東京芸術劇場の若い演劇人をピックアップし世の中に紹介していく試みである「芸劇eyes」。その番外編として2011年に開催された『20年安泰。』に参加したロロ。
作・演出の三浦直之は青春期の「ボーイミーツガール」的な衝動を漫画・アニメ・小説・音楽・映画などジャンルを越えたカルチャーをパッチワークのように紡ぎ合わせる手法で物語化。汚れ切ったおっさんとかおばさんにはちょっと気恥ずかしいんじゃないかという気もさせたその世界観ではあったが、死や別れという逆方向の要素をうまく取り扱うことによって、最近ではそんな気恥かしさを感じさせない作品になっている。
昨年の本公演『ハンサムな大悟』でも、それまでの作品のテーマ性はそのままに、ひとりの男性の誕生前から死後までをたどる“一代記”というスタイルを取るなど新しい試みにチャレンジ。第60回岸田國士戯曲賞最終候補にノミネートされるなど、彼らの作品が着実に浸透していることをうかがわせた。
今回は伊東沙保、西田夏奈子、古屋隆太といった個性の強い客演陣を迎え、語り継ぐことに焦点を当てた“不在の物語”を描き出す。