狂時代』では9・11以後のテロの時代に「傭兵たちの叛乱の物語」を描き大きな反響を呼んだ。
そのスタイルはレジナルド・ローズの『12人の怒れる男』をモチーフとした討論劇。当時議論となっていた問題を生々しく切り取った。2004年には『続——』が作られ、そして今回の『新——』につながってくる。
今回の舞台は災害に見舞われ、地上への出口は塞がれ、いつ崩壊するとも分からない暗闇に支配された建物の地下。男たちは生還を目指すが、外部と遮断され、内部の状況も把握できない。そんな「ごまかしの効かない」現状で、今とるべき行動とは…。
設立以来、劇団とか演劇、ひいては日本といった枠にとらわれない活動を繰り広げてきた流山児★事務所は、さまざまな“才能”と作品を作ってきた。今回は自らの劇団チョコレートケーキで硬派な社会派作品を多く手がける演出家・日澤雄介を起用。
初演から13年が経って、世界はより物騒になり、日本も大きな転換期を迎えつつある。そんななか “演劇”は何を発信し、そして何ができるのか?