東京都の築地市場の移転先となる豊洲市場で、都が土壌汚染対策として説明していた4.5メートルの盛り土が売り場棟下の地盤では実施されていなかったことが9日、発覚した。12日には盛り土が行われなかった主要施設3棟の地下空洞に水がたまっていることが発覚。15日には地下空洞のさらに下部に、コンクリート製の構造物が複数整備されていたことが分かった。
この問題で石原慎太郎元都知事は13日、現職時に担当者から報告を受けていなかったとし、「だまされた」と述べた。しかし15日には在任中の平成20年5月、定例記者会見で、土壌汚染対策として地下にコンクリートの箱を埋める案に言及していたことが分かった。石原氏はこの「コンクリート箱」発言について「都庁の役人からそういう情報を聞いたから、記者会見でそういう意見があると取り次いだだけだ」と答えた。一方、当時局長級の市場責任者だった比留間英人・元市場長は「(コンクリート箱は)自分の提案ではなく、知事からの提案だった」とこれを否定。石原氏は17日、これまでの発言を修正し、「(自分が)専門家から聞き、都の幹部に検討したらどうだと言っていた」と述べた。
21日には文書で謝罪したが、今後は取材は受けないもようだ。